用語比較
YOLOとFaster R-CNNの違い(領域提案の有無で比較)
YOLOとFaster R-CNNは、どちらも画像の中の物体の位置と種類を見つける物体検出の代表的な手法で、G検定の大項目6「ディープラーニングの応用例」に出てきます。違いは、物体の候補となる領域を別に提案するかどうかです。
YOLOは画像全体から1回の評価で境界ボックスとクラス確率を直接予測し、Faster R-CNNは領域提案ネットワーク(RPN)で候補領域を出してから検出します。用語集では、Faster R-CNNは候補領域を抽出したのちに分類・位置調整を行う二段階方式の手法とされています。
原論文の抄録は、YOLOを物体検出を回帰問題として捉え直したもの、Faster R-CNNを領域提案の計算の重さを減らすためにRPNを導入したものと説明しています。
このページは、物体検出の手法名を「どれも同じ仕組み」と覚えている人や、設問の説明文から手法を選べない人を対象にしています。見るのは、領域提案の段階があるかどうかです。
この記事の目次
この記事の根拠と出典
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結論
YOLO
You Only Look Onceの略。1つのニューラルネットワークが画像全体から1回の評価で境界ボックスとクラス確率を直接予測する。検出パイプライン全体が単一のネットワークで、検出性能に対してエンド・ツー・エンドで最適化できる。
Faster R-CNN
領域提案ネットワーク(RPN)が物体の境界と物体らしさのスコアを予測して候補領域を出し、その提案をFast R-CNNが検出に使う。RPNと検出ネットワークは畳み込み特徴を共有して1つのネットワークに統合されている。
違いを表で確認
| 比較軸 | YOLO | Faster R-CNN |
|---|---|---|
| 検出の流れ | 画像全体から1回の評価で、境界ボックスとクラス確率を直接予測する | RPNで候補領域を提案し、その提案をFast R-CNNが検出に使う |
| 領域提案の段階 | 別の段階としては持たない | RPNとして持つ |
| 問題の捉え方 | 物体検出を、境界ボックスとクラス確率への回帰問題として捉え直す | 領域提案の計算をほぼ無料にし、検出ネットワークと畳み込み特徴を共有する |
| 原論文が強調する点 | リアルタイム処理(基本モデルで毎秒45フレーム)と、物体のない場所の誤検出の少なさ | 領域提案がボトルネックになった問題の解消(VGG-16で全工程を含めGPU上で5fps) |
| ネットワークの構成 | 検出パイプライン全体が単一のネットワーク | RPNと検出ネットワークが畳み込み特徴を共有し、1つのネットワークに統合されている |
| 試験での手掛かり | 「1回の評価」「回帰問題」「リアルタイム」 | 「領域提案ネットワーク」「候補領域」「二段階」 |
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どこで迷っているかを切り分ける
物体検出の手法名が混ざっている人
R-CNN系とYOLOは、どちらも物体検出の手法です。候補領域を先に出すか、画像全体から一度に予測するかで区別します。
速さと精度の優劣を覚えようとしている人
原論文の数字は、モデルや計算機、実験条件が違うため、そのまま比べられません。試験では数値の大小ではなく、方式の違いを説明文から読み取る問いが中心になります。
セマンティックセグメンテーションと混ざる人
物体検出は、物体の位置を境界ボックスで、種類をクラスで示します。画素ごとにクラスを割り当てる課題は、セマンティックセグメンテーションという別のタスクです。
具体例で使い分ける
例 1
候補領域を先に提案してから分類する
設問文に、領域提案ネットワークで物体らしい領域を抽出し、その領域について分類と位置の調整を行う、とある場面です。
- 検出の前に、候補領域を提案する段階があります。
- 領域提案ネットワークはFaster R-CNNの特徴です。
結論: 領域提案の段階があるので、Faster R-CNNです。
例 2
画像全体から1回で位置と種類を予測する
設問文に、画像全体を1回ネットワークに通すだけで境界ボックスとクラス確率を直接予測する、とある場面です。
- 候補領域を別に提案する段階はありません。
- 物体検出を回帰問題として扱うのがYOLOの考え方です。
結論: 1回の評価で直接予測しているので、YOLOです。
例 3
画素ごとにクラスを割り当てる
設問文に、画像の各画素がどのクラスに属するかを予測する、とある場面です。
- 境界ボックスで物体の位置を示す話ではありません。
- 画素単位でクラスを割り当てるのは、物体検出とは別のタスクです。
結論: YOLOにもFaster R-CNNにも当たらず、セマンティックセグメンテーションの話です。
問題文から答えを選ぶ手順
- 1
領域提案の段階があるかを見る
領域提案ネットワークや候補領域の語があればFaster R-CNN、1回の評価で直接予測する説明ならYOLOです。
- 2
出力が境界ボックスかどうかを確認する
物体検出は、位置を境界ボックスで、種類をクラスで示します。画素ごとのクラスを問う設問は、物体検出ではありません。
- 3
「二段階」の語を手がかりにする
候補領域を抽出してから分類と位置調整を行う方式が二段階方式で、Faster R-CNNが当たります。領域提案の段階を分けず、1回で予測する説明はYOLOです。
- 4
数値の大小で選ばない
フレーム数などの数字は、論文ごとに条件が違います。設問が方式の説明を求めているときは、数字よりも流れの違いで判断します。
試験での見分け方
- 1領域提案ネットワーク(RPN)で候補領域を出すならFaster R-CNN。
- 2画像全体から1回の評価で境界ボックスとクラス確率を直接予測するならYOLO。
- 3YOLOは物体検出を回帰問題として捉え直した手法。
- 4画素ごとにクラスを割り当てる課題は、セマンティックセグメンテーション。
- 5論文の速度の数字は、条件が違うため直接比べない。
誤答しやすい選択肢
Faster R-CNNを領域提案を持たない手法だと考える
修正: Faster R-CNNは、領域提案ネットワーク(RPN)で候補領域を出す手法です。原論文の抄録は、領域提案の計算がボトルネックになったと述べ、RPNでそれをほぼ無料にしたと説明しています。
YOLOも候補領域を出してから分類すると考える
修正: YOLOは、画像全体から1回の評価で境界ボックスとクラス確率を直接予測します。候補領域を提案する段階を前提にしません。
YOLOがすべての面でFaster R-CNNより優れると考える
修正: YOLOの原論文は、最先端の検出システムと比べて位置の誤りが多いことを認めています。速さと精度は、条件を揃えて比べる必要があります。
物体検出とセマンティックセグメンテーションを同じ課題とみなす
修正: 物体検出は境界ボックスで位置を示し、セマンティックセグメンテーションは画素ごとにクラスを割り当てます。
確認問題
Q1領域提案ネットワーク(RPN)で候補領域を出す物体検出手法は?
答え: Faster R-CNN
RPNと検出ネットワークが畳み込み特徴を共有する手法がFaster R-CNNです。
Q2画像全体から1回の評価で境界ボックスとクラス確率を直接予測する手法は?
答え: YOLO
検出パイプライン全体が単一のネットワークで、エンド・ツー・エンドで最適化できます。
Q3YOLOは物体検出をどのような問題として捉え直した?
答え: 境界ボックスとクラス確率への回帰問題
従来は分類器を検出に転用していたのに対し、回帰問題として扱う点がYOLOの特徴です。
Q4画像の各画素にクラスを割り当てる課題は?
答え: セマンティックセグメンテーション
境界ボックスで位置を示す物体検出とは別のタスクです。
到達チェック
- YOLOを1回の評価で直接予測する方式として説明できる
- Faster R-CNNのRPNの役割を説明できる
- 領域提案の有無で、二段階方式かどうかを説明できる
- 物体検出とセマンティックセグメンテーションを区別できる
- 論文の速度の数字を直接比べてはいけない理由を説明できる
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よくある質問
QYOLOとFaster R-CNNは何が違う?
YOLOは画像全体から1回の評価で境界ボックスとクラス確率を直接予測し、Faster R-CNNは領域提案ネットワークで候補領域を出してから検出します。
QYOLOは何の略?
You Only Look Once(一度だけ見る)の略です。画像全体を1回ネットワークに通して予測する考え方を表します。
QFaster R-CNNのRPNとは?
Region Proposal Network(領域提案ネットワーク)の略です。各位置で物体の境界と物体らしさのスコアを同時に予測する全畳み込みネットワークで、検出ネットワークと畳み込み特徴を共有します。
QYOLOとFaster R-CNNはどちらが速い?
原論文は、YOLOの基本モデルが毎秒45フレーム、Faster R-CNNがVGG-16で全工程を含めGPU上で5fpsと報告しています。ただし実験条件が違うため、数字だけで優劣は決められません。
Q物体検出とセマンティックセグメンテーションは何が違う?
物体検出は境界ボックスで物体の位置と種類を示し、セマンティックセグメンテーションは画素ごとにクラスを割り当てます。
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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)
