統計検定2級 用語解説
対応のないデータとは
異なる対象から独立に抽出した2つの標本。同一の対象から対になる形で抽出する対応のあるデータとは、標本どうしの結びつきの有無で区別される。
まず押さえる結論
対応のないデータは、統計検定2級の「第5章 仮説検定」で確認しておきたい用語です。定義だけでなく、どの場面で使う言葉か、何と混同しやすいか、問題文のどの表現で判断するかまで確認します。
情報源と編集区分
公式範囲を確認し、具体例・誤答例・判断手順は当サイトが編集。 一次情報確認日: 2026-07-11。
試験概要(公式)試験での問われ方
定義の言い換え
用語そのものではなく、説明文の一部を言い換えて出されることがあります。
似た概念との比較
同じ章の用語と入れ替えた選択肢に注意します。対象、目的、使う場面を分けます。
具体例からの判断
問題文の事例が、定義のどの部分に対応しているかを先に確認します。
誤答しやすいポイント
×p値を『帰無仮説が正しい確率』と誤解する。p値は帰無仮説のもとで観測結果以上に極端な結果が出る確率。
×第1種の過誤と第2種の過誤の取り違え。前者は正しい帰無仮説を棄却する誤り。
×片側検定と両側検定の選択。対立仮説の向きが事前に決まっているかで変わる。
関連する確認問題
第5章 仮説検定 / 2つの母集団の比較
同じ社員20人に対して、研修の受講前と受講後でそれぞれ試験を実施し、点数の変化を調べたい。この2つの標本の関係を表す語として最も適切なものはどれか。
正解は「対応のあるデータ(同一の対象から抽出した対になる2つの標本)」である。同一の社員20人を研修の受講前・受講後という2つの時点で測定しているため、対になる2つの標本、すなわち対応のあるデータにあたる。対応のないデータは、異なる対象から独立に抽出した2つの標本を指し、同一の対象を前後で比較する本問の場面には当てはまらない。2つの母比率の差は、2つの母集団における割合を比較する概念であり、本問が扱う試験の点数という数量データの比較とは対象が異なる。分散の比は、2つの母集団のばらつきの大きさを比較する概念であり、本問が問うているのは標本が同一対象由来か別対象由来かという対応関係であって、ばらつきの比較ではない。
第5章 仮説検定 / 2つの母集団の比較
対応のあるデータと対応のないデータでは、2つの母平均の差を検定する方法が異なる。その違いとして最も適切なものはどれか。
正解は「対応のあるデータでは2つの標本の差を求めて1つの標本とみなし1標本の検定に帰着させ、対応のないデータでは2つの標本それぞれのばらつきを用いた2標本の検定を行う」である。対応のあるデータでは、対になる2つの標本の差を求めることで実質的に1つの標本の検定に帰着させて検定を行う。対応のないデータでは、独立に抽出された2つの標本それぞれのばらつき(分散)を用いた2標本の検定を行う。「対応のあるデータでは必ず分散の比の検定を行い、対応のないデータでは必ず母比率の検定を行う」は、ばらつきの比較である分散の比の検定や割合の比較である母比率の検定を無条件に対応させており誤りである。「対応のあるデータでは母比率の差を検定し、対応のないデータでは母平均の差を検定する」は、対応の有無と検定対象(平均か比率か)という別の軸を混同している。「検定の手順に違いは生じない」は、対応のあるデータと対応のないデータで検定の考え方そのものが異なるという原則に反する。
第5章 仮説検定 / 2つの母集団の比較
同一の会員100人について、キャンペーン実施前後でクーポンの利用有無(利用した・利用しなかった)を記録し、利用率が変化したかを調べたい。この場面の説明として最も適切なものはどれか。
正解は「同一の会員を前後で比較しているため対応のあるデータであり、独立した2つの母集団を前提とする対応のない2つの母比率の差の検定をそのまま適用するのは適切でない」である。同一の会員100人をキャンペーン実施前後という2つの時点で追跡しているため、対になる2つの標本、すなわち対応のあるデータにあたる。通常の2つの母比率の差の検定は、異なる対象から独立に抽出した2つの標本、すなわち対応のないデータを前提とした方法であり、対応のあるデータにそのまま当てはめるのは適切でない。「異なる会員から独立に抽出した2つの標本を比較しているため対応のないデータである」は、同一の会員を前後で追跡するという本問の設定と矛盾する。「この場面は2つの母集団の分散の比を調べる検定の対象である」は、利用率という割合を扱う場面をばらつきの比較にすり替えており誤りである。「利用率という割合を扱っているため、対応のあるデータかどうかにかかわらず検定方法に違いは生じない」は、対応の有無によって検定の考え方が変わるという原則に反する。
同じ章で確認したい用語
到達チェック
- 対応のないデータを一文で説明できる
- 同じ章の似た用語と違いを説明できる
- 問題文の具体例から、対応のないデータに関係する論点を拾える
- 関連問題を解き、誤答した選択肢の理由を確認できる
執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)