用語比較
ジニ不純度とエントロピーの違い|決定木の分割基準を10個のデータで手計算(G検定)
ジニ不純度とエントロピーは、どちらも決定木が「このノードにクラスがどれだけ混ざっているか」を測る尺度です。値が小さいほど1つのクラスにそろっていて、分割は不純度の減少が最大になるものが選ばれます。
scikit-learn公式ドキュメント(Decision Trees)は、ノードmでクラスkの割合をp_mkとするとき、ジニ係数をH=Σp_mk(1−p_mk)、対数損失(エントロピー)をH=−Σp_mk log(p_mk)と示しています。G検定の出題範囲には、決定木とランダムフォレストが挙がっています。
このページでは、10個のデータを使って2つの尺度を手計算し、同じ分割が選ばれることと、値の大きさが違うことを確かめます。
この記事の目次
この記事の根拠と出典
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結論
ジニ不純度
Σp(1−p)。2クラスなら最大0.5、1クラスだけなら0。
エントロピー
−Σp log p。底を2にすると、2クラスの最大は1、1クラスだけなら0。
共通点
どちらも混ざり具合の尺度で、分割は不純度の減少が最大になるものを選ぶ。
違いを表で確認
| 比較軸 | ジニ不純度 | エントロピー |
|---|---|---|
| 式 | ジニ不純度:Σp(1−p) | エントロピー:−Σp log p |
| 2クラスが半々のとき(底2) | ジニ不純度:0.5 | エントロピー:1 |
| クラスが6対4のとき(底2) | ジニ不純度:0.48 | エントロピー:約0.971 |
| 計算に使う演算 | ジニ不純度:掛け算と引き算だけ | エントロピー:対数が必要 |
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どこで迷っているかを切り分ける
「不純度」という言葉で、ジニとエントロピーが別物に見える人
どちらもノードのクラスの混ざり具合を測る尺度で、役割は同じです。違うのは式の形と、値の大きさです。
不純度の減少を、分割前の不純度と取り違える人
選ぶ基準は、分割前の不純度から、分割後の子ノードの不純度を件数で重みづけして平均した値を引いた減少量です。
ジニ不純度とジニ係数が同じものか迷う人
scikit-learnの文書では、Giniの名でΣp(1−p)の式が示されています。経済学の格差を測るジニ係数とは別の文脈の式です。
具体例で使い分ける
例 1
ノードの不純度を計算する(6対4と半々)
クラスAが6件、クラスBが4件のノードを考えます(架空の値)。底は2とします。
- ジニ不純度:1−(0.6²+0.4²)=1−(0.36+0.16)=0.48です。
- エントロピー:−0.6×log₂0.6−0.4×log₂0.4≒0.6×0.737+0.4×1.322≒0.971です。
- 5件ずつの半々なら、ジニ不純度は0.5、エントロピーは1です。1つのクラスだけなら、どちらも0です。
結論: 混ざるほど値は大きくなり、半々で最大になります。
例 2
2通りの分割を比べる(ジニ不純度)
5対5の10件(不純度0.5)を、分割Xと分割Yで分けます(架空の値)。Xは左4件(4対0)・右6件(1対5)、Yは左5件(4対1)・右5件(1対4)です。
- X:右の不純度は1−(1/36+25/36)=10/36≒0.278。重みづけ平均は6/10×0.278≒0.167で、減少は0.5−0.167≒0.333です。
- Y:左右とも1−(0.64+0.04)=0.32。重みづけ平均は0.32で、減少は0.5−0.32=0.18です。
結論: 減少が大きいXが選ばれます。
例 3
同じ2通りの分割を比べる(エントロピー)
上と同じ分割を、エントロピー(底2)で計算します。
- X:右は−(1/6)log₂(1/6)−(5/6)log₂(5/6)≒0.431+0.219≒0.650。重みづけ平均は0.6×0.650≒0.390で、減少は1−0.390≒0.610です。
- Y:左右とも−0.8log₂0.8−0.2log₂0.2≒0.257+0.464≒0.722。減少は1−0.722≒0.278です。
結論: ここでも減少が大きいXが選ばれ、ジニ不純度と同じ結論です。値の大きさは違っても、この例では分割の優劣は変わりません。
問題文から答えを選ぶ手順
- 1
各ノードのクラスの割合pを出す
件数をノードの総数で割り、クラスごとの割合を求めます。
- 2
尺度の式に入れる
ジニ不純度はΣp(1−p)、エントロピーは−Σp log pに入れます。
- 3
子ノードの不純度を件数で重みづけして平均する
大きい子ノードの不純度ほど、平均への影響が大きくなります。
- 4
分割前から引いて減少量を比べる
減少が最大の分割を選びます。
試験での見分け方
- 1ジニ不純度はH=Σp(1−p)、エントロピーはH=−Σp log p。
- 2分割は、不純度の減少が最大になるものを選ぶ。
- 32クラスが半々のとき不純度は最大、1クラスだけのとき0。
- 4決定木は、複雑すぎる木を作って過学習になりやすい(枝刈りや深さの制限で防ぐ)。
誤答しやすい選択肢
エントロピーのほうが必ず大きい値になると考える
修正: 底を2にすると2クラスの最大は1で、ジニの0.5より大きくなります。ただし底をeにすると、半々のエントロピーは約0.693になります。値は底の選び方で変わります。
不純度が小さいほど分割が良いと、分割前後を比べずに考える
修正: 比べるのは、分割前からの減少量です。例では、Xの減少0.333がYの0.18より大きいため、Xを選びました。
子ノードの不純度を単純平均する
修正: 件数で重みづけします。例のXでは、右の6件に0.6、左の4件に0.4をかけて足しました(左は不純度0)。
ジニ不純度とエントロピーで、選ばれる分割が必ず違うと考える
修正: 例では、2つの尺度が同じXを選びました。式が違うので値は同じになりませんが、この例では分割の優劣は入れ替わりませんでした。
確認問題
Q1クラスが6対4のノードのジニ不純度は?
答え: 0.48
1−(0.6²+0.4²)=1−0.52=0.48です。
Q22クラスが半々のノードのジニ不純度と、底2のエントロピーは?
答え: ジニ不純度0.5、エントロピー1
ジニは1−(0.25+0.25)=0.5、エントロピーは−2×0.5×log₂0.5=1です。
Q31つのクラスだけのノードの不純度は?
答え: ジニ不純度もエントロピーも0
p=1のとき、1×(1−1)=0、1×log1=0です。
Q4決定木は、どんな分割を選ぶ?
答え: 不純度の減少が最大になる分割
scikit-learn公式ドキュメントの、不純度を最小にする分割を選ぶという説明を言い換えたものです。
Q5決定木の欠点として、公式ドキュメントが挙げる2つは?
答え: 過学習と、データの小さな変化で全く違う木ができる不安定さ
後者はアンサンブルの中で決定木を使うことで和らげられます。
到達チェック
- ジニ不純度とエントロピーの式を書ける
- 6対4のノードのジニ不純度を計算できる
- 不純度の減少を、件数の重みづけつきで計算できる
- 2つの尺度の役割は同じで、値の大きさは違うと説明できる
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よくある質問
Qジニ不純度とエントロピーの違いは?
ジニ不純度はΣp(1−p)、エントロピーは−Σp log pです。どちらもノードのクラスの混ざり具合を測り、値が小さいほど1つのクラスにそろっています。
Q決定木はどちらの尺度を使う?
scikit-learnの決定木では、ジニ係数と対数損失(エントロピー)のどちらも不純度の尺度として示されています。分割は不純度の減少が最大になるものを選びます。
Q決定木はG検定で問われる?
公式の出題範囲に、決定木とランダムフォレストがキーワードとして挙がっています。
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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)
