第1章 1変数データの記述
統計検定2級の度数分布表から平均・分散・最頻値を求める
統計検定2級の公式出題範囲には、データの分布の記述として度数分布表があります。このページは、元のデータがなく度数分布表だけが与えられたときの計算を、小さな表で最後まで解きます。階級ごとの中央の値(階級値)を、その階級のデータの代わりに使うのが基本の考え方です。
データはすべて架空です。20人の通学時間(分)を、幅10分の5つの階級に分けた表を使います。
この記事の目次
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結論
- 階級値は、階級の下限と上限の中央の値
- 平均は、階級値×度数の合計 ÷ 総度数
- 最頻値は、度数が最大の階級の階級値
- 中央値は、累積度数で真ん中の順位が入る階級まで特定する
- 階級値で求めた平均や分散は、元データの値とは一致しない近似値
度数分布表の列を埋める
度数は各階級に入る人数です。相対度数は度数を総度数20で割った値、累積度数は小さい階級から順に度数を足した値、累積相対度数は相対度数を同じように足した値です。階級値は (下限+上限)÷2 で、「0以上10未満」なら5になります。
| 階級(分) | 階級値 | 度数 | 相対度数 | 累積度数 | 累積相対度数 | 階級値×度数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 0以上10未満 | 5 | 2 | 0.10 | 2 | 0.10 | 10 |
| 10以上20未満 | 15 | 5 | 0.25 | 7 | 0.35 | 75 |
| 20以上30未満 | 25 | 8 | 0.40 | 15 | 0.75 | 200 |
| 30以上40未満 | 35 | 4 | 0.20 | 19 | 0.95 | 140 |
| 40以上50未満 | 45 | 1 | 0.05 | 20 | 1.00 | 45 |
累積度数の最後は総度数20、累積相対度数の最後は1.00になります。ここが合わないときは、途中の足し算を見直します。用語は度数分布表とヒストグラムの用語集にあります。
平均を求める
統計局の「なるほど統計学園」は、詳細なデータがないときにヒストグラムの階級値を代用して平均を計算できると説明しています。階級値と度数の積を全階級で合計し、総度数で割ります。
- 階級値×度数の合計:10+75+200+140+45=470
- 総度数:2+5+8+4+1=20
- 平均:470÷20=23.5(分)
平均は23.5分です。度数が多い階級の階級値に近づくので、度数8の25に近い値になります。
分散と標準偏差を求める
階級内のデータはすべて階級値とみなして、偏差の2乗を度数で重みづけします。2つの求め方があり、結果は同じです。
- 偏差で求める:偏差は −18.5, −8.5, 1.5, 11.5, 21.5、2乗は 342.25, 72.25, 2.25, 132.25, 462.25。度数を掛けて 684.5+361.25+18+529+462.25=2055、20で割って 102.75
- 2乗の平均−平均の2乗:階級値の2乗に度数を掛けた合計は 50+1125+5000+4900+2025=13100、20で割って 655。655−23.5²=655−552.25=102.75
分散は102.75、標準偏差は√102.75≒10.14(分)です。総度数で割る分散(母集団の分散の求め方)です。標本から母分散を推定する不偏分散は、2055÷19≒108.16 になります。どちらを使うかは問題文の指示に従います。2つの違いは不偏性と一致性のページで確かめられます。
最頻値と中央値
統計局の「なるほど統計学園」は、ヒストグラムから最頻値を求めるときは最も度数の多い階級の階級値とすると説明しています。この表で度数が最大なのは8の「20以上30未満」なので、最頻値は25分です。
中央値は、20人なら10番目と11番目の平均です。累積度数は、10番目までの時点で「10以上20未満」までが7人、「20以上30未満」までが15人なので、10番目も11番目も「20以上30未満」に入ります。中央値を含む階級は「20以上30未満」です。階級の中の個々の値は表から分からないため、このページでは階級までを答えとします。
平均23.5、最頻値25、中央値を含む階級20以上30未満が近い値にそろっています。統計局は、外れ値の影響を最も受けるのが平均値で、中央値は多くの場合それほど受けず、最頻値はまず受けないと述べています。
元データの値とずれる理由
階級値を使う方法は、階級に入るデータをすべて階級値と同じとみなします。たとえば「0以上10未満」の2人が実際は1分と9分でも、計算では5分が2人です。そのため、階級値で求めた平均や分散は、元データから求めた値と一致するとは限りません。階級の幅が狭いほど、ずれは小さくなる傾向があります。
ヒストグラムは面積が度数を表すため、階級の幅がそろっていないときは高さに注意が必要です。幅が2倍の階級は、高さを半分にして描きます。この表は幅がすべて10なので、高さが度数に比例します。
問題文から読み取る
このページの計算例から導いた読み方です。出題を予想するものではありません。
- 「階級値を用いて平均を求める」とあれば、階級値×度数の合計を総度数で割る
- 「累積相対度数が0.5を初めて超える階級」とあれば、中央値を含む階級
- 最後の累積度数が総度数、最後の累積相対度数が1にならない表は、計算か転記の誤り
- 「階級値で求めた平均は元データの平均と必ず一致する」という選択肢は誤り
統計検定2級の学習に使う書籍(Amazon)
試験範囲を通して読むときの1冊です。読んだ章は、このサイトの章別問題で確かめられます。
よくある質問
度数分布表は、統計検定2級の出題範囲にありますか?
あります。統計検定センターの2級の出題範囲表は、データの分布の記述として度数分布表、ヒストグラム、累積度数グラフ、分布の形状を挙げています。
階級値とは何ですか?
統計局の「なるほど統計学園」は、階級値を各階級の中央の値と説明しています。「20以上30未満」なら (20+30)÷2=25 です。
元のデータがないとき、平均はどう求めますか?
統計局の「なるほど統計学園」は、詳細なデータがない場合はヒストグラムの階級値を代用して計算できると述べています。階級値に度数を掛けて合計し、総度数で割ります。
ヒストグラムから最頻値を読むには?
統計局の「なるほど統計学園」は、最も度数の多い階級の階級値を最頻値とすると説明しています。このページの例では、度数8の「20以上30未満」の階級値25が最頻値です。
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