統計検定2級 用語解説
時系列データとは
時間の経過に沿って一定間隔で観測された値の系列。前後の値どうしに依存関係を持つ場合が多く、通常の量的データとは異なる分析手法が必要になる。
この記事の目次
まず押さえる結論
時系列データは、統計検定2級の「第1章 データの記述と要約」で確認しておきたい用語です。定義だけでなく、どの場面で使う言葉か、何と混同しやすいか、問題文のどの表現で判断するかまで確認します。
情報源と編集区分
公式範囲を確認し、具体例・誤答例・判断手順は当サイトが編集。 一次情報確認日: 2026-07-11。
試験概要(公式)具体例から判断の境界を固める
時系列データを、役割と隣接概念の境界から捉える
時間の経過に沿って一定間隔で観測された値の系列。前後の値どうしに依存関係を持つ場合が多く、通常の量的データとは異なる分析手法が必要になる。 試験では名称だけでなく、処理の対象、目的、使う段階を別概念と入れ替えた選択肢が出るため、定義の主語と動作を分けて確認します。
- 問題文で見る箇所
- 観測値が時間の順序に沿って並んでおり、前後の値どうしに依存関係がある系列そのものを指しているかを確認します。
- 隣接概念との境界
- 時系列データは時間順に並んだ観測値の系列そのものを指し、移動平均やトレンドはその時系列データを分析・加工するための具体的な手法や成分です。
誤答しやすい選択肢
- 時間順に並んでいるとは限らない単なる観測値の集まりを時系列データと呼ぶ。定義の主語と処理対象を確認します。
- 時系列データの目的だけを見て、同じ目的を持つ別手法まで同じ用語とする。具体的な処理を比較します。
- 時系列データを使えば目的が必ず達成されると断定する。適用条件や評価を別に確認します。
4段階の判断手順
- 01問題文が状態、手法、評価指標、制度のどれを説明しているか決める。
- 02定義の中心となる対象と動作が時系列データに一致するか確認する。
- 03隣接概念と共通する目的ではなく、処理や条件の違いを見る。
- 04必ず・完全に・だけでよいという過度な断定がないか見直す。
到達条件: 時系列データを一文で説明し、最も混同しやすい隣接概念との違いを処理または条件から言える。
試験での問われ方
定義の言い換え
用語そのものではなく、説明文の一部を言い換えて出されることがあります。
似た概念との比較
同じ章の用語と入れ替えた選択肢に注意します。対象、目的、使う場面を分けます。
具体例からの判断
問題文の事例が、定義のどの部分に対応しているかを先に確認します。
誤答しやすいポイント
×平均・中央値・最頻値の使い分け。外れ値があると平均は大きく動きやすいが、中央値は比較的影響を受けにくい。
×相関と因果の混同。相関係数が大きくても因果関係を示すとは限らない。
×分散・標準偏差・変動係数の違い。単位や平均の大きさが異なる比較では変動係数が使われる。
関連する確認問題
第1章 データの記述と要約 / 時系列データの処理
月次の気温データについて、時間的に離れた時点どうしの値の相関(系列相関)が、時間差(ラグ)ごとにどう変化するかを図で確認したい。用いる図として最も適切なものはどれか。
この事例では「時間差ごとの系列相関の変化を図で確認できるか」を確認すると、コレログラムに絞れる。正解は「コレログラム」である。コレログラムは、時系列データにおいて時間的に離れた時点どうしの値の相関である系列相関を、時間差(ラグ)ごとに並べて示す図であり、周期性やトレンドの有無を確認する手がかりになる。ローレンツ曲線は、所得のようなデータの累積人数割合と累積所得割合の関係を示す図であり、時間差ごとの相関を表すものではない。散布図は2つの変数の組を点で示す図であり、ラグごとの系列相関の変化という時間軸に沿った情報をまとめて示す図ではない。累積度数グラフは、値の小さい方から度数を積み上げた増え方を示す図であり、時点間の相関を扱う図ではない。時系列データの分析では、トレンドや平滑化(移動平均)とあわせて系列相関の確認が用いられる。
第1章 データの記述と要約 / 時系列データの処理
月次売上の直近3か月が8、11、14だった。現在月を含む3項の単純移動平均はいくつか。
正解は「11」である。3項の単純移動平均は、現在を含む直近3個の観測値を合計して3で割るので、(8+11+14)÷3=33÷3=11となる。3は項数そのもの、8は窓の最初の値、33は割る前の合計である。次の月へ窓を進める場合は8を外し、新しい月の値を加えて再び3で割る。移動平均の名称を選ぶだけでなく、窓に含める観測値と除数を対応させることが要点である。単純移動平均は窓内の各観測値へ等しい重みを与えるため、この例では3値をそれぞれ3分の1の重みで平均している。
第1章 データの記述と要約 / 時系列データの処理
等間隔の時系列が1、2、1の3点で、平均は4/3だった。NISTの式に従い、ラグ1の分子を隣接する偏差積の和、分母を全点の偏差平方和として系列相関を求めるといくつか。
正解は「-2/3」である。平均との差は-1/3、2/3、-1/3である。ラグ1の分子は(-1/3)(2/3)+(2/3)(-1/3)=-4/9、分母は(-1/3)²+(2/3)²+(-1/3)²=6/9なので、系列相関は(-4/9)÷(6/9)=-4/6=-2/3となる。-1/3は偏差の一つを答えた値、0は平均が中央にあることだけから相関まで0とした値、1は同じ変数どうしだから常に完全相関になると誤解した値である。ラグ1では同時点ではなく隣接時点の偏差積を使う。
同じ章で確認したい用語
他資格でも出題される用語
到達チェック
- 時系列データを一文で説明できる
- 同じ章の似た用語と違いを説明できる
- 問題文の具体例から、時系列データに関係する論点を拾える
- 関連問題を解き、誤答した選択肢の理由を確認できる
執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)