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第2章 データ可視化とAI活用の基礎

DS検定のデータ可視化(軸・散布図行列・平行座標)

DS検定(リテラシーレベル)の公式スキルチェックリストには、データ可視化の項目が★1つ星だけで十数個あります。図の名前は覚えていても、「軸を切るとどう見えるか」「変数が4つあるとき何を並べるか」を数字で説明できないと、問題文の言い回しに合わせにくくなります。図の名前を覚えるより、小さな数字で見え方がどう変わるかを一度手で確かめるほうが、選択肢の判断につながります。

棒グラフと折れ線グラフ、散布図の使い分けは、別のページで先に確認しておくと読みやすくなります。

店舗の売上と変数の数はすべて架空です。出題を予想するものではありません。

公式情報の確認

試験日、料金、申込条件、試験方式など変動する情報は、公式情報を最終確認してください。 当サイトの一次情報確認日: 2026-10-02。

試験の出題範囲・実施要項は変動するため、受験前に公式情報を確認してください。

結論

  1. 棒グラフの縦軸は0から始める。軸を切ると、棒の高さの比が値の比とずれて、差が大きく見える
  2. 3つ以上の変数は、散布図行列・平行座標・ヒートマップで並べる。変数が多い全体を1画面で見渡すための図
  3. 量は位置やサイズで表し、色は区別と強調に使う。装飾を足すより、データを表す部分を目立たせる
  4. 図を見るときは、特異点・相違性・傾向性・関連性の4つの視点で、何を見つけたいかを先に決める

軸を切ると差が大きく見える例

2つの店舗の売上が52万円と50万円だとします。同じ数字でも、棒グラフの縦軸の始点が違うと、棒の高さの比が変わります。

縦軸の始点店舗A(52万円)店舗B(50万円)棒の高さの比
縦軸を0から始める52の棒の高さ 5250の棒の高さ 5052 ÷ 50 = 1.04倍
縦軸を48から始める52の棒の高さ 52 − 48 = 450の棒の高さ 50 − 48 = 24 ÷ 2 = 2倍

実際の売上の差は 52 ÷ 50 = 1.04倍、つまり4%です。縦軸を48から始めると、棒の高さは4と2になり、2倍の差があるように見えます。棒グラフは高さで量を表すので、軸を切ると、見た目の比が値の比と一致しなくなります。

公式スキルチェックリストも、不必要な誇張をしないための軸表現の基礎として、コラムチャートのY軸の基準点は「0」からを原則とし、軸を切らないことを挙げています。

軸の使い方では、「軸出し」もチェックリストの項目に入っています。散布図なら、目的に応じて縦軸と横軸の候補を洗い出すこと、積み上げ縦棒グラフなら、商品カテゴリや地域のような層に分ける属性(層化・比較軸)の候補を出すことが、★1つ星の項目になっています。

3つ以上の変数を並べる図

公式スキルチェックリストは、1〜3次元の図表を拡張した多変量の比較を、平行座標・散布図行列・テーブルレンズ・ヒートマップなどで適切に可視化できることを、★1つ星の項目としています。図ごとの描き方と、変数の数を使った数え方は次の表のとおりです。

図描き方数え方の例
散布図行列すべての変数の組の散布図を、行列の形に1画面で並べる4変数なら4行4列で16マス。同じ変数どうしの対角の4マスを除くと12マスで、行列の形から数えると上下で入れ替わった同じ組が2回出るので、異なる組は 4 × 3 ÷ 2 = 6組
平行座標変数ごとの縦軸を平行に並べ、1件のデータを軸の上の点を結ぶ折れ線として描く5変数なら縦軸は5本。1件の折れ線は隣り合う軸を結ぶ 5 − 1 = 4本の線分でできる
ヒートマップ表の1マスごとの値の大きさを、色の違いで表す5店舗 × 4曜日の売上なら20マスの表になり、色の濃い所が売上の大きい店舗と曜日の組

英語版Wikipediaは、散布図行列を、k個の変数のすべての組の散布図をk行k列の行列の形で並べたもの、平行座標を、n本の平行な軸を引き、1件のデータを各軸上の点を結ぶ折れ線として描くもの、ヒートマップを、個々の値の大きさを色で表す2次元の図と説明しています。変数が増えると散布図の組の数が増えるので、散布図行列では、全体を見渡して関係がありそうな組を探し、気になる組だけ個別の散布図で確認します。

強調と情報の量

公式スキルチェックリストには、強調表現について、計量データに対しては位置やサイズ表現が色表現よりも効果的であること、情報提示の相手や場に応じて適切な情報濃度を判断すること(データインク比の考え方など)が、★1つ星の項目として入っています。

  • 量の大小は、棒の長さや点の位置で表すと、並べて比べやすい
  • 色は、グループの区別や、見てほしい1か所の強調に使う
  • 3Dの効果や背景の飾りのように、データを表さない部分を増やすと、データを表す部分の割合が下がる。データインク比は、この割合を意識するための考え方
  • データ解析部門以外の人に意味を伝える重要性も、★1つ星の項目に入っている。相手が知りたいことに合わせて、図に載せる情報を絞る

外れ値を見せたいときは、その表現手法を選べることが求められます。1変数なら箱ひげ図、2変数なら散布図のように、離れた値が目に入る図を選びます。外れ値が平均と中央値に与える影響は、代表値とばらつきのページで計算例を確認できます。

図から見つける4つの視点

公式スキルチェックリストは、データの可視化における基本的な視点として、特異点、相違性、傾向性、関連性を見出すことを挙げています。次の表は、この4つに当てはまる読み取りを、架空の例で並べたものです。

視点図に問いかけること読み取りの例
特異点ほかと大きく離れた点はないか散布図の1点だけ右上に離れている
相違性グループ間で違いはないか店舗Aと店舗Bで曜日ごとの売上の山が違う
傾向性全体としての向きや増減はないか月が進むにつれて売上が増えている
関連性変数どうしに関係はないか気温が高い日ほど飲料の売上が高い

公式スキルチェックリストのデータ確認の項目には、単独のグラフに対して、集計ミスや記載ミスがないかをチェックできることもあります。軸の始点、単位、凡例の記載が合っているかを見るのが、最初の確認です。

よくある質問

DS検定でデータ可視化はどこまで必要ですか?

公式スキルチェックリストのデータ可視化には、★1つ星の項目として、可視化の目的の広がり、軸の候補と層化の洗い出し、データインク比の考え方、軸を0から始める原則、位置やサイズと色の使い分け、平行座標・散布図行列・ヒートマップなどの多変量の可視化、外れ値の表現手法、4つの視点が入っています。このページの程度の小さな例で、図の選び方と読み方を説明できる状態が目安です。

棒グラフの縦軸は、なぜ0から始めるのですか?

棒の高さの比が、値の比と一致するからです。このページの例では、52と50の差は1.04倍ですが、縦軸を48から始めると棒の高さは4と2になり、2倍の差に見えます。公式スキルチェックリストも、コラムチャートのY軸の基準点は「0」からを原則とし、軸を切らないことを不必要な誇張をしないための基礎として挙げています。

色と位置・サイズは、どちらで量を表すほうがよいですか?

公式スキルチェックリストは、計量データに対しては位置やサイズ表現が色表現よりも効果的な例として挙げています。棒の長さや点の位置で量を表し、色は区別や強調に使うと読み取りやすくなります。ヒートマップは色で値の大きさを表す図です。

散布図と散布図行列は、どう違いますか?

散布図は2つの量的変数の関係を1枚で見る図で、散布図行列は、3つ以上の変数のすべての組の散布図を行列の形で並べたものです。4変数なら異なる組は6組あり、6つの散布図を1画面で見比べられます。

外れ値を見つけるには、どの図を使いますか?

公式スキルチェックリストは、外れ値を見出すための適切な表現手法を選択できることを★1つ星の項目としています。1変数なら箱ひげ図、2変数なら散布図のように、離れた点が目に入る図を選びます。箱ひげ図の読み方は、箱ひげ図の用語解説と、ヒストグラムとの違いのページで確認できます。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)