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用語比較

系統抽出法と単純無作為抽出の違い|間隔kと開始点rで標本を選ぶ手順(統計検定2級)

単純無作為抽出は、母集団のどの単位も等しい確率で選ばれる方法です。系統抽出法は、名簿を並べ、無作為に決めた開始点から一定の間隔ごとに選ぶ方法です。どちらも確率で選ぶ方法ですが、選べる標本の組み合わせの数が違います。

カナダ統計局の解説は、母集団400人から100人を選ぶ例で、系統抽出法で選べる標本は開始点の違う4通りだけだと述べます。単純無作為抽出なら、100人の組み合わせはどれも標本になりえます。統計検定2級の公式出題範囲には、標本抽出法として系統抽出法が挙がっています。

このページでは、間隔k=N÷nの出し方を計算例で確かめ、名簿の並びと間隔が重なったときの偏りまで比べます。

この記事の根拠と出典

各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。統計検定2級の一次情報確認日: 2026-10-09。

結論

単純無作為抽出

全単位に番号を振り、乱数で選ぶ。どの組み合わせも標本になりうる。

系統抽出法

k=N÷nを出し、1〜kの無作為な開始点rから、r、r+k、r+2k…と選ぶ。

系統抽出の弱点

名簿の並びの周期が間隔kと重なると、標本が母集団の縮図にならない。

違いを表で確認

比較軸単純無作為抽出系統抽出法
選び方単純無作為抽出:全単位に番号を振り、乱数で選ぶ系統抽出法:開始点rを1つ決め、あとは間隔kごとに機械的に選ぶ
乱数を使う回数単純無作為抽出:標本の大きさnの回数系統抽出法:開始点を決める1回だけ
標本になりうる組み合わせ単純無作為抽出:同じ大きさのどの組み合わせでも系統抽出法:開始点の数(k通り)だけ
名簿の並びの影響単純無作為抽出:受けない系統抽出法:受ける。周期が間隔kと重なると偏る
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どこで迷っているかを切り分ける

01

系統抽出法を「いい加減に選ぶ方法」だと思っている人

開始点を無作為に決めれば、どの単位が選ばれる確率も同じになります。400人から100人を選ぶ例では、どの人も4分の1の確率で選ばれ、単純無作為抽出と同じです。

02

kを「n÷N」と逆に計算してしまう人

間隔kは母集団の大きさNを標本の大きさnで割った値です。N=800、n=40なら、k=800÷40=20です。

03

並べ方を気にせず系統抽出を使っていいと思っている人

名簿が部署ごとに並び、各部署の先頭が管理職という並びで、間隔が部署の人数と同じだと、管理職ばかり、または新人ばかりが選ばれます。

具体例で使い分ける

例 1

N=800、n=40で間隔kと標本を求める

名簿に800人が並んでいて、40人を系統抽出法で選びます(架空の設定)。

  • k=N÷n=800÷40=20です。
  • 1〜20の無作為な開始点を選びます。r=7が出たとします。
  • 選ばれるのは、7番、27番、47番…と20番おきで、最後は7+39×20=787番です。

結論: 乱数を使ったのは開始点を決める1回だけで、40人が決まります。r=7なら標本は7、27、…、787番の40人です。

例 2

標本になりうる組み合わせの数を数える

N=400、n=100のとき、系統抽出法で標本は何通りあるかを考えます(カナダ統計局の例と同じ設定)。

  • k=400÷100=4です。開始点は1、2、3、4の4通りです。
  • r=1なら1、5、9…397番、r=2なら2、6、10…398番、r=3なら3、7、11…399番、r=4なら4、8、12…400番です。
  • どの単位もこの4つの標本のうち1つにだけ入り、選ばれる確率は4分の1です。

結論: 系統抽出法の標本は4通りだけです。単純無作為抽出なら、400人から選ぶ100人の組み合わせのどれもが標本になりえます。

例 3

名簿の並びと間隔が重なる

売り場が10部署ある店で、各部署10人(管理職1人を含む)の名簿を、部署ごとに、管理職を先頭に勤続の長い順で並べました。間隔10の系統抽出で、従業員100人から10人を選びます(カナダ統計局の例の設定)。

  • k=100÷10=10です。開始点が1なら、各部署の先頭の管理職が10人選ばれます。
  • 開始点が10なら、各部署のいちばん新しい従業員が選ばれます。

結論: 管理職だけ、または新人だけの標本になり、職場への意見を調べる目的には合いません。名簿の周期と間隔が重なるためです。

問題文から答えを選ぶ手順

  1. 1

    名簿があるか確かめる

    どちらの方法も、母集団の単位を並べた名簿(抽出枠)が必要です。

  2. 2

    名簿の並びの周期を確かめる

    部署順、日付順など、一定の周期で似た単位が並んでいないかを見ます。

  3. 3

    周期がなければ系統抽出を選べる

    乱数を1回で済ませられます。名簿が無作為に並んでいれば、結果は単純無作為抽出に近くなります。

  4. 4

    周期があれば単純無作為抽出も検討する

    間隔kと周期が重なる恐れがあるなら、並びに左右されない単純無作為抽出が選択肢になります。

試験での見分け方

  • 1単純無作為抽出は、どの単位も等しい確率で選ばれ、同じ大きさのどの組み合わせも標本になりうる。
  • 2系統抽出法は、k=N÷nを出し、1〜kの無作為な開始点rから、r、r+k、r+2k…と選ぶ。
  • 3kが整数にならないときは、kを最も近い整数に丸めるなどして対応する(豪州統計局の解説)。
  • 4名簿の周期が間隔kと重なると、系統抽出法の標本は母集団を代表しなくなることがある。

誤答しやすい選択肢

系統抽出法は確率で選ばない方法だと考える

修正: 開始点を無作為に決めるので、確率抽出法の一つです。N=400、n=100の例では、どの人も4分の1の確率で選ばれます。

標本の組み合わせが、単純無作為抽出と同じ数だけあると考える

修正: 系統抽出法で標本になりうるのは、開始点の数(k通り)だけです。N=400、n=100なら4通りです。

kをn÷Nで求める

修正: kはN÷nです。N=800、n=40のとき、k=20です。

どんな名簿でも系統抽出が安全だと考える

修正: 名簿の周期と間隔が重なると偏ります。管理職を先頭に並べた名簿を間隔10で抜く例では、管理職だけが選ばれうる設定でした。

確認問題

Q1N=600の名簿からn=30を系統抽出法で選ぶとき、間隔kは?

答え: 20

k=N÷n=600÷30=20です。

Q2k=20、開始点r=7のとき、最初の3つに選ばれる番号は?

答え: 7番、27番、47番

r、r+k、r+2kの順で、7、27、47です。

Q3N=400、n=100の系統抽出法で、標本は何通りあるか?

答え: 4通り

k=4で、開始点が1〜4の4通りです。

Q4系統抽出法で乱数を使うのは何回か?

答え: 開始点を決める1回だけ

開始点を決めたあとは、間隔kごとに機械的に選びます。

Q5名簿が部署ごとに並び、各部署10人で、間隔10の系統抽出をすると何が起こりうるか?

答え: 各部署の同じ位置の人だけが選ばれ、標本が偏る

名簿の周期と間隔が重なるためです。

到達チェック

  • 単純無作為抽出と系統抽出法の選び方を一言で言える
  • k=N÷nと開始点rから、選ばれる番号を並べられる
  • 系統抽出法の標本が開始点の数だけの組み合わせになると分かる
  • 名簿の周期と間隔が重なる弱点を説明できる

同じ資格で次に知りたいこと

よくある質問

Q系統抽出法と単純無作為抽出の違いは?

A

単純無作為抽出は全単位に番号を振って乱数で選び、系統抽出法は無作為な開始点から一定の間隔ごとに選びます。系統抽出法で標本になりうるのは、開始点の数だけの組み合わせです。

Q系統抽出法の間隔kの求め方は?

A

母集団の大きさNを標本の大きさnで割ってk=N÷nとします。1〜kの無作為な開始点rを決め、r、r+k、r+2kの順に選びます。

Q系統抽出法は統計検定2級で問われる?

A

公式の出題範囲に、標本抽出法として系統抽出法が挙がっています。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)