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生成AIの技術の基礎

GAN・VAEとは(生成器と識別器・エンコーダとデコーダ)

GAN(敵対的生成ネットワーク)とVAE(変分オートエンコーダ)は、2027年2月試験から適用される生成AIパスポートの公式シラバスで、第1章の中項目「ニューラルネットワーク」に学習項目として並ぶ生成モデルです。GANは「生成器と識別器の競争」、VAEは「エンコーダとデコーダを通した潜在ベクトルからの復元」と覚えると、設問の手掛かり語で切り分けられます。

このページは、公式シラバス、2本の原論文、Googleの機械学習用語集の範囲で、2つの仕組み、識別系AIと生成系AIの違い、手掛かり語による見分け方、出る章を整理しています。

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結論

  1. GANは、データを作る生成器と、本物か偽物かを見分ける識別器を同時に学習させる枠組み
  2. 生成器は、識別器が間違える確率を高めるよう学習する。ここが「敵対的」の意味
  3. VAEは、エンコーダで元データを連続値の潜在変数(潜在ベクトル)にし、デコーダで元データの分布を復元する
  4. 設問では「生成器と識別器」ならGAN、「エンコーダ・デコーダ・潜在ベクトル」ならVAEと読む
  5. 識別系AIはラベルを予測し、生成系AIは新しい例を作る。GANの生成器は生成モデルの例

識別系AIと生成系AI

Googleの機械学習用語集は、識別モデルを、特徴量からラベルを予測するモデルと説明しています。迷惑メールかどうかを特徴量から予測するモデルが例で、分類モデルや回帰モデルを含む教師あり学習のモデルの大多数が識別モデルです。

生成モデルは、同じ用語集によると、学習データから新しい例を作るモデル、または新しい例が学習データと同じ仕組みで作られたものである確率を求めるモデルです。詩のデータセットで学習して詩を作る例が挙げられ、GANの生成器も生成モデルに含まれます。「ラベルを当てるのが識別系、新しい例を作るのが生成系」が、この2つの切り分けです。

2つの違いを、出力の種類や確認問題まで掘り下げた比較は識別系AIと生成系AIの違いにあります。

一次資料: Google「Machine Learning Glossary」

GAN(敵対的生成ネットワーク)

GANは、Goodfellowらが2014年6月にarXivへ投稿した論文で提案されました。原論文は、敵対的な過程によって生成モデルを推定する新しい枠組みとして、2つのモデルを同時に学習させると述べています。

  • 生成器G: 訓練データの分布を捉える生成モデル
  • 識別器D: ある標本が、生成器ではなく訓練データに由来する確率を推定する識別モデル

生成器の学習は、識別器が間違える確率を最大にする方向に進みます。原論文はこの枠組みを、2人のプレイヤーによるミニマックスゲームに当たると説明しています。生成器は「見破られないものを作る側」、識別器は「本物と偽物を見分ける側」と役割を分けて覚えます。

一次資料: Goodfellow et al.「Generative Adversarial Networks」(arXiv 1406.2661)

VAE(変分オートエンコーダ)

VAEは、KingmaとWellingが「Auto-Encoding Variational Bayes」で提案した手法です。原論文は、連続する潜在変数をもつ確率モデルで、効率よく推論と学習を行う方法を示しています。観測データから潜在変数の近似的な事後分布を推論する認識モデル(エンコーダ)と、潜在変数から観測データの分布を表す生成モデル(デコーダ)の2つが組になります。

論文の貢献の1つは、変分下限を再パラメータ化することで、ふつうの確率的勾配法で最適化できる形にした点です。試験で押さえるのは、エンコーダが元データを連続値の潜在ベクトルにし、デコーダがそこから元データを復元する、という流れです。潜在ベクトルは、元データを圧縮したような内部表現と読むと設問の文意を取りやすくなります。

一次資料: Kingma and Welling「Auto-Encoding Variational Bayes」(arXiv 1312.6114)

手掛かり語で見分ける

設問は、仕組みの説明文から生成モデルを当てる形になりがちです。説明文の中のどの語に反応するかで、GAN、VAE、拡散モデルを切り分けます。

モデル手掛かり語仕組みの要点
GAN生成器、識別器、敵対的生成器が作った標本を識別器が見破ろうとし、生成器は識別器が誤る確率を高めるよう学習する
VAEエンコーダ、デコーダ、潜在ベクトルエンコーダが元データから連続値の潜在変数を推論し、デコーダがその潜在変数から元データの分布を復元する
拡散モデル拡散過程、逆拡散過程、ノイズデータをノイズで少しずつ壊す過程の逆向きを学習し、ノイズから元の構造を取り戻す

「識別器」はGANだけ、「潜在ベクトル」はVAEだけ、「逆拡散」は拡散モデルだけ、と固有の語を1つずつ覚えておくと迷いません。GANとVAEの違いだけを掘り下げた比較はGANとVAEの違いに、拡散モデルの仕組みは拡散モデルとはにまとめています。

シラバスのどこに出るか

2027年2月試験から適用される公式シラバスでは、第1章の同じ中項目の中に、次の3つの学習項目が並んでいます。

場所内容
第1章 中項目「ニューラルネットワーク」の学習項目「GAN」同じ中項目の詳細キーワードにGAN(敵対的生成ネットワーク)と生成器(Generator)が並ぶ。識別器はシラバスの語ではなく、原論文にもとづく解説上の呼び方
第1章 中項目「ニューラルネットワーク」の学習項目「VAE」同じ中項目の詳細キーワードにVAE(変分オートエンコーダ)、ノイズ、エンコーダ、デコーダ、潜在ベクトルが並ぶ
第1章 中項目「ニューラルネットワーク」の学習項目「識別系AIと生成系AIの違い」学習目標に、識別系AIと生成系AIの違いを理解することが挙げられている

第1章の基礎として、生成モデルの代表例の名前と役割を結びつけて読みます。章立ての変更は2027年2月試験の新シラバスに整理しています。試験での出題を予想するものではありません。

よくある質問

GANとは、一言でいうと何ですか?

生成器と識別器という2つのモデルを同時に学習させて、新しいデータを作る生成モデルを得る枠組みです。原論文は、生成器Gがデータの分布を捉え、識別器Dが標本が生成器ではなく訓練データに由来する確率を推定すると述べています。

GANの「敵対的」とは、何と何が敵対するのですか?

生成器と識別器です。原論文によると、生成器の学習は識別器が間違える確率を最大にすることで、枠組み全体は2人のプレイヤーによるミニマックスゲームに当たります。

VAEの潜在ベクトルとは何ですか?

エンコーダが元のデータの分布から推論する、連続値の内部表現です。デコーダはこの潜在変数を入力に、元のデータの分布を復元します。試験では「エンコーダ・デコーダ・潜在ベクトル」の3語が出たらVAEと読みます。

GANとVAEは、どちらも画像を作る技術だと覚えれば足りますか?

それだけでは選択肢を切り分けられません。仕組みの違いで覚えます。GANは生成器と識別器の2つのモデルの競争、VAEはエンコーダとデコーダによる潜在変数を介した復元です。

識別系AIと生成系AIは、何で見分けますか?

Googleの機械学習用語集は、識別モデルを特徴量からラベルを予測するモデル、生成モデルを学習データから新しい例を作る、または新しい例が学習データと同じ仕組みで作られた確率を求めるモデルと説明しています。GANの生成器は後者の例として挙げられています。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)