用語比較
累積分布関数と確率密度関数の違い|F(x)=P(X≦x)と面積の関係(統計検定2級)
累積分布関数F(x)は「X≦xとなる確率」そのもので、0から1の間の値をとります。確率密度関数f(x)は、連続分布で確率を面積として表すための関数で、1点の値は確率ではありません。
統計検定2級では、区間の確率はF(b)−F(a)という使い方と、F(x)がf(x)の積分であるという関係が問われます。f(x)の値が1を超えてもよい点も、取り違えやすい論点です。
このページは、分布の問題で「分布関数」と「密度関数」のどちらの値を読めばよいのか迷う人を対象にしています。一様分布と指数分布の数値例で、2つの関数の読み分けを確認します。
この記事の目次
この記事の根拠と出典
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結論
累積分布関数 F(x)
Xがx以下の値をとる確率 F(x)=P(X≦x)。0から1の間にあり、左から右へ増えていく。離散分布でも連続分布でも定義できる。
確率密度関数 f(x)
連続分布で、区間の確率を面積として表す関数。∫ₐᵇ f(x)dx=P(a≦X≦b)。1点の値は確率ではない。
2つの関係
連続分布では F(x)=∫ f(t)dt(−∞からxまで)。区間の確率は P(a<X≦b)=F(b)−F(a) で求められる。
違いを表で確認
| 比較軸 | 累積分布関数 F(x) | 確率密度関数 f(x) |
|---|---|---|
| 値の意味 | x以下になる確率そのもの | xの付近の密度。確率は区間の面積で表す |
| とりうる値の範囲 | 0以上1以下 | 0以上。1を超えることもある |
| グラフの形 | 左から右へ増える(減らない)。0から1へ近づく | 山や平らな形など、分布ごとに異なる。全体の面積が1 |
| 離散分布では | 階段状のグラフ。F(x)=Σf(i) | 確率質量関数に当たり、f(x)=P(X=x) |
| 区間の確率 | P(a<X≦b)=F(b)−F(a) | aからbまで積分した面積 |
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密度関数の値を、そのまま確率として読んでしまう人
連続分布では1点の確率は0です。f(x)の値は密度で、確率を出すにはf(x)を区間で積分します。
「x以下」と「xちょうど」の問題を取り違える人
「X≦x」はF(x)で求まります。「X=x」は離散分布ならf(x)、連続分布なら0です。
区間の確率を、F(b)+F(a)やF(b)×F(a)と考える人
区間の確率は、bまでの確率からaまでの確率を引いたF(b)−F(a)です。引き算で重なりを取り除きます。
具体例で使い分ける
例 1
一様分布で2つの関数を並べて読む
Xは0以上10以下の一様分布に従うとします(架空の例)。密度は区間内で一定です。
- 全体の面積が1なので、確率密度関数は区間内でf(x)=1/10=0.1です。0から10の外ではf(x)=0です。
- 累積分布関数は、0以上10以下でF(x)=x/10です。F(2)=0.2、F(5)=0.5、F(10)=1になります。
- P(2≦X≦5)は、F(5)−F(2)=0.5−0.2=0.3です。密度0.1の長方形で、幅3の面積0.1×3=0.3と一致します。
結論: 同じ確率0.3を、F(b)−F(a)の引き算でも、f(x)の面積でも求められます。f(x)の値0.1そのものは確率ではありません。
例 2
密度が1を超える例と、指数分布のF(x)
Yは0以上0.5以下の一様分布に従うとします(架空の例)。また、待ち時間Tは尺度β=10分の指数分布に従うとします。
- Yの密度は1/0.5=2です。f(y)=2は1を超えていますが、幅0.5の面積は2×0.5=1なので、確率の合計は1で矛盾しません。
- 指数分布の累積分布関数はF(x)=1−exp(−x/10)です。F(10)=1−exp(−1)≒1−0.3679=0.6321です。
- 10分以内に終わる確率は約0.632で、10分を超える確率は1−F(10)=exp(−1)≒0.3679です。
結論: 密度は1を超えてもよく、確率であるF(x)は1を超えません。「x以下」はF(x)、「xを超える」は1−F(x)で求めます。
問題文から答えを選ぶ手順
- 1
問われているのが「x以下」か「区間」かを見る
「x以下」ならF(x)をそのまま使います。区間ならF(b)−F(a)の形にします。
- 2
連続か離散かを確かめる
連続なら1点の確率は0で、離散ならf(x)=P(X=x)です。
- 3
与えられた関数が確率か密度かを確かめる
値が1を超えうるなら密度、0から1に収まり増えていくなら累積分布関数です。
- 4
「超える」は1から引く
P(X>x)=1−F(x)です。指数分布の生存確率exp(−x/β)がこの形です。
試験での見分け方
- 1F(x)=P(X≦x)。0以上1以下で、xが大きくなっても減らない。
- 2連続分布では、f(x)をxまで積分したものがF(x)になる。
- 3P(a<X≦b)=F(b)−F(a)。連続分布ならa・bの端を含めても同じ値になる。
- 4確率密度関数の値は確率ではない。1を超えることもあり、全体の面積が1になる。
- 5離散分布では、F(x)はx以下の確率の和で、グラフは階段状になる。
誤答しやすい選択肢
確率密度関数の値を、そのまま確率として答える
修正: 連続分布で確率になるのは面積です。一様分布0〜10のf(x)=0.1は、確率0.1ではありません。
累積分布関数が1を超える値をとると考える
修正: F(x)は確率なので0から1の間です。1を超えうるのは密度の方です。
P(X>x)をF(x)と答える
修正: F(x)はx以下の確率です。「超える」確率は1−F(x)です。
連続分布でP(X=x)をf(x)と答える
修正: f(x)=P(X=x)が成り立つのは離散分布です。連続分布の1点の確率は0です。
確認問題
Q10以上10以下の一様分布で、F(5)はいくつ?
答え: 0.5
F(x)=x/10なので、F(5)=5/10=0.5です。
Q2同じ一様分布で、P(2≦X≦5)はいくつ?
答え: 0.3
F(5)−F(2)=0.5−0.2=0.3です。密度0.1×幅3の面積とも一致します。
Q3尺度β=10の指数分布で、P(T>10)はいくつ?
答え: 約0.368
F(10)≒0.6321なので、1−0.6321=exp(−1)≒0.3679です。
Q40以上0.5以下の一様分布で、f(x)=2になるのは誤り?
答え: 誤りではない
密度は確率ではないので1を超えてもかまいません。幅0.5の面積は2×0.5=1で、合計の確率と一致します。
到達チェック
- F(x)=P(X≦x)の意味と、0から1の範囲を説明できる
- 確率密度関数の値が確率ではなく、面積が確率になることを説明できる
- 区間の確率をF(b)−F(a)で求められる
- 「xを超える」確率を1−F(x)で求められる
- 離散分布と連続分布で、f(x)の意味が違うことを説明できる
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よくある質問
Q累積分布関数と確率密度関数は、何が違う?
累積分布関数F(x)はx以下になる確率そのもので、確率密度関数f(x)は区間の確率を面積で表すための関数です。F(x)はf(x)をxまで積分した値です。
Q確率密度関数の値が1を超えてもよいのはなぜ?
密度は確率ではなく、確率は面積で表すからです。0以上0.5以下の一様分布ではf(x)=2ですが、面積は2×0.5=1になります。
Q区間の確率は、なぜF(b)−F(a)で求まる?
bまでの確率からaまでの確率を引くと、aとbの間の確率が残るからです。一様分布0〜10では0.5−0.2=0.3です。
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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)
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