G検定 用語解説
Transformerとは
自己注意機構で系列内の単語間の関係を並列に捉える深層学習モデル。BERTやGPTなど大規模言語モデルの基盤。
この記事の目次
まず押さえる結論
Transformerは、G検定の「大項目5 ディープラーニングの要素技術」に出てくる用語です。見分けの要点は、CNNは畳み込みによる局所特徴の抽出、RNN(LSTM・GRU・双方向RNNを含む)は再帰構造による時系列的な情報伝達を行うモデル構造です。Transformerは、CNNの畳み込みやRNNの再帰を使わず、自己注意を中核に据える点で異なります。またAttention(注意機構)自体はTransformerの中核をなす仕組みであり、Transformerという語はその仕組みを全面的に採用したモデル構造全体を指します。
情報源と編集区分
公式範囲を確認し、具体例・誤答例・判断手順は当サイトが編集。 一次情報確認日: 2026-10-02。
試験概要(公式)混同しやすい用語との差
CNN / RNN / Transformer
CNNは画像の局所的な特徴抽出、RNNは系列データの処理でよく使われます。
Transformerは自己注意を中核にし、自然言語処理や生成AIの基盤で重要です。
見分け方: 用途だけでなく、畳み込み、再帰、自己注意という構造の違いを見ます。
比較記事でさらに確認する
Transformerの具体例と、問題文で見る箇所・隣接概念との境界
畳み込みや再帰ではなく、自己注意機構によって系列内の関係を並列に捉えるモデル構造として捉える
文章のように順序を持つ系列データを扱う際、CNNは局所的な範囲の特徴を畳み込みで抽出し、RNN(LSTMやGRU、双方向RNNを含む)は時点ごとに情報を順番に伝える再帰構造を使います。これに対しTransformerは、再帰や畳み込みの構造を使わず、系列内の各要素が他のどの要素にどれだけ関連するかを表す自己注意(Self-Attention)を計算して情報を重み付けします。この構造により、BERTやGPTのような大規模言語モデルの基盤として使われています。
- 問題文で見る箇所
- 「再帰や畳み込みを使わない」「自己注意(Self-Attention)を全面的に採用する」という記述があればTransformerを候補にします。BERTかGPTかを問う設問では、Transformerを基盤とする点は共通させたうえで、文脈を双方向に捉えるか(BERT)、左から右への一方向・自己回帰で捉えるか(GPT)で区別します。
- 隣接概念との境界
- CNNは畳み込みによる局所特徴の抽出、RNN(LSTM・GRU・双方向RNNを含む)は再帰構造による時系列的な情報伝達を行うモデル構造です。Transformerは、CNNの畳み込みやRNNの再帰を使わず、自己注意を中核に据える点で異なります。またAttention(注意機構)自体はTransformerの中核をなす仕組みであり、Transformerという語はその仕組みを全面的に採用したモデル構造全体を指します。
誤答しやすい選択肢
- 系列内の関係を捉える構造を問われて、時点ごとに情報を順番に伝える再帰構造(RNN、LSTM、GRU、双方向RNN)をTransformerと呼ぶ。Transformerは再帰構造を使わない点が異なります。
- 局所的な範囲の特徴を畳み込みで抽出する構造(CNN)をTransformerと呼ぶ。Transformerは畳み込みではなく自己注意によって関係を捉えます。
- BERTとGPTを、文脈を捉える方向の違い(双方向か一方向・自己回帰か)を無視して同じ扱いにする。両者ともTransformerを基盤とする点は共通しますが、事前学習の方向が異なります。
4段階の判断手順
- 01設問が畳み込み、再帰、自己注意のどの構造を述べているかを先に読み分ける。
- 02「再帰や畳み込みを用いない」「注意機構を全面的に採用する」という条件があるかを確認する。
- 03BERT・GPTを問う設問では、Transformerを基盤とする共通点と、双方向か一方向かという違いを分けて確認する。
- 04Attention(注意機構)という要素技術と、それを中核に据えたモデル構造であるTransformerを混同していないか見直す。
到達条件: Transformerを自己注意による並列処理として説明し、CNN・RNNとの構造の違い、BERT・GPTとの関係を言える。
試験での問われ方
定義の言い換え
用語そのものではなく、説明文の一部を言い換えて出されることがあります。
似た概念との比較
同じ章の用語と入れ替えた選択肢に注意します。対象、目的、使う場面を分けます。
具体例からの判断
問題文の事例が、定義のどの部分に対応しているかを先に確認します。
誤答しやすいポイント
「大項目5 ディープラーニングの要素技術」の問題で、取り違えやすい組み合わせです。
- CNN(画像・畳み込み/プーリング)とRNN(時系列・系列データ)の使い分けを取り違える。
- LSTMとGRUのゲート数を混同する(LSTM=3ゲート+記憶セル、GRU=2ゲートに簡略化)。
- 最適化手法を取り違える(モメンタム=慣性、AdaGrad/RMSProp=適応学習率、Adam=両方)。
関連する確認問題
大項目5 ディープラーニングの要素技術 / 生成モデルと注意機構
Transformerのエンコーダの各副層(自己注意や位置ごとの順伝播網)の出力の計算として、原論文の記述に合うものはどれか。xは副層への入力、Sublayer(x)は副層自身が実装する関数とする。
正解は「xにSublayer(x)を加えたものに、層正規化をかけて出力する」である。原論文では各副層の周りに残差接続を置いたうえで層正規化をかけ、出力はLayerNorm(x + Sublayer(x))となる。残差接続を成立させるため、埋め込み層を含むすべての副層の出力の次元は同じ512にそろえている。残差接続は深い構造でも情報と勾配が通りやすくなる工夫で、ResNetの考え方をTransformerの各副層にも取り入れたものである。足し算の後に層正規化をかける点が式の見分けどころになる。
大項目5 ディープラーニングの要素技術 / 生成モデルと注意機構
再帰や畳み込みの構造を用いず、系列内の各要素が互いにどれだけ関連するかを表す重みを計算する注意の仕組みを全面的に採用した、系列データを扱う多くのタスクで主流となったモデルはどれか。
正解は「Transformer」である。Transformerは再帰や畳み込みの構造を用いず、系列内の各要素が互いにどれだけ関連するかを表す自己注意(Self-Attention)を計算して情報を重み付けし、系列データを扱う多くのタスクで主流となったモデルである。LSTM・GRU・双方向RNNはいずれも再帰構造を基礎とする手法であり、注意機構を全面的に採用したモデルではない。設問は「再帰や畳み込みを用いず注意機構を全面採用」という構造を問うており、これに該当するのはTransformerだけである。
大項目5 ディープラーニングの要素技術 / 生成モデルと注意機構
ICLR 2015で発表されたBahdanauらのニューラル機械翻訳の論文は、原文全体を固定長ベクトルへ符号化する基本のエンコーダ・デコーダを性能向上のボトルネックと推測した。この論文が提案した拡張の内容として最も適切なものはどれか。
正解は「目的の単語を予測するたびに、原文中の関連する部分をモデルが自動でソフトに探索して参照できるようにする」である。同論文は、符号化器が原文を固定長ベクトルに符号化する方式の固定長ベクトルが性能向上のボトルネックだと推測し、目的の単語の予測に関係する原文の部分を、硬い区切りを作らずに自動で探索できるよう拡張した。これが翻訳における注意機構の出発点である。この拡張は、符号化器が作る固定長ベクトル1本に原文のすべてを押し込む負担を減らし、長い文でも訳す語に関係する部分を参照できるようにする点が要点である。のちのTransformerの注意機構につながる。
同じ章で確認したい用語
他資格でも出題される用語
到達チェック
- Transformerを一文で説明できる
- 同じ章の似た用語と違いを説明できる
- 問題文の具体例から、Transformerに関係する論点を拾える
- 関連問題を解き、誤答した選択肢の理由を確認できる
執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)