用語比較
個人識別符号と要配慮個人情報の違い|氏名がなくても個人情報になる番号と、同意が要る情報(生成AIパスポート)
個人識別符号は、指紋や顔の特徴を変換した符号、パスポート番号、運転免許証番号、マイナンバーなど、個人情報保護法の第2条第2項で定められた符号です。これを含む情報は、氏名がなくても個人情報にあたります。
要配慮個人情報は、同条第3項で定められた、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実などの記述等を含む個人情報です。個人情報取扱事業者は、法令に基づく場合など第20条第2項が挙げる例外を除いて、あらかじめ本人の同意を得ないで取得してはなりません。
このページは、二つの用語が「特に慎重に扱う情報」という印象で混ざる人を対象にしています。個人識別符号は「何が個人情報になるか」を決める言葉、要配慮個人情報は「個人情報のうち取得に同意が要る種類」を決める言葉です。役割が違う点を、入力する文の例で確認します。
この記事の目次
この記事の根拠と出典
各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。生成AIパスポートの一次情報確認日: 2026-08-31。
結論
個人識別符号
個人情報保護法第2条第2項の定義。身体の一部の特徴を変換した符号や、利用者・購入者・発行を受ける者ごとに異なる番号などのうち、政令で定めるもの。これを含む情報は個人情報になる。マイナンバー、運転免許証番号、パスポート番号が例。
要配慮個人情報
同条第3項の定義。人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実など、不当な差別や偏見などの不利益が生じないよう取扱いに特に配慮を要する記述等を含む個人情報。取得には原則として本人の同意が要る。
違いを表で確認
| 比較軸 | 個人識別符号 | 要配慮個人情報 |
|---|---|---|
| 何を決める用語か | どの符号が、それだけで個人情報になるか | 個人情報のうち、特に配慮して取り扱う種類は何か |
| 根拠の条文 | 個人情報保護法 第2条第2項(個人情報は第1項第2号) | 個人情報保護法 第2条第3項 |
| 例 | マイナンバー、運転免許証番号、パスポート番号、顔や指紋の特徴を変換した符号 | 人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実 |
| 氏名がなくても該当するか | 該当する。符号を含むだけで個人情報になる | 個人情報であることが前提。その記述等が含まれるときに該当する |
| 取得のときの扱い | 個人情報としての扱い(利用目的の特定など)に従う | 第20条第2項。例外を除き、あらかじめ本人の同意を得ないで取得してはならない |
| 区別の手がかり | 第2条第2項と政令が定める符号(マイナンバーなど)にあたるか | 法の第2条第3項と政令が挙げる、病歴などの記述等にあたるか |
生成AIパスポートの学習に使う書籍(Amazon)
試験範囲を通して読むときの1冊です。読んだ章は、このサイトの章別問題で確かめられます。
どこで迷っているかを切り分ける
氏名を伏せれば個人情報ではなくなると考える人
氏名がなくても、個人識別符号を含む情報は個人情報にあたります。名前を消したかどうかだけで判断せず、番号や符号が残っていないかを見ます。
個人識別符号も要配慮個人情報も、同じ「機微な情報」とまとめてしまう人
個人識別符号は個人情報の範囲を決める言葉で、要配慮個人情報は取得に同意が要る種類を決める言葉です。マイナンバーは個人識別符号ですが、要配慮個人情報の例として挙げられている病歴などとは別の区分です。
生成AIに相談文を貼り付けようとしている人
相談文に氏名や病歴が含まれていないかを入力の前に確かめます。個人情報保護委員会は、個人情報を含むプロンプトを入力するときの注意点を示しています。
具体例で使い分ける
例 1
マイナンバーだけを含む文と、病歴を含む文を比べる
説明のために作った例です。社内の担当者が、生成AIサービスに2通の文を入力しようとしています。1通目は「マイナンバー(個人番号)が○○の人の手続きを整理して」で、氏名はありません。2通目は「Aさんは糖尿病で通院している。配置を考えて」です。
- 1通目は氏名がありませんが、マイナンバーは個人識別符号にあたるので、個人識別符号が含まれる情報として個人情報です。
- 2通目は、病歴が本人の取扱いに特に配慮を要する記述等にあたるので、要配慮個人情報を含む個人情報です。この情報を事業者が取得する場合は、第20条第2項の例外にあたらない限り、あらかじめ本人の同意が要ります。
結論: 1通目は「個人情報かどうか」の問題、2通目は「個人情報のうち取得に同意が要る種類かどうか」の問題です。二つの用語は、判断の段階が違います。
例 2
生成AIにプロンプトを入力するときの注意を重ねる
前の例の2通目を、そのまま生成AIサービスに入力しようとする場面です。
- 個人情報保護委員会の注意喚起(2023年6月2日)は、個人情報取扱事業者が個人情報を含むプロンプトを入力するときは、特定された利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認するよう求めています。
- また、本人の同意なく個人データを含むプロンプトを入力し、その個人データが応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合は、法の規定に違反することとなる可能性があります。そのため、提供事業者が個人データを機械学習に利用しないことなどを十分に確認するよう求めています。
結論: 個人識別符号か要配慮個人情報かを見分けたうえで、入力の目的と、入力した内容の扱われ方を確かめます。
問題文から答えを選ぶ手順
- 1
入力する文に、番号や符号が含まれていないかを見る
マイナンバー、運転免許証番号、パスポート番号などの個人識別符号があれば、氏名がなくても個人情報です。
- 2
病歴や犯罪の経歴などの記述がないかを見る
人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実などがあれば、要配慮個人情報にあたるかを考えます。
- 3
要配慮個人情報なら、取得の同意を確かめる
第20条第2項の例外にあたらない限り、あらかじめ本人の同意を得ないで取得してはなりません。
- 4
生成AIへの入力は、目的と扱われ方を確かめる
利用目的の範囲内か、入力した個人データが機械学習などに使われないかを、サービスの提供事業者について確かめます。
試験での見分け方
- 1個人識別符号を含む情報は、氏名がなくても個人情報。
- 2個人識別符号は個人情報の範囲を決める言葉、要配慮個人情報は取得に同意が要る種類を決める言葉。
- 3要配慮個人情報は、人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実などの記述等を含む個人情報。
- 4要配慮個人情報の取得は、第20条第2項の例外を除き、あらかじめ本人の同意が要る。
- 5生成AIに個人情報を含むプロンプトを入力するときは、利用目的の範囲内であることと、機械学習に利用されないことを確かめる。
誤答しやすい選択肢
個人識別符号を、要配慮個人情報の一種として書く
修正: 定義の軸が別です。個人識別符号は個人情報の範囲を決める言葉で、要配慮個人情報は不当な差別や偏見につながりうる記述等を含む個人情報です。
氏名を消した文は個人情報ではないと書く
修正: 個人識別符号が含まれていれば、氏名がなくても個人情報です。
要配慮個人情報は、一切取得できないと書く
修正: 取得が禁じられているのではなく、第20条第2項の例外を除き、あらかじめ本人の同意を得ないで取得してはならないという定めです。
匿名加工情報と、個人識別符号を混ぜて書く
修正: 匿名加工情報は、特定の個人を識別できないように加工し、復元できないようにした情報です。個人識別符号を全部削除することも、その措置の一つです。
確認問題
Q1氏名がなくても、マイナンバーを含むだけで個人情報になるのは、マイナンバーが何にあたるからか。
答え: 個人識別符号
個人識別符号が含まれるものは、個人情報保護法第2条第1項第2号により個人情報です。
Q2病歴や犯罪の経歴などを含む個人情報を何というか。
答え: 要配慮個人情報
本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないよう取扱いに特に配慮を要する記述等が含まれる個人情報です。
Q3要配慮個人情報を取得するとき、例外を除いて必要になることは何か。
答え: あらかじめ本人の同意を得ること
第20条第2項は、法令に基づく場合などを除き、同意を得ないで要配慮個人情報を取得してはならないと定めています。
Q4個人情報取扱事業者が生成AIに個人データを含むプロンプトを入力するとき、提供事業者について確かめることは何か。
答え: 入力した個人データを機械学習に利用しないことなど
個人情報保護委員会の注意喚起は、応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合に違反となる可能性があるため、その点を確認するよう求めています。
到達チェック
- 個人識別符号の定義と例を言える
- 氏名がなくても個人情報になる理由を説明できる
- 要配慮個人情報の定義と例を言える
- 要配慮個人情報の取得に同意が要ることを言える
- 生成AIへの入力で確かめる点を二つ言える
関連ページで確認する
同じ資格で次に知りたいこと
- 生成AIパスポートとDS検定の違い(出題範囲・問題数・試験時間・受験料・受験日)
生成AIパスポート(60問・60分、一般11,000円税込)とDS検定(100問・100分、一般10,000円税抜)の違いを、出題範囲、問題数、受験日の決まり方、受験料、有効期限から整理します。生成AIの基礎とリスクを学びたい人と、データ活用の全体像を学びたい人のどちらに合うかを判断できます。
- AIを道具として使った作品と、AIが自律的に生成したものの違い|著作物にあたるかの判断(生成AIパスポート)
AI生成物が著作物にあたるかを、文化庁の考え方にそって解説します。人が思想や感情を創作的に表現する道具としてAIを使った場合と、生成のボタンを押すだけでAIが生成した場合の違い、創作意図と創作的寄与の見方、プロンプトの長さや試行回数の扱い、確認問題も掲載します。
- 事前学習とRLHFの違い(GPT-3とInstructGPTで比較)
事前学習とRLHFの違いを、学習に使うデータ、目的、GPT-3とInstructGPTの関係から解説。生成AIパスポート第2章で問われる判断手順と確認問題つきです。
よくある質問
Q個人識別符号と要配慮個人情報は、何が違う?
個人識別符号は、マイナンバーなど、それを含むだけで個人情報になる符号です。要配慮個人情報は、病歴など、不当な差別や偏見につながりうる記述等を含む個人情報で、取得に原則として本人の同意が要ります。
Q氏名を伏せれば、生成AIに入力しても個人情報ではない?
マイナンバーなどの個人識別符号が残っていれば、氏名がなくても個人情報です。入力の前に、番号や符号が含まれていないかを確かめます。
Q生成AIに個人情報を入力するときの注意点は?
個人情報保護委員会の注意喚起は、利用目的の範囲内であることを確認することと、本人の同意なく個人データを入力して応答の出力以外の目的で扱われると違反となる可能性があることを示しています。
次に見る比較
- G検定・DS検定・統計検定2級で重なる用語10語の比較
同じ名前の用語の定義と収録章を、資格ごとに並べます。
- ベイズの定理と条件付き確率の違い(統計検定2級の式と計算例)
求める確率の向きの違いと、陽性になる確率の計算例を確かめます。
- 紛らわしい用語ペア早見表
混同しやすい用語の違いと判定の手掛かりを、資格別の一覧で確かめます。
執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)
