用語比較
summary.lmとsummary.glmの違い(t値とz値の見分け方)
summary.lmは、線形回帰の係数表にt統計量と両側p値を出します。summary.glmは、分散パラメータを推定するときはt比、既知または固定のときはz比を出します。
つまり、係数表の3列目が何になるかは、関数の名前だけでは決まりません。glmでは分散パラメータが推定か、既知(または分布の族で固定)かを見て判断します。
統計検定2級の出題範囲表は、統計ソフトウェアの活用として「出力結果の読み取り」を挙げ、Rのlm・anova.lm・summary.glmなどの出力を例にしています。このページは、出力のt値とz値、そしてp値の基準になる分布で迷う人向けです。
回帰係数の検定そのものの考え方や、決定係数の読み方は別のページで扱い、ここでは出力の3列目と4列目の読み分けに絞って比べます。
この記事の目次
この記事の根拠と出典
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結論
summary.lm
線形回帰(lm)の要約。係数表は、推定値、標準誤差、t統計量、対応する両側p値の4列になる。
summary.glm
一般化線形モデル(glm)の要約。係数表の3列目は、分散パラメータを推定するときt比、既知または分布の族で固定されるときz比になる。
違いを表で確認
| 比較軸 | summary.lm | summary.glm |
|---|---|---|
| 係数表の3列目 | summary.lm:t統計量 | summary.glm:分散パラメータを推定するときはt比、既知または固定のときはz比 |
| p値の基準にする分布 | summary.lm:t統計量に対応する両側p値 | summary.glm:t比ならスチューデントのt分布、z比なら正規分布にもとづく両側p値 |
| 分散パラメータの扱い | summary.lm:残差から誤差分散を推定する(sigmaは推定した誤差分散の平方根) | summary.glm:既定では二項分布とポアソン分布の族で1、それ以外は残差のカイ二乗統計量から推定する |
| 出題範囲表での位置 | summary.lm:Rのlmとあわせて出力の読み取りの例に挙がる | summary.glm:t値・z値の語とあわせて出力の読み取りの例に挙がる |
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回帰の出力にz値が出てきて、t値との違いが分からない人
z値は、summary.glmの係数表で、分散パラメータが既知または分布の族で固定されているときの3列目です。推定した分散パラメータを使うときは、同じ列がt値になります。
p値がどの分布から求められたのかを聞かれて迷う人
4列目のp値は、3列目の比に対応する両側p値です。t比ならスチューデントのt分布、z比なら正規分布が基準です。
lmの出力とglmの出力を同じものとして読んでしまう人
lmの係数表はt統計量と両側p値、glmの係数表は分散パラメータの扱いでt比かz比に分かれます。どちらの関数の出力かを、まず確認します。
具体例で使い分ける
例 1
線形回帰の出力で、係数のp値を読む
Rでlmを当てはめて、summaryの係数表を読む設問です。
- 係数表には、推定値、標準誤差、t統計量、両側p値が並びます。
- 出力されたp値を設定した有意水準と一般に比べて、係数の検定を判断します。
結論: lmの係数表では、t統計量と両側p値の組で判断します。
例 2
ポアソン分布の族でglmを当てはめた出力の3列目
glmでポアソン分布の族を指定した出力で、3列目がt値かz値かを問う設問です。
- summary.glmは、分散パラメータを指定しないと、二項分布とポアソン分布の族では1とします。
- 分散パラメータが分布の族で固定されているため、3列目はz比になり、p値は正規分布にもとづきます。
結論: ポアソン分布の族では、3列目はz比(z値)です。
例 3
分散パラメータを推定するglmの出力の3列目
二項分布・ポアソン分布以外の族でglmを当てはめた出力を読む設問です。
- 二項分布・ポアソン分布以外の族では、既定で分散パラメータを残差のカイ二乗統計量から推定します。
- 分散パラメータを推定しているため、3列目はt比になり、p値はスチューデントのt分布にもとづきます。
結論: 分散パラメータを推定する場合、3列目はt比(t値)です。
問題文から答えを選ぶ手順
- 1
どの関数の出力かを確認する
summary.lmなら、3列目はt統計量です。summary.glmなら、次の手順で分散パラメータを確認します。
- 2
glmなら、分散パラメータが推定か既知かを確認する
推定するならt比、既知または分布の族で固定されているならz比です。
- 3
分布の族を確認する
分散パラメータを指定しない場合、二項分布とポアソン分布の族では1とされ、それ以外の族では推定されます。
- 4
p値の基準になる分布を言う
t比ならスチューデントのt分布、z比なら正規分布にもとづく両側p値です。有意水準と比べて判断します。
試験での見分け方
- 1summary.lmの3列目は、t統計量。
- 2summary.glmで分散パラメータを推定するなら、t比。
- 3summary.glmで分散パラメータが既知または固定なら、z比。
- 44列目は、3列目の比に対応する両側p値。
誤答しやすい選択肢
glmの出力は常にz値だと考える
修正: R公式文書では、3列目はt比とz比のどちらにもなります。分散パラメータを推定するときはt比です。二項分布とポアソン分布以外の族は、既定で分散パラメータを推定します。
関数名だけでt値かz値かを決める
修正: lmはt統計量ですが、glmは分散パラメータの扱いで決まります。分布の族と分散パラメータの扱いを確認します。
p値を片側として読む
修正: R公式文書の係数表のp値は、いずれも両側p値です。片側検定の結論に使うときは、その点を踏まえて読み替えます。
確認問題
Q1summary.lmの係数表に出る、検定のための統計量は何ですか?
答え: t統計量
summary.lmの係数表は、推定値、標準誤差、t統計量、対応する両側p値の4列です。
Q2二項分布の族でglmを当てはめ、分散パラメータを指定しなかったとき、3列目はt比とz比のどちらですか?
答え: z比
分散パラメータを指定しない場合、二項分布とポアソン分布の族では1とされ、分散パラメータが固定されているため、3列目はz比です。
Q3glmで分散パラメータを推定しているとき、3列目に対応するp値は、どの分布にもとづきますか?
答え: スチューデントのt分布
分散パラメータを推定するときはt比で、p値はスチューデントのt分布にもとづく両側p値です。
到達チェック
- summary.lmの係数表の4列を言える
- summary.glmの3列目がt比とz比に分かれる条件を言える
- 二項分布とポアソン分布の族で分散パラメータが1とされることを言える
- p値が両側p値で、基準の分布が3列目に対応することを言える
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よくある質問
Qsummary.lmの出力にはt値とz値のどちらが出ますか?
t統計量です。係数表は、推定値、標準誤差、t統計量、対応する両側p値の4列で、p値は有意水準と比べて判断します。
Qsummary.glmでt値になるのはどんなときですか?
分散パラメータを推定するときです。二項分布とポアソン分布以外の族では、分散パラメータを指定しないと残差のカイ二乗統計量から推定します。
Qsummary.glmでz値になるのはどんなときですか?
分散パラメータが既知、または分布の族で固定されているときです。分散パラメータを指定しない場合、二項分布とポアソン分布の族では1とされます。
Qp値はどの分布にもとづいて求められますか?
t比ならスチューデントのt分布、z比なら正規分布にもとづく両側p値です。R公式文書の係数表では、4列目がそのp値です。
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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)
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