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用語比較

正規分布とt分布の違い(母分散が未知のときの区間推定・検定)

母標準偏差が既知の正規母集団では、母平均の区間推定に標準正規分布の臨界値を使います。母標準偏差が未知で標本から求めた s を使うときは、自由度 n−1 のt分布の臨界値を使います。使い分けの鍵は、母標準偏差が分かっているかどうかです。

統計検定2級では、設問の条件文から母分散が既知か未知かを読み取り、どの分布の臨界値を使うかを選ぶ問題が出ます。t分布は自由度で形が決まるため、自由度の数え方も合わせて確認します。

このページでは、使う条件、分布の形、臨界値の大きさという三つの軸で比較します。章別の問題は第4章と第5章で確認できます。

この記事の根拠と出典

各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。統計検定2級の一次情報確認日: 2026-10-09。

公式一次資料と照合した内容
母標準偏差が既知なら標準正規分布の臨界値(95%両側で1.96)、未知で標本標準偏差を使うなら自由度n−1のt分布の臨界値で母平均の区間推定を行うこと、t分布が左右対称で自由度が小さいほど裾が厚く自由度が大きいと正規分布に近づくこと、臨界値表の自由度1・5・9の値(12.706・2.571・2.262)は、NIST/SEMATECH e-Handbookの該当ページへ2026-10-12に照合しています。
編集部が学習用に整理した内容
試験での判定手順と使い分けの目安は編集部の学習上の整理です。

資格ごとの公式資料の一覧

結論

公式一次資料と照合:用語の定義は公式一次資料と照合しています。

正規分布(標準正規分布)

母標準偏差が既知の正規母集団で、母平均の区間推定に使う。95%両側区間の臨界値は1.96。

t分布

母標準偏差が未知で、標本の標準偏差 s を使うときに、自由度 n−1 で使う。左右対称で、自由度が小さいほど裾が厚い。

違いを表で確認

比較軸正規分布(標準正規分布)t分布
使う条件母標準偏差が既知母標準偏差が未知(標本の s で代用する)
区間推定の式標本平均 ± 臨界値 × 母標準偏差 ÷ √n標本平均 ± t(1−α/2, n−1) × s ÷ √n
形を決めるもの平均と標準偏差(標準正規分布は平均0・標準偏差1)自由度(自由度が違っても似た形で、違いは裾の厚さ)
95%両側の臨界値1.96自由度5で2.571、自由度9で2.262と、1.96より大きい
自由度が大きくなると変わらない正規分布に近づく(NISTは自由度30超でかなり良い近似と述べる)

公式一次資料と照合:統計検定2級: 2026-10-09に一次資料で確認一次資料の一覧を見る →

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どこで迷っているかを切り分ける

01

どちらの臨界値を使うかを条件文から選べない人

母標準偏差が与えられていれば標準正規分布、標本から求めた標準偏差しかなければt分布の臨界値を使います。『母分散は未知』という言い回しがあれば、t分布の合図です。

02

t分布を正規分布と別の形だと思っている人

NISTは、どの自由度のt分布も似た形で、違いは裾の厚さにあると述べます。左右対称で平均は0です。自由度が大きくなるにつれて正規分布に近づきます。

03

自由度を n と数えてしまう人

標本の標準偏差を使う母平均の信頼区間は、自由度 n−1 のt分布を使います。標本サイズが10なら自由度は9です。

具体例で使い分ける

編集部の整理

例 1

『母標準偏差が既知の正規母集団の母平均の95%信頼区間』を問われた場合

標本平均、標本サイズ n、母標準偏差が与えられ、95%両側信頼区間を求めます。

  • 母標準偏差が既知なので、標準正規分布の臨界値を使います。
  • 95%両側信頼区間の臨界値は1.96です。
  • 区間は標本平均 ± 1.96 × 母標準偏差 ÷ √n です。

結論: 標準正規分布の臨界値1.96を使う場面と答えます。

例 2

『母標準偏差が未知で、標本標準偏差 s が与えられた』母平均の区間推定の場合

正規母集団から大きさ10の標本を取り、標本平均と s が与えられています。95%両側信頼区間を問われています。

  • 母標準偏差が未知なので、t分布を使います。
  • 自由度は n−1 = 9 です。
  • NISTのt分布の臨界値表で、累積確率0.975(両側有意水準0.05)の自由度9の臨界値は2.262です。

結論: 区間は標本平均 ± 2.262 × s ÷ √10 になります。1.96を使うと区間が狭くなりすぎます。

例 3

『自由度が大きくなるとt分布はどうなるか』を問われた場合

選択肢に、正規分布に近づく、裾が厚くなる、右に歪む、などが並んでいます。

  • t分布は左右対称で、自由度が大きくなると正規分布に近づきます。
  • 自由度が小さいほど裾が厚いので、裾が厚くなるのは自由度が大きくなる方向ではありません。
  • 右に歪むのは、左右対称のt分布には当てはまりません。

結論: 正規分布に近づくと答えます。

問題文から答えを選ぶ手順

編集部の整理:試験での判定手順と使い分けの目安は編集部の学習上の整理です。

  1. 1

    母標準偏差が既知か未知かを読む

    母標準偏差が与えられていれば標準正規分布、標本の標準偏差だけなら t 分布です。

  2. 2

    自由度を数える

    母平均の区間推定や検定では、自由度は n−1 です。

  3. 3

    臨界値の表を引く

    両側95%なら、標準正規分布は1.96、t分布は自由度ごとの値を表から引きます。

  4. 4

    大きさを見比べる

    t分布の臨界値は、同じ信頼水準の標準正規分布の臨界値より大きくなります。

試験での見分け方

編集部の整理

  • 1母標準偏差が既知の正規母集団の母平均は、標準正規分布の臨界値で区間推定する。
  • 2母標準偏差が未知で標本標準偏差 s を使うときは、自由度 n−1 のt分布の臨界値を使う。
  • 3t分布は左右対称で、自由度が小さいほど裾が厚く、大きくなると正規分布に近づく。
  • 4標準偏差を標本から推定する場合、同じ信頼水準でも区間は広くなる。
  • 5t分布の両側検定は、検定統計量の絶対値が臨界値を超えたとき帰無仮説を棄却する。

誤答しやすい選択肢

母分散が未知でも1.96を使う

修正: 母標準偏差が未知で標本から推定するなら、自由度 n−1 のt分布の臨界値を使います。

自由度を標本サイズ n と数える

修正: 母平均の区間推定や検定では n−1 です。

t分布は自由度が大きいほど裾が厚いと考える

修正: 自由度が小さいほど裾が厚く、大きくなると正規分布に近づきます。

t分布が右に歪んだ分布だと考える

修正: t分布は左右対称で、平均・中央値・最頻値がすべて0です。

確認問題

Q1母標準偏差が未知で標本標準偏差 s を使うとき、母平均の信頼区間に使う分布は何ですか?

答え: 自由度 n−1 のt分布

標本平均 ± t(1−α/2, n−1) × s ÷ √n で求めます。

Q2標準正規分布の95%両側の臨界値は?

答え: 1.96

母標準偏差が既知の正規母集団での、95%両側信頼区間に使う臨界値です。

Q3自由度が大きくなると、t分布はどのような分布に近づきますか?

答え: 正規分布

NISTは、自由度が大きくなるとt分布は正規分布に近づくと述べています。

到達チェック

  • 母標準偏差が既知か未知かで分布を選べる
  • 母平均の区間推定の自由度が n−1 であると言える
  • 標準正規分布の95%両側臨界値が1.96であると言える
  • t分布の臨界値が1.96より大きくなる理由を説明できる
  • 自由度が大きくなるとt分布が正規分布に近づくと説明できる

同じ資格で次に知りたいこと

よくある質問

Q正規分布とt分布はどう使い分けますか?

A

母標準偏差が既知なら標準正規分布、未知で標本の標準偏差を使うなら自由度 n−1 のt分布を使います。

Qt分布の臨界値が1.96より大きいのはなぜですか?

A

t分布は正規分布より裾が厚く、標準偏差を標本から推定する分だけ区間が広くなるためです。

Q自由度が大きくなるとt分布はどうなりますか?

A

正規分布に近づきます。NISTは、自由度30超でかなり良い近似になると述べています。

Q母平均の区間推定の自由度はいくつですか?

A

標本サイズが n のとき、自由度は n−1 です。

次に見る比較

執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)