用語比較
同時確率・周辺確率・条件付き確率の違い|同時分布の表での求め方(統計検定2級)
同時確率は表の1マスの確率、周辺確率は行または列を足し合わせた確率、条件付き確率はその1マスを周辺確率で割った確率です。3つは同じ表から出てくるので、どの量を聞かれているかを問題文の言い回しで見分けます。
統計検定2級では、「XとYがともに」なら同時、「Yの値に関係なくX」なら周辺、「Xが分かったとき」なら条件付きと読み替えます。分母になる確率が何かを確かめると、取り違えを防げます。
このページは、同時分布の表を見て、どの数を足し、どの数で割るのか迷う人を対象にしています。2つの確率変数X(0か1)とY(0・1・2)の表1つで、3つの確率を並べて求めます。
この記事の目次
この記事の根拠と出典
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結論
同時確率
XとYの値が同時に決まる確率で、P(X=x, Y=y)と書く。同時分布の表では、行と列が交わる1マスの値にあたる。
周辺確率
片方の変数だけの確率で、もう一方の変数のすべての値について同時確率を足し合わせて求める。P(X=x)=ΣyP(X=x, Y=y)。表の端に書く合計欄にあたる。
条件付き確率
一方の値が分かったときの、もう一方の確率。P(Y=y | X=x)=P(X=x, Y=y)/P(X=x)で、同時確率を条件側の周辺確率で割って求める(P(X=x)>0のとき)。
違いを表で確認
| 比較軸 | 同時確率 | 周辺確率 |
|---|---|---|
| 表のどこか | 行と列が交わる1マス | 周辺確率は行または列の合計、条件付き確率は1マスをその合計で割った値 |
| 求め方 | 同時確率は表から読む。独立なら周辺確率の積 | 周辺確率は足し算、条件付き確率は割り算 |
| 数式の形 | P(X=x, Y=y) | 周辺はP(X=x)、条件付きはP(Y=y | X=x) |
| 合計すると | 全マスの同時確率の合計は1 | 周辺確率の合計は1。条件を固定した条件付き確率の合計も1 |
| 問題文の言い回し | XがaでかつYがb、ともに | 周辺は「Yに関係なくX」、条件付きは「Xがaであったとき」「Xがaと分かっているとき」 |
| 分母になる数 | 全体の1 | 周辺は1、条件付きは条件側の周辺確率 |
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表の1マスを見て、条件付き確率だと思ってしまう人
表に書かれている値は同時確率で、そのままでは「Xが分かったとき」の確率になりません。条件付き確率は、同時確率を条件側の周辺確率で割って求めます。
周辺確率を、表の1行の値から読もうとしてしまう人
周辺確率は、もう一方の変数のすべての値について同時確率を足した合計です。1マスだけを見ても出ません。
割る数を、全体の1や、聞かれていない側の合計にしてしまう人
条件付き確率の分母は、「分かっている」と言われた側の周辺確率です。P(Y=0 | X=0)はP(X=0)で、P(Y=0)ではありません。
具体例で使い分ける
例 1
同時分布の表から3つの確率を求める
Xは0か1、Yは0・1・2をとる確率変数で、同時確率は次の表のとおりとします(架空の例)。X=0の行がY=0,1,2の順に0.2・0.1・0.1、X=1の行が0.1・0.2・0.3で、全マスの合計は1です。
- 同時確率は表の1マスなので、P(X=0, Y=0)=0.2、P(X=1, Y=2)=0.3と読めます。
- 周辺確率はX=0の行を足して、P(X=0)=0.2+0.1+0.1=0.4です。X=1の行はP(X=1)=0.1+0.2+0.3=0.6です。Yの周辺は列を足し、P(Y=0)=0.3、P(Y=1)=0.3、P(Y=2)=0.4です。
- 条件付き確率は、X=0と分かったときのY=0の確率なら、P(Y=0 | X=0)=P(X=0, Y=0)/P(X=0)=0.2/0.4=0.5です。
- 条件側を入れ替えると、P(X=0 | Y=0)=0.2/P(Y=0)=0.2/0.3=2/3で、値が変わります。
結論: 同じマスの0.2から、同時確率は0.2、条件付き確率は割る数に応じて0.5や2/3になります。割る数が条件側の周辺確率です。
例 2
条件を固定すると合計が1になることを確かめる
同じ表で、X=1と分かったときのYの条件付き確率を、Y=0・1・2について求めます。
- P(X=1)=0.6なので、P(Y=0 | X=1)=0.1/0.6=1/6、P(Y=1 | X=1)=0.2/0.6=1/3、P(Y=2 | X=1)=0.3/0.6=1/2です。
- 合計は1/6+1/3+1/2=1になります。行を0.6で割ると、その行が1に正規化されるためです。
結論: 条件を固定した条件付き確率は、それ自体が確率の分布になり、合計が1になります。1マスの同時確率の合計は1にならないので、見分ける目安になります。
問題文から答えを選ぶ手順
- 1
問われている量を読む
「ともに」「同時に」なら同時確率、「Yに関係なく」なら周辺確率、「Xが分かったとき」なら条件付き確率と、言い回しから量を決めます。
- 2
表のどこを使うか決める
同時確率は1マス、周辺確率は行または列の合計です。条件付き確率は、1マスと、条件側の行または列の合計の2つを使います。
- 3
分母を確かめる
条件付き確率では、条件側の周辺確率を分母にします。条件とする変数がどちらかを、「分かったとき」の直前の変数で確かめます。
- 4
合計が1になるか見直す
周辺確率の合計と、条件を固定した条件付き確率の合計が1になっているかを確かめます。1にならなければ、足し算か割る数の選び方が誤りです。
試験での見分け方
- 1表の1マスは同時確率。
- 2片方だけの確率(周辺確率)は、もう一方の変数のすべての値について同時確率を足して求める。
- 3条件付き確率は、同時確率を条件側の周辺確率で割って求める(割る確率が0より大きいとき)。
- 4条件付き確率は条件側を入れ替えると値が変わる。P(Y | X)とP(X | Y)は別の量。
- 5すべてのx, yでP(X=x, Y=y)=P(X=x)P(Y=y)が成り立つなら、XとYは独立。
誤答しやすい選択肢
1マスの同時確率を、そのまま条件付き確率として答える
修正: 条件付き確率は、同時確率を条件側の周辺確率で割った値です。割る操作を忘れると、条件の分だけ小さい値になります。
条件付き確率の分母を、求めたい側の周辺確率にする
修正: P(Y=0 | X=0)の分母はP(X=0)です。「分かったとき」の側が分母になると覚えます。
P(Y | X)とP(X | Y)を同じ値とみなす
修正: 分母になる周辺確率が違うので、値が変わります。本ページの表では、0.5と2/3です。
周辺確率を、足し合わせずに1マスの値で答える
修正: 周辺確率は、片方の変数のすべての値について足し合わせます。X=0の行ならY=0,1,2の3マスをすべて足します。
確認問題
Q1本ページの表で、P(X=1, Y=1)はいくつ?
答え: 0.2
X=1の行のY=1のマスで、同時確率として表から読みます。
Q2本ページの表で、周辺確率P(Y=2)はいくつ?
答え: 0.4
Y=2の列を足します。0.1+0.3=0.4です。
Q3本ページの表で、P(Y=2 | X=1)はいくつ?
答え: 0.5
P(X=1, Y=2)/P(X=1)=0.3/0.6=0.5です。
Q4本ページの表で、P(X=1 | Y=2)はいくつ?
答え: 0.75
P(X=1, Y=2)/P(Y=2)=0.3/0.4=0.75です。P(Y=2 | X=1)の0.5とは分母が違うため、値が変わります。
到達チェック
- 同時確率を、同時分布の表の1マスとして説明できる
- 周辺確率を、もう一方の変数のすべての値について同時確率を足した確率として求められる
- 条件付き確率を、同時確率を条件側の周辺確率で割って求められる
- P(Y | X)とP(X | Y)が一般に異なる理由を説明できる
- 問題文の言い回しから、3つの確率のどれを聞かれているか判断できる
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よくある質問
Q同時確率と周辺確率は、どう関係している?
周辺確率は、同時確率をもう一方の変数のすべての値について足し合わせたものです。表の行や列の合計にあたり、本ページの表ではP(X=0)=0.2+0.1+0.1=0.4です。
Q条件付き確率は、なぜ割り算になる?
条件が成り立つ範囲を全体とみなして、その中での割合を出すからです。P(Y=y | X=x)=P(X=x, Y=y)/P(X=x)で、条件側の周辺確率で割ります。
Q同時確率が周辺確率の積になるのは、いつ?
XとYが独立のときです。すべてのx, yでP(X=x, Y=y)=P(X=x)P(Y=y)が成り立つことが独立の条件で、本ページの表ではP(X=0, Y=0)=0.2が0.4×0.3=0.12と一致しないため独立ではありません。
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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)
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