新シラバス 第3章 MCP・Agent Skills と外部連携
マルチエージェント・サブエージェント・A2Aとは
生成AIパスポートの新シラバス(2027年2月試験より適用)では、第3章の外部連携の詳細キーワードに、MCPやAgent Skillsと並んでマルチエージェント、サブエージェント、A2A(Agent-to-Agent)が入っています。マルチエージェントは複数のエージェントが協力する構成、サブエージェントは任された仕事を受け持つ側、A2Aはエージェントどうしをつなぐ規約です。
このページは、公式シラバスの項目に沿って、Anthropicのエンジニアリング記事とA2A公式ドキュメントの範囲で整理しています。特定の製品の設定方法ではなく、試験対策としての用語の整理です。
この記事の目次
公式情報の確認
試験日、料金、申込条件、試験方式など変動する情報は、公式情報を最終確認してください。 当サイトの一次情報確認日: 2026-08-31。
試験の出題範囲・実施要項は変動するため、受験前に公式情報を確認してください。
結論
- マルチエージェントは、複数のエージェントが協力して働く構成全体を指す
- サブエージェントは、リード役のエージェントが作って仕事を任せる、役割を限ったエージェント
- マルチエージェントは価値の高い、並列化しやすい仕事に向く。ただし通常のチャットの約15倍のトークンを使う
- A2Aは別々のエージェントをつなぐ規約で、ツールや資源につなぐMCPとは別の層。互いを補う関係
3つの語の区別
Anthropicは、マルチエージェントのシステムを、複数のエージェント(LLMがツールを繰り返し自律的に使うもの)が協力して働くものと説明しています。3つの語は指す範囲が違います。
| 語 | 意味 | 押さえ方 |
|---|---|---|
| マルチエージェント | 複数のエージェント(LLMがツールを繰り返し使いながら自律的に動く仕組み)が協力して働く構成 | 構成全体を指す語 |
| サブエージェント | リード役のエージェントが作って仕事を任せる、役割を限った別のエージェント | 構成の中の役割を指す語 |
| A2A | 別々のエージェントどうしが対等な立場でやり取りし、協力するための規約(プロトコル) | エージェント間の接続の標準 |
構成の名前がマルチエージェント、その中の役割がサブエージェント、エージェント間の接続の規約がA2Aです。エージェント1つ分の仕組みはFunction Callingとはに整理しています。
リード役とサブエージェントの分担
Anthropicは、自社のResearch機能を、リード役のエージェントが調べ方を計画し、複数のサブエージェントを並列に作って調べさせる構成だと説明しています。この形は、リード役が全体を調整して仕事を任せるorchestrator-worker(指揮役と作業役)のパターンと呼ばれています。
サブエージェントは、それぞれ自分のコンテキストウィンドウで質問の別の側面を同時に調べ、重要な部分だけを絞ってリード役へ返します。ツールも指示も調べ方も分かれるので、1つの調べ方に引きずられにくくなります。リード役は返ってきた結果をまとめ、足りなければサブエージェントを追加します。
仕事を分けて並列に調べ、要点だけを集めるのが、サブエージェントを使う狙いです。Anthropicの社内評価では、リード役にClaude Opus 4、サブエージェントにClaude Sonnet 4を使った構成が、単独のClaude Opus 4を90.2%上回りました。この数値は同社の調査課題での結果であり、どの仕事でも同じ差が出るという意味ではありません。
一次資料: Anthropic Engineering「How we built our multi-agent research system」(2025年6月13日公開)
向く場面と向かない場面
同じ記事で、Anthropicは費用の面も示しています。エージェントは通常のチャットの約4倍、マルチエージェントは約15倍のトークンを使います。そのため、性能向上に見合うだけ価値の高い仕事でないと採算が合いません。
| 判定 | 仕事の性質 |
|---|---|
| 向く | 価値の高い仕事で、並列に進められる部分が多いもの。1つの文脈に収まらない量の情報を扱うもの。多くの複雑なツールとやり取りするもの |
| 向かない | 全エージェントが同じ文脈を共有する必要があるもの。エージェント間の依存が多いもの。Anthropicは、コーディングの多くの作業は調査ほど並列化できる部分が多くないとしている |
複数のエージェントは、並列に分けられて価値の高い仕事に向き、依存の多い仕事には向きません。エージェントが外部とつながる分、権限の持たせ方も問われます。安全面の考え方はプロンプトインジェクションとはで整理しています。
A2AとMCPの違い
A2Aの公式ドキュメントは、Agent2Agent Protocolを、独立した(内部が見えないことの多い)AIエージェントが対等な立場で通信し、協力するための標準と説明しています。エージェントどうしが互いを見つけ、やり取りの条件を調整し、共有する仕事や会話の文脈を管理するための、アプリケーションレベルの規約です。
| 観点 | MCP | A2A |
|---|---|---|
| つなぐ相手 | データベースやAPIなど、個々のツールと資源 | 別のエージェント(別チームや提携先のものを含む) |
| 公式の整理 | 縦の層。1つのエージェントの深さを増す | 横の層。システムの届く範囲を広げる |
| やり取りの中身 | 入力をツールへ渡し、構造化された出力を受け取る | 互いを見つけ、やり取りの条件を調整し、共有する仕事と会話の文脈を管理する |
MCPは縦に深さを足し、A2Aは横に届く範囲を広げます。公式は、2つを併用すると、MCPが各エージェントに深さを、A2Aがシステムに広がりを与えると述べています。MCPの3つの機能はMCPとはに、指示と資料をまとめて読み込む仕組みはAgent Skillsとはに整理しています。
一次資料: A2A Protocol「A2A and MCP」(A2A Protocol公式ドキュメント)
シラバスとの対応
3つの語は、新シラバスの第3章「AIエージェント」の詳細キーワードに出ます。
| 場所 | 内容 |
|---|---|
| 第3章 AIエージェント/MCP・Agent Skills と外部連携(詳細キーワード) | MCP、MCPサーバー、権限管理、マルチエージェント、サブエージェント、A2A(Agent-to-Agent)、Agent Skills(エージェントスキル)が並ぶ |
| 第3章 AIエージェント/ツールと活用事例(詳細キーワード) | コーディングエージェント、プルリクエスト、ハーネスエンジニアリング、ディープリサーチ、コード生成、役割分担が挙がる |
章立ての変更点は2027年2月試験の新シラバスに、現行(旧シラバス)の第3章の演習は第3章の問題を解くから取り組めます。試験での出題を予想するものではありません。
よくある質問
マルチエージェントとサブエージェントの違いは?
マルチエージェントは複数のエージェントが協力する構成全体を指し、サブエージェントはその中でリード役から仕事を任される個々のエージェントを指します。構成全体がマルチエージェント、任される側がサブエージェントと押さえます。
なぜ仕事を分けて並列に進めるのですか?
Anthropicは、サブエージェントがそれぞれ自分のコンテキストウィンドウで並列に調べ、重要な部分だけを絞ってリード役へ返すことで、情報の圧縮が進むと説明しています。ツールや指示、調べ方も分けられるため、1つの調べ方に引きずられにくくなります。
マルチエージェントにすれば必ず良くなりますか?
なりません。Anthropicの測定では、マルチエージェントは通常のチャットの約15倍のトークンを使います。仕事の価値が高く、並列化できる場合に向きます。エージェント間の依存が多い仕事には、現時点では向かないとされています。
A2Aの正式名称は?
A2Aの公式ドキュメントはAgent2Agent Protocolと表記しています。シラバスの詳細キーワードにはA2A(Agent-to-Agent)とあり、同じものを指す語として押さえて問題ありません。
A2AとMCPはどちらを使うのですか?
競合する関係ではありません。A2Aの公式ドキュメントは、MCPはエージェントをツールや資源につなぎ、A2Aはエージェントどうしを協力させる、互いを補う関係だと説明しています。

