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用語比較

z検定とt検定の違い|母標準偏差が分かるかで選ぶ(統計検定2級)

母平均の検定で、z検定とt検定のどちらを使うかは、母標準偏差が分かっているかどうかで決まります。母標準偏差が既知ならz検定、標本から推定した標本標準偏差を使うならt検定です(母集団が正規分布に従う場合を前提にした整理です)。

統計検定2級では、問題文に「母標準偏差は5と分かっている」と書かれているか、「標本標準偏差は5」と書かれているかを読み取って、検定統計量の式と臨界値の表を選びます。

このページは、母平均の検定を「とりあえずt検定」や「とりあえず1.96」で処理している人を対象にしています。同じ数値でも、どちらの検定を使うかで結論が変わる例を確認します。

この記事の根拠と出典

各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。統計検定2級の一次情報確認日: 2026-10-09。

結論

z検定

母標準偏差σが既知のとき、z=(標本平均-帰無仮説の母平均)/(σ/√n)を標準正規分布と比べる。5%の両側検定の臨界値は1.96。

t検定

母標準偏差が未知のとき、σを標本標準偏差sに置き換えたt=(標本平均-帰無仮説の母平均)/(s/√n)を、自由度n-1のt分布と比べる。

違いを表で確認

比較軸z検定t検定
母標準偏差既知として扱う未知で、標本標準偏差sで推定する
検定統計量の分母σ/√ns/√n
比べる分布標準正規分布自由度n-1のt分布
5%両側の臨界値1.96(自由度に依存しない)自由度24なら2.064(自由度で変わる)
試験で見る語母標準偏差は既知、母分散は〜と分かっている標本標準偏差、不偏分散から、母分散は未知
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どこで迷っているかを切り分ける

01

母平均の検定をすべてt検定で処理する人

問題文に母標準偏差が既知と書かれていれば、z検定です。このときt分布の表を引くと、臨界値が正しくありません。分母がσ/√nの式と、標準正規分布の臨界値を使います。

02

臨界値は1.96と暗記していて、標本標準偏差の問題でも使う人

1.96は標準正規分布の値です。標本標準偏差sを使うt検定では、自由度に応じたt分布の値を使います。自由度が小さいほど臨界値は大きくなります。

03

σとsのどちらが問題文の値か、迷う人

「母標準偏差」「母集団の標準偏差が分かっている」とあればσ、「標本から計算した」「標本標準偏差」「不偏分散」とあればsです。値が同じでも、ここで検定が分かれます。

具体例で使い分ける

例 1

母標準偏差が5と分かっている場合(z検定)

標本サイズ25、標本平均52、帰無仮説の母平均50、母標準偏差5が既知です。5%の両側検定を行います。

  • 母標準偏差が既知なので、z検定です。
  • z=(52-50)/(5/√25)=2/1=2です。
  • 標準正規分布の両側5%の臨界値1.96と比べると、2は1.96より大きくなります。

結論: 5%の有意水準で帰無仮説を棄却します。

例 2

同じ数値で、5が標本標準偏差の場合(t検定)

標本サイズ25、標本平均52、帰無仮説の母平均50で、5は標本から計算した標本標準偏差です。5%の両側検定を行います。

  • 母標準偏差が未知なので、t検定です。自由度はn-1=24です。
  • t=(52-50)/(5/√25)=2で、値はzと同じです。
  • 自由度24のt分布の両側5%の臨界値は2.064です。2は2.064より小さくなります。

結論: 5%の有意水準では帰無仮説を棄却できません。検定統計量の値が同じでも、臨界値が違うため結論が分かれます。

問題文から答えを選ぶ手順

  1. 1

    何を検定するかを確認する

    1つの母集団の母平均についての検定かを確認します。対象が母平均なら、母標準偏差が分かるかどうかで分かれます。

  2. 2

    問題文の標準偏差が母のものか標本のものかを読む

    「母標準偏差」「既知」とあればσ、「標本標準偏差」「不偏分散」とあればsです。

  3. 3

    検定統計量を計算する

    既知ならz=(標本平均-帰無仮説の値)/(σ/√n)、未知ならt=(標本平均-帰無仮説の値)/(s/√n)で求めます。

  4. 4

    対応する分布の臨界値と比べる

    zは標準正規分布の値(5%の両側なら1.96)と比べます。tは自由度n-1のt分布の表で臨界値を引きます。

試験での見分け方

  • 1母標準偏差が既知ならz検定、未知で標本標準偏差を使うならt検定。
  • 2z検定の検定統計量の分母はσ/√n、t検定の分母はs/√n。
  • 3zは標準正規分布、tは自由度n-1のt分布と比べる。
  • 45%の両側検定でのz検定の臨界値は1.96。t検定の臨界値は自由度で変わる。
  • 5検定統計量の値が同じでも、比べる臨界値が違えば結論が変わることがある。

誤答しやすい選択肢

標本標準偏差が与えられているのに1.96と比べる

修正: 標本標準偏差sを使う場合は、t統計量を自由度n-1のt分布の臨界値と比べます。自由度24の両側5%の臨界値は2.064で、1.96より大きくなります。

母標準偏差が既知なのに、t分布の表を引く

修正: 母標準偏差が既知ならz検定です。標準正規分布の値を使います。

自由度をnとしてしまう

修正: 標本標準偏差を使う1標本のt検定の自由度は、標本サイズnから1を引いたn-1です。

検定統計量の分母に、√nで割る前の標準偏差だけを使う

修正: 標本平均の標準偏差にあたる、σ/√nまたはs/√nを分母にします。

確認問題

Q1母標準偏差が既知で、n=25、標本平均52、帰無仮説の母平均50、σ=5。zはいくつ?

答え: 2

z=(52-50)/(5/√25)=2です。

Q2上の問題で、5%の両側検定の結論は?

答え: 帰無仮説を棄却する

2は標準正規分布の臨界値1.96より大きいためです。

Q3同じ数値で、5が標本標準偏差のとき、5%の両側検定の結論は?

答え: 帰無仮説を棄却できない

t=2は、自由度24のt分布の臨界値2.064より小さいためです。

Q4標本標準偏差を使う1標本のt検定で、標本サイズが25のときの自由度は?

答え: 24

自由度はn-1=24です。

到達チェック

  • z検定とt検定の使い分けを、母標準偏差が既知かどうかで説明できる
  • z統計量とt統計量の式を、分母の違いとともに書ける
  • 標準正規分布の1.96と、t分布の臨界値が自由度で変わることを説明できる
  • 同じ数値で結論が分かれる理由を説明できる
  • 問題文の「母標準偏差」と「標本標準偏差」を読み分けられる

同じ資格で次に知りたいこと

よくある質問

Qz検定とt検定は、何で使い分ける?

A

母標準偏差が既知かどうかで使い分けます。既知ならz検定、標本標準偏差で推定するならt検定です。

Qt検定の臨界値は、なぜ自由度で変わる?

A

t分布の形が自由度で変わるためです。自由度24の両側5%の臨界値は2.064で、標準正規分布の1.96より大きくなります。

Q検定統計量の値が同じなら、結論も同じ?

A

同じとは限りません。本ページの例では、zもtも2ですが、1.96と比べると棄却、2.064と比べると棄却できません。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)