G検定 用語集
G検定の用語は範囲が広く、モデル名だけを覚えると評価指標、前処理、法律、ガバナンスで落としやすくなります。まず混同しやすい組み合わせを押さえてから、章ごとの定義に進みます。
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混同しやすい用語
適合率 / 再現率 / F値
適合率は、陽性と予測したもののうち実際に陽性だった割合です。
再現率は、実際の陽性をどれだけ拾えたかを見る指標で、F値は適合率と再現率の調和平均です。
見分け方: 誤検知を減らしたいのか、見逃しを減らしたいのかを問題文から読みます。
過学習 / 正則化
過学習は訓練データに適合しすぎて未知データに弱くなる現象です。
正則化は、モデルが複雑になりすぎないよう制約を加える対策です。
見分け方: 現象を聞かれているのか、抑える方法を聞かれているのかを分けます。
CNN / RNN / Transformer
CNNは画像の局所的な特徴抽出、RNNは系列データの処理でよく使われます。
Transformerは自己注意を中核にし、自然言語処理や生成AIの基盤で重要です。
見分け方: 用途だけでなく、畳み込み、再帰、自己注意という構造の違いを見ます。
フィルターバブル / エコーチェンバー
フィルターバブルは、推薦アルゴリズムなどで似た情報に囲まれる状態です。
エコーチェンバーは、同じ意見の集団内で意見が反響し強まる状態です。
見分け方: 仕組みが個人化アルゴリズム中心か、集団内の反響中心かで判断します。
教師あり学習 / 強化学習
教師あり学習は、正解ラベル付きデータを使って分類や回帰を学習します。
強化学習は、環境との相互作用と報酬をもとに行動方針を改善します。
見分け方: 正解ラベルがあるか、報酬にもとづく試行錯誤かを見ます。
汎化 / 過学習
汎化は、学習していない未知データにも適切に対応できる性質です。
過学習は、訓練データに合わせすぎて未知データで性能が落ちる状態です。
見分け方: 未知データでうまくいく話か、訓練データに寄りすぎる話かを分けます。
正則化 / ドロップアウト
正則化は、モデルの複雑さを抑えて過学習を防ぐ考え方です。
ドロップアウトは、学習時に一部のユニットを無効化して過学習を抑える手法です。
見分け方: 広い対策概念か、その一つの具体的手法かを見ます。
生成モデル / 識別モデル
生成モデルは、データの分布を学び、新しいデータを生成する方向のモデルです。
識別モデルは、入力がどのクラスに属するかなどを判定する方向のモデルです。
見分け方: 新しいデータを作る話か、入力を分類・判定する話かを確認します。
よくある質問
3件QG検定用語集は何語収録されていますか?
現在230語を10分野に分けて収録しています。
Q用語集はどう使うのが効果的ですか?
気になる用語をクリックすると、定義や関連する分野の解説ページへ移動できます。演習中に迷った用語をその場で確認する使い方もできます。
Q用語の定義はどこを根拠に作成していますか?
各資格の公式シラバス・公式試験要項の範囲内で作成しています。本試験の問題・図表の転載はしていません。
分野から用語を探す10分野
- チューリングテスト
- 機械が人間と対話し、判定者が相手を機械と見分けられなければ知能があるとみなす、行動面からの知能の判定法。
- 中国語の部屋
- 規則に従って記号を操作するだけでは意味を理解したことにならない、と論じたジョン・サールの思考実験。
- AI効果
- AIが達成した技術も仕組みが分かると『単なる自動処理で知能ではない』とみなし、成果を認めなくなる心理的傾向。
- 推論
- 既知の事実やルールから、論理的な手続きによって新たな結論を導き出す処理。第一次AIブームでは、探索と並ぶ基本的な問題解決の方法として位置づけられた。
- フレーム問題
- ある行動に関係する事柄を、起こりうる全てから絞り込んで考えることが難しいという問題。
- ダートマス会議
- 1956年に開かれた研究会合で、「人工知能(AI)」という言葉が初めて提案され、研究分野の出発点となった。
- 強いAI/弱いAI
- 人間と同じ意識や理解を持つとみなすのが強いAI、特定の作業を道具として処理するにすぎないとみなすのが弱いAI。
- 特化型AI/汎用AI
- 特化型AIは特定の課題に限って能力を発揮するAI、汎用AIは領域を限定せず幅広い課題に対応できるAI。
- 機械学習
- データからパターンや規則性を学習し、明示的なプログラムなしに予測や判断の性能を向上させる技術。
- ディープラーニング
- 多層のニューラルネットワークを用いて、データから特徴量を自動的に学習する機械学習の手法。
- ローブナーコンテスト
- チューリングテストの考え方をもとに、人間の審査員と対話して最も人間らしく受け答えできるプログラムを選ぶ形で実際に開催された競技。
- トイ・プロブレム
- 探索やアルゴリズムの考え方を説明するために使われる、現実の複雑さを取り除いて単純化した問題群の総称。ハノイの塔などが代表例。
- シンボルグラウンディング問題
- コンピュータが扱う記号(言葉や文字)を、それが実際に指し示す現実世界の意味や概念と結びつけられるかという人工知能の難問。
- 知識獲得のボトルネック
- 専門家が持つ知識を聞き出し、計算機が扱える規則の形にまとめる作業に多大な手間がかかり、エキスパートシステムの開発・保守の妨げとなる問題。
- シンギュラリティ
- 人工知能が人類の知能を超え、それ以降の技術の進歩を人間が予測できないほど急激に加速するとされる、未来の転換点を指す概念。技術的特異点とも呼ばれる。
- 身体性
- 知能や認知を脳内の情報処理だけで完結するものとせず、脳・身体・環境の相互作用を通じて成立するものとして捉える考え方。
- ジョン・マッカーシー
- 1956年のダートマス会議で「人工知能(AI)」という言葉を初めて提案した研究者。この会合が人工知能という研究分野の出発点となった。
- ロボットとAIの違い
- AIは知的な情報処理を担う「頭脳」にあたる分野で、身体を必ずしも必要としない。ロボットはセンサーやアクチュエータを持つ物理的な機械であり、両者は同一の概念ではない。
- エージェント
- 周囲の環境を認識し、目標達成に向けて自らの判断で自律的に行動する主体を指す語。
- 単純な制御プログラム
- AIの活用レベルの中で最も基礎的な段階(レベル1)。あらかじめ決められた固定的なルールに従って動作し、センサーの入力に対して単純な出力を返す。
- 古典的な人工知能
- AIの活用レベルの一段階(レベル2)。探索・推論やエキスパートシステムを用い、人間が定義した知識やルールに基づいて複雑な判断を行う。
- 探索(幅優先・深さ優先)
- 考えられる選択肢を順にたどって解への道筋を見つける手法。第一次AIブームの中心。
- エキスパートシステム
- 専門家の知識をルール化して問題解決を行う仕組み。第二次AIブームの中心。
- 生成AI
- 文章・画像・音声などのデータを新たに作り出すAI。大規模言語モデルや拡散モデルなどが用いられる。
- 特徴量
- 予測や分類の手がかりとして、データから抽出した個々の測定可能な性質や特性。
- イライザ(ELIZA)
- 入力文の単語やパターンに反応して定型的な応答を返し、あたかも人間のカウンセラーと会話しているかのような印象を与えた初期の対話プログラム。
- マイシン(MYCIN)
- 専門家の知識をif-then形式の規則として蓄え、感染症の診断と抗生物質の選択を支援した初期の代表的なエキスパートシステム。
- 意味ネットワーク
- 概念をノード、概念どうしの関係をリンクとして表し、知識を結びつけて表現する知識表現の枠組み。
- オントロジー
- 対象領域に存在する概念や属性、概念間の関係を体系的に定義し、知識の共有や再利用をしやすくする考え方。
- データマイニング
- 大量に蓄積されたデータの中から、それまで気づかれていなかった有用な規則性や傾向、関連性を見つけ出すこと全般を指す用語。
- アルファ碁(AlphaGo)
- Google DeepMindが開発した囲碁AI。2016年3月に韓国ソウルでLee Sedolとの五番勝負に4勝1敗で勝利した。
- 幅優先探索
- 探索木で出発点に近い深さのノードから順にすべて調べてから次の深さへ進む探索方法。最短経路を必ず発見できる一方、調べる途中のノードを多く記憶する必要がありメモリ消費が大きい。
- 深さ優先探索
- 探索木で一つの経路を行き止まりまで深くたどってから後戻りし、別の経路を調べる探索方法。幅優先探索より記憶する情報は少なくて済む一方、最短経路の発見は保証されない。
- ハノイの塔
- 大きさの異なる複数の円盤を3本の棒の間で移し、大きな円盤を小さな円盤の上に置かないという制約のもとで全円盤の移動手順を求める、探索の考え方を説明する際によく使われる代表的なトイ・プロブレム。
- ブルートフォース(力任せ探索)
- ゴールまでの見積もりコストなどの手がかりを使わず、考えられるすべての可能性をしらみつぶしに調べていく探索方法。
- Mini-Max法
- 二人零和ゲームのゲーム木で、自分の手番では評価値が最大になる手を、相手の手番では評価値が最小になる手を選ぶと仮定し、双方が最善を尽くした場合の結果から現在の最善手を決める考え方。
- αβ法
- Mini-Max法によるゲーム木探索で、それ以上調べても最終的な評価が変わらないと判断できる枝の探索を打ち切り、同じ結論をより少ない計算量で導く枝刈りの手法。アルファ・ベータ法とも呼ばれる。
- モンテカルロ法
- ある局面から先の手をランダムに何度も終局までシミュレーション(プレイアウト)し、その勝敗の統計から手の有望さを評価する手法。
- SHRDLU
- 『積み木の世界』と呼ばれる単純化された仮想空間を対象に、英語で与えられた指示文を解釈して指定された積み木を操作する、初期の自然言語理解研究で注目された対話システム。
- DENDRAL
- 化学物質の質量分析データと専門家の知識を用いて分子構造の候補を絞り込むことを支援した、化学分野のエキスパートシステム。
- Cycプロジェクト
- 人間が意識せず使っている一般常識を大規模な知識ベースとして規則の形で蓄積し、推論に利用できるようにすることを目指した取り組み。特定分野の知識に限定するエキスパートシステムとは対象の広さが異なる。
- is-a関係
- 『ネコは哺乳類である』のように、ある概念がより上位の概念に包含され、その性質を引き継ぐことを表す関係。意味ネットワークなどの知識表現で使われる基本的な関係の一つで、全体と部分の関係を表すpart-of関係とは区別される。
- part-of関係
- 『タイヤは自動車の一部である』のように、全体と部分の関係を表す知識表現上の関係。上位概念への包含と性質の継承を表すis-a関係とは異なる。
- 東ロボくん
- 大学入試の突破を目標に掲げて進められた日本の人工知能プロジェクト。
- サポートベクターマシン(SVM)
- クラス間のマージン(余白)を最大化する境界でデータを分類する教師あり学習の手法。
- 決定木/ランダムフォレスト
- 条件分岐で予測する決定木と、多数の決定木を組み合わせて精度を高めるランダムフォレスト。
- 適合率・再現率・F値
- 分類モデルの評価指標。適合率と再現率はトレードオフの関係にあり、その調和平均がF値。
- 教師あり学習/教師なし学習
- 教師あり学習は正解ラベル付きデータで学ぶ方法、教師なし学習は正解なしでデータの構造やまとまりを見つける方法。
- 過学習(オーバーフィッティング)
- モデルが訓練データに適合しすぎて、未知のデータに対する性能(汎化性能)が下がってしまう状態。
- 強化学習
- 試行錯誤で得られる報酬が大きくなるように、エージェントが行動の方針を学習していく機械学習の枠組み。
- 交差検証(クロスバリデーション)
- データを分割し、学習と評価を入れ替えながら繰り返して、モデルの性能をより安定して見積もる方法。
- 混同行列
- 予測結果と実際の値を、真陽性・偽陽性・真陰性・偽陰性の4区分で整理した表。正解率・適合率・再現率などの評価指標を計算する土台になる。
- 正解率
- 全予測のうち正しく分類できた割合を示す評価指標。クラスの数に偏り(不均衡)があると実態を見誤りやすい。
- ROC曲線
- 分類のしきい値を変えながら、真陽性率と偽陽性率の関係をプロットした曲線。分類性能を視覚的に比較するのに使う。
- AUC
- ROC曲線の下側の面積。1に近いほど分類性能が高いことを示す指標。
- クラスタリング
- 正解ラベルなしのデータを、類似する性質を持つ集団(クラスタ)に分ける教師なし学習の手法。
- 次元削減
- 多数の変数を持つデータを、情報をできるだけ保ちながらより少ない次元へ圧縮する手法。
- 線形回帰
- 説明変数から連続値の目的変数を、直線的な関係式で予測する回帰分析の基本となる教師あり学習の手法。
- ロジスティック回帰
- 回帰の考え方をもとに出力をシグモイド関数で0〜1の確率へ変換し、主に二値分類に用いる教師あり学習の手法。
- ランダムフォレスト
- 決定木ごとに用いるデータや特徴量の一部をランダムに選んで多数の決定木を作り、その予測を多数決や平均で統合するアンサンブル学習の手法。
- k-means法
- あらかじめ定めたクラスタ数kに向け、各データを重心との距離をもとにグループ分けする教師なし学習のクラスタリング手法。
- 主成分分析(PCA)
- データの分散が最大となる新たな軸を見つけ、情報の損失を抑えながら少ない変数で表現し直す教師なし学習の次元削減手法。
- アンサンブル学習
- 単一のモデルではなく複数のモデルを組み合わせ、それぞれの予測を統合することで精度を高める学習の枠組み。
- バギング
- 元のデータから重複を許してランダムに抽出した複数のデータセットで学習器を並列に作り、多数決や平均で予測をまとめる手法。
- ブースティング
- 複数の学習器を一つずつ順番に作り、前の学習器が残した誤差を次の学習器が補正しながら精度を高めていく手法。
- 勾配ブースティング
- 前の学習器が残した誤差を、勾配降下の考え方で次の学習器が順番に補正していく、ブースティングの代表的な手法。
- L1正則化/L2正則化
- L1(ラッソ)は係数を0にして変数選択も兼ね、L2(リッジ)は係数を小さく抑えて過学習を防ぐ。
- 誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)
- 出力の誤差を逆向きに伝えて各重みの勾配を求め、ネットワークを学習させる手法。
- 勾配消失問題
- 層が深いと逆伝播で勾配が小さくなり学習が進まなくなる問題。ReLUなどで緩和する。
- 活性化関数(ReLU等)
- ニューロンの出力を非線形に変換する関数。ReLUは勾配消失を抑え広く使われる。
- シグモイド関数
- 出力を0から1の範囲に収める活性化関数。出力を確率のように解釈できるため2値分類の出力層などで使われる一方、入力の絶対値が大きい領域で勾配がほぼ0になり学習が進みにくい勾配消失問題を起こしやすい。
- tanh関数
- 出力を-1から1の範囲に収める活性化関数。シグモイド関数を原点中心の形にしたもので出力の平均が0に近づきやすいが、入力の絶対値が大きい領域で勾配が小さくなる点はシグモイド関数と同様に残る。
- ソフトマックス関数
- 複数の出力値を0から1の範囲に収め、全出力の合計が1になるように変換する活性化関数。多クラス分類の出力層で、各クラスに属する確率の分布として結果を解釈するために使われる。
- 重み
- ニューロン間の結合の強さを表すパラメータ。誤差逆伝播法によって値が更新され、モデルが入力のどの要素を重視するかを決める。
- 学習率
- 勾配降下法で重みを更新する一回あたりの歩幅を決めるハイパーパラメータ。大きすぎると学習が発散し、小さすぎると収束に時間がかかる。
- エポック
- 訓練データ全体を1回すべて学習に使い切った単位。モデルの学習は通常このエポックを複数回繰り返して進める。
- イテレーション
- パラメータを1回更新する処理の単位。ミニバッチ学習では1回のイテレーションで1つのミニバッチ分のデータを使ってパラメータを更新し、これを繰り返して1エポックを構成する。
- ハイパーパラメータ
- 学習率やエポック数のように、学習によって自動的には決まらず、モデルを訓練する前に人が設定する値の総称。どの値が最適かはグリッドサーチやランダムサーチのような探索で決めることが多い。
- グリッドサーチ
- ハイパーパラメータの候補値をあらかじめ格子状に指定し、すべての組み合わせを総当たりで試して最も性能の良い組み合わせを探す手法。
- ランダムサーチ
- ハイパーパラメータの候補値の範囲からランダムに組み合わせを選んで試す手法。すべての組み合わせを試すグリッドサーチより少ない試行回数で良い組み合わせを見つけやすい。
- モーメンタム
- 勾配降下法において、直前までの更新方向(慣性)を加味してパラメータを更新する手法。振動を抑えて局所的な凹凸に影響されにくくし、収束を速める効果がある。
- AdaGrad
- パラメータごとに、それまでの勾配の大きさの累積に応じて学習率を自動的に調整する最適化手法。更新頻度の低いパラメータの学習率を相対的に大きくする。
- RMSprop
- AdaGradで学習が進むにつれ学習率が下がりすぎる問題を、勾配の累積を指数移動平均に置き換えて緩和した最適化手法。
- ミニバッチ学習
- 訓練データを少数ずつのまとまり(ミニバッチ)に分け、その単位ごとにパラメータを更新していく学習方式。データ全体を使うバッチ学習より計算負荷が軽く、1件ずつ使う手法より更新が安定しやすい。
- 事前学習
- 大量のデータを使ってモデルにあらかじめ汎用的な特徴やパターンを学習させる工程。個別のタスクへの適応は、その後のファインチューニングで行う。
- 入力層
- ニューラルネットワークで外部から与えられたデータを最初に受け取る層。ニューロンの数は入力データの特徴量の数に対応する。
- 隠れ層
- 入力層と出力層の間に位置し、活性化関数で非線形変換を行いながら特徴を段階的に抽出する層。中間層とも呼ぶ。
- 出力層
- ネットワークでの計算結果を、最終的な予測値やクラスごとの確率として出力する最後の層。
- 勾配降下法
- 損失関数の勾配(傾き)をたどり、損失が小さくなる方向へ少しずつ重みを更新していく最適化の手法。
- ドロップアウト
- 学習時に一部のニューロンをランダムに無効化し、過学習を抑えてモデルの汎化性能を高める手法。
- 正則化
- モデルの重みに制約を加えて複雑になりすぎるのを防ぎ、過学習を抑える手法の総称。L1正則化・L2正則化はその代表的な具体例。
- 単純パーセプトロン
- 中間層(隠れ層)を持たず、入力層と出力層のみで構成されるパーセプトロン。線形分離可能な問題しか解くことができない。
- 多層パーセプトロン
- 入力層・出力層に加えて中間層(隠れ層)を1つ以上持つパーセプトロン。活性化関数による非線形変換により、線形分離不可能な問題も扱える。
- 畳み込みニューラルネットワーク(CNN)
- 畳み込み層とプーリング層で画像などの特徴を抽出するネットワーク。
- LSTM/GRU
- RNNを改良し長い系列でも情報を保持しやすくしたモデル。LSTMは3ゲート、GRUは2ゲートに簡略化。
- Adam(最適化手法)
- 慣性(モメンタム)とパラメータごとの適応学習率を兼ね備えた、広く使われる最適化手法。
- 拡散モデル(Diffusion Model)
- データにノイズを加える過程を逆にたどり、ノイズから画像などを生成する生成モデル。
- 全結合層
- 畳み込み層やプーリング層が抽出した特徴を統合し、最終的な分類などの出力につなげる層。全ノードが次の層の全ノードと結合し、ネットワークの終盤に置かれることが多い。
- 畳み込み層
- フィルタ(カーネル)と呼ばれる小さな重みの窓を入力データ上で移動させながら適用し、エッジや模様などの局所的な特徴を抽出する層。
- プーリング層
- 特徴マップを一定領域ごとに集約してダウンサンプリング(縮小)し、対象の位置が多少ずれても同じ特徴として検出できる位置不変性を高める層。
- カーネル
- 畳み込み層で入力データの局所領域に適用され、エッジなどの特徴を抽出するために使う小さな重みの行列。フィルタとも呼ぶ。
- ストライド
- 畳み込みでフィルタ(カーネル)を入力データ上でずらす際の1回あたりの移動幅。値を大きくすると出力される特徴マップのサイズが小さくなる。
- パディング
- 畳み込みの前に入力データの周囲へ値(多くは0)を追加する処理。出力される特徴マップが小さくなりすぎるのを防ぎ、入力の端の情報も扱えるようにする。
- リカレントニューラルネットワーク(RNN)
- ある時刻の中間層の状態を次の時刻の入力として再び取り込む再帰構造を持ち、文章や音声のような前後関係のある系列データを扱うのに適したネットワーク。
- 双方向RNN(Bidirectional RNN)
- 系列を前方向と後方向の両方から処理し、ある時点の前後両方の文脈を利用できるようにした再帰型ニューラルネットワーク。
- 時系列データ
- 時間の経過に沿って観測された値が並ぶデータ。前後の値に関連があることが多く、RNNなど系列を扱うモデルの主な対象となる。
- BPTT
- RNNを時間方向に展開し、系列の各時刻における誤差を過去の時刻へ伝播させて重みを更新する学習方法(Backpropagation Through Time)。
- データ拡張
- 反転や回転などの変換を加えて学習データを人工的に水増しし、データ量やバリエーションを増やす手法。データオーグメンテーションとも呼ぶ。
- スキップ結合
- いくつかの層を飛び越えて入力を先の層の出力に直接加える接続。勾配消失を緩和し、ResNetなど非常に深いネットワークの学習を可能にした。残差接続とも呼ぶ。
- Encoder-Decoder
- 入力系列をいったん固定長のベクトルへ符号化し、それを復号して別の系列を生成する構造。seq2seqなど機械翻訳に使われるモデルの基本形。
- Transformer
- 自己注意機構で系列内の単語間の関係を並列に捉える深層学習モデル。BERTやGPTなど大規模言語モデルの基盤。
- 転移学習
- ある課題で学習済みのモデルを別の関連する課題に応用し、少ないデータで効率よく学習させる手法。
- Attention(注意機構)
- 系列データで、各要素が他のどの要素に注目すべきかを重み付けして関係を捉える仕組み。Transformerの中核。
- Self-Attention
- 同じ系列内の要素どうしを互いに関連づけて重み付けする、Attention(注意機構)の一種。Transformerのエンコーダ・デコーダ内部で使われ、離れた位置の要素間の関係も並列に捉えられる。
- 位置エンコーディング
- Transformerが系列を並列処理するために失われがちな単語の並び順の情報を、入力の埋め込みベクトルへ加えて補う仕組み。RNNのように1つずつ逐次処理しなくても順序を扱えるようにする。
- 変分オートエンコーダ(VAE)
- エンコーダで入力データを確率分布として潜在空間へ圧縮し、デコーダでそこから元データに近いデータを復元する生成モデル。GAN(敵対的生成ネットワーク)のような敵対的学習ではなく、再構成誤差と分布の近さを基準に学習する。
- ファインチューニング
- 事前学習済みモデルの重みを、新しいタスクやデータセットに合わせて追加の学習で調整する手法。転移学習を実現する具体的な方法の一つで、モデル全体または一部の層のパラメータを更新する。
- GAN(敵対的生成ネットワーク)
- 生成器と識別器を競わせて学習させ、本物らしいデータを生成できるようにする生成モデル。
- 画像認識
- 画像に写っている物体や情景が何であるかをコンピュータに判別させる技術・応用分野。AlexNet・VGG・ResNetなど個々のモデルは、この画像認識を実現するための具体的な手法にあたる。
- 自然言語処理
- 人間が日常的に使う言語をコンピュータに処理・理解させる技術・応用分野。形態素解析・word2vec・BERTなど個々の技術は、この自然言語処理を実現するための具体的な手法にあたる。
- 音声認識
- 人が話した音声を文字(テキスト)に変換する技術。文字から音声を作り出す音声合成とは入出力の向きが逆の関係にある。
- 音声合成
- 文字(テキスト)から人の話し声に近い音声を作り出す技術。WaveNetは自然な音声波形を生成する代表的な音声合成モデルの一つ。
- 隠れマルコフモデル
- 直接観測できない状態(隠れ状態)が時間とともに確率的に遷移し、その状態に応じて観測値が生成されると仮定する統計モデル。音声認識など時系列データの認識に古くから使われてきた。
- WaveNet
- 音声の波形を1サンプルずつ直接生成する深層学習モデル。従来より自然な音声を合成できる手法として音声合成に使われる。
- メル周波数ケプストラム係数
- 人の聴覚特性に合わせて音声の周波数特性を変換し、少数の係数で表した特徴量。音声認識などで、音声波形からモデルへの入力に使う特徴抽出の代表的な手法。
- DQN
- 強化学習の代表的な手法であるQ学習に、ディープラーニングを組み合わせた深層強化学習の手法。行動の価値を表すQ値をニューラルネットワークで近似する。
- 物体検出(R-CNN/YOLO)
- 画像中の物体の位置と種類を検出するタスク。R-CNN系やYOLOが代表的。
- セマンティックセグメンテーション
- 画像を画素単位で分類し、同じクラスの領域を塗り分けるタスク。
- BERT/GPT
- Transformerベースの言語モデル。BERTは前後両方向、GPTは一方向(自己回帰)で学習する。
- 基盤モデル(Foundation Model)
- 大量データで事前学習し、多様なタスクに応用できる大規模なモデルの総称。
- AlexNet
- 画像認識の国際コンペティションILSVRCで、ディープラーニングを用いた手法が従来の機械学習を大差で上回る成績を初めて示し、第三次AIブームを決定づけた畳み込みニューラルネットワークのモデル。
- VGG
- 非常に小さい3×3の畳み込みフィルタを用い、重み層を16層から19層まで深くした構成を評価した画像認識モデル。
- GoogLeNet
- サイズの異なる複数の畳み込みフィルタやプーリングを同じ入力に並列に適用し、その出力を結合するInception構造を採用した画像認識モデル。
- ResNet
- スキップ結合(残差接続)によって入力を後段の層へ加算し、層を深くしても学習が崩れないようにした画像認識モデル。
- Fast R-CNN
- R-CNNの改良版。画像全体を一度だけ畳み込んで特徴マップを作り、そこから各領域候補の特徴をまとめて取り出すことで処理を高速化した物体検出手法。
- Faster R-CNN
- 領域提案ネットワークを備え、候補領域を抽出したのち分類・位置調整を行う、二段階方式の物体検出手法。
- SSD
- 領域候補を絞り込む段階を設けず、さまざまな大きさ・縦横比のデフォルトボックスを使って一度の処理で物体の位置と種類を検出する、一段階方式の物体検出手法。
- インスタンスセグメンテーション
- 画素単位でクラスを割り当てる点はセマンティックセグメンテーションと同じだが、同じクラスの物体でも個体ごとに区別して塗り分けるタスク。
- FCN
- 全結合層を畳み込み層に置き換えることで、画素単位でクラスを割り当てる領域分け(セグメンテーション)を行うモデル。
- U-Net
- 特徴を抽出する収縮経路と解像度を元へ戻す拡大経路を左右対称に配置し、対応する層どうしをスキップ結合で直接つないで画素単位の領域分けを出力する、医用画像などで広く用いられるモデル。
- Mask R-CNN
- 物体検出に、物体ごとの領域を画素単位で塗り分けるマスク出力を加えた、インスタンスセグメンテーションの手法。
- Vision Transformer
- 画像を小さなパッチに分割して系列として扱い、自然言語処理で成果を上げた自己注意(Self-Attention)の仕組みを画像認識に応用したモデル。
- 形態素解析
- 文を意味を持つ最小の単位(形態素、おおむね単語に相当)に分割し、品詞などを判定する処理。日本語の自然言語処理の基礎となる。
- word2vec
- 単語を固定長の実数ベクトル(分散表現)に変換し、ベクトルの加減算によって単語間の意味的な関係を表せるようにした代表的な手法。
- ELMo
- 同じ単語でも文中の前後の文脈に応じて異なるベクトル表現が得られるようにした、文脈を考慮した分散表現の手法。word2vecのような静的な手法とは異なる。
- Seq2Seq
- 入力した系列をいったん固定長のベクトルに符号化し、それを復号して別の系列を生成するEncoder-Decoder型のモデル。機械翻訳などに用いられる。
- 機械翻訳
- ある言語で書かれた文章を、別の言語の文章に変換するタスク。seq2seqなどのEncoder-Decoder型モデルで実現される。
- 説明可能AI(XAI)
- AIがなぜその結論を出したのかを人間が理解できる形で示そうとする技術・研究分野。
- 大規模言語モデル(LLM)
- 膨大なテキストで事前学習した大規模なモデルで、文章生成や質問応答など幅広い言語タスクをこなす。
- ハルシネーション
- 生成AIが、事実と異なるもっともらしい内容を、正しいかのように出力してしまう現象。
- CRISP-DM
- データ分析プロジェクトを段階的に進めるための標準的な手順の枠組み。
- データリーケージ
- 学習・評価データに本来使えない正解情報が混入し、性能を過大評価してしまう事故。
- アノテーション
- 教師あり学習で使うデータの一つひとつに、正解となるラベルやタグを付与していく作業。
- PoC
- 本格的な開発投資に入る前に、想定した手法で目的を達成できそうかを小規模な試作・実験で確かめる取り組み。概念実証とも呼ばれる。
- BPR
- 既存の手順を部分的に改善するのではなく、業務の流れ自体を抜本的に作り直す経営手法。
- データサイエンティスト
- 統計や機械学習の知識を用いてデータを分析し、ビジネス課題の解決や価値創出を担う専門人材。
- クラウド
- 計算資源をネットワーク越しに利用する形態。
- 正規分布
- 平均を中心に左右対称の釣鐘型をなし、平均と標準偏差の2つで形が定まる確率分布。
- 期待値
- 確率変数がとりうる値を、その確率で重みづけして平均した値。分布の中心的な位置を表す。
- 標準偏差
- データや確率分布のばらつきの大きさを表す指標。分散の平方根として計算する。
- 条件付き確率
- ある事象が起きたという条件のもとで、別の事象が起きる確率。機械学習のモデルが出力する確率の解釈でも用いられる。
- コサイン類似度
- 2つのベクトルの向き(角度)の近さを測る指標。ベクトルの大きさの違いを無視して計算される。
- ユークリッド距離
- 2点間を直線で結んだときの最短距離を測る指標。
- マハラノビス距離
- データの相関やばらつき方(共分散)を考慮して2点間の近さを測る指標。単純な直線距離とは異なりデータの分布に応じて値が変わる。
- ベルヌーイ分布
- 成功か失敗かという2択の結果を持つ、1回だけの試行についての確率分布。同じ条件でn回繰り返すと二項分布になる。
- ポアソン分布
- 一定期間・一定区間に稀な事象が発生する回数が従う確率分布。平均発生回数のみによって形が決まる。
- 最小二乗法
- 実際のデータとモデルによる予測値との誤差(残差)の二乗和が最小になるようにパラメータを決める推定方法。
- 最尤法
- 観測されたデータが得られる確率(尤度)が最大になるようにパラメータを決める推定方法。
- 度数分布
- データをいくつかの階級(区間)に分け、各階級に含まれるデータの個数(度数)を示したもの。
- 確率密度(関数)
- 連続型の確率変数の分布を表す関数。度数分布表の階級幅を限りなく細かくしたときに相対度数のグラフが近づく、理論上の分布にあたる。
- 外れ値
- 他の値から大きく外れた値。測定ミス等による異常値とは概念上異なるが、実用上は明確に区別できないことも多い。
- 相互情報量
- 2つの確率変数がどれだけ互いに依存しているかを表す尺度。
- 対立仮説
- 統計的仮説検定で、帰無仮説が棄却されたときに採択される、主張したい内容を表す仮説。
- 平均
- 観測したデータの値をすべて足し合わせ、個数で割って求める代表値。理論上の確率分布から定まる期待値とは異なり、手元の実測データから直接計算する点に特徴がある。
- 分散
- 各データが平均からどれだけ離れているかを、その差を2乗してから平均して求めるばらつきの指標。2乗した分だけ元データより単位が大きくなるため、平方根を取った標準偏差が単位をそろえた指標として使われる。
- 微分
- ある関数への入力をごくわずかに変化させたときに、出力がどのくらい変化するか(傾き)を求める操作。ディープラーニングでは、損失を小さくする方向を求める勾配降下法の計算の基礎になる。
- 確率分布
- 確率変数がとる値ごとに、その値が現れる確率を対応づけたもの。対応の形の違いによって正規分布やベルヌーイ分布など複数の種類に分かれる。
- 確率変数
- 試行の結果に応じて値が定まる変数。とる値が離散的な離散型と連続的な連続型に分かれ、値と確率との対応関係が確率分布として表される。
- 帰無仮説
- 統計的仮説検定において、まず正しいと仮定したうえで棄却できるかどうかを検証する仮説。多くは『差はない』のように主張したい内容を否定する形で立てられ、棄却されると対立仮説が採択される。
- 共分散
- 2つの変数それぞれの平均からの偏差の積を合計し、標本サイズから1を引いた値で割って求める指標。同じ方向に動けば正、逆方向に動けば負の値をとるが、値の大きさは元データの単位に左右される。
- 相関係数
- 直線的な関係の強さと向きを、-1から1の範囲の値で表す指標。共分散を2つの変数それぞれの標準偏差の積で割って求め、単位に依存しないため異なる尺度のデータ同士でも関係の強さを比較できる。
- 疑似相関
- 2つの変数の間に相関係数上の関係が見られても、両者に直接の因果関係はなく、第三の要因(交絡因子)が両方に影響しているために生じる見せかけの相関。相関係数の値自体はこの現象を区別しない。
- 二項分布
- 同じ条件の試行をn回繰り返したとき、成功する回数が従う確率分布。1回の試行についての確率分布であるベルヌーイ分布を、n回分積み重ねたものにあたる。
- GDPR(EU一般データ保護規則)
- EUの個人データ保護を包括的に定める規則。アクセス権・消去権・データポータビリティ権などを認める。
- 個人データ
- 個人情報保護法上の用語で、個人情報を含む情報の集合物のうち、特定の個人情報をコンピュータ等で検索できるよう体系的に構成したものを指す。個人情報保護法自体(義務を定める法律本体)や、より広い「個人情報」(体系化前の単発の情報も含む)とは指す範囲が異なる。
- 著作権法第30条の4
- 著作物を人に享受させることを目的としない利用(情報解析など)を、一定条件で許諾なく認める規定。
- 著作物
- 思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸・学術・美術・音楽の範囲に属するもの。著作権法が保護する対象そのものを指す基礎概念で、AI学習での利用可否を定める著作権法第30条の4は、この著作物の取り扱いに関する例外規定にあたる。
- 営業秘密/限定提供データ
- 不正競争防止法で保護される情報。限定提供データは営業秘密と異なり秘密管理性が要件ではない。
- 不正競争防止法
- 事業者間の公正な競争を確保するための法律。営業秘密・限定提供データの保護はこの法律が規制する行為類型の一つに過ぎず、他にも周知な商品表示と混同させる行為や、商品の原産地・品質を誤認させる表示など幅広い不正競争行為を対象とする。
- 個人情報保護法
- 個人情報の適正な取り扱いを事業者に義務づける日本の法律。本人の開示・訂正・利用停止請求などを定める。
- 特許法(発明・新規性・進歩性)
- 自然法則を利用した技術的なアイデア(発明)を保護する法律。特許を受けるには、それまでに世の中になかったこと(新規性)と、容易に思いつけないこと(進歩性)が求められる。
- AI開発委託契約
- 発注者が、AI(人工知能)モデルやシステムの開発をベンダー(受注者)に委託する際に締結する契約。学習用データセットの取り扱いや、成果物である学習済みモデルの権利帰属・利用条件、役割分担などが主な論点になる。
- NDA
- 取引や協業に際して開示する技術情報・営業情報などの秘密情報について、目的外に使用したり第三者に開示したりしないことを当事者間で取り決める契約。秘密保持契約とも呼ばれる。
- 請負契約
- 受注者が仕事の完成を約束し、発注者がその成果物に対して報酬を支払う契約類型。成果物を完成させる責任を負う点が特徴。
- 準委任契約
- 受注者が特定の事務の遂行を約束する契約類型。請負契約と異なり、成果物の完成そのものを約束するものではない。
- 精度保証
- AI(人工知能)モデルの予測・分類などの性能について、一定の水準を満たすことを契約上で約束すること。AIの性能はデータや利用環境に左右されて変動しうるため、どこまで保証するかが契約上の論点になる。
- 保守契約
- システムやサービスの提供開始後、稼働状況の監視・不具合対応・更新作業などを継続的に行うことを取り決める契約。
- AIサービス提供契約
- 開発済みのAI(人工知能)モデルやシステムを、サービスとして利用者に提供する際に締結する契約。利用条件や責任の範囲などを定める。
- SaaS
- ソフトウェアを手元の機器にインストールせず、インターネット経由でサービスとして利用できるようにする提供形態。「Software as a Service」の略。
- データ利用権
- データを誰がどのような範囲で利用できるかについて、契約であらかじめ取り決めた権利。AI開発やデータ提供に関する契約では、この利用範囲を明確にすることが主な論点の一つになる。
- 利用規約
- サービスの提供者が、利用者との間の権利義務関係やサービスを利用する際の条件をあらかじめ定めた規則。
- 個人情報
- 生存する個人に関する情報のうち、氏名・生年月日など特定の個人を識別できる記述や個人識別符号を含むもの。これを事業者が検索できるよう体系的に構成したものが個人データ、その中でも開示等の請求に応じられるものが保有個人データにあたる。
- 個人識別符号
- 指紋認証・顔認証データのように身体の特徴をデータに変換したものや、旅券番号・マイナンバー・運転免許証番号のように個人ごとに割り当てられる番号など、それ単体で特定の個人を識別できるものとして政令で定められた符号。これを含む情報は個人情報にあたる。
- 要配慮個人情報
- 人種・信条・病歴・犯罪の経歴など、取扱いによって本人に不当な差別や偏見が生じるおそれのある情報。取得や第三者提供に原則として本人の同意が必要で、本人への通知等で足りるオプトアウトによる第三者提供も認められない。
- 仮名加工情報
- 個人情報を、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できない程度に加工した情報。事業者内部での分析等での利用が前提とされ、第三者への提供は原則として禁止される。
- 匿名加工情報
- 個人情報を、特定の個人を識別できず元の情報も復元できないように加工した情報。所定の措置を講じれば、本人の同意を得ずに第三者提供したり、当初の利用目的を超えて利用したりできる。
- 保有個人データ
- 事業者が開示・訂正・利用停止等の請求に応じる権限を持つ個人データ。単体で本人を識別する個人識別符号や、より広い個人情報とは指す範囲が異なる。
- 第三者提供
- 個人データを本人以外の第三者へ渡すこと。個人情報保護法は原則として本人の同意を必要とするが、あらかじめ本人へ通知等したうえで本人が求めれば停止することを条件に、同意なく提供できる『オプトアウト』という例外も認めている。
- 知的財産権
- 発明・著作物・営業秘密など、人の創作活動や事業活動から生まれる無体の成果を保護する権利の総称。特許権は特許法、著作権は著作権法、営業秘密・限定提供データは不正競争防止法というように、対象ごとに異なる法律で保護される。
- 著作権
- 著作物が創作された時点で、出願や登録の手続を経ずに発生する権利。特許権が出願・審査・登録という手続を経て発明者等に付与されるのとは、発生の仕組みが異なる。
- 著作権侵害
- 権利者の許諾なく著作物を利用し、著作権を侵す行為。著作権法第30条の4のように、情報解析目的の利用など一定の要件を満たす利用は、権利制限規定により許諾なく行っても著作権侵害にはあたらない。
- AI生成物
- AIが生成した文章・画像などの生成物。日本の著作権法の考え方では、人間の創作的な関与がなくAIが自動的に生成しただけの生成物は、著作物として保護されにくいと考えられている。
- 創作性
- 思想または感情が、作成者の個性が表れる形で創作的に表現されていること。著作権法が保護する著作物に該当するための要件で、発明が特許を受けるための要件である新規性・進歩性とは対象とする法律も概念も異なる。
- 職務発明
- 従業者が職務上行った発明。契約や勤務規則等であらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めていた場合、その権利は発生時から使用者等に帰属するが、発明者である従業者は相当の金銭その他の経済上の利益を受ける権利を持つ。
- 特許権
- 発明が新規性・進歩性等の特許要件を満たし、出願・審査・登録という手続を経た場合に、発明者または特許を受ける権利を取得した者に与えられる、一定期間その発明を独占的に実施できる権利。
- 公平性
- AIの判断や処理が、性別・人種などの属性によって不当に偏らないことを求めるAI社会原則の一つ。データバイアス・アルゴリズムバイアスは、この公平性を損なう具体的な原因にあたる。
- プライバシー
- 個人に関する情報が、本人の意思に反してみだりに収集・利用・開示されないという利益・権利。AI社会原則の一つとして位置づけられ、プライバシー・バイ・デザイン(設計段階から保護を組み込む考え方)はこの原則を実現する具体的な手法にあたる。
- プライバシー・バイ・デザイン
- システムの設計・開発段階からあらかじめプライバシー保護の取り組みを組み込む考え方。個人情報の漏えいや不適切な扱いが起きてから対処する事後的な発想ではなく、起こりうる問題を先読みして仕組みへ反映する予防的・事前的なアプローチを核とする。
- データバイアス/アルゴリズムバイアス
- 学習データに含まれる偏りに起因するのがデータバイアス、アルゴリズム設計に起因するのがアルゴリズムバイアス。
- フィルターバブル/エコーチェンバー
- アルゴリズムの個人化で似た情報に囲まれるのがフィルターバブル、同じ意見が集団内で増幅するのがエコーチェンバー。
- 人間中心のAI社会原則
- 人間中心・公平性・透明性・説明責任など、AIを社会で活用する際の基本的な原則。
- EU AI Act
- リスクの度合いに応じて規制を変える(リスクベースアプローチ)、EUの包括的なAI規制法。
- トロッコ問題
- 犠牲を避けられない状況でどの選択が倫理的かを問う思考実験。AIの倫理的判断の例として取り上げられる。
- AI倫理
- AIの開発・利用に伴って何が望ましいかを検討する考え方の総称。公平性・透明性・プライバシーといった原則、トロッコ問題のような判断のジレンマ、技術的失業や自律型致死兵器など社会への影響まで扱う。人間中心のAI社会原則は、これを具体化した日本の基本方針の一つにあたる。
- 透明性
- AIがどのようなデータを使い、どのような仕組みで結論に至ったのかを、利用者や社会の側から把握・検証できる状態に保つべきだとする考え方。判断結果の偏りを問題にする公平性とは異なり、判断過程を外部から確認できるかどうかに焦点を当てる。
- ディープフェイク
- 深層学習や敵対的生成ネットワーク(GAN)などを用いて、実在の人物が実際にはしていない発言や動作をしているかのような偽の映像・音声を作り出す技術。虚偽の情報そのものを指すフェイクニュースとは異なり、特定の合成技術や生成物を指す語。
- フェイクニュース
- 事実に基づかない虚偽の情報やニュースそのものを指す語。人物の映像・音声を合成する技術であるディープフェイクや、似た意見が反響し増幅するエコーチェンバーとは、内容そのものか、生成技術か、拡散の仕組みかという点で区別する。
- Adversarial Attack(Adversarial Examples)
- 画像などの入力データに人間にはほとんど気づけないわずかな変化を意図的に加え、AIモデルに誤った認識をさせる攻撃・入力。生成器と識別器を競わせて学習するGAN(敵対的生成ネットワーク)とは異なり、既存のAIモデルを欺くための入力の加工を指す。
- AIガバナンス
- AI倫理で示された原則を、組織や社会の中で実際に機能させるための統治の仕組み。アジャイル・ガバナンスによる継続的な見直しや、リスクベースアプローチによる対策の強弱の使い分けなど、ルールの運用面を扱う。
- リスクベースアプローチ
- AIの用途や想定される影響の大きさに応じて、禁止・厳格な管理・比較的軽い対応など、対策の強さの段階を変える考え方。ルールを継続的に見直すアジャイル・ガバナンスとは異なり、影響度に応じた強弱の割り当てに焦点を当てる。EU AI Actはこの考え方を採用した規制法の代表例。
執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)