用語比較
層化抽出法とクラスター抽出法の違い(各グループから選ぶか、グループごと選ぶか)
層化抽出法とクラスター抽出法は、どちらも母集団をいくつかのグループに分けてから標本を選ぶ方法です。違いは、グループの扱いです。層化抽出法は、すべての層から標本を選びます。クラスター抽出法は、選んだクラスターの中の全員を調べ、選ばれなかったクラスターからは1人も選びません。
統計検定2級では、説明文のすべてのグループから一部ずつ選ぶのか一部のグループを選んで中を全部調べるのかを読み分けます。狙いも違い、層化は推定の効率を上げるため、クラスターは調査の費用を抑えるために使われます。
このページでは、選び方、選ばれないグループ、狙い、グループの望ましい性質、グループの作る基準、注意点の六つの軸で比較します。
この記事の目次
この記事の根拠と出典
各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。統計検定2級の一次情報確認日: 2026-10-09。
- 公式一次資料と照合した内容
- 層化抽出法が互いに重ならない層の各層から独立に標本を選ぶこと、クラスター抽出法が選んだクラスターの全単位を標本にして選ばれなかったクラスターからは標本に入らないこと、クラスター抽出法の狙いが調査費用の削減で多くの場合は単純無作為抽出より効率が悪いこと、多段抽出法がクラスター内でさらに抽出する方法であることは、カナダ統計局のSampling methodsの解説へ2026-10-12に照合しています。
- 編集部が学習用に整理した内容
- グループの扱いから判定する手順、例題の場面設定、確認問題は編集部の学習上の整理です。
資格ごとの公式資料の一覧
結論
公式一次資料と照合:用語の定義は公式一次資料と照合しています。
層化抽出法
母集団を互いに重ならない層に分け、各層から独立に標本を選ぶ方法。主な狙いは推定の効率を上げること。
クラスター抽出法
母集団をクラスターに分け、無作為に選んだクラスターの全単位を標本にする方法。主な狙いは調査費用の削減。
違いを表で確認
| 比較軸 | 層化抽出法 | クラスター抽出法 |
|---|---|---|
| 選び方 | すべての層から、一部の単位を選ぶ | 一部のクラスターだけを選び、その中の全単位を調べる |
| 選ばれないグループ | ない(どの層からも標本が入る) | ある(選ばれなかったクラスターからは1単位も入らない) |
| 主な狙い | 推定の効率を上げる。関心のある部分集団の標本サイズも確保できる | 標本が地理的に広がるのを避け、調査費用を下げる |
| グループの望ましい性質 | 層の中が似ている(同質) | 近くの単位は似やすく効率が下がるため、少数の大きなクラスターより、多数の小さなクラスターが良い |
| グループの作る基準 | 標本抽出の前に、全単位の値がわかる変数(年齢、性別、居住地など) | 工場、学校、地域など、すでにまとまっている単位 |
| 注意点 | 層を分ける変数が、扱いやすく、観察しやすく、調査の主題と深く関係しているほど役立つ(カナダ統計局の整理) | 多くの場合、単純無作為抽出より効率が悪い。最終的な標本サイズを完全には制御できない |
公式一次資料と照合:統計検定2級: 2026-10-09に一次資料で確認一次資料の一覧を見る →
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どちらも「グループに分ける」ので区別がつかない人
見分けの手がかりは、選ばれないグループがあるかどうかです。層化抽出法は、すべての層から標本を選びます。クラスター抽出法は、選ばれなかったクラスターから1単位も標本に入りません。
クラスター抽出法の「クラスター」を、層と同じ意味だと思っている人
層は、年齢のように値が似た単位を集めたグループで、標本はすべての層から選びます。クラスターは、学校や工場のように、もともとまとまっている単位で、そのうちのいくつかを選びます。
クラスターは大きいほうがよいと思っている人
カナダ統計局の解説は、近くの単位は似る傾向があり、標本が全体の多様さを映しにくくなるため、少数の大きなクラスターより、多数の小さなクラスターを調べるほうが一般に良いと述べます。
具体例で使い分ける
編集部の整理
例 1
『従業員を部署ごとに分け、各部署から1割ずつ無作為に選ぶ』という説明が出た場合
選択肢に、層化抽出法、クラスター抽出法、系統抽出法、多段抽出法が並んでいます。
- 母集団を重ならないグループに分け、すべてのグループから標本を選んでいるので、層化抽出法です。
- クラスター抽出法なら、選んだ部署の全員を調べ、選ばなかった部署からは選びません。
結論: 層化抽出法と答えます。
例 2
『100校を無作為に選び、その学校の対象学年の生徒全員にアンケートする』という説明が出た場合
選択肢に、層化抽出法、クラスター抽出法、単純無作為抽出法が並んでいます。
- 学校というまとまりを選び、選んだ学校の全員を調べているので、クラスター抽出法です。
- 選ばれなかった学校の生徒は、一人も標本に入りません。
- 学校の中でさらに生徒を抽出するなら、多段抽出法になります。
結論: クラスター抽出法と答えます。
例 3
『面接調査で、調査員の移動費用を下げたい』という状況で選ぶ場合
全国に散らばる母集団を、調査員が訪問して調べます。
- 標本が地理的に広がるほど、移動費用と時間がかかります。
- クラスター抽出法は、選んだ地域に標本をまとめるので、費用を下げる狙いに合います。
- ただし、一般には単純無作為抽出より推定の効率が下がる点を踏まえます。
結論: 費用を優先するなら、クラスター抽出法が候補です。
問題文から答えを選ぶ手順
編集部の整理:グループの扱いから判定する手順、例題の場面設定、確認問題は編集部の学習上の整理です。
- 1
グループの扱いを確認する
すべてのグループから選ぶなら層化抽出法、一部のグループだけ選ぶならクラスター抽出法です。
- 2
選んだグループの中を確認する
選んだグループの全員を調べるなら、クラスター抽出法です。
- 3
狙いを確認する
推定の効率や、部分集団ごとの標本サイズの確保なら層化抽出法です。費用の削減ならクラスター抽出法です。
- 4
グループの大きさを確認する
クラスター抽出法では、近くの単位が似て効率が下がるため、少数の大きなクラスターより多数の小さなクラスターが良いとされます。
試験での見分け方
編集部の整理
- 1層化抽出法は、母集団を互いに重ならない層へ分け、各層から独立に標本を選ぶ方法である。
- 2クラスター抽出法は、母集団をクラスターへ分けてクラスターを抽出し、選ばれたクラスター内の全単位を標本に含める方法である。
- 3クラスター抽出法では、選ばれなかったクラスターの単位は標本に入らない。
- 4クラスター抽出法の主な狙いは、標本が広く散らばるのを避けて調査費用を下げることで、多くの場合は単純無作為抽出より効率が悪い。
- 5選ばれたクラスターの中でさらに単位を抽出する方法は、多段抽出法である。
誤答しやすい選択肢
クラスター抽出法でも、すべてのクラスターから標本を選ぶと考える
修正: 選ぶのは一部のクラスターだけです。選ばれなかったクラスターの単位は標本に入りません。
層化抽出法で、層の中を全員調べると考える
修正: 層化抽出法は、各層から一部の単位を選びます。全員を調べるのはクラスター抽出法の特徴です。
クラスター抽出法の狙いを、推定の効率の向上だと考える
修正: 主な狙いは費用の削減です。多くの場合、単純無作為抽出より効率は下がります。
選んだクラスターの中から、さらに抽出する方法もクラスター抽出法と呼ぶ
修正: クラスターの中でさらに抽出する方法は、多段抽出法です。
確認問題
Q1選ばれなかったグループから標本が一人も入らない抽出法は、層化抽出法とクラスター抽出法のどちらですか?
答え: クラスター抽出法
クラスター抽出法は、選ばれたクラスター内の全単位だけを標本にします。層化抽出法はすべての層から標本を選びます。
Q2クラスター抽出法の主な狙いは、推定の効率の向上と調査費用の削減のどちらですか?
答え: 調査費用の削減
カナダ統計局の解説は、標本が広く散らばると移動費用が高くなるため、費用を下げる目的でクラスター抽出法を選ぶことがあると述べます。
Q3選んだ学校の中から、さらに生徒を無作為に選ぶ方法は何と呼びますか?
答え: 多段抽出法
クラスターを選んだあと、その中からさらに単位を抽出する方法は多段抽出法です。
到達チェック
- 層化抽出法ではすべての層から選ぶと言える
- クラスター抽出法では選んだクラスターの全員を調べると言える
- クラスター抽出法の狙いを費用の削減だと言える
- 多段抽出法との違いを言える
- 説明文から二つを判定できる
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よくある質問
Q層化抽出法とクラスター抽出法の最大の違いは何ですか?
層化抽出法はすべての層から標本を選びます。クラスター抽出法は一部のクラスターを選び、その中の全単位を調べます。
Qクラスター抽出法は何のために使いますか?
標本が広く散らばるのを避け、調査の費用と時間を下げるために使います。
Qクラスター抽出法は効率の高い方法ですか?
多くの場合、単純無作為抽出より効率は下がります。近くの単位は似る傾向があるためです。
Q多段抽出法とクラスター抽出法は何が違いますか?
クラスター抽出法は選んだクラスターの全単位を調べます。多段抽出法は、選んだクラスターの中からさらに単位を抽出します。
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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)
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