G検定 用語解説
相関係数とは
直線的な関係の強さと向きを、-1から1の範囲の値で表す指標。共分散を2つの変数それぞれの標準偏差の積で割って求め、単位に依存しないため異なる尺度のデータ同士でも関係の強さを比較できる。
この記事の目次
まず押さえる結論
相関係数は、G検定の「大項目8 AIに必要な数理・統計知識」で確認しておきたい用語です。定義だけでなく、どの場面で使う言葉か、何と混同しやすいか、問題文のどの表現で判断するかまで確認します。
情報源と編集区分
公式範囲を確認し、具体例・誤答例・判断手順は当サイトが編集。 一次情報確認日: 2026-07-03。
試験概要(公式)具体例から判断の境界を固める
回帰係数のような予測式の傾きではなく、2変数の直線的な関係の強さと向きを表す指標として捉える
2つの量的変数がどれくらい直線的な関係にあるかを、1つの数値で表したい場面で使う指標です。値は-1から1の範囲を取り、1に近いほど右上がりの直線的な関係が強く、-1に近いほど右下がりの直線的な関係が強いことを示します。0に近い場合は直線的な関係が弱いことを示しますが、曲線的な関係がある場合には相関係数だけでは捉えられないことがあります。相関係数が高いことは2変数の間に何らかの関連があることを示すだけで、一方がもう一方の原因であることまでは示しません。
- 問題文で見る箇所
- -1から1の範囲、直線的な関係の強さと向き、という語を確認します。「原因と結果」と断定する記述が続く設問では、相関係数の値だけで因果関係まで言えるかを慎重に確認します。
- 隣接概念との境界
- 回帰係数は回帰直線の傾きを表し、一方の変数が1単位変化したときに他方の変数がどれだけ変化するかという予測式の中の値です。相関係数は2変数の関係の強さと向きを表す指標であり、単位に依存しない点や、目的変数と説明変数を入れ替えても値が変わらない点で回帰係数と役割が異なります。
誤答しやすい選択肢
- 相関係数が高いことから、一方がもう一方の原因であると断定する。相関は関連の強さを示すだけで、因果関係そのものを示すものではありません。
- 相関係数が0であれば2変数の間に何の関係もないと断定する。相関係数が0に近いのは直線的な関係が弱いことを示すだけで、曲線的な関係が残っている場合があります。
- 相関係数を回帰直線の傾きと同じ値として扱う。相関係数は関係の強さを表す指標であり、傾きを表すのは回帰係数です。
4段階の判断手順
- 01設問が問うのが関係の強さと向きか、予測式の傾きかを先に分ける。
- 02関係の強さであれば、値が-1から1の範囲に収まっているかを確認する。
- 03相関の強さの記述から因果関係を断定していないか見直す。
- 04直線的な関係を前提にした指標であることを踏まえ、曲線的な関係の可能性を残す。
到達条件: 相関係数の範囲と向きを説明し、相関と因果の違い、回帰係数との役割の違いを言える。
試験での問われ方
定義の言い換え
用語そのものではなく、説明文の一部を言い換えて出されることがあります。
似た概念との比較
同じ章の用語と入れ替えた選択肢に注意します。対象、目的、使う場面を分けます。
具体例からの判断
問題文の事例が、定義のどの部分に対応しているかを先に確認します。
誤答しやすいポイント
×相関と因果の取り違え(相関があっても因果とは限らない。第3の要因=交絡に注意)。
×ベイズの定理(事前確率を観測で更新する)の理解。
×正規分布の性質(左右対称・釣鐘型・平均と標準偏差の2パラメータ)と他の概念の混同。
関連する確認問題
大項目8 AIに必要な数理・統計知識 / 確率・統計
モデルによる予測値と実際のデータとの誤差(残差)の二乗和が最小になるようにパラメータを決める推定方法はどれか。
正解は「最小二乗法」である。設問の決め手は、予測値と実測値の差である残差を二乗し、その合計を最小にするという基準である。最尤法は観測データの尤度を最大にする基準でパラメータを選ぶため、設問の基準とは異なる。相関係数と共分散はどちらも2変数の関係を捉える指標であり、モデルのパラメータを決める推定方法ではない。目的関数が残差平方和か尤度かを最初に見分ける。二つの変数の関係を要約する指標ではなく、回帰直線をデータへ当てはめる基準を問う設問である。
大項目8 AIに必要な数理・統計知識 / 確率・統計
変数ごとの分散と変数間の相関を考慮し、平均との差が同じでも方向によって距離を変えて外れ値を調べたい。使う距離はどれか。
この事例では「データの分散と相関を加味する距離か」を確認すると、マハラノビス距離とは、データの相関やばらつき方を考慮せず、単純な直線距離だけで2点間の近さを測る指標であるに絞れる。正解は「マハラノビス距離とは、データの相関やばらつき方を考慮せず、単純な直線距離だけで2点間の近さを測る指標である」(誤り)である。マハラノビス距離は、各変数の分散や変数間の相関(共分散)を考慮し、データ全体のばらつき方に応じて距離を測る指標であり、単純な直線距離のみを測るものではない。コサイン類似度・ユークリッド距離・相関係数の説明はいずれも正しい。データの分布を無視するか考慮するかが、ユークリッド距離とマハラノビス距離を区別する最大のポイントである。
大項目8 AIに必要な数理・統計知識 / 確率・統計
広告費と売上の関係から季節要因の影響を取り除き、残る関連の強さを確認したい。使う指標はどれか。
この事例は「第三の変数の影響を除いた関連を測るか」という判断軸で見ると、正解は「偏相関係数」である。広告費と売上の関係を見るとき、季節要因という第三の変数が両方に影響していれば、そのままの相関係数や共分散では季節要因の影響が混ざったまま関連の強さが出てしまう。偏相関係数は季節要因の効果を取り除いたうえで、広告費と売上に残る関連の強さだけを表す指標であり、この事例の要件に合う。疑似相関は季節要因のような交絡因子によって見かけ上の関連が生じている状態そのものを指す言葉であり、指標として計算するものではない。季節要因を無視したまま相関係数や共分散だけを見ると、広告の効果を見誤るおそれがある。
同じ章で確認したい用語
到達チェック
- 相関係数を一文で説明できる
- 同じ章の似た用語と違いを説明できる
- 問題文の具体例から、相関係数に関係する論点を拾える
- 関連問題を解き、誤答した選択肢の理由を確認できる
執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)