統計検定2級 用語解説
全数調査とは
母集団を構成する要素をすべて漏れなく調べる調査方法。一部だけを取り出して調べる標本調査とは、調べる範囲が異なる。
まず押さえる結論
全数調査は、統計検定2級の「第2章 データ収集と確率」で確認しておきたい用語です。定義だけでなく、どの場面で使う言葉か、何と混同しやすいか、問題文のどの表現で判断するかまで確認します。
情報源と編集区分
公式範囲を確認し、具体例・誤答例・判断手順は当サイトが編集。 一次情報確認日: 2026-07-11。
試験概要(公式)試験での問われ方
定義の言い換え
用語そのものではなく、説明文の一部を言い換えて出されることがあります。
似た概念との比較
同じ章の用語と入れ替えた選択肢に注意します。対象、目的、使う場面を分けます。
具体例からの判断
問題文の事例が、定義のどの部分に対応しているかを先に確認します。
誤答しやすいポイント
×母集団と標本の取り違え。標本は母集団の一部であり、抽出方法に偏りがあると推測も偏る。
×独立と排反の混同。独立は一方の発生が他方の確率を変えないこと、排反は同時に起こらないこと。
×条件付き確率で分母に置く事象の取り違え。何が既に起きた条件なのかを先に確認する。
関連する確認問題
第2章 データ収集と確率 / 観察研究と実験研究
一部顧客へのアンケートから全顧客の満足度を推定する。母集団を定義すべき理由はどれか。
この事例では「推測したい対象全体を明確にする必要があるか」を確認すると、標本から推測したい対象全体が母集団だからに絞れる。正解は「標本から推測したい対象全体が母集団だから」である。標本調査では、無作為抽出などによって得た標本から母集団について推測する。全数調査のように母集団すべてを調べるわけではないため、何を母集団とするかを明確にしないと推定や解釈の対象が曖昧になる。母集団は標本より少ないとは限らず、通常は標本より大きい。相関係数や回帰直線の残差とも別の概念である。 標本調査では観測した一部から、あらかじめ定めた対象全体の母数を推定する。対象期間・地域・属性など母集団の範囲が曖昧なら結果を一般化する先も曖昧になる。母集団は通常標本を含むより大きな集合で、相関係数や残差の別名ではない。
第2章 データ収集と確率 / 標本調査と無作為抽出
全顧客を調べても入力ミスや無回答が残った。全数調査でも生じる誤差はどれか。
この事例では「抽出以外の測定・回答に由来する誤差か」を確認すると、回答ミスや測定ミスなどの非標本誤差に絞れる。正解は「回答ミスや測定ミスなどの非標本誤差」である。全数調査は母集団全体を調べるため、標本を抽出することで生じる標本誤差は問題になりにくい。一方、回答ミスや測定ミス、調査設計の問題など、抽出以外の要因から生じる非標本誤差には注意が必要である。条件付き確率は事象が起こる条件のもとでの確率を考える概念であり、全数調査の誤差とは無関係である。標準正規分布の分散も、調査の誤差とは別の話である。 全数調査は標本抽出を行わないため抽出に伴う標本誤差を避けられるが、無回答、虚偽回答、測定器のずれ、入力ミスなど非標本誤差は残る。条件付き確率や標準正規分布の分散は調査誤差の種類ではない。 比較対象には「標本誤差だけが必ず発生する」、「条件付き確率だけが必ず発生する」、「標準正規分布の分散だけ」も含まれる。
第2章 データ収集と確率 / 実験計画の概念
研修の効果を調べるため、研修を受ける社員と受けない比較対象を設けた。二群の名称はどれか。
この事例では「処理を受ける群と比較基準の対照群か」を確認すると、処理群と対照群に絞れる。判断軸は、実験で処理を受ける側と比較の基準になる側を区別しているかである。公式出題範囲では実験の基本概念として処理群と対照群が挙げられる。母集団と標本、全数調査と標本調査は調査対象や収集範囲の区別、和事象と積事象は確率における事象の組合せであり、実験群の役割を表さない。二つの語が表す関係を読むと、対象全体と一部、調査範囲、確率事象という別軸を除外できる。処理の有無を比較する実験内の役割として対応する組合せを選ぶ。観察対象の選び方ではなく比較条件を置く群の名称である。
同じ章で確認したい用語
到達チェック
- 全数調査を一文で説明できる
- 同じ章の似た用語と違いを説明できる
- 問題文の具体例から、全数調査に関係する論点を拾える
- 関連問題を解き、誤答した選択肢の理由を確認できる
執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)