統計検定2級 用語解説
期待値とは
確率変数がとりうる値を、その確率で重みづけして平均した値。分布の中心的位置を表す。
この記事の目次
まず押さえる結論
期待値は、統計検定2級の「第3章 確率分布」に出てくる用語です。見分けの要点は、算術平均は観測された値を同じ重みで合計して個数で割ります。期待値は確率変数が取り得る値へ、それぞれの発生確率を重みとして掛けて足します。順列は異なる対象を順序を区別して並べる場合の数であり、確率変数の代表的な値を求める期待値とは目的も計算対象も異なります。
情報源と編集区分
公式範囲を確認し、具体例・誤答例・判断手順は当サイトが編集。 一次情報確認日: 2026-10-09。
試験概要(公式)期待値の具体例と、問題文で見る箇所・隣接概念との境界
起こり得る値を単純に並べるのではなく、それぞれの確率で重み付けした平均として捉える
賞金0円を確率0.5、100円を確率0.3、500円を確率0.2で受け取るくじなら、それぞれの賞金へ対応する確率を掛け、0×0.5+100×0.3+500×0.2を計算します。この130円が1回の当選額を保証するわけではなく、同じ条件を多数回繰り返したときの1回当たりの長期的な平均を表します。
- 問題文で見る箇所
- 「各値に確率を掛ける」「確率で重み付けした平均」「長期的な平均」という記述があれば期待値を候補にします。対象の並べ方の数、観測データの中央、最も頻繁な値を問う場合は別の概念です。
- 隣接概念との境界
- 算術平均は観測された値を同じ重みで合計して個数で割ります。期待値は確率変数が取り得る値へ、それぞれの発生確率を重みとして掛けて足します。順列は異なる対象を順序を区別して並べる場合の数であり、確率変数の代表的な値を求める期待値とは目的も計算対象も異なります。
誤答しやすい選択肢
- 期待値を、一回の試行で必ず得られる値として扱う。期待値は同じ確率構造の試行を多数回繰り返したときの長期的な平均を表します。
- 取り得る値を確率に関係なく足して個数で割る。それは同じ重みの算術平均であり、期待値では各値へ対応する確率を掛けます。
- 対象を順序付きで並べる方法の数を期待値と呼ぶ。それは順列の問題であり、期待値は確率変数の値を確率で重み付けして求めます。
4段階の判断手順
- 01問題文から確率変数が取り得る値と、それぞれの発生確率を対応させる。
- 02各値へ対応する確率を掛け、その結果を合計する。
- 03確率の合計が1になっているか確認する。
- 04求めた値を一回の結果の保証ではなく、長期的な平均として解釈する。
到達条件: 期待値を確率で重み付けした平均として説明し、算術平均・順列・一回の結果との違いを言える。
試験での問われ方
定義の言い換え
用語そのものではなく、説明文の一部を言い換えて出されることがあります。
似た概念との比較
同じ章の用語と入れ替えた選択肢に注意します。対象、目的、使う場面を分けます。
具体例からの判断
問題文の事例が、定義のどの部分に対応しているかを先に確認します。
誤答しやすいポイント
「第3章 確率分布」の問題で、取り違えやすい組み合わせです。
- 二項分布とポアソン分布の使い分け。二項分布は成功/失敗の試行回数が決まる場面、ポアソン分布は一定時間・領域内の発生回数のモデル。
- 正規分布と標準正規分布の混同。標準正規分布は平均0・分散1の正規分布。
- 確率密度関数の値そのものを確率と取り違える。連続分布では区間の面積が確率になる。
関連する確認問題
第3章 確率分布 / 連続型確率分布
連続型確率分布と離散型確率分布の違いとして、最も適切なものはどれか。
正解は「連続型は区間内の連続的な値、離散型は回数のようなとびとびの値を扱う」である。連続型確率分布は区間内の連続的な値を扱い、離散型確率分布は回数のようなとびとびの値を扱う。どちらの分布でも期待値や分散を考えることができ、片方だけが期待値や分散を考えないわけではない。連続型・離散型のいずれもクロス集計表や回帰直線で必ず表されるわけではなく、相関係数だけを表すものでもない。値の取り方が連続的かとびとびかという違いは、期待値や分散の有無ではなく、確率変数がとりうる値の性質に関わる区別である。
第3章 確率分布 / 離散型確率分布
一回の広告表示についてクリックを1、非クリックを0とする確率変数を扱う。適切な分布はどれか。
この事例では「成功・失敗の二値をとる一試行か」を確認すると、「成功または失敗の2通りをとる1回の試行を確率変数として扱う」という説明が正しいと分かる。正解は「成功または失敗の2通りをとる1回の試行を確率変数として扱う」である。ベルヌーイ分布は、成功または失敗の2通りをとる1回の試行を確率変数として扱う離散型確率分布であり、その確率変数について期待値や分散を考える。クリック回数の合計を区間の面積で捉える考え方、クリック率の信頼区間だけに注目する考え方、クリックの有無を単回帰分析の残差として扱う考え方は、いずれも1回の表示を確率変数として扱うベルヌーイ分布の前提とは異なり誤りである。ベルヌーイ分布の前提を「1回の試行」として説明しているかで見分ける。
第3章 確率分布 / 連続型確率分布
待ち時間と来店人数に使う確率分布の型を区別する。正しい説明はどれか。
この事例では「連続値の区間と離散的な回数を区別するか」を確認すると、「連続型は区間内の連続的な値、離散型は回数のようなとびとびの値を扱う」という説明が正しいと分かる。正解は「連続型は区間内の連続的な値、離散型は回数のようなとびとびの値を扱う」である。連続型確率分布は区間内の連続的な値を扱い、離散型確率分布は回数のようなとびとびの値を扱う。どちらの分布でも期待値や分散を考えることができ、片方だけが期待値や分散を考えないわけではない。連続型・離散型のいずれもクロス集計表や回帰直線で必ず表されるわけではなく、相関係数だけを表すものでもない。値の取り方が連続的かとびとびかという違いは、期待値や分散の有無ではなく、確率変数がとりうる値の性質に関わる区別である。
同じ章で確認したい用語
期待値はG検定・DS検定・統計検定2級の用語集に共通して載っています。3資格での定義と書き方の違いを見る。
他資格でも出題される用語
到達チェック
- 期待値を一文で説明できる
- 同じ章の似た用語と違いを説明できる
- 問題文の具体例から、期待値に関係する論点を拾える
- 関連問題を解き、誤答した選択肢の理由を確認できる
執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)