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統計検定2級 用語解説

期待度数とは

独立性や適合度を仮定した場合に、クロス集計表の各セルが理論上とるはずの度数。観測度数との差からカイ二乗検定の統計量を求める。

まず押さえる結論

期待度数は、統計検定2級の「第6章 カテゴリカルデータと回帰分析」で確認しておきたい用語です。定義だけでなく、どの場面で使う言葉か、何と混同しやすいか、問題文のどの表現で判断するかまで確認します。

情報源と編集区分

公式範囲を確認し、具体例・誤答例・判断手順は当サイトが編集。 一次情報確認日: 2026-07-11。

試験概要(公式)

具体例から判断の境界を固める

実際に観測された度数ではなく、帰無仮説(理論上の分布や独立性)が正しいと仮定した場合に期待される度数として捉える

適合度検定では、理論上の分布や比率から計算される、各カテゴリに期待される度数を指します。独立性の検定では、2つのカテゴリ変数が独立であると仮定した場合に、クロス集計表の各セルで期待される度数を指します。観測度数(実際に観測されたデータの度数)とこの期待度数のずれをもとにカイ二乗値を計算し、そのずれが偶然の範囲を超えて大きいかどうかを判断します。

問題文で見る箇所
帰無仮説(理論上の分布や独立性)のもとで期待される度数という条件を確認します。実際に観測されたデータの度数を問う設問であれば、期待度数ではなく観測度数を候補にします。
隣接概念との境界
観測度数は実際にデータを集めて得られた度数であり、期待度数は帰無仮説が正しいと仮定した場合に理論上期待される度数です。カイ二乗値はこの両者のずれから計算されるため、どちらか一方だけでは求められません。

誤答しやすい選択肢

  • 期待度数を実際に観測されたデータの度数として説明する。実際に観測された度数は観測度数であり、期待度数は帰無仮説のもとで理論上期待される度数です。
  • 期待度数は独立性の検定だけで使われると説明する。期待度数は適合度検定でも、理論上の分布や比率から計算される値として使われます。
  • 期待度数と観測度数が常に一致すると説明する。両者が一致しない(ずれがある)場合にそのずれの大きさをカイ二乗値として評価するのが検定の目的です。

4段階の判断手順

  1. 01設問が実際に観測された度数を問うているか、帰無仮説のもとで期待される度数を問うているかを先に分ける。
  2. 02期待される度数であれば、理論上の分布・比率、または独立性の仮定のどちらから計算されているかを確認する。
  3. 03観測度数と期待度数のずれがカイ二乗値の計算に使われているかを確認する。
  4. 04両者が常に一致するという記述になっていないか見直す。

到達条件: 期待度数を帰無仮説のもとで理論上期待される度数として説明し、観測度数との違いを言える。

試験での問われ方

01

定義の言い換え

用語そのものではなく、説明文の一部を言い換えて出されることがあります。

02

似た概念との比較

同じ章の用語と入れ替えた選択肢に注意します。対象、目的、使う場面を分けます。

03

具体例からの判断

問題文の事例が、定義のどの部分に対応しているかを先に確認します。

誤答しやすいポイント

×適合度検定と独立性の検定の混同。前者は分布への当てはまり、後者は2つのカテゴリ変数の関連を見る。

×回帰係数と相関係数の混同。回帰係数は説明変数が1単位増えたときの目的変数の変化量を表す。

×決定係数を因果関係の強さと誤解する。決定係数はモデルが目的変数のばらつきをどれだけ説明するかの指標。

関連する確認問題

第6章 カテゴリカルデータと回帰分析 / カテゴリカルデータの分析

カイ二乗検定で、観測度数と比較するために、仮説のもとで期待される度数を何というか。

正解は「期待度数」である。期待度数は、カイ二乗検定で仮説のもとで期待される度数であり、観測度数とのずれを評価するために使われる。標準誤差は推定量のばらつきを表す指標、回帰係数は回帰直線の傾きを表す指標、最頻値は最も多く現れる値であり、いずれも期待度数とは異なる概念であって、カイ二乗検定の考え方を理解するうえで混同しないよう注意したい。 カイ二乗検定では、実際に得た観測度数と、仮説のもとで想定する度数を比較する。推定量のばらつき、回帰の係数、分布の最頻値ではなく、比較基準となる期待度数を選ぶ。

第6章 カテゴリカルデータと回帰分析 / 線形モデル

説明変数が複数ある回帰分析はどれか。

正解は「重回帰分析」である。説明変数が複数ある回帰分析を重回帰分析という。単回帰分析は説明変数が1つの回帰分析である。適合度検定は観測度数の分布への当てはまりを見る検定、母比率の検定は母集団の比率に関する検定であり、複数の説明変数を扱う回帰分析ではない。 分析法は変数の数と目的で区別する。説明変数が一つなら単回帰、複数なら重回帰である。適合度検定はカテゴリの観測度数と期待度数、母比率の検定は母集団の割合に関する仮説を扱うため、回帰分析ではない。

第6章 カテゴリカルデータと回帰分析 / カテゴリカルデータの分析

独立性の検定と適合度検定の違いとして、最も適切なものはどれか。

正解は「独立性の検定は2つのカテゴリ変数の関連、適合度検定は観測分布の当てはまりを調べる」である。独立性の検定は、クロス集計表にまとめた2つのカテゴリ変数が独立か、関連があるかを調べる。適合度検定は、観測された度数分布が想定した分布や比率に合っているかを調べる。両者はカイ二乗検定として期待度数や自由度を扱うため、手法名だけで区別せず、変数の数と比較したい対象を見る。母平均と回帰係数を割り当てる説明、期待度数と自由度を片方だけで使わないとする説明、単回帰分析の別名とする説明は誤りである。

同じ章で確認したい用語

到達チェック

  • 期待度数を一文で説明できる
  • 同じ章の似た用語と違いを説明できる
  • 問題文の具体例から、期待度数に関係する論点を拾える
  • 関連問題を解き、誤答した選択肢の理由を確認できる

執筆: ミナト編集部運営者情報を見る