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統計検定2級 用語解説

期待度数とは

独立性や適合度を仮定した場合に、クロス集計表の各セルが理論上とるはずの度数。観測度数との差からカイ二乗検定の統計量を求める。

まず押さえる結論

期待度数は、統計検定2級の「第6章 カテゴリカルデータと回帰分析」に出てくる用語です。見分けの要点は、観測度数は実際にデータを集めて得られた度数であり、期待度数は帰無仮説が正しいと仮定した場合に理論上期待される度数です。カイ二乗値はこの両者のずれから計算されるため、どちらか一方だけでは求められません。

情報源と編集区分

公式範囲を確認し、具体例・誤答例・判断手順は当サイトが編集。 一次情報確認日: 2026-10-09。

試験概要(公式)

期待度数の具体例と、問題文で見る箇所・隣接概念との境界

実際に観測された度数ではなく、帰無仮説(理論上の分布や独立性)が正しいと仮定した場合に期待される度数として捉える

適合度検定では、理論上の分布や比率から計算される、各カテゴリに期待される度数を指します。独立性の検定では、2つのカテゴリ変数が独立であると仮定した場合に、クロス集計表の各セルで期待される度数を指します。観測度数(実際に観測されたデータの度数)とこの期待度数のずれをもとにカイ二乗値を計算し、そのずれが偶然の範囲を超えて大きいかどうかを判断します。

問題文で見る箇所
帰無仮説(理論上の分布や独立性)のもとで期待される度数という条件を確認します。実際に観測されたデータの度数を問う設問であれば、期待度数ではなく観測度数を候補にします。
隣接概念との境界
観測度数は実際にデータを集めて得られた度数であり、期待度数は帰無仮説が正しいと仮定した場合に理論上期待される度数です。カイ二乗値はこの両者のずれから計算されるため、どちらか一方だけでは求められません。

誤答しやすい選択肢

  • 期待度数を実際に観測されたデータの度数として説明する。実際に観測された度数は観測度数であり、期待度数は帰無仮説のもとで理論上期待される度数です。
  • 期待度数は独立性の検定だけで使われると説明する。期待度数は適合度検定でも、理論上の分布や比率から計算される値として使われます。
  • 期待度数と観測度数が常に一致すると説明する。両者が一致しない(ずれがある)場合にそのずれの大きさをカイ二乗値として評価するのが検定の目的です。

4段階の判断手順

  1. 01設問が実際に観測された度数を問うているか、帰無仮説のもとで期待される度数を問うているかを先に分ける。
  2. 02期待される度数であれば、理論上の分布・比率、または独立性の仮定のどちらから計算されているかを確認する。
  3. 03観測度数と期待度数のずれがカイ二乗値の計算に使われているかを確認する。
  4. 04両者が常に一致するという記述になっていないか見直す。

到達条件: 期待度数を帰無仮説のもとで理論上期待される度数として説明し、観測度数との違いを言える。

試験での問われ方

01

定義の言い換え

「独立性や適合度を仮定した場合に、クロス集計表の各セルが理論上とるはずの度数」の形で出ます。

02

似た概念との比較

観測度数(実際に数えた度数)との入れ替えが出ます。両者の差からカイ二乗検定の統計量を求めます。

03

具体例からの判断

クロス集計表が与えられ、独立だと仮定したときの各セルの値を問う形です。仮定のもとで理論上とる値を求める問題だと読み取ります。

誤答しやすいポイント

期待度数の問題で、誤答につながりやすい考え方です。

  • 実際に観測した度数を期待度数とする。期待度数は仮定のもとでの理論上の度数です。
  • 期待度数を使うのは適合度の検定だけだとする。独立性の検定でも使います。

関連する確認問題

第6章 カテゴリカルデータと回帰分析 / カテゴリカルデータの分析

カイ二乗統計量を計算する際、あるセルの観測度数が30、帰無仮説のもとでの期待度数が20だった。このセルの寄与 (観測度数-期待度数)²÷期待度数 はいくつか。

正解は「5」である。各セルのカイ二乗統計量への寄与は(観測度数-期待度数)²÷期待度数で求める。差は30-20=10、その二乗は100、期待度数20で割ると100÷20=5となる。0.5は差10を期待度数20で割っただけで二乗を省いた値、10は観測度数と期待度数の差だけを答えた値、50は差の二乗100を誤って2で割った値である。カイ二乗統計量はこの5だけで検定するのではなく、表の全セルについて同じ計算を行い、その寄与を合計する。差を二乗するため、観測度数が期待度数より上か下かにかかわらず各セルの寄与は非負になる。

第6章 カテゴリカルデータと回帰分析 / カテゴリカルデータの分析

2×2のクロス集計表で、4セルの期待度数がすべて25、観測度数が順に30、20、20、30だった。各セルについて(観測度数-期待度数)²÷期待度数を求めて合計すると、カイ二乗統計量はいくつか。

正解は「4」である。どのセルも観測度数と期待度数の差の絶対値が5なので、各セルの寄与は(30-25)²÷25または(20-25)²÷25=25÷25=1となる。クロス集計表には4セルあるため、カイ二乗統計量は1+1+1+1=4である。1は一つのセルの寄与だけ、2は対角の2セルだけを合計した値、20は4セルの差の絶対値5をそのまま足した値であり、二乗して期待度数で割る工程を反映していない。差が正か負かにかかわらず二乗後の寄与は非負であり、表全体の検定統計量では全セルを漏れなく合計する。

第6章 カテゴリカルデータと回帰分析 / カテゴリカルデータの分析

100件をカテゴリA・B・Cに分類した観測度数が順に40、30、30だった。3カテゴリの理論比率が等しく各1/3という帰無仮説について、期待度数を各100/3とし、χ²=Σ(観測度数-期待度数)²÷期待度数を求めるといくつか。

正解は「2.00」である。理論比率が各1/3なので、3カテゴリの期待度数はすべて100/3である。Aの差は40-100/3=20/3で、寄与は(20/3)²÷(100/3)=4/3。BとCはそれぞれ30-100/3=-10/3で、各寄与は(-10/3)²÷(100/3)=1/3となる。したがってχ²=4/3+1/3+1/3=6/3=2.00である。0.67はBとCの寄与だけを合計した値、1.33はAの寄与だけ、6.67はAの観測度数と期待度数の差の絶対値だけで、いずれも全カテゴリの寄与合計ではない。単一カテゴリ変数の観測比率が理論比率へ合うかを調べる適合度検定であり、二つのカテゴリ変数のクロス集計表を扱う独立性検定とは対象が異なる。

同じ章で確認したい用語

到達チェック

  • 期待度数を一文で説明できる
  • 同じ章の似た用語と違いを説明できる
  • 問題文の具体例から、期待度数に関係する論点を拾える
  • 関連問題を解き、誤答した選択肢の理由を確認できる

執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)