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用語比較

系列相関(自己相関)と相関係数の違い(統計検定2級)

相関係数は、2つの異なる変数の間の関連を表す値です。系列相関(自己相関)は、同じ変数の、k期離れた2つの時点の値どうしの関連を表す値で、NISTは、自己相関は相関係数の一種だが、相関をとる相手は2つの異なる変数でなく、同じ変数の2つの時点だと説明しています。

統計検定2級の公式出題範囲表には、時系列データの処理として、成長率、指数化、幾何平均、系列相関・コレログラム、トレンド、平滑化(移動平均)が並びます。変数Aと変数Bなら相関係数、同じ系列のkずれなら系列相関と整理すると、設問の読み違いを防げます。

このページでは、何と何の関連か、ラグの有無、グラフの形という三つの軸で比較します。数値例では、1から5まで増える系列と、1と3を交互に繰り返す系列の系列相関を計算し、符号が何を意味するかを確かめます。

この記事の根拠と出典

各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。統計検定2級の一次情報確認日: 2026-10-09。

公式一次資料と照合した内容
自己相関が同じ変数の2時点の間の相関であること、ラグkの自己相関の式、等間隔の前提、ランダムさの判定の限界は、NIST/SEMATECH e-Handbook 1.3.5.12と1.3.3.1を、出題範囲の項目は統計検定センターの2級出題範囲表(2018年12月14日付)を2026-10-16に照合しています。
編集部が学習用に整理した内容
1から5まで増える系列と、1と3を交互に繰り返す系列の数値例(NISTの式で計算した値)、見分ける手順、確認問題は編集部の学習上の整理です。

資格ごとの公式資料の一覧

結論

公式一次資料と照合:用語の定義は公式一次資料と照合しています。

相関係数

2つの異なる変数の組(xとy)の関連の強さと向きを表す値。散布図で読む。

系列相関(自己相関)

等間隔の時系列で、同じ変数のk期離れた値どうしの関連を表す値。kをラグと呼ぶ。ラグごとの値を並べて図にしたものがコレログラム。

違いを表で確認

比較軸相関係数系列相関(自己相関)
何と何の関連か2つの異なる変数(身長と体重など)同じ変数の、k期離れた2つの時点(今月と先月の売上など)
ラグ(ずらし)ない。同じ対象から取った2変数の組をそのまま使うある。k=1なら1期前との関連、k=2なら2期前との関連
データの前提対応する2変数の組が並んでいればよい観測値が等間隔の時系列であること
使うグラフ散布図コレログラム(ラグを横軸、系列相関を縦軸にした図)
分かること2変数が同じ向きに動くか、逆向きに動くか系列に周期的な動きや、前の値に引きずられる動きがあるか。NISTは、ランダムかどうかを調べる用途と、時系列モデルを選ぶ用途を挙げる
手がかり語の目安2変数、散布図、回帰、共分散時系列、ラグ、コレログラム、1期前、周期

公式一次資料と照合:統計検定2級: 2026-10-09に一次資料で確認一次資料の一覧を見る →

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どこで迷っているかを切り分ける

01

時系列データでも、普通の相関係数を計算すればよいと思う人

売上の月次推移そのものの性質(前月に引きずられるか、周期があるか)を調べたいなら、2つの変数を用意するのではなく、同じ系列を何期かずらして自分自身と比べます。これが系列相関です。設問に「ラグ」「コレログラム」とあれば、こちらです。

02

ラグ1の系列相関が負なら、減少傾向だと思う人

ラグ1の系列相関が負なのは、平均より大きい値の次に平均より小さい値が来やすい(その逆も)という意味です。増減の傾向でなく、交互に上下する動きを表します。後の数値例で、1と3を交互に繰り返す系列を確かめます。

03

増加し続ける系列なら、系列相関が1になると思う人

NISTの定義の式でラグ1の系列相関を計算すると、1,2,3,4,5の系列は0.4です。分母が全期間の偏差平方和、分子がラグ分だけ少ない項の和なので、完全な直線の増加でも1にはなりません。定義の式を使うと、数値は小さめに出ます。

具体例で使い分ける

編集部の整理

例 1

1,2,3,4,5と増える系列のラグ1の系列相関

5期の値が1、2、3、4、5と増えていく系列で、NISTの定義の式に従ってラグ1の系列相関を計算する場面です。

  • 平均は3で、偏差は-2、-1、0、1、2です。分母は、偏差の2乗の合計で、4+1+0+1+4=10です。
  • 分子は、隣り合う偏差の積の合計です。(-2)×(-1)+(-1)×0+0×1+1×2=2+0+0+2=4です。
  • したがってラグ1の系列相関は4÷10=0.4です。同じ式でラグ2は-0.1、ラグ3は-0.4です。

結論: 増え続ける系列のラグ1は正の0.4です。完全な直線でも1にはならず、ラグを大きくすると負の値にもなります。

例 2

1と3を交互に繰り返す系列の系列相関

6期の値が1、3、1、3、1、3と交互に上下する系列で、ラグ1とラグ2の系列相関を求める場面です。

  • 平均は2で、偏差は-1、1、-1、1、-1、1です。分母は6です。
  • ラグ1は、隣り合う偏差の積が5個すべて-1なので、分子は-5です。系列相関は-5÷6で約-0.83です。
  • ラグ2は、2つ離れた偏差の積が4個すべて1なので、分子は4です。系列相関は4÷6で約0.67です。

結論: ラグ1が負、ラグ2が正になるのは、1期ごとに上下を繰り返す周期2の動きがあるからです。符号の並びで、系列の周期的な動きが読めます。

問題文から答えを選ぶ手順

編集部の整理:1から5まで増える系列と、1と3を交互に繰り返す系列の数値例(NISTの式で計算した値)、見分ける手順、確認問題は編集部の学習上の整理です。

  1. 1

    何と何を比べているかを確かめる

    異なる2変数なら相関係数、同じ変数を時点でずらして比べるなら系列相関です。

  2. 2

    ラグを読む

    ラグkは、何期ずらして比べているかを表します。ラグ1は1期前との関連です。

  3. 3

    符号と大きさを読む

    ラグ1が正なら前の値と同じ側にとどまりやすく、負なら上下を繰り返しやすいと読みます。

  4. 4

    コレログラムで全体を見る

    ラグごとの値を横に並べ、どのラグで値が大きいかを見て、周期的な動きを探します。

試験での見分け方

編集部の整理

  • 1相関係数は2つの異なる変数の間の関連を表し、系列相関は同じ変数の2つの時点の間の関連を表す。
  • 2系列相関は、観測値が等間隔の時系列で考える。
  • 3ラグkの系列相関は、k期離れた偏差の積の和を、全観測値の偏差平方和で割って求める。
  • 4コレログラムは、ラグごとの系列相関を並べた図である。
  • 5ラグ0の系列相関は、式の分子と分母が同じになるので1である。

誤答しやすい選択肢

系列相関を、2つの変数の相関だと考える

修正: 系列相関は1つの変数を時点でずらした相関です。2つの異なる変数の間の関連は、相関係数で読みます。

ラグ1の系列相関が負なら、減少傾向だと読む

修正: 負は、上下を交互に繰り返す動きを表します。例では、1と3を交互に繰り返す系列のラグ1が約-0.83でした。

増え続ける系列の系列相関は、1だと考える

修正: NISTの定義の式では、1,2,3,4,5のラグ1は0.4です。分子の項がラグの分だけ少なくなる式です。

コレログラムを、散布図の一種だと考える

修正: コレログラムは、横軸がラグ、縦軸が系列相関の図です。2つの変数の点を打つ散布図とは別のものです。

確認問題

Q1同じ変数の、k期離れた値どうしの相関を何というか。

答え: 系列相関(自己相関)

2つの異なる変数でなく、同じ変数の2つの時点の間の相関です。

Q2ラグを横軸、系列相関を縦軸にして並べた図を何というか。

答え: コレログラム

ラグごとの系列相関を並べ、周期的な動きや引きずりを読む図です。

Q31、3、1、3、1、3の系列で、ラグ1の系列相関は正と負のどちらか。

答え: 負(約-0.83)

隣り合う偏差の積がすべて-1になるので、分子が-5、分母が6で約-0.83です。

到達チェック

  • 系列相関と相関係数の、比べる対象の違いを説明できる
  • ラグの意味を言える
  • ラグ1の系列相関の符号から動きを読める
  • コレログラムの横軸と縦軸を言える

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よくある質問

Q系列相関と自己相関は同じですか?

A

同じ内容を指します。同じ変数の、k期離れた時点どうしの相関のことで、NISTはautocorrelationとして定義しています。

Q統計検定2級の出題範囲に載っていますか?

A

公式の出題範囲表(2018年12月14日付)に、時系列データの処理として、成長率、指数化、幾何平均、系列相関・コレログラム、トレンド、平滑化(移動平均)が載っています(2026-10-16確認)。

Qラグ0の系列相関はいくつですか?

A

1です。ラグ0では分子と分母が同じ偏差平方和になるためです。NISTの例の表でもラグ0は1.00です。

Q系列相関が0に近ければ、ランダムといえますか?

A

NISTは、系列相関が有意に0でなければランダムでないが、有意でなくてもほかの形でランダムでない場合はあると述べています。系列相関はランダムさを見る一つの尺度です。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)