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第2章 データ収集と確率

統計検定2級の排反と独立の計算例

統計検定2級の公式出題範囲には、確率の項目として事象、和事象、積事象、条件付き確率、独立が挙がっています。排反は「同時に起こらない」ことでP(A∩B)=0、独立は「一方が起きても他方の確率が変わらない」ことでP(A∩B)=P(A)P(B)です。

このページは、2つの条件を式で比べ、サイコロの例で3通りに分けて確かめ、和事象と積事象でどちらの式を使うかを計算で整理します。2つの違いの結論と見分け方の手順は、排反と独立の違いの比較記事にまとめています。

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結論

  1. 排反 = 積事象が空事象、P(A∩B)=0(同時に起こらない)
  2. 独立 = P(A∩B)=P(A)P(B)(一方が起きても他方の確率が変わらない)
  3. 確率がどちらも0より大きい2事象は、排反と独立を同時には満たさない
  4. 和事象は排反なら足し算、積事象は独立なら掛け算

定義を式で比べる

Penn State STAT 414は、積事象A∩Bが空事象のとき、AとBを互いに排反な事象と呼びます。一方、独立な事象は、一方が起こっても他方の起こる確率が変わらない事象で、P(B|A)=P(B)(P(A)>0のとき)と表します。条件付き確率の式からは、P(A∩B)=P(A)P(B)と同じ内容になります。

  • 排反: P(A∩B)=0。P(A)>0なら、条件付き確率で書くとP(B|A)=0(Aが起きたらBは起きない)
  • 独立: P(A∩B)=P(A)P(B)。条件付き確率で書くと、P(B|A)=P(B)(Aが起きてもBの確率は同じ)

排反は事象の重なりの話、独立は確率の掛け算で積事象を表せるかの話で、見ているものが違います。

サイコロ1個で3通りを確かめる

1個のサイコロを振り、各目が出る確率はどれも1/6とします。Aを「偶数の目」(P(A)=1/2)として、3つの事象Bと組み合わせます(架空の例です)。

組み合わせ積事象A∩BP(A∩B)P(A)P(B)判定
A=偶数{2,4,6}、B=1の目{1}なし(空事象)01/2×1/6=1/12排反である。独立ではない
A=偶数{2,4,6}、B=3以下{1,2,3}{2}1/61/2×1/2=1/4排反でも独立でもない
A=偶数{2,4,6}、B=4以下{1,2,3,4}{2,4}1/31/2×2/3=1/3独立である。排反ではない

1行目は、偶数と1の目が同時に出ないのでP(A∩B)=0です。右の掛け算は1/12で0と一致しないため、独立ではありません。3行目は、偶数かつ4以下の目が2と4で、P(A∩B)=2/6=1/3です。P(A)P(B)=1/2×2/3=1/3と一致するので独立で、積事象が空でないため排反ではありません。

排反かどうかは積事象が空かを見て、独立かどうかはP(A∩B)とP(A)P(B)が一致するかを見ます。2行目のように、どちらにも当てはまらない組み合わせもあります。

サイコロ2個の独立

独立が最も分かりやすいのは、別々の試行です。2個のサイコロを振り、Aを「1個目が偶数」、Bを「2個目が6の目」とします(架空の例です)。

  • P(A)=3/6=1/2、P(B)=1/6
  • 同時に起こる組は、1個目が2・4・6の3通りと2個目が6の目で、36通り中3通り
  • P(A∩B)=3/36=1/12。P(A)P(B)=1/2×1/6=1/12と一致するので独立

1個目の結果が2個目の確率に影響しない場合は独立で、両方が同時に起こるので排反ではありません。条件付き確率とベイズの定理の計算は条件付き確率とベイズの定理のページにまとめています。

使う式の違い

和事象の確率はP(A∪B)=P(A)+P(B)−P(A∩B)で求めます。ここへ排反のP(A∩B)=0を入れると、P(A∪B)=P(A)+P(B)になります。サイコロ1個で、Aを偶数、Bを1の目とすると、排反なので和事象は1/2+1/6=2/3です。

排反でない表の3行目の組み合わせ(偶数と4以下)では、P(A∪B)=1/2+2/3−1/3=5/6です。引く項を忘れると7/6となり、1を超えて誤りに気づけます。

  • 和事象: 排反なら足し算。排反でなければ積事象を引く
  • 積事象: 独立なら掛け算。独立でなければP(A)P(B|A)で求める

和事象で迷ったら排反か、積事象で迷ったら独立かを、先に確かめます。用語は条件付き確率の用語集にもあります。

間違えやすい点

取り違えやすい点を、このページの例で4つ挙げます。

  • 排反なら独立と考える: 偶数と1の目は排反ですが、P(A)P(B)=1/12で0と合わず独立ではありません。
  • 重なりがなければ独立と考える: 重なりがない(排反)ことと、確率が影響し合わないこと(独立)は別の条件です。
  • 独立でも和事象を足し算にする: 偶数と4以下は独立ですが、和事象は1/2+2/3−1/3=5/6です。
  • 図で離れた円を独立と読む: ベン図で円が離れていれば排反で、独立かどうかは図ではなく確率の積で判定します。

「同時に起こらない」なら排反、「確率が影響し合わない」なら独立と、言葉を分けて覚えます。

問題文から読み取る

問題文の言い回しから、使う式を判断できます。このページの例から導いた読み方で、出題を予想するものではありません。

  • 「同時には起こらない」「互いに排反」とあれば、P(A∩B)=0で和事象は足し算
  • 「互いに独立」「結果が影響しない」とあれば、P(A∩B)=P(A)P(B)
  • 「独立かどうか調べる」とあれば、P(A∩B)とP(A)P(B)を計算して比べる
  • 「AまたはB」とあれば和事象、「AかつB」とあれば積事象
  • 「Aが起きたとき」とあれば条件付き確率で、独立ならP(B|A)=P(B)

よくある質問

排反な2つの事象は、独立ですか?

確率がどちらも0より大きいなら、独立ではありません。排反ならP(A∩B)=0ですが、独立の条件の右辺P(A)P(B)は0より大きくなるため、等式が成り立たないからです。

独立な2つの事象は、排反ですか?

確率がどちらも0より大きいなら、排反ではありません。独立ならP(A∩B)=P(A)P(B)>0で、同時に起こる場合があるためです。

和事象の確率がP(A)+P(B)になるのは、どんなときですか?

AとBが排反のときです。和事象の公式P(A∪B)=P(A)+P(B)−P(A∩B)にP(A∩B)=0を入れると、引く項が消えます。独立であることは理由になりません。

積事象の確率がP(A)P(B)になるのは、どんなときですか?

AとBが独立のときです。独立の定義そのものがP(A∩B)=P(A)P(B)で、排反かどうかは関係しません。

排反と独立は、統計検定2級の出題範囲に載っていますか?

公式の出題範囲表は、確率の項目として、事象、和事象、積事象、条件付き確率、独立などを挙げています。排反はその確率の計算の前提として使われます。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)