AI資格ドリル
資格を選ぶ↓

記述統計

統計検定2級のジニ係数と歪度・尖度の計算

統計検定2級の出題範囲には、分布の特徴を捉える用語として、ローレンツ曲線、ジニ係数、歪度、尖度があります。このページは、5世帯の所得(1、2、3、4、10)という小さなデータで、4つを順に計算します。ジニ係数は格差の大きさ、歪度は左右の偏り、尖度は裾の重さを表します。

公式情報の確認

試験日、料金、申込条件、試験方式など変動する情報は、公式情報を最終確認してください。 当サイトの一次情報確認日: 2026-10-09。

試験の出題範囲・実施要項は変動するため、受験前に公式情報を確認してください。

結論

  1. ローレンツ曲線は、所得の小さい順に並べて、世帯の累積割合と所得の累積割合を結んだ曲線
  2. ジニ係数は、ローレンツ曲線の下の面積をBとすると 1−2B で求まり、0から1の値で大きいほど格差が大きい
  3. 5世帯の所得(1、2、3、4、10)では、B=0.30、ジニ係数は0.4
  4. 同じデータの歪度は約1.14(右の裾が長い)、元の定義の尖度は約2.79、超過尖度は約−0.21
  5. 歪度と尖度の標準偏差はnで割る。尖度は3を引くかどうかで値が変わる

ローレンツ曲線を作る

総務省統計局の解説では、ローレンツ曲線は、階級値の小さい方から順に並べ、横軸に累積相対度数、縦軸に累積配分比率(階級値と度数を掛けた値の全体に占める割合の累積)を取って作ります。中央の斜線は均等配分線で、完全に均等に配分された場合を表します。作図では、原点を通るように先頭に0を入れておくとよいとされています。

5世帯の所得を1、2、3、4、10とします。数値は説明用に作った架空の例で、合計は20です。1世帯ずつ足していくと、世帯の累積割合は0.2ずつ増え、所得の累積割合は次の表のとおりです。右の列は、原点から各点までを台形とみなしたときの面積で、次の節で使います。

順位所得世帯の累積割合(横軸)所得の累積割合(縦軸)台形の面積
1世帯目10.2(1/5)0.05(1/20)(0+0.05)÷2×0.2=0.005
2世帯目20.4(2/5)0.15(3/20)(0.05+0.15)÷2×0.2=0.020
3世帯目30.6(3/5)0.30(6/20)(0.15+0.30)÷2×0.2=0.045
4世帯目40.8(4/5)0.50(10/20)(0.30+0.50)÷2×0.2=0.080
5世帯目101.0(5/5)1.00(20/20)(0.50+1.00)÷2×0.2=0.150

下位の4世帯は世帯の80%なのに、所得は全体の50%しかありません。均等配分線なら0.8の点は0.8になるので、ローレンツ曲線は均等配分線より下に垂れます。用語はローレンツ曲線の用語集にあります。

ジニ係数を面積から求める

統計局の定義では、ジニ係数は、均等配分線とローレンツ曲線に囲まれた面積を、均等配分線より下の三角形の面積で割った値です。累積比率を直線で結ぶ場合、ローレンツ曲線の下の面積をBとすると、三角形の面積は1/2なので、ジニ係数は (1/2−B)÷(1/2)=1−2B で計算できます。

上の表の台形の面積を足すと B=0.005+0.020+0.045+0.080+0.150=0.300 です。したがってジニ係数は 1−2×0.300=0.4 になります。全員が同じ所得ならローレンツ曲線が均等配分線に重なり、B=1/2でジニ係数は0です。1世帯が所得を独り占めする極端な場合は、Bが0に近づき、ジニ係数は1に近づきます。

用語はジニ係数の用語集にあります。公式の一覧は統計検定2級の公式集にまとめています。

歪度と尖度を計算する

NISTのハンドブックは、歪度を g1={Σ(Yi−平均)³÷N}÷s³ と定義します。sは標準偏差で、N−1ではなくNで割って求めると明記されています。尖度は同じsを使い、{Σ(Yi−平均)⁴÷N}÷s⁴ です。同じ5世帯の所得で計算します。平均は 20÷5=4 です。

所得平均との差2乗3乗4乗
1−39−2781
2−24−816
3−11−11
40000
106362161296
合計0501801394

分散はNで割るので 50÷5=10、標準偏差sは √10≒3.162 です。3乗の平均は 180÷5=36、s³=10×√10≒31.62 なので、歪度は 36÷31.62≒1.14 です。歪度が正なので、右の裾が長い分布で、所得10が右に離れているという見た目と一致します。4乗の平均は 1394÷5=278.8、s⁴=分散の2乗=100 なので、尖度は 278.8÷100=2.788 です。

用語は歪度と尖度の用語集にあります。

尖度の定義は2種類ある

NISTの元の尖度では、標準正規分布の尖度は3です。ソフトウェアによっては、3を引いて標準正規分布を0にする超過尖度を出します。上の計算では、元の定義で2.788、超過尖度で 2.788−3=−0.212 です。元の定義で3より小さいので、正規分布よりも裾が軽い側のデータです。ただし、5件では偶然の影響が大きく、形の判断に使う数ではありません。

また、NISTは、多くのソフトが標本サイズで補正した歪度(調整済みFisher-Pearson係数)を計算するとも述べています。手計算の1.14と、ソフトの出力が少しずれても、計算の間違いとは限りません。

問題文から読み取る

このページの計算例から導いた読み方です。出題を予想するものではありません。

  • 「所得や資産の格差」「均等配分線」とあれば、ローレンツ曲線とジニ係数
  • 「ジニ係数が大きい」は、格差が大きい(曲線が均等配分線から遠い)
  • 「歪度が正」は、右の裾が長い。「歪度が負」は、左の裾が長い
  • 「ジニ係数は−1から1の値を取る」という選択肢は誤り(0から1)
  • 「正規分布の尖度は常に0」という選択肢は、定義の確認が必要(元の定義は3、超過尖度は0)

外れ値と箱ひげ図の読み方は箱ひげ図と四分位数のページで整理しています。

よくある質問

ジニ係数は大きいほど何を表しますか?

格差が大きいことを表します。総務省統計局の解説では、均等配分線とローレンツ曲線に囲まれた面積を、均等配分線より下の三角形の面積で割った値で、0から1の値を取ります。全員が同じ所得なら0です。

歪度が正のときは、分布のどちら側の裾が長いですか?

右側の裾が長くなります。NISTのFisher-Pearson型の定義では、歪度が負なら左の裾が相対的に長く、正なら右の裾が相対的に長いとされます。このページの所得(1、2、3、4、10)は、10が右に離れていて歪度は約1.14です。

尖度が3や0になるのはどんなときですか?

標準正規分布の尖度は、NISTが使う元の定義では3です。この3を引いた超過尖度では0になります。ソフトウェアの出力がどちらの定義かで、同じデータでも値が3ずれるため、出力の説明書きを確認します。

歪度や尖度の計算で、n−1で割ることはありますか?

NISTの定義では、歪度と尖度の標準偏差は、n−1ではなくnで割って求めます。歪度は、多くのソフトが標本サイズで補正した値を出すので、手計算の答えと少しずれることがあります。尖度は、3を引くかどうかも含めて定義がソフトで違います。試験では問題文の定義に従います。

次に読むと効率的なページ

執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)