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G検定 大項目10 AI倫理・AIガバナンス 予想問題と解説

G検定大項目10 AI倫理・AIガバナンス」の予想問題を12、各問の完全解説つきで掲載しています。全問オリジナル自作・公式シラバス準拠です。

この分野で問われる主な論点
  • AI社会原則と倫理
  • バイアスと信頼性
  • AIガバナンス

間違えやすいポイント(作問者分析)

当サイトの作問時に観察した、取り違えやすい論点です(公式の統計ではありません)。

  • データバイアスとアルゴリズムバイアスの区別(偏りの原因がデータ側かアルゴリズム側か)。
  • フィルターバブル(アルゴリズムによる個人化で偏る)とエコーチェンバー(同じ意見が集団内で増幅)の混同。
  • AI事業者ガイドライン・AI新法・EU AI Act・OECD AI原則・広島AIプロセスの主体と性質の取り違え(指針か法律か、国内か国際か)。
1 ・ AI社会原則と倫理

日本政府(内閣府)が2019年に取りまとめた、AIを社会で活用するうえで尊重すべき基本理念を示した一連の原則として正しいものはどれか。

  • 人間中心のAI社会原則正解
  • EU AI Act(EU AI規制法)
  • 個人情報保護法
  • EU一般データ保護規則(GDPR)
解説

日本政府(内閣府の統合イノベーション戦略推進会議)が2019年にまとめた、人間を中心に据えてAIを社会で活用するための基本理念を示したものが「人間中心のAI社会原則」である。GDPRはEUの個人データ保護を定めた規則、EU AI ActはEUのAI規制法であり、いずれも日本政府の理念原則ではない。個人情報保護法は日本の法律だが、個人情報の取扱いを定める法であって、AI社会の基本理念をまとめた原則ではない。

https://www.jdla.org/certificate/general/ (大項目10 AI倫理・AIガバナンス)

2 ・ AI社会原則と倫理

自動運転車が事故を避けられない状況で「誰の安全を優先するか」を判断させる場合などに引き合いに出される、犠牲を伴う選択を迫る倫理的ジレンマの思考実験はどれか。

  • シンボルグラウンディング問題
  • トロッコ問題正解
  • 信用割当問題
  • フレーム問題
解説

暴走するトロッコが複数の人をはねる状況で「進路を切り替えて犠牲者を減らすか」を問う倫理的ジレンマが「トロッコ問題」であり、自動運転の事故時の優先判断などAI倫理の文脈でしばしば引用される。フレーム問題はAIが今すべきことに関係する事柄だけを切り出せない問題、シンボルグラウンディング問題は記号と実世界の意味を結びつけられない問題、信用割当問題は多層ニューラルネットワークで誤差をどの層・要素に割り当てるかという学習上の問題で、いずれも倫理的ジレンマの思考実験ではない。

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3 ・ AI社会原則と倫理

新しい科学技術の研究開発や社会実装に伴って生じる、倫理面・法律面・社会面の諸課題を包括的に捉えるための概念を表す略語はどれか。

  • XAI
  • ELSI正解
  • MLOps
  • FAT
解説

倫理的・法的・社会的課題を総称する概念がELSIであり、科学技術を社会に導入する際に技術的可否だけでなく倫理・法・社会の側面を併せて検討すべきという考え方を表す。FATは公平性・説明責任・透明性を指す枠組み、XAIは判断根拠を人間が理解できるようにする説明可能AI、MLOpsは機械学習モデルの開発・運用を継続的に回す仕組みであり、いずれも倫理的・法的・社会的課題そのものを指す語ではない。

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4 ・ バイアスと信頼性

深層学習(敵対的生成ネットワークなど)を用いて、実在する人物があたかも実際には行っていない発言や動作をしているかのような偽の映像・音声を作り出す技術はどれか。

  • プロファイリング
  • ハルシネーション
  • フェイクニュース
  • ディープフェイク正解
解説

深層学習を用いて本物そっくりの偽の映像・音声を合成する技術が「ディープフェイク」であり、なりすましや偽情報の温床として倫理上の問題となる。ハルシネーションは大規模言語モデルなどが事実でない内容をもっともらしく生成する現象、フェイクニュースは虚偽の情報・ニュースという内容や現象を指す語で生成技術そのものではない。プロファイリングは個人データを分析して特徴を予測する処理であり、偽メディアを作る技術ではない。

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5 ・ バイアスと信頼性

ノイズの多い入力や想定外のデータ、入力への意図的な改変(敵対的攻撃)にさらされても、AIが性能を大きく損なわず安定して動作できる性質を指す語はどれか。

  • 透明性
  • 公平性
  • ロバスト性正解
  • 説明責任
解説

外乱や敵対的攻撃を受けても性能を保てる頑健さが「ロバスト性」であり、信頼できるAIに求められる重要な性質の一つである。説明責任はAIの判断や結果について責任を明確にし説明できること、透明性はAIの動作や判断過程を把握・追跡できること、公平性は特定の属性に不当な差別を生まないことを指し、いずれも信頼できるAIの要素ではあるが、外乱や攻撃への耐性を表す語ではない。

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6 ・ AIガバナンス

技術や社会環境の急速な変化に対応するため、固定的なルールを一度定めて終わりにせず、目標・ルール・運用を継続的に評価し見直し続ける統治の考え方はどれか。

  • AI事業者ガイドライン
  • プライバシー・バイ・デザイン
  • アジャイル・ガバナンス正解
  • リスクベースアプローチ
解説

環境変化に合わせてルールや運用を反復的に評価・更新し続ける統治の考え方が「アジャイル・ガバナンス」である。リスクベースアプローチはリスクの大きさに応じて規制の強弱を変える考え方、AI事業者ガイドラインは日本でAIを扱う事業者向けに示された指針(文書)、プライバシー・バイ・デザインは設計段階からプライバシー保護を組み込む考え方であり、いずれも継続的にルールを見直し続ける統治の枠組みそのものを指す語ではない。

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7 ・ AIガバナンス

個人に関するデータを自動的に処理・分析し、その人の趣味嗜好や行動傾向、信用力、健康状態などの特徴を予測・評価する処理を指す語はどれか。

  • 自動意思決定
  • プロファイリング正解
  • アノテーション
  • クラスタリング
解説

個人データを自動処理して本人の特徴や傾向を予測・評価する処理が「プロファイリング」であり、本人が望まない評価や差別につながりうる点でAIガバナンス上の論点となる。アノテーションは学習データに正解ラベルを付与する作業、自動意思決定は人間の関与なく決定そのものを下すことを指し、特徴を予測・評価する処理とは段階が異なる。クラスタリングは教師なし学習でデータを似た者同士に分ける一般的な手法であり、個人の特徴予測を指す語ではない。

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8 ・ AI社会原則と倫理

AIがどのようなデータを用い、どのような仕組みで結論に至ったのかを、利用者や社会の側から把握し検証できる状態に保っておくべきだという、人間中心のAI社会原則でも重視される考え方を表す語はどれか。

  • 透明性正解
  • プライバシー
  • 公平性
  • 人間中心
解説

AIがどのようなデータを用い、どのような仕組みで結論に至ったのかを、利用者や社会の側から把握・検証できる状態に保つべきだとする考え方が「透明性」である。人間中心はAIが人間の尊厳を損なわず人間が主体的に判断できるようにするという理念、プライバシーは個人の私的な情報を保護すべきだという価値、公平性は人種や性別などの属性で不当な差別をしないという価値であり、いずれも判断の過程を把握・検証できる状態そのものを指す語ではない。

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9 ・ AI社会原則と倫理

AIやロボットによる自動化が広く進み、これまで人間が担ってきた仕事が機械に取って代わられることで、働き手の雇用が失われていく事態を指す語はどれか。

  • 技術的失業正解
  • フィルターバブル
  • 監視社会
  • 自律型致死兵器
解説

正解は技術的失業。技術の進歩によって人間が行ってきた業務が機械に代替され、その仕事に就いていた人々が職を失う現象を指す。自律型致死兵器(LAWS)は人間の判断を介さずに攻撃するAI兵器、監視社会は監視技術の普及で個人の行動が常時把握される社会、フィルターバブルは利用者の好みに合う情報だけが優先表示されて視野が狭まる情報環境であり、いずれも雇用が失われる事態を指す語ではない。

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10 ・ AI社会原則と倫理

特定の国の国内方針ではなく、多数の国の政府が初めて合意して採択した、信頼できるAIの責任ある開発・普及のための国際的な原則はどれか。

  • OECD AI原則正解
  • 広島AIプロセス
  • 人間中心のAI社会原則
  • AI事業者ガイドライン
解説

正解はOECD AI原則。経済協力開発機構(OECD)を中心に多数の国の政府が初めて合意して採択した、信頼できるAIの責任ある普及のための原則と各国政府への提言からなる国際的な枠組みである。人間中心のAI社会原則とAI事業者ガイドラインはいずれも日本国内で示された原則・指針であって多数国が合意した国際的なものではない。広島AIプロセスは生成AIなど高度なAIを対象に主要国が指針や行動規範を取りまとめた、より後の取り組みであり、信頼できるAI全般について各国が初めて合意した原則そのものではない。

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11 ・ AIガバナンス

主要国が連携し、急速に普及する生成AIなど高度なAIを対象として、全てのAI関係者向けの国際指針と、高度なAIを開発する組織向けの国際行動規範を取りまとめた、近年の国際的なルール形成の枠組みはどれか。

  • 広島AIプロセス正解
  • OECD AI原則
  • EU AI Act(EU AI規制法)
  • リスクベースアプローチ
解説

正解は広島AIプロセス。主要国(G7)が議長国を中心に連携し、生成AIなど高度なAIを対象に、全てのAI関係者向けの国際指針と、高度なAIシステムを開発する組織向けの国際行動規範を取りまとめた国際的なルール形成の枠組みである。OECD AI原則は信頼できるAI全般について各国政府が合意した原則、EU AI Act(EU AI規制法)はリスクの大きさに応じてAIを規制するEUの法、リスクベースアプローチはリスクの程度に応じて規制の強弱を変える考え方であり、いずれも生成AI向けの国際指針と国際行動規範を取りまとめた枠組みそのものを指す語ではない。

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12 ・ AIガバナンス

統計やモデルの出力に対し、ある特定の個人のデータが含まれているかどうかで結果がほとんど変わらないよう計算過程で適切なノイズを加え、全体としての有用性を保ちつつ個人の特定を困難にする手法はどれか。

  • 自動意思決定
  • プロファイリング
  • 差分プライバシー正解
  • 連合学習(フェデレーテッドラーニング)
解説

正解は差分プライバシー。出力結果に意図的なノイズを加えることで、ある個人のデータが計算に含まれていたかどうかを結果から判別しにくくし、全体としての統計的な有用性を保ちながら個人の特定を防ぐ手法である。連合学習(フェデレーテッドラーニング)はデータを各拠点に置いたまま学習する別の仕組みで、ノイズによる個人の判別困難化を直接の目的とする手法ではない。プロファイリングは個人データを分析して特徴や傾向を予測する処理、自動意思決定は人間の関与なく決定を下す処理であり、いずれも個人の特定を困難にする手法ではない。

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