G検定 用語解説
匿名加工情報とは
個人情報を、特定の個人を識別できず元の情報も復元できないように加工した情報。所定の措置を講じれば、本人の同意を得ずに第三者提供したり、当初の利用目的を超えて利用したりできる。
この記事の目次
まず押さえる結論
匿名加工情報は、G検定の「大項目9 AIに関する法律と契約」で確認しておきたい用語です。定義だけでなく、どの場面で使う言葉か、何と混同しやすいか、問題文のどの表現で判断するかまで確認します。
情報源と編集区分
公式範囲を確認し、具体例・誤答例・判断手順は当サイトが編集。 一次情報確認日: 2026-07-03。
試験概要(公式)具体例から判断の境界を固める
個人情報の種類そのものではなく、個人情報を加工して個人を識別・復元できなくした状態として捉える
氏名や住所を含む顧客データを分析や外部提供に使いたい場合に、氏名の削除やマスキングなどの処置を行い、特定の個人を識別できず、かつ元のデータへ復元できないように加工することがあります。これによって作られた情報が匿名加工情報です。ここで問われているのは加工前のデータがどんな種類の個人情報かではなく、加工後に個人を特定できない状態になっているかどうかです。
- 問題文で見る箇所
- 「個人を識別できない」「復元できない」「加工した」という語があれば匿名加工情報を候補にします。病歴や信条といった情報の種類そのものを説明している場合は、匿名加工情報ではなく要配慮個人情報を候補にします。
- 隣接概念との境界
- 要配慮個人情報は、人種・信条・病歴・犯罪歴など取扱いに特に配慮を要する個人情報の種類を指し、加工されているかどうかとは関係なく成立します。匿名加工情報はこれと逆に、元の個人情報がどんな種類であっても、個人を識別・復元できないように加工した結果を指します。情報の種類を問う語か、加工後の状態を問う語かで区別します。
誤答しやすい選択肢
- 病歴や信条など配慮が必要な情報の種類そのものを匿名加工情報と呼ぶ。それは要配慮個人情報の説明であり、匿名加工情報は加工後の状態を指す語です。
- 氏名を削除しただけで、他の情報と組み合わせれば個人を再識別できる状態を匿名加工情報とする。匿名加工情報は個人を識別できず、かつ復元もできない状態まで加工されている必要があります。
- 匿名加工情報にすれば元の個人情報がどんな内容でも自由に扱ってよいと判断する。加工の適切さや利用目的の妥当性は別に確認が必要です。
4段階の判断手順
- 01設問が個人情報の種類を問うているか、加工後の状態を問うているかを先に分ける。
- 02加工後の状態であれば、個人を識別できないか、かつ元へ復元できないかの両方を満たすか確認する。
- 03病歴・信条・犯罪歴などの語が出てくる場合は要配慮個人情報の説明でないか確認する。
- 04加工済みという理由だけで自由な利用が許されると断定していないか見直す。
到達条件: 匿名加工情報を個人の識別・復元ができない加工後の状態として説明し、要配慮個人情報との違いを言える。
試験での問われ方
定義の言い換え
用語そのものではなく、説明文の一部を言い換えて出されることがあります。
似た概念との比較
同じ章の用語と入れ替えた選択肢に注意します。対象、目的、使う場面を分けます。
具体例からの判断
問題文の事例が、定義のどの部分に対応しているかを先に確認します。
誤答しやすいポイント
×個人情報保護法の本人の権利(開示・訂正・利用停止)と、GDPRのデータ主体の権利(アクセス権・消去権・データポータビリティ権等)の取り違え。
×著作権法第30条の4(情報解析のための利用=非享受目的なら一定条件で許諾不要)と、他の権利制限規定(私的使用30条・引用32条)の混同。
×営業秘密と限定提供データの違い(限定提供データは秘密管理性が要件ではない)。
関連する確認問題
大項目9 AIに関する法律と契約 / 個人情報・データ保護(日本)
個人情報保護法では、本人の人種・信条・病歴・犯罪の経歴など、取扱いによって本人に不当な差別や偏見が生じるおそれのある情報について、取得や第三者提供に原則として本人の同意を必要とし、本人への通知等により同意なく第三者提供を行う『オプトアウト』の方法も利用できないとされている。この情報の区分として正しいものはどれか。
正解は「要配慮個人情報」である。個人情報保護法は、人種・信条・病歴・犯罪の経歴など、取扱いによって本人への不当な差別や偏見が生じるおそれのある情報を要配慮個人情報と位置付け、取得や第三者提供に原則として本人の同意を必要とし、本人への通知等で足りるオプトアウトによる第三者提供も認めていない。仮名加工情報は他の情報と照合しない限り識別できない程度の加工がされたかどうかで区分され、事業者内部での利用を前提に第三者提供が原則禁止される点が異なる。匿名加工情報は復元不可能な加工を施し、所定の措置のもとで同意なく第三者提供できる点で、設問が求める『同意必須・オプトアウト不可』とは逆の扱いになる。限定提供データは不正競争防止法上の区分であり、根拠法も保護の趣旨も個人情報保護法とは異なる。
大項目9 AIに関する法律と契約 / 個人情報・データ保護(日本)
個人情報を加工した情報のうち、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できない程度の加工にとどまり、原則として事業者内部での分析等に用いることを前提とし、第三者への提供が原則として禁止されている区分はどれか。
正解は「仮名加工情報」である。仮名加工情報は、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できない程度に加工した情報で、事業者内部での分析等での利用を前提とし、第三者提供は原則として禁止される。匿名加工情報は特定の個人を識別できず元の情報も復元できないよう加工した情報で、所定の措置を講じれば同意なく第三者提供や目的外利用ができる点で、第三者提供が原則禁止される仮名加工情報とは逆の扱いになる。要配慮個人情報は人種・信条・病歴など情報の中身の機微性で区分される概念であり、加工の程度による区分ではない。限定提供データはIDやパスワードで管理し特定の相手方に提供するデータを保護する不正競争防止法上の区分で、個人情報の加工とは根拠法も対象も異なる。
大項目9 AIに関する法律と契約 / 個人情報・データ保護(日本)
個人情報を、特定の個人を識別できず、かつ元の個人情報を復元できないように加工した情報で、所定の措置を講じれば本人の同意を得ずに第三者へ提供したり、当初の利用目的を超えて利用したりできる区分はどれか。
正解は「匿名加工情報」である。匿名加工情報は、特定の個人を識別できず元の個人情報を復元できないように加工した情報で、所定の措置を講じれば本人の同意を得ずに第三者提供したり当初の利用目的を超えて利用したりできる。仮名加工情報は他の情報と照合すれば識別できる程度の加工にとどまり、事業者内部での利用が前提で第三者提供が原則禁止される点で、匿名加工情報とは扱いが逆になる。要配慮個人情報は情報の中身の機微性で区分される概念であり、加工の有無や復元可能性を問う本問の軸とは異なる。限定提供データは不正競争防止法上の区分であり、個人情報保護法が定める加工の程度とは根拠法も対象も異なる。
同じ章で確認したい用語
他資格でも出題される用語
到達チェック
- 匿名加工情報を一文で説明できる
- 同じ章の似た用語と違いを説明できる
- 問題文の具体例から、匿名加工情報に関係する論点を拾える
- 関連問題を解き、誤答した選択肢の理由を確認できる
執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)