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用語比較

単回帰と重回帰の違い|説明変数の数と偏回帰係数(統計検定2級)

単回帰は説明変数が1つの回帰分析、重回帰は説明変数が複数の回帰分析です。変わるのは変数の数だけではなく、係数の読み方も変わり、重回帰の係数は偏回帰係数として読みます。

統計検定2級の公式出題範囲表は、回帰分析の項目に回帰直線の傾きの推定と検定、重回帰モデル、偏回帰係数、多重共線性、自由度調整(修正)済み決定係数を挙げています。単回帰から重回帰へ、どの指標の読み方が変わるかが問われます。

このページは、単回帰と重回帰の切り分けに絞ります。相関係数と回帰係数の違い、決定係数と自由度調整済み決定係数の違いは別ページで扱っているため、ここでは重複させません。

この記事の根拠と出典

各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。統計検定2級の一次情報確認日: 2026-10-09。

結論

単回帰

説明変数が1つ。傾きb1は、説明変数が1単位増えたときの目的変数の平均的な変化を表し、回帰直線は標本の平均点を通る。

重回帰

説明変数が複数。偏回帰係数は、ほかの説明変数を一定に保ったとき、対応する説明変数が1単位増えることに伴う目的変数の平均的な変化を表す。

違いを表で確認

比較軸単回帰重回帰
説明変数の数1つ複数
係数の読み方回帰係数(傾き)偏回帰係数(ほかの説明変数を一定に保つ)
推定した係数の個数P2(切片と傾き)説明変数の数 + 1(切片を含む)
決定係数の補正通常は決定係数R²を読む自由度調整済み決定係数も読む
重回帰に固有の論点なし多重共線性、ダミー変数を用いた回帰
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どこで迷っているかを切り分ける

01

係数の読み方を取り違える人

重回帰の係数は、単回帰の傾きとは読み方が異なります。ほかの説明変数を一定に保ったときの変化という前提を付けて読みます。

02

説明変数を増やすとR²が良くなると喜ぶ人

自由度調整済み決定係数は、同じn・同じR²ならpが大きいモデルほど小さくなります。変数の数を考慮した指標で比べます。

03

出力表の自由度を読み違える人

残差標準偏差はs = √(Σ残差² ÷ (N − P))です。単回帰ではP = 2で、重回帰では推定した係数の個数に応じてPが増えます。

具体例で使い分ける

例 1

x = 1、2、3のときy = 3、5、7となるデータ(単回帰)

説明変数が1つで、直線に完全に乗っている場合です。

  • 回帰直線はy = 1 + 2xで、傾き2は、xが1増えるとyが2増えることを表します。
  • x = 4の予測値は1 + 2 × 4 = 9です。

結論: 傾きは、説明変数が1単位増えたときの目的変数の変化として読みます。

例 2

説明変数が2つのモデルで偏回帰係数を読むとき

仮にy = 10 + 2x1 + 3x2という重回帰モデルが得られた場合です。

  • x1の偏回帰係数2は、x2を一定に保ってx1が1増えたときのyの平均的な変化が2であることを表します。
  • x2の偏回帰係数3も、x1を一定に保ったときの変化として読みます。

結論: 偏回帰係数はほかの説明変数を一定に保ったときという前提つきで読みます。

例 3

変数を1つ足したときの自由度調整済み決定係数

標本サイズn = 20、R² = 0.80のままで、切片を含む係数の個数pが3から4に増えた場合です。

  • 調整済みは1 − (1 − R²)(n − 1) ÷ (n − p)で求めます。
  • p = 3なら1 − 0.2 × 19 ÷ 17 ≒ 0.776、p = 4なら1 − 0.2 × 19 ÷ 16 = 0.7625です。

結論: R²が同じなら、pが大きいモデルほど自由度調整済み決定係数は小さくなります。

問題文から答えを選ぶ手順

  1. 1

    説明変数の数を数える

    1つなら単回帰、複数なら重回帰です。

  2. 2

    係数の読み方を決める

    単回帰は回帰係数(傾き)、重回帰は偏回帰係数として、ほかの説明変数を一定に保つ前提を付けます。

  3. 3

    当てはまりの指標を選ぶ

    モデルの当てはまりはR² = SSR ÷ SST、または1 − SSE ÷ SSTです。変数の数が異なるモデルの比較には自由度調整済みを使います。

  4. 4

    重回帰に固有の論点を確かめる

    多重共線性やダミー変数を用いた回帰が設問に出ていれば、重回帰の論点として整理します。

試験での見分け方

  • 1説明変数が1つなら単回帰、複数なら重回帰。
  • 2重回帰の係数は、ほかの説明変数を一定に保ったときの変化として読む偏回帰係数。
  • 3自由度調整済み決定係数は1 − (1 − R²)(n − 1) ÷ (n − p)。R²が同じならpが大きいほど小さい。
  • 4単回帰の最小二乗回帰直線は、標本の平均点(xの平均、yの平均)を通る。

誤答しやすい選択肢

偏回帰係数を単回帰の傾きと同じに読む

修正: 偏回帰係数は、ほかの説明変数を一定に保ったときの変化です。説明変数が1つのときの傾きとは前提が異なります。

変数を増やしたのでモデルが良くなったと判断する

修正: 変数の数が異なるモデルは、自由度調整済み決定係数で比べます。R²が同じなら、pが大きいほど小さくなります。

残差標準偏差の分母をいつもN − 2にする

修正: 分母はN − Pで、Pは推定した係数の個数です。N − 2は切片と傾きを推定する単回帰の場合です。

単回帰の傾きの検定の自由度を重回帰にもそのまま使う

修正: 単回帰の傾きの検定で、t統計量を比べる臨界値の自由度はn − 2です。重回帰ではP個の係数を推定するため、残差自由度はn − Pです。

確認問題

Q1重回帰の偏回帰係数は何を表しますか?

答え: ほかの説明変数を一定に保ったとき、対応する説明変数が1単位増えることに伴う目的変数の平均的な変化

単回帰の傾きには、ほかの説明変数を一定に保つという前提がありません。

Q2n = 20、R² = 0.80、切片を含む係数の個数p = 3のとき、自由度調整済み決定係数はいくつですか?

答え: 約0.776(1 − 0.2 × 19 ÷ 17)

式は1 − (1 − R²)(n − 1) ÷ (n − p)です。

Q3単回帰の最小二乗回帰直線が必ず通る点はどこですか?

答え: 標本の平均点(xの平均、yの平均)

切片b0がyの平均 − b1 × xの平均で求まるためです。

到達チェック

  • 単回帰と重回帰を説明変数の数で切り分けられる
  • 偏回帰係数の読み方を前提つきで言える
  • 自由度調整済み決定係数の式を書ける
  • 残差標準偏差の分母がN − Pだと説明できる

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よくある質問

Q単回帰と重回帰の最大の違いは何ですか?

A

説明変数の数です。1つが単回帰、複数が重回帰で、重回帰の係数は偏回帰係数として読みます。

Q重回帰は統計検定2級の範囲内ですか?

A

はい。公式出題範囲表は、重回帰モデル、偏回帰係数、多重共線性、自由度調整(修正)済み決定係数を回帰分析の項目に挙げています。

Q偏回帰係数の読み方は?

A

ほかの説明変数を一定に保ったとき、対応する説明変数が1単位増えることに伴う目的変数の平均的な変化です。

Q自由度調整済み決定係数の式は?

A

切片を含む重回帰で標本サイズをn、切片を含む回帰係数の個数をpとして、1 − (1 − R²)(n − 1) ÷ (n − p)です。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)