生成AIの技術の基礎
オープンソースLLMとオープンウェイトの違い
オープンウェイトとオープンソースLLMは、2027年2月試験から適用される生成AIパスポートの公式シラバスで、第2章の「オンプレミス/オープンソースLLM」に詳細キーワードとして並ぶ用語です。オープンウェイトは学習済みの重みだけの公開、オープンソースAIは重みに加えてコードとデータ情報も公開する、という違いがあります。
このページは、公式シラバスとOSI(Open Source Initiative)の公開文書の範囲で、公開される範囲の違い、ライセンスの注意点、オンプレミスLLMとの関係、出る章を整理しています。
この記事の目次
公式情報の確認
試験日、料金、申込条件、試験方式など変動する情報は、公式情報を最終確認してください。 当サイトの一次情報確認日: 2026-08-31。
試験の出題範囲・実施要項は変動するため、受験前に公式情報を確認してください。
結論
- オープンウェイトは、学習済みモデルの最終的な重み(パラメータ)を公開すること
- オープンソースAIは、重みに加えて、学習コードとデータに関する情報も公開される
- OSIは、オープンウェイトだけではオープンソースAIにならないとしている
- モデルが公開されていても、ライセンスの条件によってはオープンソースとは言えない
- オンプレミスは「どこで動かすか」、オープンソースは「何がどんな条件で公開されるか」の観点で区別する
オープンウェイトとは
OSIの説明では、オープンウェイトは、学習済みのニューラルネットワークの最終的な重みとバイアスを指します。開発者がこれらをOSI承認ライセンスの下で共有すると、ほかの人がモデルをファインチューニングしたり、自分のプロジェクトに合わせたり、動かしたりできます。
一方でOSIは、オープンウェイトに含まれないものとして、学習データを作る・整えるためのコード、学習に使ったデータセット全体、データの出どころや整え方などの詳細を挙げています。「重みは見えるが、作り方は見えない」のがオープンウェイトです。
| 項目 | オープンウェイト | オープンソースAI |
|---|---|---|
| 学習済みの重み(パラメータ) | 公開される | 公開される |
| 学習に使ったコード | 含まれない | 完全に公開される |
| 学習データ | 含まれない・明らかにされない | データに関する情報が公開される |
| OSIの考え方での位置づけ | 透明性の途中段階で、全体の透明性には届かない | 利用・調査・改変・共有の4つの自由が認められる |
一次資料: OSI「Open Weights」
オープンソースAIの定義
OSIが公表しているThe Open Source AI Definition(version 1.0)は、オープンソースAIを、次の4つの自由を認める条件で提供されるAIシステムと定めています。
| 自由 | 内容 |
|---|---|
| 使う(Use) | 許可を求めずに、どんな目的にも使える |
| 調べる(Study) | 仕組みを調べ、構成要素を点検できる |
| 改変する(Modify) | 出力を変えることを含め、どんな目的にも改変できる |
| 共有する(Share) | 改変の有無を問わず、どんな目的にも他者へ共有できる |
これらの自由を使うために、定義は、改変するときに好ましい形の情報が必要だとして、3つの要素を挙げます。データに関する情報、完全なソースコード、パラメータ(重みなど)です。重みだけでは、3つの要素のうち1つしか満たしていません。定義は、「オープンソースのモデル」「オープンソースの重み」と呼ぶには、重みを導くのに使ったデータ情報とコードが含まれていなければならないとも述べています。
一次資料: OSI「The Open Source AI Definition 1.0」
公開されていてもオープンソースとは限らない
「モデルが公開されている=オープンソース」と取り違えやすい点です。OSIは2023年7月20日の意見で、MetaのLLaMa 2のライセンスは、オープンソースの定義を満たさないと述べました。理由は、一部の利用者に商用利用の制限があること、特定の目的での利用も制限されていることです。
「公開されている」と「オープンソースである」は別の話で、ライセンスの条件が分かれ目になります。シラバスの詳細キーワードにライセンスが載っているのも、この点を確かめる前提と読めます。個別のモデルがどのライセンスかは、利用前にそのモデルの公式の条文で確認してください。このページは特定のモデルの条件を保証するものではありません。
一次資料: OSI「Meta’s LLaMa license is not Open Source」(2023年7月20日)
オンプレミスLLMとクラウド型LLM
公式シラバスは、同じ学習項目に、クラウド型LLM、オンプレミスLLM、データ主権、オープンウェイト、オープンソースLLM、ライセンスを並べています。重みが公開されていると、OSIの説明のとおり、他者が自分のプロジェクトでモデルを動かせます。オンプレミスLLMは「どこで動かすか」、オープンソースLLMは「何がどんな条件で公開されるか」という別の観点の言葉です。
データ主権は、シラバスでは詳細キーワードとして載っている語です。このページでは、シラバスに載っているという範囲にとどめ、定義の細部は扱いません。
シラバスのどこに出るか
2027年2月試験から適用される公式シラバスでは、次の1か所に載っています。
| 場所 | 内容 |
|---|---|
| 第2章 中項目「LLM(大規模言語モデル)の基礎」の学習項目「オンプレミス/オープンソースLLM」 | 学習目標は「オンプレミス/オープンソースLLMの位置づけを理解する」。詳細キーワードにクラウド型LLM、オンプレミスLLM、データ主権、オープンウェイト、オープンソースLLM、ライセンスが載る |
第2章のLLMの基礎として、公開の範囲とライセンスの違いを選択肢で見分けられるようにします。LLMそのものの位置づけは生成AIとLLMの違いで整理しています。章立ての変更は2027年2月試験の新シラバスに整理しています。試験での出題を予想するものではありません。
よくある質問
オープンウェイトとは、一言でいうと何ですか?
学習済みモデルの最終的な重み(パラメータ)を公開することです。OSIの説明では、重みをOSI承認ライセンスの下で共有すれば、他者がファインチューニングや自分のプロジェクトでの利用ができますが、学習コードや学習データは含まれません。
オープンウェイトとオープンソースAIは同じですか?
同じではありません。OSIは、オープンウェイトには学習コード、学習データ、データの構成の詳細が含まれないため、オープンソースAIとは大きく違うと説明しています。オープンソースAIの定義は、重みだけでなくコードとデータ情報も求めます。
モデルが無料で公開されていれば、オープンソースですか?
そうとは限りません。OSIは2023年に、MetaのLLaMa 2のライセンスは、一部の利用者の商用利用を制限し、特定の目的での利用も制限しているため、オープンソースの定義を満たさないと述べました。公開されていることと、オープンソースであることは別の話です。
オンプレミスLLMとオープンソースLLMは同じ意味ですか?
シラバスは、同じ学習項目に両方を並べていますが、別の言葉です。オンプレミスはクラウド型と対になる、LLMを動かす場所の側の言葉、オープンソースはモデルの公開とライセンスの側の言葉、と観点を分けて覚えます。シラバスはこれらの語の定義を書いておらず、この整理は一般的な説明です。
オープンソースAIの定義は、いつの版が最新ですか?
OSIのThe Open Source AI Definitionは、このページの確認日(2026-10-20)時点で、公式ページにversion 1.0と表示されています。版は改定されることがあるため、受験前に公式ページで確認してください。
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試験範囲を通して読むときの1冊です。読んだ章は、このサイトの章別問題で確かめられます。
