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用語比較

AI新法とEU AI Actの違い(生成AIパスポート)

AI新法とEU AI Actは、どちらもAIに関する法律ですが、目的が違います。日本のAI新法はAIの研究開発と活用を推進する法律で、EUのAI Actはリスクに応じてAIの利用に義務を課す規則です。

AI新法は罰則のない推進法、EU AI Actはリスク別に禁止や義務を定め、違反に制裁金を科す規制と覚えると、選択肢の「罰則がある」「リスクに応じて分類する」がどちらの話かを判断できます。

生成AIパスポートの公式シラバスは、第4章の「AI法・国際ルール・AI安全保障」で、海外のAI規制動向とEU AI Actを扱います。このページは、AI新法の中身は覚えたが、EUの規制との線引きが曖昧な人を対象にしています。

この記事の根拠と出典

各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。生成AIパスポートの一次情報確認日: 2026-08-31。

結論

AI新法

正式名称は「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(令和7年法律第53号)。2025年6月4日に公布され、同年9月1日に全面施行された。本則に罰則はなく、研究開発と活用の推進が主眼である。

EU AI Act

正式にはRegulation (EU) 2024/1689。欧州委員会はAIに関する世界初の包括的な法的枠組みと説明する。AIシステムのリスクを4段階に分け、段階ごとに禁止や義務を定める。

違いを表で確認

比較軸AI新法EU AI Act
法律の性格研究開発と活用を推進する基本法型の推進法AIの利用にリスクに応じた規則を課す規制
罰則・制裁金本則に罰則を置く条文はない。権利利益の侵害事案には指導、助言、情報の提供で対応する(16条)禁止行為への違反は最大3,500万ユーロ、または全世界年間売上高の7%のいずれか高い額の行政上の制裁金(第99条)
AIの分け方リスク別の分類は置かない許容できないリスク、高リスク、透明性リスク、最小または無リスクの4段階
事業者に求めること活用事業者に、国や地方公共団体の施策への協力を求める(7条、罰則なし)高リスクのAIにはリスク評価、記録、人による監督などの義務。生成AIの出力は識別できるようにする
禁止するAI禁止するAIの類型を定める規定はない有害な操作や欺瞞、ソーシャルスコアリングなど、許容できないリスクのAIを禁止する
適用の始まり2025年9月1日に全面施行2024年8月1日に発効。禁止の慣行は2025年2月2日、GPAIモデルの義務は2025年8月2日、全体の適用は2026年8月2日、高リスクの一部は2027年12月2日以降

どこで迷っているかを切り分ける

01

「日本にもAIを規制する法律ができた」と理解している人

AI新法は規制法ではなく推進法です。罰則を置く条文はなく、事業者に求めるのは国の施策への協力です。罰則や制裁金で義務を担保するのは、EU AI Actの考え方です。

02

EU AI Actを「AIの全面禁止」と考える人

禁止されるのは許容できないリスクのAIだけです。高リスクには義務を課し、最小リスクのAIには規則を設けません。欧州委員会は、EUで使われているAIの大半が最小リスクに当たると説明しています。

03

生成AIに関する規定が気になる人

EU AI Actは、チャットボットであることの通知や、生成AIの出力を識別できるようにする透明性の義務を置きます。ディープフェイクなどは明示が求められます。汎用目的AIモデルの提供者には、透明性と著作権に関する規則も課されます。

具体例で使い分ける

例 1

「AIの用途をリスクで分け、違反に制裁金を科す法制度」はどちらか

選択肢に、日本のAI新法はリスクの高さに応じてAIを分類し、違反した事業者に制裁金を科す、とする文があります。

  • AI新法の本則28条には、罰則を置く条文がありません。権利利益の侵害事案には、指導、助言、情報の提供で対応するとされています(16条)。
  • AIをリスクで4段階に分け、禁止行為の違反に最大3,500万ユーロまたは売上高の7%の制裁金を定めているのは、EU AI Actです。

結論: この文はEU AI Actの説明で、AI新法の説明としては誤りです。

例 2

「許容できないリスク」と「高リスク」の扱いの違い

EU AI Actの4段階のうち、上位2つに当たるAIをどう扱うかを問われています。

  • 許容できないリスクは、人々の安全、生活、権利への明らかな脅威とされるAIで、禁止されます。
  • 高リスクは、健康、安全、基本的権利に深刻なリスクを及ぼしうる用途で、禁止ではなく、市場に出す前にリスク評価、記録、人による監督などの義務を満たす必要があります。

結論: 許容できないリスクは禁止、高リスクは厳格な義務を満たせば使える、と区別します。

問題文から答えを選ぶ手順

  1. 1

    罰則や制裁金の話かを見る

    罰則がないのはAI新法、制裁金があるのはEU AI Actです。選択肢にこの対応が逆に書かれていないかを確認します。

  2. 2

    リスク別の分類が出ているかを見る

    許容できないリスク、高リスク、透明性リスク、最小リスクの4段階が出たらEU AI Actです。

  3. 3

    法律の目的を見る

    「研究開発と活用の推進」「基本計画」「人工知能戦略本部」が出たらAI新法です。

  4. 4

    日付を確かめる

    2025年9月1日の全面施行は日本のAI新法、2026年8月2日の適用開始はEU AI Actの話です。

試験での見分け方

  • 1AI新法は推進法で、本則に罰則はない。
  • 2EU AI Actは、AIのリスクを4段階に分けて規則を課す。
  • 3許容できないリスクのAIは禁止、高リスクのAIは厳格な義務を満たして使う。
  • 4最小リスクのAIには、EU AI Actは規則を設けない。
  • 5制裁金は、EU AI Actの禁止行為への違反で最大3,500万ユーロまたは全世界年間売上高の7%のいずれか高い額。

誤答しやすい選択肢

AI新法に、違反への罰則があると考える

修正: AI新法は推進を主眼とする法律で、本則に罰則はありません。罰則や制裁金で義務を担保するのは、EU AI Actです。

EU AI Actは、AIの利用を全面的に禁止する規制だと考える

修正: 禁止の対象は許容できないリスクのAIだけです。高リスクは義務の対象、最小リスクには規則がありません。

EU AI Actの適用時期を、一斉に同じ日からだと考える

修正: 2024年8月1日に発効し、禁止の慣行は2025年2月2日、GPAIモデルの義務は2025年8月2日、全体は2026年8月2日から段階的に適用されます。高リスクの一部は、2027年12月2日以降とされています。

AI新法とEU AI Actを、同じ種類の法律とみなす

修正: 前者は国の施策の基本を定める推進法、後者はAIシステムに直接義務を課す規則です。目的と手段が違います。

確認問題

Q1AIのリスクを4段階に分けて、段階ごとに規則を課すのは、AI新法とEU AI Actのどちらですか?

答え: EU AI Act

許容できないリスク、高リスク、透明性リスク、最小または無リスクの4段階に分けるのは、EU AI Actです。

Q2AI新法の本則に、罰則を置く条文はありますか?

答え: ありません

AI新法は推進を主眼とする基本法型の法律で、権利利益の侵害事案には指導、助言、情報の提供で対応します。

Q3EU AI Actで、許容できないリスクに当たるAIはどう扱われますか?

答え: 禁止される

人々の安全、生活、権利への明らかな脅威とされるAIは禁止です。高リスクは禁止ではなく、厳格な義務の対象です。

到達チェック

  • AI新法を、罰則のない推進法として説明できる
  • EU AI Actの4段階のリスク分類を言える
  • 禁止と高リスクの義務の違いを説明できる
  • 制裁金の上限(最大3,500万ユーロまたは売上高の7%)が、禁止行為の違反に対するものだと言える

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よくある質問

QAI新法とEU AI Actの一番短い違いは?

A

AI新法は罰則のない推進法、EU AI Actはリスクに応じて禁止や義務を課し、違反に制裁金を科す規制です。

QEU AI Actは、いつから適用されていますか?

A

2024年8月1日に発効し、2026年8月2日に適用が始まりました。禁止の慣行は2025年2月2日から、高リスクの一部は2027年12月2日以降とされています。

QEU AI Actの制裁金の上限はいくらですか?

A

禁止行為への違反は、最大3,500万ユーロ、または事業者の場合は前会計年度の全世界年間売上高の7%のいずれか高い額です。

Q公式シラバスに載っていますか?

A

はい。第4章の「AI法・国際ルール・AI安全保障」の学習項目に海外のAI規制動向があり、詳細キーワードにEU AI Actが載っています。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)