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二項分布の正規近似はいつ使う?連続修正と使える条件(統計検定2級)

二項分布の正規近似は、二項分布に従う成功回数の確率を、正規分布の確率として計算する方法です。統計検定2級の公式出題範囲表は、標本分布の学習用語に「二項分布の正規近似」と「連続修正」を並べています。

近似してよいかどうかは、試行回数が十分大きいかで決まります。一般的な目安は、np≧5かつn(1-p)≧5です。使うときは、離散の値を連続の分布で近似するための連続修正として、端点を0.5ずらします。

このページは、正規近似を使う場面と、0.5を足すか引くかで迷う人を対象にしています。条件の確認、平均と分散、連続修正の順で整理します。

この記事の根拠と出典

各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。統計検定2級の一次情報確認日: 2026-10-09。

結論

二項分布をそのまま計算

成功回数Xの確率を、二項分布の式や二項分布表で求める。平均はnp、分散はnp(1-p)。試行回数が小さいときの基本の方法。

正規分布で近似

試行回数が十分大きいとき、平均np、分散np(1-p)の正規分布で近似する。離散の値を連続の分布で近似するため、端点を0.5ずらす連続修正を使う。

違いを表で確認

比較軸二項分布をそのまま計算正規分布で近似
使える場面試行回数に関係なく使えるnp≧5かつn(1-p)≧5が目安
確率の求め方二項分布の式や二項分布表標準化してから標準正規分布表
平均と分散平均np、分散np(1-p)同じ平均np、分散np(1-p)を正規分布の平均と分散に使う
端点の扱い整数の値そのものを数える連続修正で端点を0.5ずらす
結果正確な値近似値(正確な値とわずかに違う)
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どこで迷っているかを切り分ける

01

どの条件で近似してよいか、言い切れない人

目安は、np≧5かつn(1-p)≧5です。pが0に近い、または1に近いと、nが大きく見えてもどちらかが5を下回ることがあります。nだけでなく、両方の積を確認します。

02

連続修正で、0.5を足すか引くか迷う人

整数Yを、その整数を中心にした幅1の長方形として考えます。P(Y=5)はP(4.5<Y<5.5)になります。不等号の向きではなく、含まれる整数をすべて覆う範囲を書いて決めます。

03

近似なのに、正確な値と同じになると思っている人

正規近似は近似です。n=10、p=1/2のP(Y=5)は、正確な値が0.2460、連続修正つきの正規近似が約0.251で、わずかに違います。

具体例で使い分ける

例 1

近似してよいか、条件を確認する

説明のために作った例です。n=100、p=0.3の二項分布と、n=20、p=0.1の二項分布で、正規近似を使ってよいか問われています。

  • n=100、p=0.3では、np=30、n(1-p)=70で、どちらも5以上です。
  • n=20、p=0.1では、np=2で5を下回るので、目安を満たしません。

結論: n=100、p=0.3は近似してよく、n=20、p=0.1は目安を満たしません。pが小さい場合の別の近似は、二項分布とポアソン分布の違いの記事で確認します。

例 2

連続修正を使って確率を求める

説明のために作った例です。X〜B(100, 0.5)のとき、P(X≦55)を正規近似で求めます。標準正規分布表でΦ(1.0)=0.8413、Φ(1.1)=0.8643とします。

  • 平均はnp=50、分散はnp(1-p)=25で、標準偏差は5です。
  • X≦55は、連続修正でX<55.5と置き換えます。標準化すると(55.5-50)÷5=1.1です。
  • 連続修正をしない場合は(55-50)÷5=1.0で、0.8413になります。

結論: 答えは約0.8643です。連続修正をしないと0.8413になり、値がずれます。

例 3

端点が両側にある確率を、連続修正で書き直す

説明のために作った例です。Yが整数の値をとるとき、P(7<Y≦9)を連続修正つきで書き直します。

  • 7より大きく9以下の整数は、8と9です。
  • 8の長方形は7.5から8.5、9の長方形は8.5から9.5なので、全体で7.5から9.5になります。

結論: 答えはP(7.5<Y<9.5)です。含まれる整数を全部覆う範囲を書けば、足すか引くかで迷いません。

問題文から答えを選ぶ手順

  1. 1

    条件を確認する

    np≧5かつn(1-p)≧5を計算します。どちらかが5を下回るなら、正規近似の目安を満たしません。

  2. 2

    平均と分散を出す

    平均はnp、分散はnp(1-p)です。標準偏差は分散の平方根です。

  3. 3

    連続修正で範囲を書き直す

    含まれる整数をすべて覆う範囲に直します。P(Y=5)はP(4.5<Y<5.5)です。

  4. 4

    標準化して表を引く

    端点から平均を引き、標準偏差で割ってから、標準正規分布表を使います。

試験での見分け方

  • 1近似してよい目安は、np≧5かつn(1-p)≧5。
  • 2平均はnp、分散はnp(1-p)。
  • 3連続修正は、含まれる整数を全部覆うように、端点を0.5ずらす。
  • 4正規近似の結果は近似値で、正確な値とわずかに違う。

誤答しやすい選択肢

nが大きければ、pに関係なく近似してよいと書く

修正: 目安はnp≧5かつn(1-p)≧5です。pが0や1に近いと、nが大きくても片方が5を下回ることがあります。

連続修正を、いつも0.5を足すと覚える

修正: 足すか引くかは、含まれる整数を覆う範囲で決まります。P(Y≦55)は55.5、P(Y<55)は54.5までです。

分散をnpと書く

修正: 二項分布の分散はnp(1-p)です。npは平均です。

連続修正を、近似を正確にする方法と書く

修正: 連続修正は、離散の値を連続の分布で近似することへの補正です。近似であることは変わりません。

確認問題

Q1X〜B(100, 0.5)のとき、正規近似に使う平均と分散は。

答え: 平均50、分散25

平均はnp=100×0.5、分散はnp(1-p)=100×0.5×0.5です。

Q2正規近似の一般的な目安として使われる条件は。

答え: np≧5かつn(1-p)≧5

Penn Stateの講義資料が、nが十分大きいとみなす一般的な目安として挙げています。

Q3Yが整数の値をとるとき、P(Y=5)を連続修正で書き直すと。

答え: P(4.5<Y<5.5)

整数5を中心にした幅1の長方形を覆う範囲です。

Q4Yが整数の値をとるとき、P(2≦Y<4)を連続修正で書き直すと。

答え: P(1.5<Y<3.5)

含まれる整数は2と3で、2の左端1.5から3の右端3.5までです。

到達チェック

  • np≧5かつn(1-p)≧5を計算できる
  • 平均npと分散np(1-p)を区別できる
  • 連続修正で範囲を書き直せる
  • 標準化して標準正規分布表を引ける
  • 正規近似が近似値だと言える

同じ資格で次に知りたいこと

よくある質問

Q二項分布を正規分布で近似してよい条件は?

A

一般的な目安は、np≧5かつn(1-p)≧5です。Penn State STAT 414の講義資料が、この目安を紹介しています。

Q連続修正とは?

A

離散の値を連続の分布で近似するための補正です。整数Yについて、P(Y=5)をP(4.5<Y<5.5)のように、端点を0.5ずらして書き直します。

Q正規近似の結果は正確な値と一致する?

A

一致しません。n=10、p=1/2のP(Y=5)は、正確な値が0.2460、連続修正つきの正規近似が約0.251です。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)