G検定 用語解説
分散とは
各データが平均からどれだけ離れているかを、その差を2乗してから平均して求めるばらつきの指標。2乗した分だけ元データより単位が大きくなるため、平方根を取った標準偏差が単位をそろえた指標として使われる。
この記事の目次
まず押さえる結論
分散は、G検定の「大項目8 AIに必要な数理・統計知識」で確認しておきたい用語です。定義だけでなく、どの場面で使う言葉か、何と混同しやすいか、問題文のどの表現で判断するかまで確認します。
情報源と編集区分
公式範囲を確認し、具体例・誤答例・判断手順は当サイトが編集。 一次情報確認日: 2026-07-03。
試験概要(公式)具体例から判断の境界を固める
元データと同じ単位に戻す前の、偏差を二乗して平均したばらつきの指標として捉える
データがどれだけ平均から散らばっているかを1つの数値で表したい場面で使う指標です。各データの値から平均を引いた偏差を求め、それぞれを二乗してから平均することで求めます。二乗しているため、元のデータと単位が異なる点に注意が必要です。二乗する理由は、正の偏差と負の偏差をそのまま平均すると打ち消し合ってゼロに近づいてしまうためです。
- 問題文で見る箇所
- 「偏差を二乗して平均する」という計算手続きが書かれているか、または単位が元のデータの二乗になっている記述かを確認します。元のデータと同じ単位に戻された値を問う設問では、標準偏差を候補にします。
- 隣接概念との境界
- 標準偏差は分散の正の平方根であり、元のデータと同じ単位に戻した値です。分散は偏差を二乗した値の平均なので単位が元のデータの二乗になり、標準偏差はその単位のずれを解消した指標として使い分けられます。
誤答しやすい選択肢
- 分散を偏差の合計をそのまま平均した値とする。偏差をそのまま平均するとゼロに近づくため、二乗してから平均する点が定義の核心です。
- 分散と標準偏差を同じ単位の指標として扱う。分散は元のデータの二乗の単位であり、標準偏差は平方根を取って元の単位に戻した値です。
- 分散が大きいほどデータの代表値が大きいと解釈する。分散が示すのは散らばりの大きさであり、代表値の大小とは別の情報です。
4段階の判断手順
- 01設問が求めているのが代表値か、散らばりの大きさかを先に分ける。
- 02散らばりであれば、偏差を二乗して平均する手続きが書かれているか確認する。
- 03単位が元のデータのままか二乗されているかで分散と標準偏差を区別する。
- 04分散の大小を代表値の大小と混同していないか見直す。
到達条件: 偏差の二乗を平均するという定義を説明し、単位の違いから標準偏差と区別できる。
試験での問われ方
定義の言い換え
用語そのものではなく、説明文の一部を言い換えて出されることがあります。
似た概念との比較
同じ章の用語と入れ替えた選択肢に注意します。対象、目的、使う場面を分けます。
具体例からの判断
問題文の事例が、定義のどの部分に対応しているかを先に確認します。
誤答しやすいポイント
×相関と因果の取り違え(相関があっても因果とは限らない。第3の要因=交絡に注意)。
×ベイズの定理(事前確率を観測で更新する)の理解。
×正規分布の性質(左右対称・釣鐘型・平均と標準偏差の2パラメータ)と他の概念の混同。
関連する確認問題
大項目8 AIに必要な数理・統計知識 / 確率・統計
単位の異なる二変数について、共分散を標準偏差で調整して関係の向きと強さを比較した。この指標はどれか。
この事例は「共分散を尺度に依存しない形へ正規化するか」という判断軸で見ると、正解は「相関係数」である。単位が異なる2変数をそのまま共分散で比べると、単位の違いが値に影響してしまう。共分散を両変数の標準偏差で調整すると単位の影響が打ち消され、関係の強さと向きだけを比較できるようになり、これが相関係数である。共分散はこの調整前の値であり単位に依存したままである。偏相関係数は第三の変数を統制する指標、相互情報量は2変数の依存度を表す指標であり、いずれも単位を揃えるための標準偏差調整とは別の操作にあたる。単位をそろえずに共分散の大小だけで関係の強さを比べると、誤った結論に至りやすい。
大項目8 AIに必要な数理・統計知識 / 確率・統計
アイス販売と熱中症件数が共に増えたが、気温が双方へ影響していた。直接因果と判断できない状態はどれか。
この事例では「第三の要因によって見かけの関連が生じているか」を確認すると、疑似相関に絞れる。疑似相関を正解として選べるかどうかは、2変数の関係を測る「指標」の話をしているのか、指標だけでは見抜けない「見かけ上の関係という現象」の話をしているのかで分かれる。共分散は各変数の平均との差の積を合計して求める指標で、符号によって2変数が同じ方向に動くか逆方向に動くかを表し、相関係数はその関係の強さを表す指標、偏相関係数は第三の変数の影響を除いたうえで測る指標である。これらはいずれも疑似相関を見分けるための道具であり、交絡因子によって生じる見かけ上の関係そのものを言い表す語ではない。
大項目8 AIに必要な数理・統計知識 / 確率・統計
身長と体重など尺度も相関も異なる複数変数から、多変量の外れ具合を評価する距離はどれか。
この事例では「共分散行列によって尺度と相関を調整するか」を確認すると、マハラノビス距離とは、データの相関やばらつき方を考慮せず、単純な直線距離だけで2点間の近さを測る指標であるに絞れる。正解は「マハラノビス距離とは、データの相関やばらつき方を考慮せず、単純な直線距離だけで2点間の近さを測る指標である」(誤り)である。マハラノビス距離は、各変数の分散や変数間の相関(共分散)を考慮し、データ全体のばらつき方に応じて距離を測る指標であり、単純な直線距離のみを測るものではない。コサイン類似度・ユークリッド距離・相関係数の説明はいずれも正しい。データの分布を無視するか考慮するかが、ユークリッド距離とマハラノビス距離を区別する最大のポイントである。
同じ章で確認したい用語
到達チェック
- 分散を一文で説明できる
- 同じ章の似た用語と違いを説明できる
- 問題文の具体例から、分散に関係する論点を拾える
- 関連問題を解き、誤答した選択肢の理由を確認できる
執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)