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第1章 1変数データの記述

統計検定2級の標準化・偏差値・変動係数

統計検定2級の公式出題範囲には、中心と散らばりの活用として、偏差、標準化(z得点)、変動係数、指数化が挙がっています。標準化は「得点と平均の差を標準偏差で割る」計算で、偏差値はその結果を10倍して50を足した値です。

このページは、z得点、偏差値、変動係数を、小さな架空の数字で計算しながら整理します。

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結論

  1. 標準化(z得点)= (得点 − 平均) ÷ 標準偏差。標準化した値の平均は0、標準偏差は1
  2. 偏差値 = 50 + 10 × z得点。平均が50、標準偏差が10になる
  3. 偏差値は正規分布を仮定した値。偏差値70は平均+2σで、上から約2.3%
  4. 変動係数 = 標準偏差 ÷ 平均。単位が違うデータのばらつきを比べるときに使う
  5. 公式の出題範囲表に「偏差値」の語はない。標準化と変動係数を押さえる

標準化(z得点)の計算

総務省統計局の「なるほど統計学園」は、自分の得点と平均値との差を標準偏差で割って、平均が0、標準偏差が1になるようにすることを標準化といいます。

計算例です(このページの架空のデータです)。平均50点、標準偏差10点のテストで、得点が65点だったとします。

  • 偏差(得点 − 平均)は 65 − 50 = 15
  • z得点は 15 ÷ 10 = 1.5
  • 得点が平均より標準偏差1.5個分だけ高い、と読む
  • 得点が平均と同じ50点なら、z得点は0

z得点は「平均から標準偏差何個分離れているか」を表す、単位のない数です。用語は標準化と標準偏差の用語集で確認できます。

偏差値の求め方

なるほど統計学園は、標準化した値を10倍して50に加えると、平均が50、標準偏差が10の値が得られ、この値が偏差値であると説明しています。偏差値は、成績の分布が正規分布であると仮定して求める値です。

  • 前の節の例(z得点1.5)の偏差値は 50 + 10 × 1.5 = 65
  • 平均点を取った人の偏差値は 50 + 10 × 0 = 50
  • 偏差値70は μ + 2σ に当たり、正規分布を仮定すると集団の上から約2.3%の位置

偏差値50が平均、10が標準偏差1つ分に当たるので、偏差値60は「平均より標準偏差1つ分上」と読めます。用語は偏差値と正規分布の用語集で確認できます。

科目をまたいで比べる例

平均や散らばりが違う科目の得点は、そのままでは比べられません。標準化して比べます。なるほど統計学園の例と同じ数字です。

科目平均標準偏差得点z得点偏差値
数学42858(58 − 42) ÷ 8 = 2.050 + 10 × 2.0 = 70
国語471265(65 − 47) ÷ 12 = 1.550 + 10 × 1.5 = 65

得点は国語の65点のほうが高いのに、偏差値では数学の70のほうが国語の65より上で、数学のほうが良い成績です。得点の高さではなく、その科目の中での位置で比べているからです。

偏差値から得点を逆算する

偏差値の式 50 + 10 × z を逆にたどると、偏差値から元の得点を求められます。数学(平均42、標準偏差8)で偏差値60だったとして、手順は次のとおりです。

  • 偏差値60から z得点を求める: (60 − 50) ÷ 10 = 1.0
  • z得点から偏差を求める: 1.0 × 8 = 8(標準偏差1つ分は8点)
  • 平均に足す: 42 + 8 = 50点

標準化は、すべての値から同じ数を引き、同じ数で割る変換です。そのため、値の並び順や分布の形は変わらず、平均と標準偏差の目盛りだけが変わります。標準化は順位を変えない、と覚えておくと、変換後の大小関係を問う選択肢を切り分けられます。

変動係数の計算

NISTは、標本変動係数を標本標準偏差を標本平均で割った値とし、平均に対する相対的なばらつきを表すと説明しています。意味のある0を持つ比率尺度で通常用い、平均が0に近いと、平均の小さな変化に敏感になります。

計算例です(このページの架空のデータです)。ある集団の身長と体重を比べます。

  • 身長: 平均170cm、標準偏差6cm。変動係数は 6 ÷ 170 ≒ 0.035(3.5%)
  • 体重: 平均60kg、標準偏差9kg。変動係数は 9 ÷ 60 = 0.15(15%)
  • 標準偏差の数字は身長のほうが小さいが、cmとkgは比べられない。変動係数では体重のほうがばらつきが大きい

単位の違うデータは、標準偏差の数字どうしではなく、変動係数で比べます。用語は変動係数の用語集で確認できます。

問題文から読み取る

問題文の言い回しから、使う式を判断できます。このページの計算例から導いた読み方で、出題を予想するものではありません。

  • 「平均が異なる2つの科目の得点を比べる」とあれば、標準化して比べる
  • 「平均50、標準偏差10に変換する」とあれば、偏差値の式 50 + 10 × z
  • 「単位が異なるデータのばらつきを比べる」とあれば、変動係数
  • 「標準化した変数の平均と分散」とあれば、平均0、分散1(標準偏差1)
  • 「z得点が負」とあれば、その値は平均より小さい。z = −1.0 なら、平均より標準偏差1つ分だけ低い
  • 「偏差値から元の得点を求める」とあれば、(偏差値 − 50) ÷ 10 でz得点に戻し、標準偏差を掛けて平均に足す

よくある質問

偏差値は、統計検定2級の出題範囲に載っていますか?

公式の出題範囲表には「偏差値」という語は載っていません。載っているのは「偏差、標準化(z得点)、変動係数、指数化」です。偏差値は標準化した値を10倍して50を足したものなので、標準化の計算ができれば求められます。

標準化すると、平均と標準偏差はいくつになりますか?

平均が0、標準偏差が1になります。総務省統計局の「なるほど統計学園」は、自分の得点と平均値との差を標準偏差で割ることを標準化と説明しています。

偏差値70は、集団の上から何%ですか?

偏差値は成績が正規分布に従うと仮定して求める値で、偏差値70は平均+標準偏差2つ分(μ+2σ)に当たり、正規分布を仮定すると上から約2.3%の位置です。

変動係数は、どんなときに使いますか?

単位や平均の大きさが違うデータのばらつきを比べるときに使います。標本変動係数は標本標準偏差を標本平均で割った値で、平均に対する相対的なばらつきを表します。平均が0に近いと、平均の小さな変化に敏感になります。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)