G検定 用語解説
ランダムサーチとは
ハイパーパラメータの候補値の範囲からランダムに組み合わせを選んで試す手法。すべての組み合わせを試すグリッドサーチより少ない試行回数で良い組み合わせを見つけやすい。
この記事の目次
まず押さえる結論
ランダムサーチは、G検定の「大項目4 ディープラーニングの概要」で確認しておきたい用語です。定義だけでなく、どの場面で使う言葉か、何と混同しやすいか、問題文のどの表現で判断するかまで確認します。
情報源と編集区分
公式範囲を確認し、具体例・誤答例・判断手順は当サイトが編集。 一次情報確認日: 2026-07-03。
試験概要(公式)具体例から判断の境界を固める
総当たりで試すグリッドサーチに対し、候補範囲からランダムに選んで試すことで少ない試行回数で良い組み合わせを見つけやすい探索手法として捉える
ハイパーパラメータの候補値をあらかじめ格子状に指定し、すべての組み合わせを総当たりで試すのがグリッドサーチです。ランダムサーチは、候補値の範囲からランダムに組み合わせを選んで試します。Bergstra、Bengioの論文『Random Search for Hyper-Parameter Optimization』(Journal of Machine Learning Research 13(10):281-305, 2012)では、ニューラルネットワークにおいて、グリッドサーチと同じ探索領域内でランダムサーチを行うと、計算時間のごく一部で同程度以上の性能のモデルを見つけられることが示されている。
- 問題文で見る箇所
- 「候補値の範囲からランダムに選ぶ」「総当たりより少ない試行回数で良い組み合わせを見つけやすい」という記述があればランダムサーチを候補にします。「候補値をあらかじめ格子状に指定しすべての組み合わせを試す」という記述であればグリッドサーチを候補にします。
- 隣接概念との境界
- グリッドサーチは候補値をあらかじめ格子状に指定し、すべての組み合わせを総当たりで試す探索手法です。ランダムサーチは候補値の範囲からランダムに組み合わせを選んで試す探索手法です。どちらもハイパーパラメータの値そのものではなく、その値を探すための手法という点は共通します。
誤答しやすい選択肢
- ランダムサーチを、候補値をすべて総当たりで試す手法と説明する。これはグリッドサーチの説明で、ランダムサーチは候補範囲からランダムに組み合わせを選ぶ手法です。
- ランダムサーチが常にグリッドサーチより性能が高いと断定する。Bergstra、Bengio(2012)の深層信念ネットワークの実験では、7データセット中4データセットで統計的に同等の性能にとどまり、優位性を示したのは1データセットに限られます。
- グリッドサーチ・ランダムサーチという探索手法そのものをハイパーパラメータと呼ぶ。両者は探索対象であるハイパーパラメータの値そのものではなく、その値を探す手法です。
4段階の判断手順
- 01設問が候補値をすべて総当たりで試す話か、候補範囲からランダムに選ぶ話かを先に分ける。
- 02総当たりであればグリッドサーチ、ランダムに選ぶのであればランダムサーチを候補にする。
- 03ランダムサーチが『常に』優れているという断定表現が出たら、一部のデータセットでの優位性にとどまる実験結果と照らして疑う。
- 04グリッドサーチ・ランダムサーチという探索手法と、探索対象であるハイパーパラメータそのものを区別する。
到達条件: ランダムサーチをグリッドサーチとの探索方法の違い(総当たりか、範囲からランダムに選ぶか)で説明し、性能の優位性は限定的な実験結果に基づくことを言える。
試験での問われ方
定義の言い換え
用語そのものではなく、説明文の一部を言い換えて出されることがあります。
似た概念との比較
同じ章の用語と入れ替えた選択肢に注意します。対象、目的、使う場面を分けます。
具体例からの判断
問題文の事例が、定義のどの部分に対応しているかを先に確認します。
誤答しやすいポイント
×勾配消失問題と勾配爆発の混同、およびReLUなど活性化関数による緩和の役割。
×局所最適解・大域最適解・鞍点の区別(鞍点はある方向に極小・別方向に極大)。
×誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)と勾配降下法の役割の取り違え。
関連する確認問題
大項目4 ディープラーニングの概要 / 活性化関数と過学習対策
入力を0〜1の範囲になめらかに変換するS字型(シグモイド型)の活性化関数で、層を深くすると勾配消失を起こしやすいことでも知られるものはどれか。
正解は「シグモイド関数」である。シグモイド関数は、入力を0〜1の範囲になめらかに変換するS字型の活性化関数である。微分値が小さいため、層を深くすると入力層に近い層で勾配がほとんど伝わらなくなる勾配消失を起こしやすい。ReLU関数はこの問題を起こしにくくした関数、ソフトマックス関数は多クラス分類の確率化に用いる関数、恒等関数は入力をそのまま出す関数であり、いずれもS字型で勾配消失を起こしやすいという本問の特徴には当たらない。出力範囲が0〜1のS字型であることと、層を深くすると勾配消失を起こしやすいことの2条件を同時に満たす関数はシグモイド関数だけである。
大項目4 ディープラーニングの概要 / 活性化関数と過学習対策
出力を-1〜1の範囲に変換するS字型の活性化関数で、シグモイド関数と似た形をしているが出力の中心が0になるものはどれか。
正解は「tanh関数」である。tanh関数(双曲線正接関数)は、出力を-1〜1の範囲に変換するS字型の活性化関数で、シグモイド関数に似た形だが出力の中心が0になる点が異なる。ReLU関数は0以下を0にする関数、ソフトマックス関数は確率分布への変換、ステップ関数は0か1を出す不連続な関数であり、いずれも出力が-1〜1で中心が0のS字型関数ではない。出力範囲が-1〜1のS字型であることと、出力の中心が0になることの2条件をあわせて満たす関数はtanh関数だけである。
大項目4 ディープラーニングの概要 / 活性化関数と過学習対策
学習を進める中で、検証データに対する誤差が悪化し始めた時点で学習を打ち切ることにより、過学習を防ぐ手法はどれか。
正解は「早期終了(early stopping)」である。早期終了は、学習を進める中で検証データに対する誤差が悪化し始めた時点で学習を打ち切ることで、それ以降訓練データにだけ過度に適合していく過学習を防ぐ手法である。ドロップアウトは学習時にノードの一部をランダムに無効化して特定のノードへの依存を抑える手法、データ拡張は反転や回転などの変換で学習データを人工的に増やす手法、バッチ正規化は各層への入力の分布を正規化して学習を安定させる手法であり、いずれも検証誤差の悪化を検知して学習そのものを打ち切る仕組みではない。
同じ章で確認したい用語
到達チェック
- ランダムサーチを一文で説明できる
- 同じ章の似た用語と違いを説明できる
- 問題文の具体例から、ランダムサーチに関係する論点を拾える
- 関連問題を解き、誤答した選択肢の理由を確認できる
執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)