生成AIの基礎
動画生成AIとは(動画の拡散モデル・時間的な一貫性・本人の同意)
動画生成AIは、2027年2月試験から適用される生成AIパスポートの公式シラバスで、第2章の各モダリティの生成AIに学習項目として載る用語です。詳細キーワードには、ディープフェイク、拡散モデル、本人の同意が並びます。動画生成AIは、画像の拡散モデルを動画に広げたもので、悪用への備えとして本人の同意とセットで読みます。
このページは、公式シラバスと、Video Diffusion Models、Imagen Videoの2つの論文の範囲で、動画を作る仕組みと、シラバスで並ぶ語の関係を整理しています。
この記事の目次
公式情報の確認
試験日、料金、申込条件、試験方式など変動する情報は、公式情報を最終確認してください。 当サイトの一次情報確認日: 2026-08-31。
試験の出題範囲・実施要項は変動するため、受験前に公式情報を確認してください。
結論
- 動画生成AIは、テキストなどの条件から動画を作るAIで、シラバスは画像・音楽・音声と並べる
- 動画用の拡散モデルは、画像用の拡散モデルの構造を拡張したもの
- 動画では、コマの間で内容がつながる時間的な一貫性が課題になる
- ディープフェイクと本人の同意は、動画生成AIの項で対にして読む
動画生成AIとは
シラバスは、第2章の各モダリティの生成AIに、画像生成AI、音楽生成AI、音声生成AI、動画生成AIを並べています。モダリティは、文章・画像・音声・動画のようなデータの種類のことです。 動画生成AIは、そのうち動画を出力する生成AIです。動画は画像が時間方向に並んだものと考えると、画像で使う仕組みとのつながりが読みやすくなります(このサイトの整理です)。
一次資料: 生成AIパスポート公式シラバス(2027年2月試験より適用)
動画の拡散モデル
2022年4月に投稿されたVideo Diffusion Modelsの論文は、時間的に一貫した高精細な動画の生成を、生成モデル研究の重要な到達点と位置づけます。 提案したのは、標準的な画像の拡散モデルの構造を自然に拡張した、動画生成用の拡散モデルです。動画の生成は、画像の拡散モデルを土台にして、時間の方向を加えたもの、と押さえます。
論文によると、このモデルは画像と動画のデータを合わせて学習でき、ミニバッチ勾配の分散が減って最適化が速くなります。 長く高解像度の動画を作るために、空間と時間の両方向に動画を延ばす条件付きサンプリングの手法も導入されました。 拡散過程と逆拡散過程の考え方は拡散モデルとはにまとめています。
一次資料: Hoら「Video Diffusion Models」(arXiv:2204.03458)
段階的に高精細にする
2022年10月に投稿されたImagen Videoの論文は、動画の拡散モデルを段階的につなげたテキスト条件付きの動画生成システムを示します。 テキストのプロンプトから、基本の動画生成モデルと、空間方向・時間方向の超解像モデルを交互に重ねて、高精細な動画を作ります。最初から高精細に作るのではなく、粗い動画を作ってから、空間と時間の両方で細かくしていく流れです。
この論文では、高速で高品質なサンプリングのために、classifier-free guidanceを使った動画モデルへ漸進的蒸留を適用したことも述べられています。 多様な動画や、様々な芸術的スタイルの文字アニメーション、3次元の物体の理解など、制御性と世界知識があるとされています。
一次資料: Hoら「Imagen Video: High Definition Video Generation with Diffusion Models」(arXiv:2210.02303)
ディープフェイクと本人の同意
シラバスは、動画生成AIの詳細キーワードに、ディープフェイクと本人の同意を並べています。 シラバスはこの並びの理由を文章では説明していません。そこで、本物そっくりの動画が作れることの悪用の例がディープフェイク、人物を扱うときの条件が本人の同意、と対にして読みます。作れることと、使ってよいことは別、という整理です。
ディープフェイクの種類と対策はディープフェイクとはに、声の複製と同意の関係は音声生成AIとはに、生成物の来歴を示す仕組みはC2PAとはにまとめています。
一次資料: 生成AIパスポート公式シラバス
手掛かり語で見分ける
説明文のどの語に反応するかで、動画生成AIの項に出る5つの用語を切り分けます。
| 用語 | 手掛かり語 | 役割の要点 |
|---|---|---|
| 動画生成AI | 動画を作る、テキストから動画 | 動画を生成するAIの総称。シラバスは画像・音楽・音声と並べて扱う |
| 拡散モデル | 拡散過程、逆拡散過程、ノイズ | 動画生成でも土台になる生成の方式。動画用は画像用の構造を拡張したもの |
| 時間的な一貫性 | フレーム間、動きが自然、時間方向 | 動画で新たに必要になる条件。コマごとに内容がばらつかないこと |
| ディープフェイク | 本物そっくり、なりすまし | 生成した動画の悪用の代表例。シラバスは動画生成AIの項に並べる |
| 本人の同意 | 顔や声の持ち主、使うことへの同意 | 人物を扱う生成で、持ち主から得ておくもの |
シラバスのどこに出るか
2027年2月試験から適用される公式シラバスでは、第2章の2か所に関連する語が並んでいます。
| 場所 | 内容 |
|---|---|
| 第2章 各モダリティの生成AI/動画生成AI | 詳細キーワードに動画生成AI、ディープフェイク、拡散モデル、本人の同意が並ぶ |
| 第2章 生成AIを支える技術革新/拡散モデルの登場 | 詳細キーワードに拡散モデル、拡散過程、逆拡散過程、潜在拡散モデルが並ぶ |
仕組み(拡散モデル)と、使うときの注意(ディープフェイク、本人の同意)を一組で読みます。章立ての変更は2027年2月試験の新シラバスに整理しています。試験での出題を予想するものではありません。
よくある質問
動画生成AIは、画像生成AIと何が違いますか?
動画では、1枚ごとの出来に加えて、時間がたっても内容がつながっていることが必要です。Video Diffusion Modelsの論文は、時間的に一貫した高精細な動画の生成を、生成モデル研究の重要な到達点と位置づけています。
動画生成AIにも拡散モデルが使われますか?
論文では使われています。Video Diffusion Modelsは、標準的な画像の拡散モデルの構造を自然に拡張した動画用の拡散モデルを提案しました。シラバスも動画生成AIの詳細キーワードに拡散モデルを載せています。
高精細な動画はどうやって作るのですか?
Imagen Videoは、基本の動画生成モデルと、空間方向・時間方向の超解像モデルを交互に重ねる、動画の拡散モデルの段階的な構成です。テキストのプロンプトから、この流れで高精細な動画を作ります。
なぜ動画生成AIの項にディープフェイクと本人の同意が並ぶのですか?
シラバスの詳細キーワードに、動画生成AIとともにこの2語が載っているためです。シラバスはその理由を文章では説明していないので、このページでは、本物そっくりの動画を作れることの悪用と、人物を扱うときの条件を対にして押さえる読み方を示しています。
試験では動画生成AIの具体的な製品名が問われますか?
シラバスの詳細キーワードに製品名は載っていません。製品は入れ替わりが早いので、このページでは仕組みの用語を中心にしています。出題を予想するものではありません。
生成AIパスポートの学習に使う書籍(Amazon)
試験範囲を通して読むときの1冊です。読んだ章は、このサイトの章別問題で確かめられます。
