新シラバス 第3章 AIエージェントのMCPと外部連携
MCPとは(AIと外部をつなぐ共通規格)
生成AIパスポートの新シラバス(2027年2月試験より適用)では、AIエージェントが第3章として独立し、外部連携の項目にMCPが入っています。旧シラバス(2026年2月適用版)にもMCPはありましたが、新シラバスではMCPサーバーや権限管理といった語とともに並びます。MCPは、AIアプリケーションを外部のデータやツールにつなぐための、オープンソースの標準です。
このページは、公式シラバスの項目に沿って、MCP公式ドキュメントと公式仕様の記載の範囲で整理しています。特定の製品の使い方の解説ではなく、試験対策としての用語の整理です。
この記事の目次
公式情報の確認
試験日、料金、申込条件、試験方式など変動する情報は、公式情報を最終確認してください。 当サイトの一次情報確認日: 2026-08-31。
試験の出題範囲・実施要項は変動するため、受験前に公式情報を確認してください。
結論
- MCP(Model Context Protocol)は、AIアプリケーションを外部のシステムにつなぐためのオープンソースの標準
- 登場するのは、AIアプリであるホスト、接続を保つクライアント、文脈を提供するサーバーの3つ。ホストは、接続するサーバーごとにクライアントを1つ作る
- サーバーが公開する主な機能は、Tools(実行できる関数)、Resources(文脈になるデータ)、Prompts(プロンプトのテンプレート)の3つ
- 外部とつなぐほど権限の管理が重要になる。呼び出しを人が拒否できる状態を保つことが仕様でも推奨されている
MCPの定義
MCP公式ドキュメントは、MCPをAIアプリケーションを外部のシステムにつなぐためのオープンソースの標準と説明しています。MCPを使うと、ClaudeやChatGPTのようなAIアプリケーションが、データソース(ローカルのファイルやデータベースなど)、ツール(検索エンジンや計算機など)、ワークフロー(専門的なプロンプトなど)につながり、重要な情報の取得や作業の実行ができるようになります。
公式はMCPを、AIアプリケーションにとってのUSB-Cのポートにたとえています。USB-Cが電子機器をつなぐ標準的な方法を提供するように、MCPはAIアプリケーションを外部のシステムにつなぐ標準的な方法を提供する、という説明です。外部とのつなぎ方を一つに揃えることで、つなぐたびに個別の作り込みをしなくて済む、という点が要点です。
一次資料: Model Context Protocol「What is the Model Context Protocol (MCP)?」
ホスト・クライアント・サーバー
MCP公式の構造の説明では、MCPはクライアントとサーバーの構造をとります。AIアプリケーションであるMCPホストが、1つ以上のMCPサーバーと接続します。そのために、ホストはMCPサーバーごとに1つのMCPクライアントを作り、各クライアントは対応するサーバーと専用の接続を保ちます。
| 役割 | 何をするか | 補足 |
|---|---|---|
| MCPホスト | 複数のMCPクライアントを調整・管理するAIアプリケーション | 公式はClaude CodeやClaude Desktop、Visual Studio Codeを例に挙げている |
| MCPクライアント | MCPサーバーとの接続を保ち、ホストが使う文脈をサーバーから取得する部品 | ホストは、接続するMCPサーバーごとに1つのクライアントを作る |
| MCPサーバー | MCPクライアントに文脈を提供するプログラム | 手元のPCで動くもの(ローカル)も、別の場所で動くもの(リモート)もサーバーと呼ぶ |
公式は、MCPサーバーという語が、動く場所に関係なく、文脈のデータを提供するプログラムを指すと注記しています。たとえばClaude Desktopが起動するファイルシステム用のサーバーは同じマシンで動くローカルのサーバーで、SentryのMCPサーバーはSentryのプラットフォーム上で動くリモートのサーバーです。「サーバー」という名前でも、手元のPCで動くものがあります。
Tools・Resources・Prompts
MCP公式仕様(2025-06-18版時点の説明)では、サーバーがクライアントへ公開する主な機能が3つあります。違いは、誰が制御するかという区分で整理されます。
| 機能 | 内容 | 誰が制御するか |
|---|---|---|
| Tools | 外部システムへの操作や情報取得を行う、実行できる関数 | モデル制御。モデルが文脈と利用者の指示から見つけて呼び出せる |
| Resources | ファイル、データベースのスキーマ、アプリ固有の情報など、モデルに文脈を与えるデータ | アプリケーション制御。取り込み方をホストアプリが決める |
| Prompts | サーバーがクライアントへ公開する、プロンプトのテンプレート | ユーザー制御。利用者が明示的に選んで使う(例: スラッシュコマンド) |
Toolsはモデル、Resourcesはアプリ、Promptsは利用者が使うかどうかを決める、と対にして覚えます。仕様が示している区分は、誰が制御するかという点です。表の「誰が制御するか」の列の言葉とあわせて確認します。
一次資料: MCP公式仕様 2025-06-18版「Tools」(同じ仕様の Resources、Prompts のページも参照)
Function Callingとの違い
新シラバスの詳細キーワードには、Function CallingとMCPの両方があります。OpenAI公式のFunction callingガイドは、Function callingを、モデルが外部システムや学習データ外のデータとやり取りするための方法と説明しています。アプリがJSON schemaで定義した関数の一覧をモデルに渡すと、モデルは必要と判断したときに、関数名と引数を含むツール呼び出しを返します。実際に実行するのはアプリ側のコードで、その結果をモデルに返すと、モデルが最終の回答を作ります。
Function Callingは、モデルが呼び出したい関数と引数を返す仕組みです。MCPは、AIアプリと外部システムをつなぐ共通の規格です。同じガイドには、MCPサーバーの機能にアクセスできる組み込みツールがあるとも書かれています。二つは対立するものではなく、並べて出てくる語として整理しておきます。
権限管理と人の確認
外部のデータやツールにつなぐほど、AIが読める範囲と実行できる操作が広がります。そのため新シラバスは、MCPと同じ項目に権限管理を並べ、リスクの項目に最小権限の原則とHuman-in-the-Loopを置いています。MCP公式仕様もToolsについて、信頼と安全のために、呼び出しを人が拒否できる状態を保つことを推奨しています。
つなげるものを増やすときは、与える権限を必要最小限にし、重要な操作の前には人が確認する、という組み合わせで考えます。外部の文章に悪意ある指示が紛れ込む攻撃は、プロンプトインジェクションとはで整理しています。
シラバスとの対応
MCPは、新シラバスの第3章(AIエージェント)に出ます。関連する語は次の三か所に分かれて並んでいます。
| 場所 | 内容 |
|---|---|
| 第3章 AIエージェント/MCP・Agent Skills と外部連携 | 詳細キーワードにMCP(Model Context Protocol)、MCPサーバー、権限管理、マルチエージェント、サブエージェント、A2A、Agent Skillsが並ぶ |
| 第3章 AIエージェント/AIエージェントの仕組み | 詳細キーワードにFunction Calling、Tool Use、コンテキスト管理、コンテキストエンジニアリングなどが並ぶ |
| 第3章 AIエージェント/リスク・安全性・評価 | 詳細キーワードに最小権限の原則、Human-in-the-Loop、プロンプトインジェクションなどが並ぶ |
章立ての変更点は2027年2月試験の新シラバスに、現行(旧シラバス)の第3章の演習は第3章の問題を解くから取り組めます。試験での出題を予想するものではありません。
よくある質問
MCPとは、一言でいうと何?
MCP公式は、AIアプリケーションを外部のシステムにつなぐためのオープンソースの標準と説明しています。AIと外部のデータ・ツールをつなぐ共通の規格と押さえます。公式はUSB-Cのポートにたとえています。
MCPは何の略?
Model Context Protocolの略です。日本語にすると、モデルに文脈を渡すための通信の取り決めという意味合いです。
MCPサーバーは、必ず外部のサーバーで動く?
公式は、MCPサーバーを文脈を提供するプログラムを指す言葉とし、動く場所は問わないと説明しています。手元のPCで動くものも、リモートで動くものもMCPサーバーです。
MCPとFunction Callingは同じもの?
同じではありません。OpenAIのガイドはFunction callingを、モデルが外部システムとやり取りするために、関数名と引数を含むツール呼び出しを返す方法と説明しています。MCPはAIアプリと外部システムをつなぐ共通の規格です。OpenAIのガイドには、MCPサーバーの機能にアクセスできる組み込みツールもあると書かれています。
MCPを使えば、AIは何でも勝手に実行できる?
MCP公式仕様は、Toolsについて、実装では人が呼び出しを拒否できる状態を保ち、公開中のツールや実行時の表示、確認の手段を用意することを推奨しています。新シラバスのリスクの項目にも、最小権限の原則とHuman-in-the-Loopが詳細キーワードとして挙がっています。

