AI資格ドリル
資格を選ぶ↓

生成AIの技術の基礎

基盤モデル(Foundation Model)とは(LLMとの違いと注意点)

基盤モデル(Foundation Model)は、2027年2月試験から適用される生成AIパスポートの公式シラバスで、第2章の学習項目「基盤モデルとマルチモーダルモデル」に詳細キーワードとして載る用語です。基盤モデルは、広いデータで大規模に学習し、多くの用途へ適応させられるモデルの呼び方で、LLMはその代表例のひとつです。

このページは、公式シラバスと、この用語を提唱した論文の要旨の範囲で、定義、LLMとの違い、規模で生じる創発的能力、欠陥が引き継がれる注意点、出る章を整理しています。

公式情報の確認

試験日、料金、申込条件、試験方式など変動する情報は、公式情報を最終確認してください。 当サイトの一次情報確認日: 2026-08-31。

試験の出題範囲・実施要項は変動するため、受験前に公式情報を確認してください。

結論

  1. 基盤モデルは、広いデータで学習し、多くの下流タスクへ適応できるモデル
  2. LLMは基盤モデルの代表例で、基盤モデルは画像など言語以外にも広がる呼び方
  3. 規模が大きくなると、新しい創発的能力が生じるとされる
  4. 基盤モデルの欠陥は、そこから派生した下流のモデルにも引き継がれる
  5. 基盤モデル自体は土台で、完成したサービスではない

基盤モデルとは

基盤モデルという呼び方は、スタンフォード大学のCRFM(Center for Research on Foundation Models)による報告書「On the Opportunities and Risks of Foundation Models」(arXivでの公開は2021年8月)で提唱された呼び方です。要旨は、BERT、DALL-E、GPT-3のように、幅広いデータで大規模に学習され、さまざまな下流タスクに適応できるモデルを基盤モデルと呼ぶ、と説明しています。「広いデータで学習し、あとから多くの用途へ調整できる土台のモデル」と覚えると、選択肢を切り分けやすくなります。

押さえる点内容
広いデータで学習する特定の1課題ではなく、幅広いデータを大規模に使って学習する
多くの下流タスクに適応できる学習後に調整して、さまざまな用途のモデルへ派生させられる
それ自体は未完成論文は、中心的だが不完全な性格を強調するために「基盤」と名づけたと説明する

一次資料: Bommasani et al.「On the Opportunities and Risks of Foundation Models」(arXiv 2108.07258)

LLMとの違い

名前が近い2つですが、指す範囲が違います。論文が基盤モデルの例に挙げるGPT-3は言語モデルですが、DALL-Eは画像を扱うモデルです。この例から、基盤モデルは言語に限らない広い分類だと読み取れます。

見る点基盤モデルLLM
指すもの広いデータで学習し、多くの用途に適応できるモデル全体の呼び方大量のテキストで学習した言語モデル
扱うデータ論文の例にはBERT、GPT-3、DALL-Eがあり、言語に限らない言語(テキスト)が中心
関係LLMを含む、より広い分類基盤モデルの代表例のひとつ

設問で「言語に限らず、画像なども含む広い分類」とあれば基盤モデル、「大量のテキストで学習した言語モデル」とあればLLMです。複数の種類のデータを扱うモデルの考え方は、マルチモーダルAIとはにまとめています。

スケールと創発的能力

論文の要旨によると、基盤モデルの技術は標準的な深層学習と転移学習にもとづきます。新しいのは規模で、規模が大きくなることで新しい創発的な能力が生じる、と説明しています。さらに、多くのタスクで有効なため、同じ基盤モデルに利用が集まる均質化(homogenization)が進む、とも述べています。「新しい技術の発明」ではなく、「既存の手法を大規模にした結果、できることが質的に増えた」という説明です。

学習の段階(事前学習・ファインチューニング・RLHF)とスケーリング則は、LLMの学習3段階のページで原論文にもとづいて整理しています。

下流モデルに引き継がれる欠陥

論文は、均質化は強い武器になる一方で注意が必要だと述べ、基盤モデルの欠陥は、そこから適応させたすべての下流モデルに引き継がれると指摘しています。同じ基盤モデルを土台にした複数のサービスは、土台に偏りや誤りがあれば、まとめて影響を受ける可能性があります。「土台の欠陥は派生モデルに引き継がれる」が、基盤モデルの注意点の基本です。

論文はまた、基盤モデルがどう動き、いつ失敗し、何ができるのかについて、創発的な性質のため十分な理解がまだ得られていないとも述べています。試験対策としては、便利さと同時に、挙動を完全には説明できない側面があると押さえておきます。誤りが出る現象の一例はハルシネーションとはで扱っています。

一次資料: Bommasani et al.「On the Opportunities and Risks of Foundation Models」(arXiv 2108.07258)

シラバスのどこに出るか

2027年2月試験から適用される公式シラバスでは、次の2か所に関連する用語が載っています。

場所内容
第2章 中項目「生成AIを支える技術革新(Transformer以降)」の学習項目「基盤モデルとマルチモーダルモデル」詳細キーワードに基盤モデル(Foundation Model)、マルチモーダルモデル、モダリティ、エンコーダ、デコーダ、マルチモーダルが並ぶ
第2章 中項目「生成AIの学習プロセス」詳細キーワードに事前学習、ファインチューニング、スケーリング則、創発的能力が載る

基盤モデルは、Transformer以降の技術革新の流れの中で、マルチモーダルモデルと並べて読む用語です。章立ての変更は2027年2月試験の新シラバスに整理しています。試験での出題を予想するものではありません。

よくある質問

基盤モデル(Foundation Model)とは、一言でいうと何ですか?

広いデータを大規模に使って学習し、多くの下流タスクに適応できるモデルのことです。提唱した論文の要旨は、BERT、DALL-E、GPT-3のようなモデルを例に、「幅広いデータで学習し、さまざまな下流タスクへ適応できるモデル」を基盤モデルと呼ぶと説明しています。

基盤モデルとLLMは同じものですか?

同じではありません。LLM(大規模言語モデル)は言語を扱うモデルで、基盤モデルの代表例のひとつです。論文が例に挙げるDALL-Eは画像を扱うモデルなので、基盤モデルは言語以外にも広がる呼び方です。

基盤モデルは完成したAIサービスのことですか?

完成したサービスではありません。論文は、中心的だが不完全な性格を強調するために「基盤」と名づけたと説明しています。基盤モデルを土台に、調整して個別の用途のモデルやサービスを作ります。

基盤モデルの欠陥は、どう影響しますか?

論文は、基盤モデルの欠陥が、そこから適応させたすべての下流モデルに引き継がれると指摘しています。多くの用途で同じ基盤モデルが使われる状況は強い武器になる反面、注意が必要だという趣旨です。

創発的能力とは何ですか?

論文は、基盤モデルは標準的な深層学習と転移学習にもとづくが、規模が大きくなることで新しい創発的な能力が生じると説明しています。シラバスの「生成AIの学習プロセス」にも、創発的能力が詳細キーワードとして載っています。

次に読むと効率的なページ

執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)