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2変数以上のデータ

統計検定2級の2元クロス表と周辺度数・割合

統計検定2級の出題範囲表には、質的変数の関連を探る方法として、度数表と2元クロス表が挙がっています。覚えるのは、周辺度数が3種類あること、割合も3種類あること、そして期待度数は行の合計×列の合計÷総数で求めることです。

このページは、200人の架空のデータで2元クロス表を作り、3種類の割合と期待度数を計算して、独立性の検定につなげます。

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結論

  1. 2元クロス表 = 2つのカテゴリ変数を組み合わせて、セルごとの度数を数えた表
  2. 周辺度数 = 行の合計・列の合計・全体の合計(総度数)の3種類
  3. 割合 = セルの度数を周辺度数で割る。行で割れば行ごとの傾向を比べられる
  4. 期待度数 = 行の合計 × 列の合計 ÷ 総数。2つの項目が独立なときの度数
  5. 関連の有無 = 割合の差だけで決めず、独立性の検定で判断する

クロス表の部分の名前

総務省統計局の教材は、2つのカテゴリ変数を組み合わせて同時に集計することをクロス集計、できあがる表をクロス集計表(分割表)と呼んでいます。表の左側を表側、上側を表頭といい、横方向のまとまりが行、縦方向のまとまりが列、交差する箇所がセルです。セルには、2つの変数の両方に当てはまる人数が度数として入ります。

200人に「学習方法」と「合否」を聞いたとします(説明用の架空の例です)。演習中心の人は120人で、うち78人が合格しました。テキスト中心の人は80人で、うち40人が合格しました。

学習方法合格不合格行の周辺度数
演習中心7842120
テキスト中心404080
列の周辺度数11882200(総度数)

合計の度数はすべて周辺度数で、行の周辺度数(120と80)、列の周辺度数(118と82)、総度数(200)の3種類があります。度数の多少だけを見ると、合格者は演習中心の78人がテキスト中心の40人の約2倍ですが、そもそも人数が違うため、このままでは比べられません。用語はクロス集計表の用語集にあります。

3種類の割合

統計局の教材によると、相対度数はセルの度数を周辺度数で割って求めます。周辺度数が3種類あるため、教材は相対度数も3種類ありうるとしています。このページでは、それぞれを行割合・列割合・全体割合と呼びます。

割合この例の計算読み取れること
行割合(行の周辺度数で割る)演習中心 78÷120=65%、テキスト中心 40÷80=50%学習方法ごとの合格率を比べる
列割合(列の周辺度数で割る)合格者 78÷118≒66.1%、不合格者 42÷82≒51.2%合格者のうち演習中心の人の割合を見る
全体割合(総度数で割る)78÷200=39%、42÷200=21%、40÷200=20%全体の中でそのセルが占める大きさを見る

学習方法ごとの合格率を比べるなら行割合で、演習中心65%、テキスト中心50%と、15ポイントの差が見えます。教材は、最もよく用いられるのは行の周辺度数を分母とした相対度数だと述べています。列割合の66.1%は「合格者の中で演習中心だった人の割合」で、不合格者の中の演習中心の割合は51.2%です。これは合格率の比較ではなく、集団の構成の比較です。同じ78という度数でも、割る数で意味が変わります。表の読み方の基礎は度数分布表と平均のページにあります。

期待度数と独立性の検定

学習方法と合否が無関係(独立)なら、どのセルも合格率が全体と同じ118÷200=59%になるはずです。そのときの度数が期待度数で、行の合計×列の合計÷総数で求めます。

セル計算期待度数実際の度数
演習中心・合格120×118÷20070.878
演習中心・不合格120×82÷20049.242
テキスト中心・合格80×118÷20047.240
テキスト中心・不合格80×82÷20032.840

期待度数の合計は、行の合計・列の合計とも実際の度数と一致します。たとえば演習中心の行は、70.8+49.2=120です。各セルの(実際−期待)²÷期待を足すと、カイ二乗統計量は約4.46になります。自由度は(2−1)×(2−1)=1で、5%点3.841を超えるため、この例では独立とは言えません。統計局の教材も、関連の有無の判定には統計的検定を用いると述べています。検定の手順はカイ二乗検定の計算手順のページで、期待度数の用語は期待度数の用語集で確かめられます。

間違えやすい点

取り違えを、このページの例で4つ挙げます。

  • 度数の大小で比べる: 合格者78人と40人では、人数の違いが混ざります。行割合65%と50%で比べます。
  • 行割合と列割合を混ぜる: 行割合は各行の合計が100%、列割合は各列の合計が100%になります。
  • 期待度数を実際の度数と同じと考える: 期待度数は独立と仮定したときの値で、例では70.8と78が異なります。
  • 割合に差があれば関連ありとする: 差が偶然の範囲かどうかは、検定で判断します。

「周辺度数」「行割合」は表の読み取り、「期待度数」「カイ二乗統計量」は独立性の検定と、語を分けて覚えます。

問題文から読み取る

問題文の言い回しから、使う計算を絞れます。このページの整理から導いた読み方で、出題を予想するものではありません。

  • 「それぞれの群で、ある結果になった割合」とあれば、行割合(群が行にあるとき)
  • 「行の合計と列の合計から、各セルの理論的な度数」とあれば、期待度数
  • 「2つの項目が独立かどうかを調べる」とあれば、独立性の検定
  • 「合計の度数」とあれば、周辺度数(行・列・全体のどれかを確かめる)

よくある質問

クロス集計表の割合は、行と列のどちらで割りますか?

総務省統計局の教材は、最もよく用いられるのは行の周辺度数を分母とした相対度数だと述べています。関心のある項目を表頭、説明要因の属性を表側に置く慣例があるためです。ただし、何を比べたいかで選ぶため、比べたい集団が列にある表では列割合を使います。

周辺度数は、何種類ありますか?

3種類です。統計局の教材は、行の周辺度数(横方向の合計)、列の周辺度数(縦方向の合計)、総度数(全体の合計)を挙げています。このページの表では、120と80が行の周辺度数、118と82が列の周辺度数、200が総度数です。

期待度数は、どう求めますか?

行の合計×列の合計÷総数で求めます。2つの項目が独立なら、各セルがこの度数に近くなるという考え方です。このページの例では、演習中心・合格のセルが120×118÷200=70.8で、実際の78との差が7.2です。

クロス集計表で、2つの項目に関連があると言えますか?

割合の差を見ただけでは決められません。統計局の教材は、関連の有無の判定には各種の統計的検定を用いるとしています。このページの例では、独立性の検定のカイ二乗統計量が約4.46で、自由度1の5%点3.841を超えます。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)