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特許の新規性と進歩性の違い|特許法29条1項と2項の条文で比較(G検定)

特許の新規性は、出願前にその発明がすでに世の中に知られていないことです。進歩性は、すでに知られている発明から、その分野の通常の知識を持つ人が容易に思いつけないことです。

どちらも特許法29条に書かれています。新規性は1項、進歩性は2項です。G検定の知的財産権の項目には、特許法、発明、新規性、進歩性が出題範囲のキーワードとして挙がっています。

このページでは、e-Govの条文にそって2つの要件の違いを整理します。事例で、新規性はあるが進歩性がない場合と、公開してしまった後でも出願できる30条の例外を確認します。

この記事の根拠と出典

各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。G検定の一次情報確認日: 2026-10-02。

結論

新規性(29条1項)

出願前に、公然知られた発明、公然実施をされた発明、刊行物に記載された発明または電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明は、特許を受けられない。

進歩性(29条2項)

出願前にその分野の通常の知識を有する者が、1項各号の発明に基づいて容易に発明できたときは、特許を受けられない。

30条の例外

意に反して公開された発明や、自分の行為で公開した発明は、公開から1年以内の出願なら、新規性・進歩性の判断で公開されなかったものとみなされる。

違いを表で確認

比較軸新規性(29条1項)進歩性(29条2項)
条文新規性:特許法29条1項進歩性:特許法29条2項
問うこと新規性:出願前に、公知・公然実施・刊行物記載などになっていないか進歩性:公知の発明から、通常の知識を有する者が容易に発明できないか
比べる相手新規性:公開された1つの発明そのもの進歩性:1項各号の発明に基づいた容易な発明かどうか
満たさないとき新規性なし:その発明は特許を受けられない進歩性なし:容易に発明できたときは特許を受けられない

どこで迷っているかを切り分ける

01

新規性と進歩性を「新しいかどうか」で一括りにしてしまう人

新規性は「すでに公開されたものと同じか」、進歩性は「公開されたものから容易に作れるか」です。公開された発明と同じでなくても、容易に作れるなら進歩性は否定されます。

02

論文やブログで公開した後は、もう特許が取れないと思っている人

特許法30条は、公開から1年以内の出願なら例外を認めています。ただし、出願時に書面を出し、証明書は出願から30日以内に出す手続きが必要です。

03

AIの発明は特別な要件があるのかと迷う人

このページが扱う29条の要件は、AIに限らず発明一般に共通です。G検定では、新規性と進歩性がそれぞれ何を問うかを区別できれば足ります。

具体例で使い分ける

例 1

出願前に学会で発表した手法:新規性がない

ある会社が、画像分類の学習手順を学会で発表し、その内容が刊行物に記載されました(架空の事例)。別の会社が同じ手順で特許を出願しました。

  • 発表した手順は、出願前に頒布された刊行物に記載された発明に当たります(29条1項3号)。
  • 同じ手順の出願は、1項3号に該当するので特許を受けられません。

結論: 公開された発明と同じ内容の出願は、新規性がありません。

例 2

公知の2つの手法を組み合わせた手順:新規性はあるが進歩性がない

手順Aと手順Bは、どちらも出願前に刊行物に載っています。2つを順に実行する手順は、どの刊行物にもそのままの形では載っていません(架空の事例)。

  • 組み合わせた手順は、公開された発明と同じではないので、29条1項は問題になりません。
  • ただし、その分野の通常の知識を有する者が、手順Aと手順Bから容易に組み合わせられたなら、29条2項により特許を受けられません。
  • 容易かどうかは、個々の出願ごとに審査で判断されます。

結論: 新規性があっても、容易に発明できたと判断されれば進歩性は否定されます。

例 3

自分のブログで公開した後の出願:30条の例外

ある人が自分の発明を自分のブログで公開し、その後に特許を出願しようとしています(架空の事例)。

  • ブログで公開した発明は、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に当たり、そのままでは新規性を失います。
  • 特許を受ける権利を有する者の行為に起因する公開は、30条2項により、公開から1年以内の出願なら例外の対象になります。
  • 例外を受けるには、出願と同時にその旨を書いた書面を出し、証明書を出願から30日以内に出します(30条3項)。

結論: 公開してからでも、1年以内に所定の手続きで出願すれば、新規性と進歩性の判断で公開がなかったものとみなされます。

問題文から答えを選ぶ手順

  1. 1

    出願前の公開を探す

    公然知られた、公然実施された、刊行物に記載された、ネットで公衆に利用可能になった、のいずれかに当たれば新規性は失われます。

  2. 2

    公開された発明との差を見る

    同じなら新規性なしです。差があっても、通常の知識を有する者が容易に発明できる差なら、進歩性なしです。

  3. 3

    30条の例外を確かめる

    自分の意に反する公開か自分の行為による公開で、公開から1年以内に出願し、手続きを守っているかを確かめます。

試験での見分け方

  • 1新規性は29条1項、進歩性は29条2項。
  • 2新規性は、出願前の公知・公然実施・刊行物記載などの有無を問う。
  • 3進歩性は、通常の知識を有する者が1項各号の発明に基づいて容易に発明できたかを問う。
  • 430条の例外は公開から1年以内の出願が条件。

誤答しやすい選択肢

新規性があれば特許を受けられると考える

修正: 新規性があっても、容易に発明できたと判断されれば、29条2項により特許を受けられません。

進歩性を、技術が高度なことと同じだと考える

修正: 29条2項が問うのは、通常の知識を有する者が公知の発明に基づいて容易に発明できたかどうかです。技術の難しさそのものではありません。

公開したら、30条の例外は自動的に適用されると考える

修正: 30条の例外には、出願と同時にその旨を書いた書面を出し、証明書を出願から30日以内に出す手続きが必要です。

発明の定義と要件を混ぜる

修正: 2条は、発明を自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものと定義します。新規性・進歩性は、発明であることとは別に、29条で問われる特許の要件です。

確認問題

Q1特許法29条1項が定める要件は、新規性と進歩性のどちらか?

答え: 新規性

29条1項は、出願前に公知などになった発明を特許の対象から除きます。

Q2特許法29条2項が定める要件は、新規性と進歩性のどちらか?

答え: 進歩性

2項は、通常の知識を有する者が容易に発明できたときは特許を受けられないと定めます。

Q3出願前に、頒布された刊行物に記載された発明は、新規性があるか?

答え: ない

29条1項3号に当たります。

Q4公開された発明と同じでなくても、進歩性が否定されるのはどんなときか?

答え: 通常の知識を有する者が、公知の発明に基づいて容易に発明できたとき

29条2項の定めです。

Q530条の例外が使えるのは、公開から何年以内の出願か?

答え: 1年以内

30条1項と2項は、公開に至った日から1年以内の出願を対象にします。

到達チェック

  • 29条1項が新規性、2項が進歩性だと言える
  • 新規性を失う3つの公開の形を挙げられる
  • 新規性があっても進歩性が否定される場合を説明できる
  • 30条の例外の期間(1年以内)と手続きを言える

同じ資格で次に知りたいこと

よくある質問

Q特許の新規性と進歩性の違いは?

A

新規性は、出願前に公知・公然実施・刊行物記載などになっていないこと(特許法29条1項)です。進歩性は、通常の知識を有する者が公知の発明に基づいて容易に発明できないこと(29条2項)です。

Q自分で発明を公開した後でも特許を出願できる?

A

公開から1年以内に出願し、出願と同時に書面を、出願から30日以内に証明書を出せば、30条の例外が適用されます。

QG検定で特許法のどこまで問われる?

A

公式の出題範囲には、特許法、発明、新規性、進歩性が挙がっています。このページの内容で、2つの要件の違いは区別できます。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)