第3章 数学基礎(集合論)
DS検定の集合論(和集合・積集合・差集合)とベン図
DS検定(リテラシーレベル)の公式チェックリストには、集合を扱う★1つ星の項目が2つあります。このページでは、20人の顧客を使って、和集合・積集合・差集合・対称差集合・補集合を人数で数え、ANDやORとの対応を確かめます。会員12人とメール購読9人を足しても、和集合は21人ではなく16人です。
このページは試験の学習用の整理です。人数はすべて説明用の架空の例です。
この記事の目次
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結論
- 積集合は「かつ」、和集合は「または」、補集合は「でない」。差集合は「Aだが、Bではない」
- 和集合の人数は、A+B−重なり。重なりを引かないと、全体を超える
- 対称差集合は「どちらか一方だけ」。和集合から積集合を引いても求められる
- ANDは積集合、ORは和集合、NOTは補集合に対応する
例に使う20人の顧客
顧客が全部で20人います。集合Aを「会員の人」、集合Bを「メール配信を購読している人」とします。
- Aの人数は12人
- Bの人数は9人
- AにもBにも入っている人は5人
ベン図では、Aの円とBの円を重ねて描き、重なった部分に5人を書きます。Aだけの部分は12−5=7人、Bだけの部分は9−5=4人です。
5つの集合演算を数える
公式チェックリストが挙げる5つの演算を、同じ20人で数えます。
| 演算 | 意味 | 人数 | 計算 |
|---|---|---|---|
| 積集合 A∩B | 会員で、かつメール購読もしている | 5人 | 数えて5 |
| 和集合 A∪B | 会員か、メール購読の、少なくとも一方 | 16人 | 12+9−5(重なりの5人を2回数えないよう引く) |
| 差集合 A−B | 会員だが、メール購読はしていない | 7人 | 12−5 |
| 差集合 B−A | メール購読はしているが、会員ではない | 4人 | 9−5 |
| 対称差集合 | どちらか一方だけ(両方は含めない) | 11人 | 7+4(または和集合16−積集合5) |
| 補集合(AもBも外) | 会員でもメール購読でもない | 4人 | 全体20−和集合16 |
ベン図の4つの領域(Aだけ7人・重なり5人・Bだけ4人・どちらでもない4人)を足すと、7+5+4+4=20人で全体に一致します。数えたあとに領域の合計が全体になるか確かめると、数え間違いに気づけます。差集合は順番に意味が決まるので、A−Bは7人、B−Aは4人と、別の集合になります。
論理演算との対応
チェックリストのもう1項目は、論理演算と集合演算の対応を理解していること(ANDが積集合に対応するなど)です。次の表の対応を、同じ20人で確かめます。
| 論理演算 | 集合演算 | この例で選ばれる人 |
|---|---|---|
| A AND B | 積集合 A∩B | 会員かつメール購読(5人) |
| A OR B | 和集合 A∪B | 会員またはメール購読(16人) |
| NOT A | Aの補集合 | 会員ではない(8人) |
| A AND NOT B | 差集合 A−B | 会員だが購読していない(7人) |
| A XOR B(どちらか一方だけ) | 対称差集合 | どちらか一方だけ(11人) |
「会員でない」人は20−12=8人、「メール購読していない」人は20−9=11人です。両方に当てはまる、つまり「会員でなく、かつ購読もしていない」人は4人で、補集合の人数と一致します。「会員または購読」の外側が、「会員でなく、かつ購読もしていない」と一致する、という関係です。「ORの否定」は「それぞれの否定のAND」に言い換えられます。データの抽出条件を書くときも、この言い換えで条件を整理できます。
確率にそのままつながる
人数を全体の20人で割ると、確率になります。会員の確率は12÷20=0.6、メール購読の確率は9÷20=0.45、両方の確率は5÷20=0.25です。
会員またはメール購読の確率は、0.6+0.45−0.25=0.8です。16÷20=0.8と一致します。人数のときと同じく、重なりを1回引きます。和集合の確率の式は、重なりを引く人数の数え方を、そのまま確率に置き換えたものです。どちらでもない人の確率は、1−0.8=0.2で、4÷20と一致します。確率の基本は、確率の基礎のページで整理しています。
間違えやすい3つの点
- 補集合は、全体を決めないと人数が決まりません。この例では全体が20人なので、「会員でない」人は8人です。全体を顧客100人に広げれば、同じ「会員でない」でも88人になります。
- 差集合は向きで答えが変わります。A−Bは7人、B−Aは4人です。問題文の「AからBを除く」「BからAを除く」を、先に読み取ります。
- 対称差集合と和集合を取り違えると、5人の違いが出ます。和集合は16人、対称差集合は11人で、差は両方に入る積集合の5人です。「少なくとも一方」なら和集合、「どちらか一方だけ」なら対称差集合です。
文章の「かつ」「または」「でない」「だけ」を、先に集合の演算に直してから数えます。
DS検定の学習に使う書籍(Amazon)
試験範囲を通して読むときの1冊です。読んだ章は、このサイトの章別問題で確かめられます。
よくある質問
DS検定で、集合論はどこまで問われますか?
公式スキルチェックリスト(data_science.csv)の★1つ星は、和集合・積集合・差集合・対称差集合・補集合をベン図を用いて説明できることと、論理演算と集合演算の対応(ANDが積集合に対応するなど)を理解していることの2項目です。どちらも、記号の暗記より、人数を数えて意味を説明できるかが土台です。
和集合の人数は、なぜ「12+9」ではないのですか?
会員で、かつメール購読もしている5人を、2回数えてしまうためです。12+9=21は、全体の20人を超えるので、おかしいと気づけます。重なりの5人を1回引いて、12+9−5=16人になります。
対称差集合は、どんなときに使いますか?
どちらか一方だけの人を取り出したいときです。この例では、会員だけの7人とメール購読だけの4人を合わせた11人です。論理演算では、片方だけが真のときに真になるXORに対応します。
集合の計算は、SQLのどこにつながりますか?
WHERE句でANDやORを使って行を絞る操作は、積集合や和集合を取ることと同じ考え方です。SQLの基本は、SQLの基本のページで例を確認できます。
