生成AIの動向
データ拡張・正規化・リサイズとは(画像データの前処理の違い)
画像のリサイズ、正規化、データの水増し(augmentation)は、2026年2月試験から適用された生成AIパスポートの公式シラバスで、第3章の詳細キーワードに並ぶ用語です。大きさをそろえるのがリサイズ、値の範囲をそろえるのが正規化、訓練データの種類を増やすのがデータ拡張、と目的で見分けます。
このページは、公式シラバスとTensorFlow・scikit-learn・Pillowの公式文書の範囲で、3つの違いと、データ拡張を訓練データだけに行う理由を整理しています。
公式情報の確認
試験日、料金、申込条件、試験方式など変動する情報は、公式情報を最終確認してください。 当サイトの一次情報確認日: 2026-08-31。
試験の出題範囲・実施要項は変動するため、受験前に公式情報を確認してください。
結論
- リサイズは、画像を一定の大きさに変える処理。縦横比を保つなら、縦と横に同じ倍率を掛ける
- 正規化は、数値を決まった範囲(例: 0から1)に変える処理。min-max正規化の式は(値−最小値)÷(最大値−最小値)
- データの水増し(データ拡張)は、回転や反転などのランダムだが現実的な変換で、訓練データの多様性を増やす処理
- リサイズと正規化は全データに、データ拡張は訓練データだけに適用する
画像のリサイズ
TensorFlowの公式チュートリアルは、Kerasの前処理レイヤーで、画像を一定の形状にサイズ変更できると説明します。サンプルでは、画像を180×180に変えています。 モデルに入れる画像の大きさがばらばらでは扱いにくいため、先に大きさをそろえます。
元の縦横比を保ちたいときは、横幅と高さに同じ倍率を掛けます。Pillowの公式文書には、縦横比を保ったまま最大128×128の解像度に収まるサムネイルを作る例が載っています。縦と横を別々の倍率で変えると、画像がゆがむ点が注意です。
一次資料: TensorFlow「データ増強」、Pillow「Image Module」
正規化
scikit-learnのMinMaxScalerは、各特徴量を指定した範囲(初期値は0から1)に変換します。式は、(値−その特徴量の最小値)÷(最大値−最小値)で、最小値は0、最大値は1に写ります。 また公式文書は、この変換が外れ値の影響を小さくするものではなく、外れ値も含めて固定の範囲に線形に縮めると説明しています。
画像では、ピクセル値を0から255の整数から0から1の範囲に直す処理が代表例です。TensorFlowのチュートリアルは、Rescalingレイヤーに1/255を指定してピクセル値を[0,1]の範囲に標準化し、[-1,1]にしたい場合は1/127.5を掛けて−1ずらす指定にすると説明しています。「0から1にそろえる」と出たら正規化、と結び付けると覚えやすくなります。
一次資料: scikit-learn「MinMaxScaler」、TensorFlow「データ増強」
データの水増し(データ拡張)
TensorFlowのチュートリアルは、データ拡張を、画像の回転のようなランダム(ただし現実的)な変換を適用して、トレーニングセットの多様性を拡大する手法と説明します。 使える前処理レイヤーとして、RandomFlip(反転)、RandomRotation(回転)、RandomContrast、RandomCrop、RandomZoomなどが挙げられています。画像を新しく集めなくても、手元の画像から変化をつけた画像を作って、学習用のデータを増やすイメージです。
適用の範囲には決まりがあります。チュートリアルのコードは、リサイズと再スケーリングを訓練・検証・テストのすべてに行い、データ拡張は「訓練セットだけに使う」として訓練データにのみ適用しています。 検証やテストのデータは、モデルの実力を測るためのものなので、ランダムに変えない形で使います。
一次資料: TensorFlow「データ増強」
3つを見分ける
説明文のどの語に反応するかで、3つを切り分けます。
| 用語 | 手掛かり語 | 役割の要点 |
|---|---|---|
| 画像のリサイズ | 大きさをそろえる、縦横比を保つ | 画像を一定の形状(大きさ)に変える。縦横比を保つなら縦と横に同じ倍率を掛ける |
| 正規化 | 値の範囲をそろえる、0から1 | 数値の範囲を決まった範囲に変える。min-max正規化は最小値を0、最大値を1に写す |
| データの水増し(データ拡張) | 回転、反転、多様性を増やす | ランダムだが現実的な変換で、訓練データの多様性を増やす。訓練データだけに行う |
シラバスのどこに出るか
公式シラバスは版によって載る語が異なります。2026年2月〜2026年10月の試験に適用された版では、第3章に次の語が並んでいます。
| 場所 | 内容 |
|---|---|
| 第3章 生成AIが出来ることと主なサービス(2026年2月適用版) | 詳細キーワードに、画像のリサイズ、正規化、データの水増し(augmentation)、データ拡張技術、リマスタリングが並ぶ |
| 2027年2月適用版 | 第3章の同じ位置に、これらの語は詳細キーワードとして載っていない(2026-10-20確認) |
受験する回の適用版を確かめてから、この範囲の優先度を決めます。章立ての変更は2027年2月試験の新シラバスに整理しています。試験での出題を予想するものではありません。
よくある質問
データの水増しとデータ拡張は、別のものですか?
シラバスは「データの水増し(augmentation)」と「データ拡張技術」を並べて載せています。TensorFlowの公式チュートリアルは、ランダムだが現実的な変換を適用して訓練セットの多様性を増やす手法をデータ拡張と説明しており、augmentationの訳語として同じ内容を指すと読めます。
正規化は、何のために行いますか?
数値の範囲をそろえるためです。scikit-learnのMinMaxScalerは、各特徴量を0から1のような指定した範囲に変換します。式は、(値−最小値)÷(最大値−最小値)です。
データ拡張は、全部のデータに行いますか?
いいえ。TensorFlowの公式チュートリアルのコードは、リサイズと再スケーリングを訓練・検証・テストの全データに適用し、ランダムなデータ拡張は訓練セットだけに適用しています(コメントは「Use data augmentation only on the training set.」)。
リサイズで画像がゆがまないようにするには、どうしますか?
縦横比を保ち、縦と横に同じ倍率を掛けます。Pillowの公式文書には、縦横比を保ったまま最大128×128に収まるサムネイルを作る例があります。
2027年2月の試験でも、これらの語を覚える必要がありますか?
2027年2月適用の公式シラバスの詳細キーワードには、これらの語は載っていません(2026-10-20確認)。一方で、画像の前処理の考え方は、学習データの質を扱う項目と合わせて理解しておくと役立ちます。出題を予想するものではありません。
生成AIパスポートの学習に使う書籍(Amazon)
試験範囲を通して読むときの1冊です。読んだ章は、このサイトの章別問題で確かめられます。
