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用語比較

四分位範囲と標準偏差の違い(外れ値があるときどちらでばらつきを測るか)

四分位範囲は、上側四分位数から下側四分位数を引いた値で、データの中央50%がどれだけ広がっているかを表します。標準偏差は、すべての値の平均からの距離を使うばらつきの指標です。

違いは、外れ値の影響の受け方です。標準偏差は平均からの距離を2乗するため、離れた値に大きな重みがかかります。四分位範囲はデータの中央部分だけを使うので、両端の極端な値に影響されません。

統計検定2級の出題範囲表の1変数データの項には、分散・標準偏差・範囲・四分位範囲・箱ひげ図が並んでいます。設問では外れ値があるデータの比較なら、中央値と四分位範囲の組分布が左右対称で外れ値が少ないなら、平均と標準偏差の組と、データの状況から選びます。

このページは、どちらも「ばらつきを表す値」と覚えていて、使い分けで迷う人向けです。標準偏差と標準誤差の違い、箱ひげ図の読み方は別のページで扱い、ここでは外れ値に対する強さの違いに絞って比べます。

この記事の根拠と出典

各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。統計検定2級の一次情報確認日: 2026-10-09。

結論

四分位範囲

上側四分位数Q3から下側四分位数Q1を引いた値。データの中央部分だけを使うので、データの中心付近のばらつきを測り、両端の極端な値に影響されない。

標準偏差

分散の正の平方根。平均からの距離を2乗して平均するため、遠い値に大きな重みがかかり、裾の振る舞いに影響されやすい。元のデータと同じ単位に戻る。

違いを表で確認

比較軸四分位範囲標準偏差
計算の仕方四分位範囲:Q3 − Q1標準偏差:すべての値の平均からの偏差の2乗を使い、平方根をとる
使うデータの範囲四分位範囲:データの中央部分だけ標準偏差:すべての値
外れ値の影響四分位範囲:受けにくい標準偏差:大きく受ける。遠い値は2乗で効く
組み合わせる代表値四分位範囲:中央値標準偏差:平均
対応するグラフ四分位範囲:箱ひげ図(箱の長さがIQR)標準偏差:ヒストグラムの広がりの目安
選択肢で探すキーワード四分位範囲:中央50%、外れ値に影響されにくい、箱の長さ標準偏差:平均からの偏差、2乗、元の単位に戻る
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どこで迷っているかを切り分ける

01

外れ値が1つ入ったので、ばらつきの値が急に大きくなって驚いた人

標準偏差は平均からの距離を2乗するので、1つの極端な値でも大きく動きます。外れ値のあるデータでは、四分位範囲のほうが、データの中心付近の実態を表します。

02

箱ひげ図の箱の長さが、標準偏差に当たると思っている人

箱の長さは四分位範囲です。NISTの箱ひげ図の説明でも、箱はデータの中央50%を示しています。標準偏差は箱ひげ図には直接描かれません。

03

ばらつきには標準偏差だけ使えばよいと思っている人

NISTのハンドブックは、裾に極端な値があるデータでは、四分位範囲などのほうが標準偏差より安定したばらつきの推定を与えうると説明しています。データの形で使い分けます。

具体例で使い分ける

例 1

11個のデータの最大値が20から100に変わった場合

10から20まで1ずつ増える11個のデータで、最大値の20だけを100に置き換えた、という設問です。

  • 置き換える前の標準偏差は約3.32、置き換えた後は約25.94で、約8倍に増えます。
  • 四分位範囲は、中央値を除いて下半分と上半分の中央値を取る方法で、どちらも12と18となり、6のまま変わりません。
  • 四分位数の求め方には方法の違いがあり、値は少し変わりますが、この例では最大値を変えても四分位範囲は変わりません。

結論: 外れ値の影響を受けるのは標準偏差です。この例では、四分位範囲は変わりません。

例 2

Q1が40、Q3が60のとき、95は外れ値候補になるか

箱ひげ図のデータで下側四分位数が40、上側四分位数が60のとき、観測値95が外れ値候補かを問う設問です。

  • 四分位範囲は60 − 40 = 20です。
  • NISTの箱ひげ図の説明では、内側の境界はQ1 − 1.5×IQRとQ3 + 1.5×IQRです。上側の境界は60 + 1.5×20 = 90です。
  • 95は90を超えているので、外れ値候補として別の記号で示されます。

結論: 上側の境界90を超えるので、95は外れ値候補です。

例 3

給与のように、ごく一部に非常に高い値が混ざるデータを比べる場合

2つの店舗の従業員の月収を比べるとき、ばらつきの指標に何を使うかを問う設問です。

  • 一部の非常に高い値は、標準偏差を押し上げます。
  • 中央値と四分位範囲の組なら、極端な値の影響を受けにくく、多くの従業員の実態を比べられます。
  • 平均と標準偏差の組は、極端な値に引っ張られます。

結論: 外れ値の影響を避けたいので、中央値と四分位範囲で比べます。

問題文から答えを選ぶ手順

  1. 1

    外れ値や裾の長さを確認する

    極端な値が混ざる、または分布の裾が長いなら、四分位範囲が向きます。左右対称で外れ値が少ないなら、標準偏差も安定して使えます。

  2. 2

    組み合わせる代表値を確認する

    中央値を使っているなら、ばらつきは四分位範囲を合わせます。平均を使っているなら、標準偏差を合わせます。

  3. 3

    図の部位を確認する

    箱ひげ図の箱の長さは四分位範囲です。外れ値候補の判定には、四分位範囲を使います。

  4. 4

    単位と用途を確認する

    標準偏差は元のデータの単位に戻る指標です。標準誤差や信頼区間へ進むときは、標準偏差を使います。

試験での見分け方

  • 1外れ値があるなら、中央値と四分位範囲。
  • 2左右対称で外れ値が少ないなら、平均と標準偏差。
  • 3箱ひげ図の箱の長さは、四分位範囲。
  • 4標準偏差は平均からの距離を2乗するので、遠い値に大きく影響される。
  • 5四分位範囲は、データの中央部分だけを使う。

誤答しやすい選択肢

標準偏差は外れ値に強いと考える

修正: 標準偏差は平均からの距離を2乗するため、遠い値に大きな重みがかかります。外れ値に強いのは四分位範囲です。

四分位範囲はデータ全体の広がりを表すと考える

修正: 四分位範囲が表すのは、中央50%の広がりです。両端の極端な値は反映されません。

四分位範囲に、平均を組み合わせる

修正: 四分位範囲は中央値と組にして使います。平均は外れ値に引っ張られるので、外れ値に強い指標と組み合わせるのが基本です。

外れ値候補の境界は、平均から標準偏差の何倍かで決まると考える

修正: NISTの箱ひげ図は、Q1 − 1.5×IQRとQ3 + 1.5×IQRを境界にします。標準偏差ではなく、四分位範囲を使います。

確認問題

Q1極端に大きな値が1つ加わったとき、大きく変わるのは、四分位範囲と標準偏差のどちらですか?

答え: 標準偏差

標準偏差は平均からの距離を2乗するので、遠い値に大きく影響されます。四分位範囲は中央部分だけを使うため、影響を受けにくいです。

Q2Q1が20、Q3が50のとき、四分位範囲はいくつですか?

答え: 30

四分位範囲はQ3 − Q1なので、50 − 20 = 30です。

Q3Q1が20、Q3が50のとき、NISTの箱ひげ図の考え方で、上側の内側の境界はいくつですか?

答え: 95

四分位範囲は30なので、Q3 + 1.5×IQR = 50 + 45 = 95です。

到達チェック

  • 四分位範囲を、Q3 − Q1と言える
  • 標準偏差が外れ値の影響を受ける理由を、2乗で説明できる
  • 中央値と四分位範囲、平均と標準偏差の組み合わせを言える
  • 箱ひげ図の箱の長さが何かを説明できる
  • 外れ値候補の境界の計算ができる

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よくある質問

Q四分位範囲と標準偏差の最大の違いは何ですか?

A

標準偏差は全ての値を使い、遠い値に大きな重みがかかります。四分位範囲は中央部分だけを使い、外れ値に影響されにくいです。

Q外れ値があるときは、どちらを使いますか?

A

NISTのハンドブックは、裾に極端な値があるデータでは、四分位範囲などのほうが標準偏差より安定したばらつきの推定を与えうると説明しています。

Q箱ひげ図の箱は何を表しますか?

A

データの中央50%の範囲で、箱の長さが四分位範囲です。

Q統計検定2級の出題範囲に、四分位範囲はありますか?

A

あります。出題範囲表の1変数データの項に、分散・標準偏差・範囲・四分位範囲・箱ひげ図が挙がっています。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)