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生成AIパスポート 用語解説

Transformerとは

自己注意(Self-Attention)を中核とするアーキテクチャ。現在の多くの大規模言語モデルの基盤。

まず押さえる結論

Transformerは、生成AIパスポートの「第2章 生成AI(ジェネレーティブAI)」で確認しておきたい用語です。定義だけでなく、どの場面で使う言葉か、何と混同しやすいか、問題文のどの表現で判断するかまで確認します。

情報源と編集区分

公式範囲を確認し、具体例・誤答例・判断手順は当サイトが編集。 一次情報確認日: 2026-06-27。

公式シラバス(PDF)(公式)

具体例から判断の境界を固める

畳み込みや再帰ではなく、自己注意機構によって系列内の関係を並列に捉えるモデル構造として捉える

文章のように順序を持つ系列データを扱う際、CNNは局所的な範囲の特徴を畳み込みで抽出し、RNN(LSTMやGRU、双方向RNNを含む)は時点ごとに情報を順番に伝える再帰構造を使います。これに対しTransformerは、再帰や畳み込みの構造を使わず、系列内の各要素が他のどの要素にどれだけ関連するかを表す自己注意(Self-Attention)を計算して情報を重み付けします。この構造により、BERTやGPTのような大規模言語モデルの基盤として使われています。

問題文で見る箇所
「再帰や畳み込みを使わない」「自己注意(Self-Attention)を全面的に採用する」という記述があればTransformerを候補にします。BERTかGPTかを問う設問では、Transformerを基盤とする点は共通させたうえで、文脈を双方向に捉えるか(BERT)、左から右への一方向・自己回帰で捉えるか(GPT)で区別します。
隣接概念との境界
CNNは畳み込みによる局所特徴の抽出、RNN(LSTM・GRU・双方向RNNを含む)は再帰構造による時系列的な情報伝達を行うモデル構造です。Transformerはこれらの構造を使わず自己注意を中核に据える点で異なります。またAttention(注意機構)自体はTransformerの中核をなす仕組みであり、Transformerという語はその仕組みを全面的に採用したモデル構造全体を指します。

誤答しやすい選択肢

  • 系列内の関係を捉える構造を問われて、時点ごとに情報を順番に伝える再帰構造(RNN、LSTM、GRU、双方向RNN)をTransformerと呼ぶ。Transformerは再帰構造を使わない点が異なります。
  • 局所的な範囲の特徴を畳み込みで抽出する構造(CNN)をTransformerと呼ぶ。Transformerは畳み込みではなく自己注意によって関係を捉えます。
  • BERTとGPTを、文脈を捉える方向の違い(双方向か一方向・自己回帰か)を無視して同じ扱いにする。両者ともTransformerを基盤とする点は共通しますが、事前学習の方向が異なります。

4段階の判断手順

  1. 01設問が畳み込み、再帰、自己注意のどの構造を述べているかを先に読み分ける。
  2. 02「再帰や畳み込みを用いない」「注意機構を全面的に採用する」という条件があるかを確認する。
  3. 03BERT・GPTを問う設問では、Transformerを基盤とする共通点と、双方向か一方向かという違いを分けて確認する。
  4. 04Attention(注意機構)という要素技術と、それを中核に据えたモデル構造であるTransformerを混同していないか見直す。

到達条件: Transformerを自己注意による並列処理として説明し、CNN・RNNとの構造の違い、BERT・GPTとの関係を言える。

試験での問われ方

01

定義の言い換え

用語そのものではなく、説明文の一部を言い換えて出されることがあります。

02

似た概念との比較

同じ章の用語と入れ替えた選択肢に注意します。対象、目的、使う場面を分けます。

03

具体例からの判断

問題文の事例が、定義のどの部分に対応しているかを先に確認します。

誤答しやすいポイント

×ハルシネーション・アライメント・ファインチューニングの取り違え。事実と異なるもっともらしい出力=ハルシネーション、人間の意図に沿わせること=アライメント、追加学習で調整=ファインチューニング。

×GANとVAEの混同。GANは生成器と識別器を競わせる方式、VAEはエンコーダ・デコーダと潜在ベクトルを使う方式。

×Transformerの中核を畳み込みや位置エンコーディングと取り違える。中核は自己注意(Self-Attention)。

関連する確認問題

第2章 生成AI(ジェネレーティブAI) / 生成AIの誕生まで

系列データ(シーケンスデータ)を扱うニューラルネットワークのうち、RNNを改良し、長い系列でも情報を保持しやすくしたモデルはどれか。

正解は「LSTM(長・短期記憶)」である。RNNを改良し、長い系列でも情報を保持しやすくしたモデルが、長・短期記憶と呼ばれるLSTM(長・短期記憶)である。CNN(畳み込みニューラルネットワーク)は畳み込みで画像の局所特徴を扱うモデル、ボルツマンマシンは初期の確率的な生成モデル、Transformerモデルは自己注意力を中核とするモデルであり、いずれも「RNNを改良し長い系列の情報を保持する」ためのモデルではない。CNNは画像処理向け、ボルツマンマシンは確率的な生成の仕組み、Transformerモデルは自己注意力中心のアーキテクチャという、RNNの改良とは異なる系統に属する点を見分け方にする。

第2章 生成AI(ジェネレーティブAI) / 生成AIの誕生まで

生成モデルの初期に登場した確率的なモデルで、ユニット間の結合の一部を制限した「制約付き」と呼ばれる形が知られているものはどれか。

正解は「ボルツマンマシン」である。生成モデルの初期に登場した確率的なモデルで、ユニット間の結合を一部制限した制約付きボルツマンマシンという形で知られているのがボルツマンマシンである。Transformerモデルは自己注意力を中核とするモデル、GAN(敵対的生成ネットワーク)は生成器と識別器を競わせる方式、自己回帰モデルは直前までの出力から次を予測する方式であり、いずれも『制約付き』の形で知られる初期の確率的モデルではない。GAN・自己回帰モデル・Transformerモデルは、それぞれ生成器と識別器の競合、直前出力からの予測、自己注意力という異なる仕組みを持つ点で、結合を制限した初期の確率的モデルとは系統が異なる。

第2章 生成AI(ジェネレーティブAI) / 生成AIの誕生まで

Transformerモデルで、入力された単語の並び順(位置)の情報をモデルに伝えるために加えられる仕組みを何というか。

正解は「位置エンコーディング」である。Transformerモデルにおいて、単語の並び順(位置)の情報をモデルに伝えるために加えられる仕組みが位置エンコーディングである。自己注意力(Self-Attention)は入力中の要素どうしの関係に重みづけする仕組み、畳み込みはCNNで局所的な特徴を抽出する処理、潜在ベクトルはVAEなどでデータを圧縮した表現であり、いずれも位置の情報を伝える仕組みではない。自己注意力・畳み込み・潜在ベクトルは、それぞれ関係の重みづけ、局所特徴の抽出、データの圧縮表現という別の役割を持つ点で、並び順の情報を伝える位置エンコーディングとは機能が異なる。

同じ章で確認したい用語

到達チェック

  • Transformerを一文で説明できる
  • 同じ章の似た用語と違いを説明できる
  • 問題文の具体例から、Transformerに関係する論点を拾える
  • 関連問題を解き、誤答した選択肢の理由を確認できる

執筆: ミナト編集部運営者情報を見る