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用語比較

二項分布とポアソン分布の違い(試行回数が決まっているか、平均だけで決まるか)

二項分布とポアソン分布は、どちらも「回数」を数える離散型の確率分布です。違いは、数える回数に上限があるかどうかです。二項分布は、n回の試行のうち何回成功したかを数えます。ポアソン分布は、決まった時間や区間のあいだに事象が何回起こったかを数えます。

統計検定2級では、問題文から試行回数nと成功確率pが与えられているか平均の発生数λだけが与えられているかを読み分けます。期待値と分散の関係も、見分けの手がかりになります。

このページでは、設定、パラメータ、期待値と分散、二つの関係の四つの軸で比較します。最初の成功までの試行回数を数える幾何分布は別の分布なので、ここでは扱いません。

この記事の根拠と出典

各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。統計検定2級の一次情報確認日: 2026-10-09。

公式一次資料と照合した内容
二項分布の確率質量関数と期待値np・分散np(1-p)、ポアソン分布が所定の時間区間に起こる事象の回数を表し確率質量関数がexp(-λ)λ^x/x!であること、平均がλで標準偏差が√λであること、ポアソンの極限定理は、NISTのEDA Gallery of Distributionsと日本語版Wikipediaの二項分布・ポアソン分布の記事へ2026-10-12に照合しています。
編集部が学習用に整理した内容
数えるものと与えられた値から判定する手順、確認問題の数値の組み合わせは編集部の学習上の整理です。

資格ごとの公式資料の一覧

結論

公式一次資料と照合:用語の定義は公式一次資料と照合しています。

二項分布

成功確率pが一定の独立な試行をn回行ったときの、成功回数の分布。期待値はnp、分散はnp(1-p)。

ポアソン分布

所定の時間区間などに起こる事象の回数の分布。パラメータは平均発生数λだけで、期待値も分散もλ。

違いを表で確認

比較軸二項分布ポアソン分布
数えるものn回の試行のうちの成功回数所定の時間区間に起こる事象の回数
パラメータ試行回数nと成功確率pの二つ平均発生数λの一つ
とりうる値0からnまでの整数0以上のすべての整数(上限なし)
確率質量関数C(n,x) p^x (1-p)^(n-x)exp(-λ) λ^x / x!
期待値と分散期待値np、分散np(1-p)。分散は期待値より小さい期待値λ、分散λ。二つが等しい
問題文で探す語n回、成功確率p、成功した回数1時間あたりの平均、単位時間あたりの件数、平均λ回

公式一次資料と照合:統計検定2級: 2026-10-09に一次資料で確認一次資料の一覧を見る →

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どこで迷っているかを切り分ける

01

どちらの分布を使うか、問題文から決められない人

試行の回数が決まっていて、1回ごとに成功か失敗かを数えるなら二項分布です。回数に上限が見えず、1時間あたりの平均件数だけが与えられているなら、ポアソン分布を疑います。

02

ポアソン分布の分散を、二項分布のように計算してしまう人

NISTのまとめでは、ポアソン分布の標準偏差は√λで、分散はλです。期待値と同じ値になります。二項分布の分散np(1-p)は、1-pの分だけ期待値npより小さくなります。

03

二項分布とポアソン分布が関係すると聞いたが、中身がわからない人

二項分布で、期待値np=λを一定に保ったままnを大きくしていくと、分布は平均λのポアソン分布に近づきます。これをポアソンの極限定理と呼びます。

具体例で使い分ける

編集部の整理

例 1

『1枚のコインを4回投げたとき、表がちょうど2回出る確率』を求める場合

試行回数n=4、成功確率p=0.5、回数x=2が与えられています。

  • 試行回数と成功確率の両方が与えられているので、二項分布です。
  • P(X=2)=C(4,2)×0.5²×0.5²=6/16=0.375です。

結論: 二項分布を使い、0.375と答えます。

例 2

『1時間あたり平均2件の問い合わせが来る窓口で、1時間に1件も来ない確率』を求める場合

平均発生数λ=2だけが与えられ、試行回数は書かれていません。

  • 問い合わせの件数に上限が見えず、平均だけが与えられているので、ポアソン分布です。
  • P(X=0)=exp(-2)×2⁰/0!=exp(-2)で、約0.135です。

結論: ポアソン分布を使い、約0.135と答えます。

例 3

『n=20、p=0.3の二項分布』の期待値と分散を答える場合

成功回数Xの期待値と分散が問われています。

  • 期待値はnp=20×0.3=6です。
  • 分散はnp(1-p)=20×0.3×0.7=4.2です。
  • 期待値が6のポアソン分布なら分散も6になるので、分散4.2は二項分布らしい値です。

結論: 期待値6、分散4.2と答えます。

問題文から答えを選ぶ手順

編集部の整理:数えるものと与えられた値から判定する手順、確認問題の数値の組み合わせは編集部の学習上の整理です。

  1. 1

    数えるものを確認する

    成功回数なら二項分布、決まった区間内の事象の回数ならポアソン分布の候補です。

  2. 2

    与えられた値を確認する

    nとpが両方あるなら二項分布です。平均λだけなら、ポアソン分布です。

  3. 3

    上限があるかを確認する

    取りうる値の最大がnなら二項分布です。上限が決まっていなければ、ポアソン分布です。

  4. 4

    期待値と分散を比べる

    二つが等しければポアソン分布、分散が期待値より小さければ二項分布です。

試験での見分け方

編集部の整理

  • 1二項分布は、成功確率pが一定の独立な試行をn回行ったときの成功回数の分布で、確率質量関数はC(n,x)p^x(1-p)^(n-x)である。
  • 2二項分布の期待値はnp、分散はnp(1-p)である。
  • 3ポアソン分布は、所定の時間区間に起こる事象の回数を表し、確率質量関数はexp(-λ)λ^x/x!(x=0,1,2,…)である。
  • 4ポアソン分布のλは、その区間の平均発生数である。期待値も分散もλになる。
  • 5二項分布で、λ=npを一定に保ったままnを無限大に近づけると、平均λのポアソン分布に近づく(ポアソンの極限定理)。

誤答しやすい選択肢

ポアソン分布の分散をλ(1-λ)のように計算する

修正: ポアソン分布の分散は、期待値と同じλです。

試行回数が決まっている問題にポアソン分布を使う

修正: nとpが与えられ、回数に上限があるなら、二項分布です。

二項分布の分散をnpと答える

修正: 二項分布の分散はnp(1-p)です。npは期待値です。

ポアソン分布のパラメータを二つあると考える

修正: ポアソン分布を決めるのは、平均発生数λの一つだけです。

確認問題

Q1二項分布で、n=50、p=0.2のとき、期待値と分散はいくつですか?

答え: 期待値10、分散8

期待値はnp=50×0.2=10、分散はnp(1-p)=50×0.2×0.8=8です。

Q2平均発生数λ=3のポアソン分布の分散はいくつですか?

答え: 3

ポアソン分布の期待値も分散もλです。標準偏差は√3です。

Q3二項分布で、npを一定に保ったままnを大きくしていくと、どの分布に近づきますか?

答え: ポアソン分布

np=λを一定にしてn→∞とすると、平均λのポアソン分布に近づきます(ポアソンの極限定理)。

到達チェック

  • 二項分布が成功回数、ポアソン分布が区間内の事象の回数だと言える
  • 二項分布のパラメータがnとpの二つだと言える
  • ポアソン分布のパラメータがλ一つだと言える
  • 二項分布の期待値と分散を計算できる
  • ポアソン分布の期待値と分散が等しいと言える

同じ資格で次に知りたいこと

よくある質問

Q二項分布とポアソン分布の最大の違いは何ですか?

A

二項分布は試行回数nの中での成功回数、ポアソン分布は決まった区間内で起こる事象の回数を表します。決めるパラメータも、二項分布はnとpの2つ、ポアソン分布はλの1つで異なります。

Qポアソン分布の期待値と分散はいくつですか?

A

どちらもλです。標準偏差は√λになります。

Q二項分布の期待値と分散はいくつですか?

A

期待値はnp、分散はnp(1-p)です。

Q二項分布とポアソン分布はどう関係しますか?

A

λ=npを一定にしてnを大きくすると、二項分布は平均λのポアソン分布に近づきます。これをポアソンの極限定理と呼びます。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)