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移動平均の3項と5項の違い|平滑化の強さ・失う期間・遅れ方(統計検定2級)

平滑化とは、時系列データの細かな上下をならして、全体の傾向を見やすくする処理です。移動平均はその代表的な方法で、直近N個の観測値の平均を1期ずつずらして求めます。Nを項数と呼び、3項、5項のように選びます。

項数を大きくすると、細かな上下は抑えられますが、平均を出せない期間が増え、最新の動きへの反応も遅くなります。3項と5項の違いは、この三つの動きとして読めます。

このページは、平滑化の問題で、項数を変えると結果がどう変わるのかが曖昧な人を対象にしています。同じ10期のデータで3項と5項を実際に計算して確かめます。

この記事の根拠と出典

各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。統計検定2級の一次情報確認日: 2026-10-09。

結論

3項移動平均

直近3個の観測値を合計して3で割る。10期のデータなら、3期目から10期目までの8個の値が求まる。上下の抑えは小さめで、最新値への反応は速い。

5項移動平均

直近5個の観測値を合計して5で割る。10期のデータなら、5期目から10期目までの6個の値が求まる。上下の抑えは大きく、最新値への反応は遅れる。

違いを表で確認

比較軸3項移動平均5項移動平均
平均に使う個数直近3個直近5個
10期のデータで求まる個数8個(2期ぶん減る)6個(4期ぶん減る)
最初に値が出る期3期目5期目
細かな上下の抑え小さめ大きい
最新の動きへの反応速い遅れる
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どこで迷っているかを切り分ける

01

項数を大きくすれば、いつでも良い平滑化になると考える人

項数を大きくすると上下は抑えられますが、平均を出せない期間が増え、最新の変化にも気づきにくくなります。何を見たいかで項数を選びます。

02

求まる値の個数を数え間違える人

N項の移動平均は、最初のN-1期では平均が出せません。n期のデータなら、求まる値はn-N+1個です。

03

移動平均を、トレンドの式そのものと取り違える人

移動平均は、データをならして傾向を見やすくする処理です。この記事では、直線などの式でトレンドを表す方法は扱いません。

具体例で使い分ける

例 1

同じ10期のデータで、3項と5項を計算する

説明のために作った、10期のデータです。値は順に10、14、9、15、11、17、12、18、13、19です。奇数期と偶数期で上下しながら、全体として上がっています。

  • 3項は、3期目が(10+14+9)÷3=11、4期目が(14+9+15)÷3で約12.7、5期目が(9+15+11)÷3で約11.7、6期目が約14.3、7期目が約13.3、8期目が約15.7、9期目が約14.3、10期目が約16.7です。
  • 5項は、5期目が(10+14+9+15+11)÷5=11.8、6期目が13.2、7期目が12.8、8期目が14.6、9期目が14.2、10期目が15.8です。

結論: 元のデータは隣の期との差が4から6の幅で上下しています。3項では1から2.7程度、5項では0.4から1.8程度まで小さくなり、どちらも上がる傾向が読めます。

例 2

最新の10期目の値は、どれだけ遅れて見えるか

同じデータで、10期目の観測値は19です。3項と5項の10期目の値を比べます。

  • 3項の10期目は(18+13+19)÷3で約16.7です。
  • 5項の10期目は(17+12+18+13+19)÷5=15.8です。

結論: 上がっているデータでは、直近だけでなく古い値も平均に入るので、最新値の19より低く出ます。5項は古い値を多く含むので、3項よりさらに低く、最新の水準から離れます。

問題文から答えを選ぶ手順

  1. 1

    項数Nと期の数nを確認する

    N項の移動平均は、現在を含む直近N個の観測値の平均です。問題文の定義が別の置き方なら、問題文に従います。

  2. 2

    求まる値の個数を数える

    最初のN-1期は平均が出せません。n期のデータなら、求まる値はn-N+1個です。

  3. 3

    実際の値を計算して並べる

    1期進むごとに、最も古い値を外して新しい値を加え、Nで割ります。合計から差し引いて更新すると、計算の手間が減ります。

  4. 4

    項数の違いを読む

    項数が大きいほど、上下が抑えられ、最新の動きは遅れて現れます。選択肢の「より滑らか」「より遅れる」の向きを確かめます。

試験での見分け方

  • 1N項の単純移動平均は、現在を含む直近N個の観測値を合計してNで割る。
  • 21期進むごとに、最も古い値を外して新しい値を加える。
  • 3n期のデータで求まる移動平均の個数は、n-N+1個。
  • 41期ごとに上下するデータでは、項数が大きいほど上下は抑えられるが、最新の動きへの反応は遅れる。

誤答しやすい選択肢

10期のデータの5項移動平均を、10個求まると書く

修正: 最初の4期は5個そろわないので平均が出せません。求まるのは10-5+1=6個です。

移動平均を、期ごとの観測値を平均して1個の値にすることだと書く

修正: 移動平均は、区間を1期ずつずらして平均を並べ、系列として求めるものです。1個の平均値を出す計算ではありません。

項数が大きいほど、元のデータに近くなると考える

修正: 項数が大きいほど、平均に含まれる期が増えて、元の上下からは離れます。1項なら元のデータそのものです。

合計を割る数を、期の数nにしてしまう

修正: 割るのは、平均に使う個数Nです。10期のデータでも、3項なら3で割ります。

確認問題

Q110期のデータの5項移動平均は、いくつの値が求まるか。

答え: 6個

10-5+1=6個です。最初の4期は、5個の観測値がそろわないので平均が出せません。

Q2観測値が10、14、9のとき、3項移動平均は。

答え: 11

(10+14+9)÷3=33÷3=11です。

Q3観測値が10、14、9、15、11のとき、5項移動平均は。

答え: 11.8

(10+14+9+15+11)÷5=59÷5=11.8です。

Q43項と5項のうち、細かな上下をより抑えるのは。

答え: 5項

平均に使う期が多いほど、1期の変動が薄まります。そのぶん、最新の動きへの反応は遅れます。

到達チェック

  • N項移動平均の定義を、現在を含む直近N個で説明できる
  • n期のデータで求まる個数をn-N+1と計算できる
  • 3項と5項を、具体的な数字で計算できる
  • 項数が大きいほど遅れが出ることを言える
  • 移動平均が、データをならして傾向を見やすくする処理だと説明できる

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よくある質問

Q平滑化とは何?移動平均との関係は?

A

平滑化は、時系列データの細かな上下をならして傾向を見やすくする処理です。移動平均はその方法の一つで、項数を大きくするほど滑らかになりますが、最新の動きへの反応は遅れます。統計検定2級の公式出題範囲表には「平滑化(移動平均)」として載っています(2026-10-16確認)。

Q移動平均の3項と5項は、何が違う?

A

平均に使う個数が3個か5個かの違いです。5項のほうが細かな上下を抑えますが、求まる値は少なくなり、最新の動きへの反応も遅れます。

Q10期のデータの3項移動平均は、いくつ求まる?

A

8個です。n期のデータで求まる個数はn-N+1なので、10-3+1=8になります。

Q移動平均の計算は、どう更新する?

A

1期進むごとに、最も古い値を外して新しい値を加え、Nで割ります。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)