生成AIの基礎
音楽生成AIとは(テキストから曲を作る仕組み・MusicLM・Jukebox)
音楽生成AIは、2027年2月試験から適用される生成AIパスポートの公式シラバスで、第2章の各モダリティの生成AIに学習項目として載る用語です。音楽生成AIは、テキストなどの条件から、数分間まとまりのある曲を作るAIです。
このページは、公式シラバスと、MusicLM、Jukeboxの2つの論文の範囲で、曲を作る仕組みと、音声生成AIとの見分け方を整理しています。
この記事の目次
公式情報の確認
試験日、料金、申込条件、試験方式など変動する情報は、公式情報を最終確認してください。 当サイトの一次情報確認日: 2026-08-31。
試験の出題範囲・実施要項は変動するため、受験前に公式情報を確認してください。
結論
- 音楽生成AIは、シラバスの各モダリティの生成AIに並ぶ、曲を出力する生成AI
- MusicLMは、テキストの説明から24kHzで数分間一貫した音楽を作る
- Jukeboxは、歌声を含む曲を生の音声領域で作り、歌詞やジャンルで制御できる
- 話し言葉の合成は音声生成AI、曲の生成は音楽生成AIと分けて読む
音楽生成AIとは
シラバスは、第2章の各モダリティの生成AIに、画像生成AI、音楽生成AI、音声生成AI、動画生成AIを並べています。モダリティは、文章・画像・音声・動画のようなデータの種類のことです。 音楽生成AIは、そのうち音楽を出力する生成AIです。シラバスは、詳細キーワードとして音楽生成AIの語を載せています。音楽は、数分にわたる長い時間の流れで一貫させることが、仕組みの課題になります。
一次資料: 生成AIパスポート公式シラバス(2027年2月試験より適用)
MusicLM:テキストから曲
2023年1月に投稿されたMusicLMの論文は、「歪んだギターのリフを伴う落ち着いたバイオリンの旋律」のようなテキストの説明から、高忠実度の音楽を生成するモデルを示します。 条件付きの音楽生成を、階層的な系列から系列へ(sequence-to-sequence)のモデリング課題として扱い、24kHzで数分間一貫した音楽を生成します。テキストを条件にして、音の並びを順に作っていく仕組みです。
論文は、音質とテキストへの忠実さの両方で従来のシステムを上回ったと報告します。 テキストに加えて、口笛やハミングの旋律を条件にして、テキストが示すスタイルに変換できることも示されました。 研究を支えるために、専門家による詳細な説明が付いた音楽とテキストの組5.5千件のデータセットMusicCapsも公開されています。
一次資料: Agostinelliら「MusicLM: Generating Music From Text」(arXiv:2301.11325)
Jukebox:歌声を含む曲
2020年4月に投稿されたJukeboxの論文は、歌声を含む音楽を、生の音声領域で生成するモデルを示します。 生の音声は文脈が非常に長くなるため、マルチスケールのVQ-VAEで離散コードに圧縮し、そのコードを自己回帰のTransformerでモデル化します。長い音を一度に扱わず、圧縮してから順に予測する、という二段構えです。
数分間にわたって一貫した、高忠実度で多様な曲を生成できます。アーティストとジャンルを条件に音楽と声のスタイルを、時間対応のない歌詞を条件に歌唱を、それぞれ制御できます。 自己回帰の考え方はトークンとはに、Transformerの構造はTransformerとはにまとめています。
一次資料: Dhariwalら「Jukebox: A Generative Model for Music」(arXiv:2005.00341)
音声生成AIとの見分け方
音楽生成AI、音声生成AI、動画生成AIは、シラバスで別の学習項目として並びます。説明文のどの語に反応するかで切り分けます。
| 用語 | 手掛かり語(このサイトの整理) | 役割の要点 |
|---|---|---|
| 音楽生成AI | 曲を作る、旋律、ジャンル | 音楽を生成するAIの総称。シラバスは画像・音声・動画と並べて扱う |
| 音声生成AI | テキストを声にする、話者 | 人の声(話し言葉)を合成する。ニューラルTTSやVoice Cloningが詳細キーワード |
| 動画生成AI | 動画を作る、フレーム | 動画を生成する。拡散モデルやディープフェイクが詳細キーワード |
シラバスのどこに出るか
2027年2月試験から適用される公式シラバスでは、第2章の各モダリティの生成AIに、次の語が並んでいます。
| 場所 | 内容 |
|---|---|
| 第2章 各モダリティの生成AI | 学習項目に画像生成AI・音楽生成AI・音声生成AI・動画生成AIが並ぶ |
| 同(詳細キーワード) | 音楽生成AI、音声生成AI、ニューラルTTS、Voice Cloning、動画生成AI、ディープフェイク、拡散モデル、本人の同意など |
4つのモダリティを、出力するデータの種類で整理しておきます。章立ての変更は2027年2月試験の新シラバスに整理しています。試験での出題を予想するものではありません。
よくある質問
音楽生成AIは何を入力にして曲を作りますか?
MusicLMの論文では、テキストの説明が入力です。「歪んだギターのリフを伴う落ち着いたバイオリンの旋律」のような文から、24kHzで数分間一貫した音楽を生成します。口笛やハミングの旋律をテキストと組み合わせて入力する例も示されています。
歌声を含む曲も生成できますか?
Jukeboxの論文は、歌声を含む音楽を生の音声領域で生成するモデルを示しています。アーティストとジャンルを条件にして音楽と声のスタイルを、歌詞を条件にして歌唱を制御できます。
音楽生成AIと音声生成AIの違いは何ですか?
シラバスは別の学習項目として並べています。音声生成AIの詳細キーワードにはニューラルTTSとVoice Cloningがあり、話し言葉の合成が中心です。音楽生成AIは、曲として一貫した音を数分間作ることが論文の焦点です。ただしWaveNetのように、音楽を学習して新しい音楽の断片を生成できた音声のモデルもあります。
音楽生成AIの学習用データは公開されていますか?
MusicLMの論文は、音楽とテキストの組5.5千件で、専門家による詳細な説明が付いたデータセットMusicCapsを、研究支援のために公開したと述べています。
試験では音楽生成AIの具体的なサービス名が問われますか?
シラバスの詳細キーワードにサービス名は載っていません。このページでは、仕組みが分かる2つの論文を挙げています。出題を予想するものではありません。
生成AIパスポートの学習に使う書籍(Amazon)
試験範囲を通して読むときの1冊です。読んだ章は、このサイトの章別問題で確かめられます。
