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生成AIパスポート 用語集

生成AIパスポートの用語は、単語を知っているだけでは足りません。選択肢では、似た概念の説明を少しずらして出されることが多いので、定義を読む前に取り違えやすい組み合わせを確認しておきます。

他の資格の用語集も見る

先に確認

混同しやすい用語

8
教師あり学習 / 教師なし学習 / 強化学習

教師あり学習は正解ラベルを使い、分類や回帰を行う学習です。教師なし学習はラベルなしデータから構造を見つけます。

強化学習は、正解ラベルではなく報酬を手がかりに行動を改善します。

見分け方: 問題文に「正解ラベル」「構造を見つける」「報酬」のどれがあるかを先に見ます。

生成AI / 識別・分類するAI

生成AIは文章、画像、音声などを新しく作るAIです。

分類や予測を中心に行うAIは、入力をもとにカテゴリや数値を判断します。

見分け方: 出力が新しいコンテンツなのか、既存データの判定なのかで分けます。

ファインチューニング / RAG

ファインチューニングは、学習済みモデルに追加学習を行って調整します。

RAGは外部情報を検索して回答に使う方法で、モデル自体を再学習するとは限りません。

見分け方: モデルの重みを調整する話か、外部情報を参照する話かを分けます。

匿名加工情報 / 要配慮個人情報

匿名加工情報は、個人を識別できず復元できないよう加工した情報です。

要配慮個人情報は、病歴や信条など取扱いに特に配慮が必要な個人情報です。

見分け方: 加工後の状態を問うのか、情報の種類を問うのかで判断します。

ハルシネーション / バイアス

ハルシネーションは、もっともらしいが事実と異なる内容を生成する問題です。

バイアスは、学習データや設計の偏りによって不公平な結果や偏った出力が生じる問題です。

見分け方: 事実誤りを問うのか、公平性や偏りを問うのかを分けます。

プロンプト / ファインチューニング

プロンプトは、モデルへの入力指示や条件指定です。出力形式や前提を与えて回答を調整します。

ファインチューニングは、学習済みモデルに追加学習を行ってモデル側を調整する方法です。

見分け方: 入力で制御する話か、モデルを追加学習する話かを見ます。

弱いAI / 強いAI

弱いAIは、特定の目的やタスクを処理するAIとして扱われます。

強いAIは、人間のような汎用的な知能や理解を持つAIとして議論される概念です。

見分け方: 現在利用される特化型のAIか、汎用的知能の概念かを分けます。

個人情報 / 機密情報

個人情報は、生存する個人を識別できる情報を中心に扱います。

機密情報は、企業や組織が外部に漏らしたくない業務上の情報も含みます。

見分け方: 個人識別性の話か、組織として秘密にすべき情報の話かを確認します。

よくある質問

3

Q生成AIパスポート用語集は何語収録されていますか?

A

現在141語を5分野に分けて収録しています。

Q用語集はどう使うのが効果的ですか?

A

気になる用語をクリックすると、定義や関連する分野の解説ページへ移動できます。演習中に迷った用語をその場で確認する使い方もできます。

Q用語の定義はどこを根拠に作成していますか?

A

各資格の公式シラバス・公式試験要項の範囲内で作成しています。本試験の問題・図表の転載はしていません。

分野から用語を探す5分野
教師あり学習
正解(ラベル)付きのデータで、入力と正解の対応関係を学習する手法。分類や回帰が代表例。
教師なし学習
正解ラベルのないデータから、構造やパターンを見つける手法。クラスタリングや次元削減が代表例。
強化学習
行動の結果として得られる報酬を手がかりに、より多くの報酬を得る行動を試行錯誤で学習する枠組み。
ディープラーニング
ニューラルネットワークの層を深く重ね、複雑なパターンを学習する機械学習の手法。第三次AIブームの中心。
過学習(オーバーフィッティング)
訓練データに適合しすぎて、未知のデータへの予測精度が下がる現象。
シンギュラリティ(技術的特異点)
AIが人間の知能を超え、社会に不可逆的な変化をもたらすとされる転換点。レイ・カーツワイルは2045年の到来を予測。
弱いAI(ANI)/強いAI(AGI)
特定の課題に特化したAIが弱いAI(ANI)、人間のように幅広い課題へ汎用的に対応できるとされるのが強いAI(AGI)。
AI(人工知能)
人間が行うような学習・推論・認識・判断といった知的処理をコンピュータで実現しようとする技術。
機械学習
データからパターンや規則性を自動的に学習し、予測や分類ができるようにする手法。
ニューラルネットワーク
脳の神経細胞(ニューロン)の仕組みを模し、人工ニューロンを層状につないだモデル。
特徴量
データの特徴を数値で表したもので、AIが学習や予測を行う際の入力となる。
転移学習
ある課題で学習済みのモデルを、別の関連する課題の学習に応用する手法。
エキスパートシステム
専門家の知識をルールとして組み込み、推論で問題を解く仕組み。第二次AIブームの中心。
ルールベース
人間があらかじめ規則を細かく記述し、その規則に従って処理する方式。データから規則性やパターンを学習する機械学習とは対照的な仕組み。
ニューロン
脳を構成する神経細胞。ニューロンとその結合(シナプス)の仕組みを模して人工ニューロン(ノード)をつないだモデルがニューラルネットワークである。
正則化
モデルが複雑になりすぎないよう制約(ペナルティ)を加え、過学習を抑えることを狙う手法の総称。
ドロップアウト
ニューラルネットワークの学習時に一部のノードを無効化し、特定のノードへの依存を抑えて過学習を防ぐ手法。
次元削減
データが持つ特徴(次元)の数をまとめて圧縮する、教師なし学習の代表的な手法の一つ。
探索
迷路やパズルなどで考えられる選択肢を順にたどり、ゴールへの道筋を見つける手法。推論とともに第一次AIブームの中心となった。
推論
既知の事実やルールから新たな結論を導き出す処理。探索とともに第一次AIブームの中心的な処理とされ、専門知識をルール化するエキスパートシステムの推論にも通じる。
ビッグデータ
画像認識などの精度向上を支えた大量のデータ。ディープラーニングとともに、現在まで続く第三次AIブームを中心で支えた要素とされる。
クラスタリング
教師なし学習の一種で、正解ラベルなしにデータの類似性をもとに似た者同士をグループ(クラスタ)へ分ける手法。
学習済みモデル
大量のデータによる訓練を終え、新しいデータに対して予測や分類(推論)を行えるようになったモデル。
重み
ニューラルネットワークで、あるノードから次のノードへ信号を伝える結合の強さを表す数値。学習を通じて値が調整される。
ダートマス会議
1956年7月から8月にかけて、ジョン・マッカーシーが主催しダートマス大学で開催された学術会議。この会議の提案書で、史上初めて「人工知能(Artificial Intelligence)」という語が用いられた。
AIとロボットの区別
AIは学習・推論・判断といった知的処理を行うソフトウェア的な技術であり、ロボットはセンサーや駆動部を備えた物理的な機械。ロボットにAIが搭載されることもあるが、両者は本来別の概念である。
ノーフリーランチ定理
あらゆる問題に対して万能に優れたアルゴリズムは存在せず、あるタスクで高い性能を示す手法も、別のタスクでは平均的な性能にとどまるとする定理。
シナプス
脳内でニューロン(神経細胞)同士が情報をやり取りする接合部分。ニューラルネットワークは、ニューロンとシナプスの仕組みを模して人工ニューロンをつないだモデルである。
AIの4つのレベル
身近で使われているAIを、搭載されている技術の高度さに応じて4つの段階に分類する考え方。
第一次AIブーム
探索や推論を中心とした研究が進み、迷路やパズルなど明確なルールのある問題を解けるようになった、最初のAIブーム。
第二次AIブーム
専門家の知識をルールとして組み込み推論を行うエキスパートシステムを中心に、AIの実用化が進んだ2度目のAIブーム。
AIの冬
AIブームの後に、当初期待されたほどの成果が得られず、研究への関心や資金が落ち込む停滞期。
第三次AIブーム
ディープラーニングとビッグデータの登場を背景に、画像認識などの精度が飛躍的に向上し、現在まで続いているとされるAIブーム。
2045年問題
レイ・カーツワイルが、シンギュラリティ(技術的特異点)が到来すると予測した2045年をめぐる議論。
AI効果
AIで実現された技術が実用化されると「これは単なる自動処理であって本当のAIではない」とみなされ、AIの定義から除外されてしまう現象。

第2章 生成AI(ジェネレーティブAI)

生成AI(ジェネレーティブAI)
文章・画像・音声などのコンテンツを新たに生成するAIの総称。
GAN(敵対的生成ネットワーク)
データを作る生成器と、本物か偽物かを見分ける識別器を競わせて学習する生成モデル。
Transformer
自己注意(Self-Attention)を中核とするアーキテクチャ。現在の多くの大規模言語モデルの基盤。
ハルシネーション
生成AIが、事実と異なる内容をもっともらしい文章として出力してしまう現象。
ファインチューニング
事前学習済みのモデルを、特定の用途やタスク向けに追加学習して調整すること。
RLHF
人間の評価を報酬として強化学習を行い、モデルの出力を人間の意図・好みに近づける手法。
マルチモーダル
テキスト・画像・音声など、複数の種類のデータをまとめて扱えること。
エンコーダ
VAE(変分自己符号化器)などの生成モデルで、入力されたデータを受け取り、その特徴を圧縮した潜在ベクトルへと変換する前半部分。
デコーダ
エンコーダが作った潜在ベクトルを受け取り、そこから元のデータに近い形へ復元して出力する、VAE(変分自己符号化器)などの後半部分。
生成器
GAN(敵対的生成ネットワーク)の一部で、ランダムな値などから本物らしいデータを作り出すネットワーク。識別器を欺けるよう学習が進む。
識別器
GAN(敵対的生成ネットワーク)の一部で、与えられたデータが本物か生成器が作った偽物かを判定するネットワーク。判定の精度を上げるよう学習が進む。
自己注意力(Self-Attention)
入力中の各要素どうしの関係の強さに重みづけを行う仕組み。Transformerモデルの中核をなし、多くの大規模言語モデルの基盤となっている。
Attention Mechanism
文中の各単語が他のどの単語と強く関連しているかに応じて重みづけを行い、文脈を捉える仕組み。Transformerモデルの中核的な処理の一つ。
位置エンコーディング
Transformerモデルで、単語の並び順(位置)の情報をモデルに伝えるために加えられる仕組み。Transformerの補助要素であり、中核ではない。
BERTモデル
文章中の一部の単語を隠して当てさせるMLMと、2文の連続性を判定するNSPによって事前学習を行う言語モデル。RoBERTaやALBERTなどの派生モデルがある。
CNN(畳み込みニューラルネットワーク)
畳み込み処理により画像などの特徴を抽出することを得意とするニューラルネットワーク。
RNN(回帰型ニューラルネットワーク)
前の出力を次の入力に戻し、文章のような順序のあるデータを扱うニューラルネットワーク。
自然言語処理(NLP)
人間が日常的に使う言葉を、コンピュータで解析したり生成したりする技術分野。
GPTモデル
OpenAIが開発した、大量のテキストで事前学習した文章生成向けの言語モデル。
パラメータ
モデルが学習を通じて内部に獲得・調整する値の総称。値の数(パラメータ数)はモデルの規模を表す指標としても使われ、生成時に利用者が設定するハイパーパラメータとは区別される。
ボルツマンマシン
全てのノードが対称に結合し、確率的な仕組みでデータの背後にあるパターンを学習しようとする、生成AIにつながる初期の生成モデルの一つ。
制約付きボルツマンマシン
ボルツマンマシンの結合を制限し、データを受け取る層と隠れ層の間だけを結合させることで、学習を効率化したモデル。
自己回帰モデル
それまでに生成した出力を新たな入力として用い、次の値を順番に予測・生成していくモデル。GPTモデルなどのテキスト生成の基盤となる。
隠れ層
ニューラルネットワークで、データを受け取る層と結果を出力する層の間に位置する層。ここでの計算を通じて、データの特徴が段階的に変換される。
リカレント層
RNN(回帰型ニューラルネットワーク)を構成する層で、前の時点の出力を次の時点の入力へ戻すことで、文章のような順序を持つシーケンスデータを扱う。
LSTM(長・短期記憶)
RNN(回帰型ニューラルネットワーク)の一種で、必要な情報を長く保持したり不要な情報を忘れたりする仕組みを持ち、離れた要素間の関係も扱いやすくしたモデル。
Attention層
Transformerモデルを構成する層の一つで、入力中の要素同士の関連の強さに重みづけを行う自己注意力(Self-Attention)などのAttention Mechanismを実装する部分。
MLM(Masked Language Model)
文章中の一部の単語をマスク(隠す)し、周囲の文脈からその単語を予測させることで学習を行う、BERTモデルの事前学習タスクの一つ。
NSP(Next Sentence Prediction)
与えられた2つの文章が、元の文章で連続する関係にあるかどうかを判定させることで学習を行う、BERTモデルの事前学習タスクの一つ。MLMと組み合わせて用いられる。

第3章 現在の生成AI(ジェネレーティブAI)の動向

RAG(検索拡張生成)
外部の知識(ベクトルデータベース等)を検索し、その結果を文脈に加えて回答精度を高める手法。モデルの再学習はしない。
AIエージェント
目標に対して手順を自ら計画・分解し、外部ツールとも連携しながら自律的にタスクを実行するAI。
MCP
AIエージェントが外部のツールやサービスと連携するための仕組み。
ディープフェイク(深層偽造)
AIで実在の人物の顔や音声を本物のように合成・偽造する技術や、その生成物。
偽情報(ディスインフォメーション)
受け手を欺く意図を持って、事実ではない内容を意図的に作成・拡散する情報。ディープフェイクはこの偽情報を作り出すための技術・手段の一つにあたる。
ベクトルデータベース
テキストなどを数値ベクトルに変換して蓄積し、意味の近い情報を検索できるデータベース。
テキスト生成AI
文章による指示(プロンプト)を受けて、文章の生成や対話を行う生成AI。
画像生成AI
テキストの指示(プロンプト)から、絵やイラストなどの画像を作り出す生成AI。
音声生成AI
文章の読み上げや声の合成によって、話し言葉の音声を作り出す生成AI。
動画生成AI
テキストなどの指示から、時間軸を持つ映像(動画)を作り出す生成AI。
音楽生成AI
メロディーや伴奏といった楽曲を自動で作り出す生成AI。

第4章 情報リテラシー・基本理念とAI社会原則

要配慮個人情報
人種・信条・病歴・犯罪歴など、取扱いに特に配慮を要する個人情報。
匿名加工情報
特定の個人を識別できず、かつ復元できないように加工した個人情報。
個人情報保護委員会
個人情報保護法を所管する国の行政機関。個人情報の適正な取扱いの確保を図ることを任務とする。改正個人情報保護法(2022年4月施行)では、個人データの漏えい等により個人の権利利益を害するおそれが大きい場合、個人情報取扱事業者に対し同委員会への報告と本人への通知を義務づけている。
個人情報取扱事業者
個人情報を含むデータベース等を事業活動に利用している事業者を指す、個人情報保護法上の用語。改正個人情報保護法(2022年4月施行)では、個人データの漏えい等により個人の権利利益を害するおそれが大きい場合、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務づけられている。
個人識別符号
個人情報保護法第2条第2項で定義される用語。指紋・顔・虹彩等の身体的特徴を変換した符号や、パスポート番号・基礎年金番号・運転免許証番号・マイナンバーなど、サービス利用者ごとに割り振られる番号・符号を指す。これらを含む情報は個人情報に該当する。
機微(センシティブ)情報
人種・信条・病歴・犯罪歴など、特に慎重な取り扱いを要するとされる個人に関する情報を指す一般的な呼び方。個人情報保護法上の「要配慮個人情報」は、この機微情報の考え方を踏まえて法律上の定義が置かれた概念とされる。
マスキング
氏名や口座番号などの個人情報の一部を「*」などの記号に置き換えて伏せ、本人を特定できないようにする処理。個人情報を加工する際に用いられる手法の一つ。
人間の尊厳
人間中心のAI社会原則(2019年3月策定)を構成する3つの基本理念の一つ(英語表記はDignity)。AIの活用によって人間の尊厳が侵害されることなく、一人ひとりが人間らしく生きられる社会を目指す考え方。
多様性と包摂
人間中心のAI社会原則の3つの基本理念の一つ(英語表記はDiversity & Inclusion)。多様な背景・価値観を持つ人々が、それぞれの幸せを追求できる社会を目指す考え方。
持続可能性
人間中心のAI社会原則の3つの基本理念の一つ(英語表記はSustainability)。持続可能な形で社会全体の発展・繁栄を目指す考え方。透明性やアカウンタビリティなど個々のAI社会原則とは階層が異なり、それらを実現した先に目指す社会像にあたる。
人間中心の考え方
AIは人間の能力を拡張する道具であり、AIへの過度な依存や、AIによって人の意思決定・基本的人権が損なわれることがあってはならないとする、AI社会原則の一つ。
AI事業者ガイドライン
AIの事業活動を担う主体(開発者・提供者・利用者)に向けた国の指針。法律ではない。
共通の指針
AI事業者ガイドラインが、AI開発者・提供者・利用者に向けて示す10項目の指針。人間中心・安全性・公平性・プライバシー保護・セキュリティ確保・透明性・アカウンタビリティの7項目は各主体が個別に取り組む事項、教育・リテラシー・公正競争確保・イノベーションの3項目は社会と連携して取り組むことが期待される事項として整理されている。
インターネットリテラシー
インターネットを適切に理解し、安全かつ効果的に活用するために必要な知識と判断力。情報の真偽を見極める力や、リスクを避けて行動する力を含む。
テクノロジーの理解
自分が利用するデバイスやサービスの仕組み、できることとできないことを正しく把握する力。生成AIを含む新しい技術を安全に使いこなす前提になる。
情報リテラシー
必要な情報を収集し、その真偽や信頼性を判断したうえで適切に活用・発信する力。生成AIが出力した情報についても、この力を使って裏取りする必要がある。
セキュリティとプライバシー
インターネット利用に伴う情報漏えい・不正アクセスなどのリスクから自分や他者の情報を守る考え方と、それを実践するための知識。
デジタル市民権
インターネット上で他者の権利を尊重し、責任を持って行動する態度。誹謗中傷やなりすましを行わない、著作権を守るなど、現実社会と同じ規範をオンラインでも実践する考え方。
AI新法
2025年6月4日に公布された「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」の通称。
AI開発者(AI Developer)
AI事業者ガイドラインが対象とする3主体の一つで、AIモデルやアルゴリズムを開発する事業者。同一事業者がAI提供者・AI利用者を兼ねる場合もある。
AI提供者(AI Provider)
AI事業者ガイドラインが対象とする3主体の一つで、AIシステムを製品やサービスに組み込んで提供する事業者。同一事業者がAI開発者・AI利用者を兼ねる場合もある。
AI利用者(AI Business User)
AI事業者ガイドラインが対象とする3主体の一つで、事業活動においてAIシステムまたはAIサービスを利用する事業者。日常生活でAIを使う一般消費者(業務外利用者)は対象外。
リスクベースアプローチ
対策の程度をリスクの大きさに対応させるという考え方。AI事業者ガイドラインが採用する基本姿勢の一つ。
アジャイル・ガバナンス
環境・リスク分析→ゴール設定→システムデザイン→運用→評価というサイクルを繰り返すガバナンスの手法。AI事業者ガイドラインが採用する。
ゴールベース
具体的な手法を細かく規定するのではなく、達成すべき目標(ゴール)を示して自主的な取組を促す考え方。AI事業者ガイドラインが採用する。
非拘束的なソフトロー
法的拘束力を持たず、事業者の自主的な取組を促す規範のあり方。AI事業者ガイドラインはこの性格を持つ。
Living Document
一度策定して終わりにせず、状況の変化に応じて適宜更新され続ける文書という位置づけ。AI事業者ガイドラインはLiving Documentとして扱われる。
広島AIプロセス
2023年5月のG7広島サミットで日本の議長国下に立ち上げられた、生成AIに関する国際的なガバナンス枠組み。同年12月のG7デジタル・技術大臣会合で「広島AIプロセス包括的政策枠組み」が合意され、G7首脳に承認された。
AIマネジメントシステム
ISO/IEC 42001(2023年発行)という国際規格で定義される、組織内でAIのリスクを管理し、安全・安心なAIシステムの開発・提供・使用を運用するための仕組み。日本のAI事業者ガイドラインからも参照される。
個人情報保護法
個人情報の適正な取り扱いを事業者に義務づけ、個人の権利利益を守るための法律。
著作権
文章・画像・音楽などの著作物を創作した人に与えられる、知的財産権の一つ。
知的財産権
人間の創作活動によって生み出された発明・デザイン・表現などを保護する権利の総称。著作物を保護する著作権のほか、発明を保護する特許権、商品・サービスの標識を保護する商標権、製品の外観デザインを保護する意匠権など、対象や保護のしくみが異なる複数の権利を包括する。
特許権
自然法則を利用した技術的なアイデア(発明)を保護する権利。創作的な「表現」を保護する著作権と異なり、アイデアそのものが新規性・進歩性を満たすことで発生する。
商標権
商品やサービスを他と区別するための名称・ロゴなどの標識を保護する権利。標識を使う事業者の信用を守り、消費者が出どころを誤認しないようにする目的を持つ。
意匠権
物品や画像の形状・模様・色彩など、外観のデザインを保護する権利。技術的なアイデアを保護する特許権とは異なり、見た目のデザインそのものが保護対象になる。
営業秘密
不正競争防止法で保護される、秘密として管理されている有用な事業情報。秘密管理性・有用性・非公知性の3要件を満たす必要があり、不正に取得・使用・開示する行為は差止請求や損害賠償請求の対象になる。
不正競争防止法
事業者間の公正な競争を確保するための法律。営業秘密の保護はこの法律が規制する行為類型の一つに過ぎず、他にも周知な商品表示と混同させる行為や、商品の原産地・品質を誤認させる表示など幅広い不正競争行為を対象とする。
肖像権
本人の承諾なく容ぼうや姿を撮影されたり、その画像を無断で公表・利用されたりしないことを主張できる権利。肖像に関する人格的利益を保護する、人格権の一種とされる。
パブリシティ権
氏名や肖像などが持つ顧客吸引力という経済的な価値を、本人が独占的に利用できる権利。肖像権が人格的利益に着目するのに対し、パブリシティ権は財産的利益に着目する点で異なる。
限定提供データ
不正競争防止法で保護される情報の一つで、業として特定の者に提供する目的で、相当量が蓄積・管理されている技術上または営業上のデータを指す(営業秘密に該当するものは除く)。秘密として管理する営業秘密とは異なり、外部への提供を前提に管理されている点が特徴。
名誉毀損
事実を摘示するなどして、他人の社会的な評価を低下させる行為。民法上の不法行為に該当しうるほか、生成AIが事実に基づかない内容を出力・公開し、人の名誉を傷つけた場合にも問題となりうる。
フィッシング詐欺
正規の企業や金融機関を装った偽メールや偽サイトへ誘導し、ID・パスワード・クレジットカード情報などの認証情報を入力させて盗み取る手口。
スミッシング
SMS(ショートメッセージ)を悪用し、偽のメッセージから偽サイトへ誘導して個人情報を盗み取る手口。
ヴィッシング
電話(音声通話)を悪用して相手を信用させ、口頭で個人情報やカード番号などを聞き出す手口。
マルウェア
コンピュータや利用者に害を与える目的で作られた悪意あるソフトウェアの総称。
アンチウイルスソフトウェア
マルウェアやランサムウェアなどの脅威を検知・防御する側のソフトウェア。
ランサムウェア
データを暗号化して身代金を要求する不正プログラム。マルウェアの一種。
ソーシャルエンジニアリング攻撃
コンピュータの技術的な脆弱性ではなく、人の心理的な隙や行動のミスにつけ込んで機密情報を入手しようとする攻撃の総称。
スピアフィッシング
特定の個人や組織を狙い、標的に合わせて巧妙に作り込んだメールなどで情報を盗む標的型攻撃。
ベイト攻撃
魅力的な誘い文句で興味を引き、不正なリンクや細工された記録媒体にアクセスさせて被害を与える手口。
ブラックメール
弱みを材料に相手を脅して金銭や情報を要求する手口。
プレテキスト
もっともらしい作り話や口実をあらかじめ用意し、その状況を装って相手を信用させ機密情報を聞き出す手口。
プライバシー設定
投稿内容や個人情報について「誰に公開するか」の範囲を利用者自身が選択・制御するための機能。

第5章 テキスト生成AIのプロンプト制作と実例

プロンプトエンジニアリング
生成AIから望ましい出力を得るために、指示(プロンプト)の与え方を工夫・設計する取り組み。
Zero-Shot/Few-Shotプロンプティング
例を示さず指示だけで実行させるのがZero-Shot、解答例をいくつか示してから指示するのがFew-Shot。
Temperature
生成の出力のランダム性・多様性を調整するパラメータ。値を大きくすると多様な出力になりやすい。
LLM(大規模言語モデル)
大量のテキストで学習し、人間が書いたような自然な文章を生成できる大規模な言語モデル。
Top-p
出現確率の高い候補から順に確率を累積し、累積確率が一定の割合に達するまでの範囲に候補を絞り込んでから次の単語を選ばせる、生成AIのハイパーパラメータの一つ。値の大小で出力の多様性を直接調整するTemperatureとは、候補を確率の累積で絞り込むという仕組みの点で異なる。
n-gramモデル
直前に現れた数語の並びをもとに、次の単語の出現確率を統計的に求める、ニューラルネットワークを使わない初期の言語モデル。
ニューラル言語モデル
n-gramモデルの後に登場した、ニューラルネットワークを用いて単語の並びや次の単語の予測を行う言語モデル。統計的な数語の並びだけを扱うn-gramモデルと異なり、ネットワークの学習によって次の単語を予測する。
プレトレーニング
大量のデータを使って、モデルに汎用的な言語能力を身につけさせる学習の工程。特定の用途やタスク向けに追加学習するファインチューニングより前の段階にあたる。
Instruction
プロンプトの構成要素の一つで、生成AIに実行してほしい内容を伝える指示にあたる部分。プロンプトの与え方そのものを工夫・設計する取り組みであるプロンプトエンジニアリングに対し、Instructionはプロンプトを構成する一要素という位置づけになる。
プロンプト
生成AIに対して出力の指示や条件を与える、入力のテキストや文章。
Context
プロンプトの構成要素の一つで、生成AIが回答を組み立てる際の判断材料となる前提条件や背景情報を与える部分。実行してほしい処理を伝えるInstructionとは役割が異なり、Contextは判断のための背景を補う位置づけになる。
Input Data
プロンプトの構成要素の一つで、生成AIに処理させたい具体的なデータそのものを指す部分。要約や分類、変換などInstructionで指定した処理の対象となるデータであり、判断材料となる背景情報を与えるContextとは区別される。
Output Indicator
プロンプトの構成要素の一つで、箇条書きや表形式などアウトプットの形式・型を指定する部分。何をするかを伝えるInstruction、判断材料を与えるContext、処理対象を示すInput Dataのいずれとも異なり、出力の見せ方だけを担う。

執筆: ミナト編集部運営者情報を見る