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Chain-of-Thought(思考の連鎖)と役割指定の違い(生成AIパスポート)

Chain-of-Thought(思考の連鎖)と役割設定は、どちらもプロンプト(生成AIへの指示文)の書き方です。2027年2月試験より適用の公式シラバスは、プロンプトエンジニアリングの学習項目に、この二つを並べています。

違いは、プロンプトで何を指定するかです。思考の連鎖は、答えに至るまでの中間の推論ステップを出させる方法です。役割設定は、生成AIにどういう立場や話し方で答えてほしいかを伝える方法です。

このページは、プロンプトの技法の名前と狙いが結びつかない人を対象にしています。指定する内容、出力に現れるもの、Zero-ShotやFew-Shotとの関係の三点で整理します。

この記事の根拠と出典

各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。生成AIパスポートの一次情報確認日: 2026-08-31。

結論

Chain-of-Thought(思考の連鎖)

答えに至るまでの一連の中間的な推論ステップを出させる方法。複雑な推論を要するタスクで、性能を改善するとされる。

役割設定

生成AIにどのような立場・目的・話し方で答えてほしいかを、プロンプトで伝える方法。公式シラバスでは、出力形式の指定と同じ学習項目に挙げられている。

違いを表で確認

比較軸Chain-of-Thought(思考の連鎖)役割設定
プロンプトで指定するもの答えに至る推論の道筋を出させること答える側の立場、目的、コミュニケーションのスタイル
出力に現れるもの最終の答えの前の、中間の推論ステップ指定した立場や話し方に沿った回答
主な狙い複雑な推論が必要なタスクでの性能の改善回答の立場・目的・文体をそろえること
Zero-Shot/Few-Shotとの関係例を示す方法と、例を示さず「Let's think step by step」と付ける方法がある例の有無とは別の軸で、どちらにも組み合わせられる
シラバスの位置づけ「Chain-of-Thought(思考の連鎖)」として学習項目に挙がる「役割設定・出力形式の指定」として学習項目に挙がる

どこで迷っているかを切り分ける

01

技法の名前を、何を指定するものか結びつけられない人

思考の連鎖は、推論の途中経過を出させる技法です。役割設定は、答える立場や話し方を伝える技法です。指定する対象が違うので、まず何を書き足すのかで分けます。

02

思考の連鎖をFew-Shotの別名だと思っている人

Few-Shotは例を示す書き方の名前、思考の連鎖は推論ステップを出させる技法の名前です。Wei et al.(2022)は、思考の連鎖の例を少数示す方法を提案し、Kojima et al.(2022)は例なしで「Let's think step by step」と付ける方法を示しました。

03

役割を指定すれば、答えが正確になると思っている人

役割設定が決めるのは、立場や話し方、目的です。出力の事実が正しいかどうかは別の話で、人が確認します。

具体例で使い分ける

例 1

手がかりから、技法を選ぶ

説明のために作った例です。問題文に、プロンプトに『答えを出す前に、考え方を段階的に示してください』と加えると、算数の文章題の正答が増えた、とあります。

  • 答えを出す前に推論の途中経過を出させる、という手がかりは思考の連鎖のものです。
  • 立場や話し方を指定しているわけではないので、役割設定ではありません。

結論: 答えは思考の連鎖です。「推論の途中経過」「段階的に」が出たら思考の連鎖を第一候補にします。

例 2

指定内容から、技法を選ぶ

説明のために作った例です。問題文に、プロンプトの冒頭で『あなたは丁寧な言葉で答えるカスタマーサポート担当です』と伝える、とあります。

  • 答える側の立場と話し方を伝えているので、役割設定にあたります。
  • OpenAIの文書が開発者メッセージの節として挙げるIdentityは、アシスタントの目的やコミュニケーションのスタイルを記述するもので、同じ方向の考え方です。

結論: 答えは役割設定です。「あなたは〜です」と立場や話し方を指定する書き方を探します。

例 3

Zero-Shotとの関係を答える

説明のために作った例です。問題文に、例を一切示さず『ステップごとに考えて』とだけ付けて推論させる方法の名前を問う設問があります。

  • 例を示していないので、Zero-Shotの書き方です。
  • Kojima et al.(2022)は、「Let's think step by step」を付けるだけでZero-Shotの推論が改善することをZero-shot-CoTとして示しました。

結論: 思考の連鎖をZero-Shotで行う方法です。例の有無と、推論を出させるかどうかは、別の軸として整理します。

問題文から答えを選ぶ手順

  1. 1

    何を書き足しているかを見る

    推論の道筋を出させるなら思考の連鎖、立場や話し方を伝えるなら役割設定です。

  2. 2

    出力に何が現れるかを見る

    最終の答えの前に中間の推論ステップが現れるなら思考の連鎖、立場や文体がそろうなら役割設定です。

  3. 3

    例の有無は別の軸として見る

    例を示すならFew-Shot、示さないならZero-Shotです。思考の連鎖は、どちらの書き方でも行えます。

  4. 4

    事実の正しさと混ぜない

    どちらの技法でも、出力の内容が事実かどうかは保証されません。重要な内容は人が確認します。

試験での見分け方

  • 1推論の途中経過を出させるなら思考の連鎖。
  • 2答える立場や話し方を伝えるなら役割設定。
  • 3例の有無(Zero-Shot/Few-Shot)は、思考の連鎖や役割設定とは別の軸。
  • 4どの技法でも、出力の事実確認は人が行う。

誤答しやすい選択肢

思考の連鎖を、例を示す書き方の名前と書く

修正: 例を示す書き方の名前はFew-Shotです。思考の連鎖は、推論の中間ステップを出させる技法で、例を示す方法と示さない方法があります。

役割設定を、推論の精度を上げる技法と書く

修正: 役割設定が伝えるのは、立場、目的、話し方です。複雑な推論の性能改善を示したのは、思考の連鎖の論文です。

「Let's think step by step」を、役割設定と書く

修正: 答えの前に段階的な推論を出させる指示で、Kojima et al.(2022)がZero-shot-CoTと呼んだ思考の連鎖の一種です。

どちらかを使えば、出力が事実になると書く

修正: 技法は出力の書き方や推論の出し方を変えるもので、内容の正しさは別に人が確認します。

確認問題

Q1答えに至るまでの一連の中間的な推論ステップを出させる技法は。

答え: Chain-of-Thought(思考の連鎖)

Wei et al.(2022)が、複雑な推論の能力を改善する方法として示した技法です。

Q2生成AIにどういう立場や話し方で答えてほしいかを、プロンプトで伝える書き方は。

答え: 役割設定

公式シラバスでは、出力形式の指定と並ぶ学習項目です。

Q3例を示さず、「Let's think step by step」と付けて推論させる方法は、例の有無でいえばどちらか。

答え: Zero-Shot

Kojima et al.(2022)は、例なしでこの一言を付ける方法を示しました。

Q4思考の連鎖の例をプロンプトに少数示す方法は、例の有無でいえばどちらか。

答え: Few-Shot

Wei et al.(2022)は、思考の連鎖の実演例を少数示す方法を提案しました。

到達チェック

  • 思考の連鎖が推論の中間ステップを出させる技法だと言える
  • 役割設定が立場や話し方を伝える書き方だと言える
  • 「Let's think step by step」がどちらに近いか言える
  • 例の有無(Zero-Shot/Few-Shot)が別の軸だと言える
  • どちらの技法でも事実確認が必要だと言える

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よくある質問

QChain-of-Thoughtとは?

A

答えに至るまでの一連の中間的な推論ステップを出させる方法です。Wei et al.(2022)は、これが大規模言語モデルの複雑な推論能力を改善すると述べています。

Q思考の連鎖と役割設定は、何が違う?

A

思考の連鎖は推論の途中経過を出させる技法、役割設定は答える立場や話し方を伝える書き方です。指定する対象が違います。

Q「Let's think step by step」は何の技法?

A

Kojima et al.(2022)がZero-shot-CoTと呼んだ、例を示さずに思考の連鎖を引き出す方法です。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)