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第6章 データエンジニアリング基礎(データ加工)

DS検定の表計算ソフトによるデータ加工の基本

DS検定(リテラシーレベル)のデータ加工には、表計算ソフトでの基本的な加工が★1つ星で入っています。このページでは、8行の売上表を使って、フィルタ、ソート、支店別の集計、欠損値の補完、ランダム抽出で、結果がどう変わるかを数字で確かめます。欠損を0で埋めるか、空欄のまま計算するかだけで、平均は約1,033円にも775円にもなります。

このページは試験の学習用の整理です。表のデータはすべて説明用の架空の例です。

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結論

  1. フィルタは条件に合う行だけを表示し、ソートは行を並べ替える。どちらも元の値は変えない
  2. 集計は、支店のようなグループごとに件数・合計・平均を出す。空欄は件数に入るかを確認する
  3. 欠損を0で埋めると平均が下がる。この例では、平均が約1,033円から775円になる
  4. ランダム抽出は、選び方の偏りを避ける方法。8件から3件を選ぶ組み合わせは56通りある

例に使う8行の売上表

3つの支店の売上を記録した表です。3行目と7行目の金額が、記録されていません。

行支店金額(円)
1東京1,200
2大阪800
3東京(空欄)
4名古屋600
5大阪1,000
6東京1,400
7名古屋(空欄)
8大阪1,200

フィルタとソート

「支店が東京」でフィルタすると、1行目・3行目・6行目の3行が表示されます。金額の欄は、1,200円・空欄・1,400円です。フィルタは表示する行を絞るだけで、他の行のデータは消えません。

金額の大きい順にソートすると、値のある6件は1,400・1,200・1,200・1,000・800・600円の順に並びます。同じ1,200円の行(1行目と8行目)の前後関係や、空欄の行をどこに置くかは、ソフトの設定によって変わることがあります。ソートの前に、空欄の行がどこへ行くかを確かめます。

支店別の集計

支店ごとに、値のある行だけで件数・合計・平均を出すと、次のようになります。

支店件数合計平均
東京2件2,600円1,300円
大阪3件3,000円1,000円
名古屋1件600円600円

3つの合計を足すと2,600+3,000+600=6,200円で、全体の合計と一致します。東京は3行ありますが、金額のある行は2件です。東京の平均1,300円は、2,600÷2で出した値で、3行で割った場合(約867円)とは違います。平均を出すときの件数が、空欄を含むか含まないかを確認します。

欠損の補完で平均が変わる

空欄の2行を、どう扱うかで全体の平均は変わります。

扱い方合計件数平均
空欄のまま(空欄を除いて計算)6,200円6件約1,033円
空欄を0円で埋める6,200円8件775円
空欄を平均(約1,033円)で埋める約8,267円8件約1,033円

0円で埋めると、実際には記録されていないだけの2行が「売上0円」として平均に入り、平均は775円に下がります。平均で埋めると、平均は変わりませんが、同じ値の行が増えてばらつきは小さく見えます。補完の方法は、欠損が何を意味するかを確かめてから決めます。外れ値や欠損値の扱いは、データクレンジングのページでも計算例で確認できます。

ランダム抽出

8行から3行を無作為に選ぶ場合、選び方は8×7×6÷(3×2×1)=56通りあります。ランダム抽出では、どの組み合わせも同じ確率で選ばれるようにします。先頭の3行だけを選ぶ方法では、56通りのうち1通りに決め打ちしてしまい、後ろの行の傾向が反映されません。抽出の偏りを避けるために、行の並びではなく乱数で選びます。

演算とデータ変換

公式チェックリストの項目には、演算とデータ変換も入っています。演算は、既存の列から新しい列を作る処理です。たとえば、金額の列に1.1を掛けて、税率10%を含めた金額の列を作ると、1,200円の行は1,320円、800円の行は880円になります。

データ変換は、値の形を、分析しやすい形に直す処理です。チェックリストには、数値データの日時データ化と、都道府県名からのジオコード変換(地名から緯度・経度を求める処理)が例に挙がっています。たとえば、日付が「20261027」という8桁の数字で入っていると、ソフトは大きさを比べられる数としか見ません。日付の形式に変換して初めて、月ごとの集計や、日付順の並べ替えができます。加工の前に、列が数・文字・日付のどの型で入っているかを確かめます。

よくある質問

DS検定で、表計算ソフトの操作はどこまで問われますか?

公式スキルチェックリスト(data_engineering.csv)の★1つ星は、表計算ソフトを用いて、フィルタ・ソート・欠損補完・ランダム抽出・集計・演算や、データ変換といった基本的なデータ加工処理ができることです。ソフトの操作手順そのものより、各処理で何が起き、結果がどう変わるかを説明できることが土台です。

欠損値は、0で埋めてよいですか?

金額のように「0円」が意味を持つ列では、0で埋めると平均が下がります。このページの例では、平均が約1,033円から775円になりました。欠損が「売上が無かった」のか「記録されていない」のかを確かめてから、補完の方法を決めます。

平均で欠損を埋めると、平均は変わりませんか?

平均そのものは変わりません。ただし、同じ値がそろうので、ばらつき(分散)は小さくなります。データクレンジングのページでは、欠損を平均値で埋めると分散が50から約35.7に縮む例を確認できます。

ランダム抽出は、なぜ「ランダム」にするのですか?

先頭の行から順に選ぶなど、選び方に偏りがあると、抽出した結果が全体を代表しなくなるためです。標本の取り方の考え方は、標本誤差やサンプリングバイアスのページで整理しています。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)