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用語比較

AIを道具として使った作品と、AIが自律的に生成したものの違い|著作物にあたるかの判断(生成AIパスポート)

文化庁の考え方では、AIが自律的に生成したものは「思想又は感情を創作的に表現したもの」ではなく、著作物に該当しないと考えられます。一方、人が思想又は感情を創作的に表現するための「道具」としてAIを使用したと認められれば、著作物に該当し、AI利用者が著作者となると考えられます。

どちらにあたるかは、AI生成物であることだけでは決まりません。人の創作意図があるか、創作的寄与と認められる行為を行ったかで、個々の生成物ごとに判断されます。

このページは、AI生成物は必ず著作物になる、または必ずならない、と一律に覚えてしまう人を対象にしています。指示の分量、試行回数、選択、加筆・修正の扱いを、文化庁の資料にそって整理します。

この記事の根拠と出典

各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。生成AIパスポートの一次情報確認日: 2026-08-31。

結論

AIを道具として使ったもの

人が思想又は感情を創作的に表現するために、AIを道具として使用したと認められるもの。著作物に該当し、AI利用者が著作者となると考えられる。

AIが自律的に生成したもの

人が何ら指示を与えず、または簡単な指示にとどまり、生成のボタンを押すだけでAIが生成したもの等。思想又は感情を創作的に表現したものではなく、著作物に該当しないと考えられる。

違いを表で確認

比較軸AIを道具として使ったものAIが自律的に生成したもの
著作物にあたるかあたると考えられるあたらないと考えられる
著作者AI利用者(人)著作者となる者はいない。AI自体は著作者になれない
人の関わり方創作意図があり、創作的寄与と認められる行為がある指示がない、または簡単な指示にとどまる
例創作的表現を具体的に示す詳細な指示、生成物を確認して指示を修正しながら繰り返す、創作的表現といえる加筆・修正生成のボタンを押すだけで生成されたもの
区別の手がかり人が道具としてAIを使ったといえるかAIが自律的に生成したといえるか

どこで迷っているかを切り分ける

01

AIで作ったものは、すべて著作物にならないと考える人

AI生成物であることだけで一律には決まりません。人がAIを道具として使ったと認められれば、著作物に該当すると考えられます。

02

長いプロンプトを書けば、著作物になると考える人

長大な指示でも、創作的表現に至らないアイデアを示すにとどまる指示であれば、創作的寄与の判断には影響しないとされています。分量より、創作的表現といえるものを具体的に示しているかが見られます。

03

AI生成物が著作物になれば、侵害の心配はなくなると考える人

別の問題です。AI生成物が著作物になる場合でも、既存の著作物との類似性と依拠性が認められれば、既存の著作物の著作権侵害となりえます。

具体例で使い分ける

例 1

ボタンを押すだけの場合と、指示と修正を重ねた場合を比べる

説明のために作った例です。Bさんは、風景のイラストを生成AIで作りました。1枚目は「風景」とだけ入力して生成のボタンを押し、出てきた画像をそのまま使いました。2枚目は、構図や色づかいなど、表したい表現を具体的に書いて生成し、出てきた画像を見ながら指示を何度も直し、最後に自分で描き足しました。

  • 1枚目は、簡単な指示にとどまり、生成のボタンを押すだけでAIが生成したものにあたるので、著作物に該当しないと考えられます。
  • 2枚目は、創作的表現を具体的に示す指示と、生成物を確認しながら指示を修正して繰り返す行為があり、加筆・修正も加えています。文化庁の資料は、創作的寄与の判断要素の例として、指示の具体性と、確認しながら指示を修正して繰り返す行為を挙げています。
  • また、創作的表現といえる加筆・修正を加えた部分には、通常、著作物性が認められるとされています。

結論: 同じ生成AIを使っても、人が創作意図をもって創作的寄与をしたかで、結論が分かれます。ただし、個々の生成物ごとに、具体的な事情で判断されます。

例 2

プロンプトの長さ、試行回数、選択の扱いを並べる

前の例で、何が創作的寄与として数えられるかを整理します。

  • 指示の分量は、創作的表現といえるものを具体的に示す詳細な指示であれば、創作的寄与がある可能性を高めます。長くても、アイデアを示すだけの指示は判断に影響しません。
  • 試行回数が多いこと自体は影響しません。ただし、生成物を確認し、指示を修正しながら繰り返す場合は、著作物性が認められる場合もあります。複数の生成物からの単なる選択も、それ自体は影響しません。

結論: 「長い」「何度も試した」「選んだ」という量や回数ではなく、創作的表現に結びつく行為がどれだけ積み重なっているかが見られます。

問題文から答えを選ぶ手順

  1. 1

    人の指示や関与があったかを見る

    指示がない、または簡単な指示にとどまり、生成のボタンを押すだけなら、AIが自律的に生成したものと考えられます。

  2. 2

    創作意図があるかを見る

    人が思想又は感情を創作的に表現するために、AIを道具として使ったといえるかを確かめます。

  3. 3

    創作的寄与と認められる行為を数える

    創作的表現を具体的に示す指示や、生成物を見て指示を修正しながら繰り返す行為があるかを見ます。創作的表現といえる加筆・修正を加えた部分は、通常、著作物性が認められます。

  4. 4

    侵害の問題は別に確かめる

    著作物になるかと、既存の著作物の著作権侵害になるかは別の問題です。類似性と依拠性は、別に見ます。

試験での見分け方

  • 1AIが自律的に生成したものは、著作物に該当しないと考えられる。
  • 2人が創作的に表現するための道具としてAIを使ったと認められれば、著作物に該当し、AI利用者が著作者となると考えられる。
  • 3著作者となれるのは人(自然人又は法人)だけで、AI自体は著作者にならない。
  • 4道具として使ったかは、創作意図と、創作的寄与と認められる行為の有無で判断する。
  • 5AI生成物が著作物になるかと、既存の著作物の著作権侵害になるかは、別の問題。

誤答しやすい選択肢

AIが著作者になると書く

修正: 著作者となれるのは人(自然人又は法人)だけで、法人格を持たないAI自体が著作者となることはありません。

プロンプトが長ければ著作物になると書く

修正: 長大な指示でも、創作的表現に至らないアイデアを示すにとどまるなら、創作的寄与の判断には影響しません。

試行回数が多いほど著作物性が高まると書く

修正: 試行回数が多いこと自体は影響しません。生成物を確認して指示を修正しながら繰り返す場合に、著作物性が認められる場合があります。

AI生成物かどうかで、一律に著作物かどうかが決まると書く

修正: AI生成物であることによって一律に決まるものではなく、個々の生成物について、個別具体的な事情に応じて判断されます。

確認問題

Q1生成のボタンを押すだけでAIが生成したものは、著作物にあたると考えられるか。

答え: あたらないと考えられる

思想又は感情を創作的に表現したものではないと考えられるからです。

Q2人がAIを道具として使ったかは、何で判断されるか。

答え: 創作意図と、創作的寄与と認められる行為の有無

文化庁の考え方は、この2点で判断されるとしています。

Q3AI自体が著作者になることはあるか。

答え: ない

著作権法上、著作者となることができるのは人(自然人又は法人)のみです。

Q4試行回数が多いこと自体は、創作的寄与の判断に影響するか。

答え: 影響しない

ただし、生成物を確認し、指示を修正しながら繰り返す場合には、著作物性が認められる場合もあります。

到達チェック

  • AIが自律的に生成したものの扱いを言える
  • AIを道具として使った場合の扱いと著作者を言える
  • 道具として使ったかの二つの判断要素を言える
  • 指示の分量、試行回数、選択の扱いを説明できる
  • 著作物になるかと侵害になるかが別の問題だと言える

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よくある質問

QAIで作った画像や文章は、著作物になる?

A

AIが自律的に生成したものは著作物に該当しないと考えられます。人が創作的に表現するための道具としてAIを使ったと認められれば、著作物に該当し、AI利用者が著作者となると考えられます。

Q道具として使ったかは、どう判断される?

A

人の創作意図があるかと、創作的寄与と認められる行為を行ったかで判断されます。個々の生成物について、個別具体的な事情に応じて判断されます。

QAI生成物が著作物なら、他人の著作権を侵害しない?

A

別の問題です。既存の著作物との類似性と依拠性が認められれば、著作物であっても、生成や利用が既存の著作物の著作権侵害となりえます。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)